税金を滞納すると差押えに!税務署や自治体に相談する時の注意点

司法書士山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第8849号 / 東京都行政書士会所属 会員番号第14026号 【保有資格】司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

借金返済の知識
税金を滞納すると差押えに!税務署や自治体に相談する時の注意点

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 この記事を読んでわかること

  • 税金を滞納すると約1か月で差押えになる
  • 納税が難しい場合は税務署や各自治体に相談する
  • 納税は分割払いや延納などの解決策があるので早めの相談がおすすめ
  • 税金は債務整理では解決しない

納税は国民の義務であり、決められた期限内に納付する必要があります。しかし、経済的な事情からどうしても納付が難しい場合も少なくありません。

もし、税金の滞納が続くと財産や給料が差し押さえられてしまうので注意が必要です。差押えを避けるためにもできるだけ早めに税務署や自治体に相談しましょう。

この記事では、税金を滞納してから差押えになるまでの流れを解説します。税務署や自治体に相談するときのポイントも合わせて見ていきましょう。

1章 税金を滞納すると差し押さえられる!

税金を滞納すると、滞納処分として財産や給料が差し押さえられてしまいます。

消費者金融や銀行による借金と異なり、税金は裁判所を通さずに差押えが可能です。そのため、一般的な借金と比較して差押えまでのスピードが速いので注意しましょう。

差押えになると、預金口座や給料の一部が強制的に税金の納付に充てられます。滞納額が高額の場合は、車や家などを換金するケースもあるでしょう。差押えによって生活が困難になってしまうことが予想されるため、税金の納付が難しい場合は早めに対応する必要があります。

2章 滞納から差押えになるまでの流れ

滞納から差押えになるまでの期間は、納付期限を過ぎてから約1ヶ月です。税務署や自治体によっても異なりますが、裁判所を通さないため比較的スピーディーに差押えまで進んでしまいます。

では、滞納から差押えになるまでの流れを見ていきましょう。

2-1 【納付期限から20日程度】督促状が届く

納付期限を過ぎてから20日程度が経過すると、管轄の税務署や自治体から督促状が届きます。

ただし、20日以上過ぎなければ督促状が届かないわけではありません。「原則、納付期限から20日以内」と定められているため、実際はもう少し早く届く可能性もあるので注意しましょう。

もし、うっかりミスで税金の納付を忘れていた場合は、督促状が届いた時点で納付すれば問題はありません。払えずに意図的に納付していない場合は、早めに税務署や自治体に相談しましょう。

2-2 【督促状から11日】財産の差押えが可能になる

督促状の送付から11日が経過すると、税務署や自治体は財産の差押えが可能になります。ただし、今すぐに差押えが開始するのではなく、差押え前に財産調査や人物調査などが行われるため11日以降になるでしょう。

督促状には、再度新しく設定された納付期限が記載されているため、この期限も過ぎた場合はいつ差押えられてもおかしくない状況と覚えておく必要があります。

2-3 【督促状から11日以降】差押えが開始される

財産調査や人物調査が完了すると、差押えが開始されます。預金口座や給料の一部や不動産などが差押えの対象です。

ただし、以下の財産は法律で差押えが禁止されているためご安心ください。

  • 66万円以下の現金
  • 給与の一部(※詳細は下)
  • 国民年金・厚生年金・生活保護費・児童手当費など
  • 生活に必要な衣類や寝具・家具・家電・建具
  • 1ヶ月に必要な食料や燃料
  • 仕事に必要な器具・機械
  • 実印や印鑑
  • 仏具や位牌などの祭祀財産
  • 勲章や賞状など名誉を表彰するもの
  • 学習に必要な書類や器具
  • 義手や義足など身体の補足に必要なもの
  • 消防用の機械・器具・避難器具・備品
  • 未公表の発明、著作に関わるもの
  • 日記、商業帳簿など

※税金の給与差押え禁止の範囲
①所得税
②住民税
③年金や健康保険などの社会保険料
④10万円
⑤扶養家族1人につき4万5000円
⑥額面給料額から①~⑤を差し引いた金額×20%

一般的には、差押えが容易である現金や預金口座、給料から差し押さえられます。まれに、現金や預金口座、給料を差し押さえても不足している場合や、滞納している税金が高額である場合は不動産や車などの財産が差押えの対象になる可能性があります。

3章 差し押さえられた場合の対応方法

差し押さえられた場合、生活に必要なお金が強制的に納税に充てられるため、その後の生活が困難になるケースもあるでしょう。

もし、差し押さえられた場合や納付が難しい場合は、早めに管轄の税務署や自治体に相談する必要があります。期日までに支払いが難しい理由や納付の目処などを説明して、納税の意思があることを伝えましょう。

では、滞納している税金別に相談先を紹介します。

3-1 【国税】税務署に相談する

以下の税金を滞納している方は、税務署に相談しましょう。

所得税、法人税、相続税、贈与税、自動車重量税

税務署は、国税の徴収をする行政機関です。国税に該当する税金の納付が難しい場合は、税務署に相談しましょう。納税が難しい場合は、分割納付や延納など納付方法の変更を検討してもらえます。

また、状況によっては差押えの解除や一時的な停止を交渉できる可能性もあるでしょう。とはいえ、差押えになる前に相談するに越したことはありません。期限内であっても、納税が難しい場合は早めの相談をおすすめします。

