この記事は約 11 分で読めます。
申し込みブラックとは、短期間で複数のローンやキャッシングに申し込みを行ったために審査に通らなくなる現象です。
審査通過率が下がった申し込みブラックの状態では、一定期間中にローンやキャッシングを申し込んでも、借入れはできなくなります。
ローンやキャッシングに申し込みをしたものの、審査に通らないという場合には申し込みブラックかもしれません。
また、そもそもの問題として短期間で複数のカードローン審査に申し込まなければならない状況は、家計が破綻していないか浪費をしていないかも気にかけておく必要があります。
この記事を審査に通らない状態から抜け出すための参考にしてください。
本記事では、申し込みブラックとは何か、申し込みブラックでローンが通らなくなる理由や対処法を解説します。
目次 ▼
1章 複数のカードローンに申し込むのは家計が黄色信号?
そもそもの問題として、短期間で複数社にローンやキャッシングの審査を行うことによる「申し込みブラック」が発生してしまうケースでは、下記について考えておく必要があります。
- 家計が破綻しているのではないか
- 浪費しているのではないか
- 借金を借金で返そうとしていないか
浪費や借金の返済などが原因で支出が収入以上になっている場合は、早急に家計を見直さないといずれ借金の返済が難しくなってしまうはずです。
そうならないように、短期間で複数のローンやキャッシングの審査を行う状況になった場合は、自分の家計を一度見直すことが大切です。
家計の見直しや借金を自力返済できるかの判断が難しい場合は、債務整理や借金問題に詳しい司法書士や弁護士に相談するのも良いでしょう。
2章 申し込みブラックとは
「申し込みブラック」とは、短期間で複数の金融会社にローンやキャシングを申し込むことで、審査に通りにくくなってしまう状態です。
1〜3か月の間に、目安として「3社以上」の借入れを申し込むと、「6か月間」は審査に通りにくくなってしまいますが、何社以上の申し込みで確実に審査通過率が下がるかは明確にされていません。
申し込みブラックについて、さらに詳しく次の3つに分けて説明していきます。
- 申し込みブラックの仕組み
- ブラック扱いになるタイミング
- 審査に通りにくくなる期間
2-1 申し込みブラックの仕組み
金融会社に借入れの申し込みを行ったとき、審査が行われる理由は、債務者が返済してくれず貸し倒れになるリスクを減らすためです。
審査では金融会社が加盟している次の3つの「個人信用情報機関」に照会をかけられます。
横スクロールできます
個人信用情報期間の種類 | 加盟している金融会社 | 取り扱う情報 |
---|---|---|
CIC(株式会社シー・アイ・シー) | クレジットカード会社・消費者金融・銀行カードローンの保証会社など | クレジットカードの利用歴など |
JICC(日本信用情報機関) | クレジットカード会社・消費者金融・銀行カードローンの保証会社など | 消費者金融など貸金業者との取引履歴など |
KSC(全国銀行個人信用情報センター) | 銀行・信用金庫など | 銀行や信用金庫など金融機関との取引履歴など |
信用情報機関の情報は3つの機関で共有されるため、複数の金融会社に申し込みを行うと、1社で断られたために次々と別の金融会社に申し込みをしている状態とみなされます。
それにより、信用力の低い人と判断され、どの金融会社の審査にも通らない「申し込みブラック」状態になってしまうのです。
2-2 ブラック扱いになるタイミング
申し込みブラックになるタイミングは、信用情報機関に「申し込みの情報が記録されるとき」と考えられます。
たとえばCIC(株式会社シー・アイ・シー)の場合、情報の登録・更新のタイミングについて、そのサイクルは月1回を原則としているようです。
ただ、加盟するクレジット会社で締め日が異なるためタイミングは異なるとしています。
貸金業法では、個人信用情報の登録・更新は、新規契約や内容変更があったときから最大で翌日までに行うこととしているため、消費者金融に対する申し込みは当日または翌日までに記録されると考えられます。