3-2 【地方税】各自治体に相談する

以下の税金を滞納している方は、各自治体に相談しましょう。

住民税、事業税、固定資産税、地方消費税、自動車税など

地方税は、都道府県や市町村の住民に課税する税金です。生活に必要な教育や福祉、清掃事業など公共サービスを賄うために使われており、市役所や区役所などの各自治体が管理しています。

多くの場合は、差押え前に相談することで分割納付や延納などの提案をしてくれます。また、状況によっては納税の免除や生活保護の案内もあるため、早めに相談するのがよいでしょう。

3-3 資金調達をする

納税資金が不足した場合は、資金調達をして差し押さえられる前に納税しましょう。まずは、売掛金などの現金化しやすい資産があれば、早期に現金化をするのがおすすめです。

不動産など、換金がしにくい資産がある場合は、低利の不動産担保ローンなどで資金調達をするのもよいでしょう。個人の場合は、金額によっては家族に相談して低金利で借りる方法も検討してみてください。

納税資金が不足している場合でも、適切な対策によって滞納が解消できる可能性があるので、役所との相談と合わせて納税資金の確保に努めましょう。

4章 税務署や各自治体に相談するときのポイント

税務署や各自治体に相談する場合は、納税が困難な理由を具体的に説明し、納税する意思をしっかり伝えることが大切です。理由に応じて適切な支援策を受けられるため、税務署や各自治体に相談する前になぜ納税が難しいのか考えておきましょう。

ここからは、税務署や各自治体に相談するときのポイントを解説します。

4-1 払えない理由を明確にする

税務署や各自治体に相談するときは、納税ができない理由を明確に伝えましょう。理由が曖昧だと、担当者が状況を正確に理解できず、適切な支援を提案できない可能性があります。

例えば、収入の減少や失業、予期せぬ医療費の発生など、経済的に困難な事情を具体的に説明することで状況を理解してもらいやすくなります。相談するときは、より状況を分かってもらうためにも離職票や退職証明書など納税が困難である証明になるものを持って行くとスムーズです。

4-2 納税する意思があることを伝える

今すぐの納税が難しい場合でも、納税する意思があることをしっかりと伝えましょう。納税の義務を果たしたいという意思を示すことで、より柔軟な対応を検討してくれる可能性が高くなります。

例えば、分割納付や支払い猶予の相談をする場合でも、少額でも納税の意欲があれば協力的な姿勢を得やすいでしょう。払えないの一点張りで相談するのではなく、担当者との円滑なコミュニケーションを意識することが大切です。

4-3 分割払いにしてもらう

一括での納税が難しい場合は、分割払いを利用できないか相談しましょう。税金によっては分割払いに対応しているため、滞納前に相談すれば対応してもらえるケースがほとんどです。

例えば、住民税や固定資産税などは一括もしくは4期に分けて納付するのが一般的ですが、状況によっては12分割に対応してもらえる可能性もあります。

ただし、分割払いにすると延滞税がかかるので注意が必要です。

4-4 猶予制度を利用する

失業や入院、介護などで一時的に納税が難しい場合は、猶予制度を利用しましょう。猶予制度とは、やむを得ず納付が難しい原因や事情がある場合に、徴収の緩和措置と利用できる制度です。

猶予が認められたら差押えが猶予され、猶予期間中の税金の全額もしくは一部が免除されます。ただし、猶予制度を利用するには条件に満たしてなければいけません。

猶予制度を利用できるか、管轄の税務署や各自治体に相談しましょう。

5章 税金の支払いは債務整理で解決しない

消費者金融や銀行などの借金は、債務整理を利用することで借金を減額したり免除したりできます。しかし、税金は債務整理による免除や減額の対象にはなりません。

納税は国民の義務のため、法律上特別な扱いを受けています。よって、自己破産をしても未払いの税金は残るため別途納税が必要です。

税金問題を解決するためには、税務署や各自治体に相談して分割払いなどの支援策を検討しましょう。

5-1 別の借金がある場合は借金問題を解決しよう

もし、借金の返済が理由で税金を滞納している場合は、債務整理で借金問題を解決するのが有効です。借金問題を解決することで税金の納付に専念できるため、滞納している税金を払えるでしょう。

債務整理は、大きく分けて3種類の方法があります。それぞれ特徴が異なるため、借金の状況に合わせて向いている方法を確認しましょう。

債務整理の種類手続きの方法こんな人におすすめ
任意整理利息や手数料など元金以外の支払いをカットする手続き借金の返済が長期化して利息が膨らんでしまった人
借金を選んで返済したい人
個人再生借金そのものを大幅にカットして完済を目指す手続き借金の総額が大きい人
失いたくない財産がある人
自己破産借金自体を免除して支払い義務をなくす手続き完済の目処が立たず返済不能に陥った人
経済的に困難で支払いができない人

債務整理は、司法書士や弁護士など専門家と一緒に手続きを進めるのが一般的なため、費用が必要になります。そのため、自己資金に余力があるうちに手続きを始めましょう。

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6章 税金が払えない場合は早めの対応がおすすめ

税金が払えないまま滞納を続けると、やがて差押えになってしまいます。今後の生活のためにも、差し押さえられる前に税務署や自治体に相談しましょう。

税金は分割払いなどの相談も可能なため、自分の状況に合わせた解決策を提案してくれます。今の経済を立て直すためにも、納税が難しいと判断した時点で早めの行動が大切です。

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