2-3 審査に通りにくくなる期間
申し込みブラックで審査に通りにくくなる期間は、6か月から1年間です。
金融会社が加盟している個人信用情報機関の種類によって期間は変わりますが、それぞれの申し込みの情報が残る期間は以下のとおりです。
個人信用情報期間の種類 | 申し込み情報が残る期間 |
---|---|
CIC(株式会社シー・アイ・シー) | 最長6か月間 |
JICC(日本信用情報機関) | 最長6か月間 |
KSC(全国銀行個人信用情報センター) | 最長1年間 |
3章 申し込みブラックでローンが通らなくなる理由と対処法
申し込みブラックになると、ローンやクレジットの申し込みを行っても、審査に通らなくなってしまいます。
なぜ申し込みブラックでローン審査に通らなくなってしまうのか、その「理由」と「対処法」について、次の2つに分けて詳しく説明していきます。
- 申込者に悪い印象を抱くことが理由
- 申し込みブラックの対処法
3-1 申込者に悪い印象を抱くことが理由
短期間で複数社に申し込みを行った場合、金融会社は次のような印象を抱くことになるでしょう。
- 多重債務者のリスクが高い
- 不正利用を企んでいる可能性がある
- 他社で審査に落ちているほど信用力が低い
それぞれ解説していきます。
多重債務者のリスクが高い
短期間で複数社に申し込みを行った場合、「多重債務者」ではないかと印象を抱かれることになります。
短い間に手あたり次第借入れの申し込みを行わなければならないほど、お金に困っていて借りることに必死であると判断されがちであり、返済能力がないと判断され審査に通らなくなると考えられます。
不正利用を企んでいる可能性がある
短期間で複数社に申し込みを行った場合、不正利用を企んでいるのではないかと懸念されます。
たとえば自己破産で借金を免除しようと考えている場合、返済がなくなるのであれば先にたくさん借りておこうと考えるケースなどです。
不正利用ではないかと懸念されれば、審査に通らなくなります。
他社で審査に落ちているほど信用力が低い
短期間で複数社に申し込みを行った場合、他社の審査に通らない信用力の低い人物と判断されがちです。
そもそも他社が審査に通さないほど返済能力の低さや返済不能となるリスクの高い人物に対し、お金を貸してあげたいとは考えにくくなるでしょう。
複数社の審査に落ちている状態では、さらにその傾向が強くなり、審査に通らなくなると考えられます。
3-2 申し込みブラックの対処法
これまで説明してきた申し込みブラックの性質からすれば、対処法は2つです。
- 一度に申し込む社数を3社までに抑える
- 一度審査に落ちたら次の申し込みまで6か月間は期間を空ける
複数社に申し込みを行って審査に断られた申し込みブラックでは、仮にお金を貸したとしても返してもらえない印象が強くなり、審査に通りにくくなると考えられます。
そのため申し込みブラックにならないためにも、申し込むのは3社までに抑えておくことが必要です。
また、審査落ちの情報は最長6か月掲載されるため、一度審査に落ちたら6か月間は期間を空けて次の申し込みを行うようにしましょう。
4章 申し込みブラックを回避する方法
本記事で解説してきたように、短時間で複数のカードローンに申し込むと、申し込みブラックと判断され審査に落ちやすくなってしまいます。
申し込みブラックを避けるためには、審査申し込みの前に下記を検討しておきましょう。
- 本当にカードローンの申し込みをすべきか確認する
- 自分の収入や返済能力に見合った借入か確認する
- カードローン商品を複数比較し、自分の借入目的に合うものを選ぶ
上記のように「本当にカードローンを申し込む必要があるのか」「自分に合うカードローンはどこの会社か」などを検討した上で、申し込みを行うことが大切です。
そもそもの問題として、申し込みブラックに陥るほど短期間で借入申し込みを行う場合、家計が破綻していないか、収入以上に浪費していないかなど考えなければなりません。
また、他の借金を返済する目的でカードローンの借入をしたい場合、すでに借金の自力返済が難しい状況といえるので、債務整理に詳しい司法書士や弁護士に相談し、借金問題の解決を図るのが良いでしょう。
5章 ブラックリスト・社内ブラックとの違い
申し込みブラック以外に、一般的な「ブラックリスト」や「社内ブラック」と呼ばれる状態も存在しますが、それぞれの違いは以下のとおりです。
横スクロールできます
情報の管理場所 | 金融事故としての扱い | 消えるまでの期間 | 他社との情報共有 | |
---|---|---|---|---|
申し込みブラック | 個人信用情報機関 | 扱われない | 6か月~1年間 | あり |
ブラックリスト | 個人信用情報機関 | 扱われる | 5~7年間 | あり |
社内ブラック | 金融会社 | 金融会社独自で扱われる | 消えない | なし |
滞納情報や債務整理などの金融事故があった場合には、個人信用情報機関に「事故情報」が登録される「ブラックリスト」状態となります。
しかし「申し込みブラック」は単なる「多重申込」があった状態のため、金融事故としては扱われません。
なお、金融会社独自の顧客リストなどに事故情報として保存されている状態を「社内ブラック」といいます。
社内ブラックは保存期間が決まっていないため、「半永久的」に残る可能性があります。
個人信用情報機関の情報は加盟している金融会社なら閲覧できるため、他社と情報が共有されるのに対し、社内ブラック情報は同グループ企業内で共有されることはあっても他社との共有はありません。
6章 申し込みブラックや多重債務を解決する方法
申し込みブラックになるほど手元のお金が不足する状態や、複数社から借入れをしてしまう「多重債務」は、いずれ借金返済ができなくなり窮地に追い込まれる可能性もあります。
申し込みブラックはその原因により、対処法が異なるため、解消されるまで待つことが大切です。
一方、多重債務の問題は、抱えたままにせず早急に解決させていくことが必要といえますが、その方法として挙げられるのが次の3つです。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
それぞれどのような手続か簡単に説明していきます。
6-1 任意整理
「任意整理」とは、債権者と直接交渉を行って、今後の返済負担を軽減してもらう手続で、裁判所を介さずに手続できます。
将来利息をカットした残りを3年の分割で返すことになります。
6-2 個人再生
「個人再生」とは、裁判所を介して借金を5分の1程度まで大幅減額してもらう手続で、再生計画を認めてもらうことにより減額された借金を原則3年で返済することになります。
住宅ローン返済中の持ち家があっても処分することなく、その他の借金を減額できる手続です。
6-3 自己破産
「自己破産」とは、借金を返すことができない状態の場合、裁判所を介して借金返済義務を免除してもらう手続です。
多額の借金があってもゼロになるため、新たなスタートが切りやすくなるといえるでしょう。
まとめ
申し込みブラックとは、1~3か月以内など短期間の間に複数の金融会社にローンやキャッシングを申し込むことで、審査に通らなくなることです。
審査通過率が下がった申し込みブラックの状態は、6か月から1年間は続くとされているため、他社に申し込んでも借入れはできません。
そもそも、複数社に借入れを申し込まなければならない状態は、今後の借金を増やす要因であり、多重債務による自転車操業でいずれは経済的に破綻します。
早期の借金問題解決が必要といえるため、申し込みブラックや多重債務で悩みを抱えたままにせず、まずはグリーン司法書士法人グループへご相談ください。
借金返済に関する記事を沢山公開していますので、合わせてご覧ください。
アクセス数が多いキーワード:債務整理 クレジットカード
借金返済の無料相談ならグリーンへ
お気軽にお問い合わせください!
よくあるご質問
- 申し込みブラックはいつ消えますか?
- 申し込みブラックで審査に通りにくくなる期間は、6か月から1年間です。
申し込みブラックが消える期間について詳しくはコチラ