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- カードローンとは
- キャッシングとは
- カードローンとキャッシングの違い・共通点
- カードローンとキャッシングの使い分け方
カードローンとキャッシングは、どちらも急な出費に備えて利用されることが多い借入手段ですが、その仕組みや条件には違いがあります。
「何となく似ている」と感じる方も多いかもしれませんが、金利や返済方法、審査基準など、重要な違いを理解しておくことは、適切なお金の使い方につながります。
この記事では、カードローンとキャッシングの特徴や違い、共通点、そして状況に応じた使い分けの考え方について、わかりやすく整理して解説します。
正しい金融知識のひとつとして、ぜひ参考にしてください。
目次 ▼
1章 カードローンとは
カードローンとは、銀行や消費者金融といった金融機関が個人向けに提供する融資サービスです。
ローン専用カードや銀行のキャッシュカードを使って、金融機関やコンビニのATMから現金の引き出し・返済が可能なほか、インターネット経由で口座への振込による借入れもできます。
入会金や年会費がかからない点も特徴であり、審査によって決められた利用限度額の範囲内であれば、必要なときに自由に借入れが可能です。
借金の使い道も制限されておらず、生活費や旅行費用、冠婚葬祭など、様々な用途に対応できる柔軟さが魅力といえるでしょう。
2章 キャッシングとは
キャッシングとは、クレジットカードに付帯している「現金を借りられる機能」です。
現金が手元になくても、ATMなどから必要な金額を借り入れることができるため、急な出費にも対応しやすいといえるでしょう。
海外対応のカードであれば、現地で通貨を引き出すといった使い方も可能です。
クレジットカードには主に以下の2つの機能があります。
- ショッピング機能:商品やサービスの代金を支払う
- キャッシング機能:現金を借りる
キャッシング機能は、あらかじめ設定された「キャッシング枠」の範囲内であれば、繰り返し利用できます。
ただし、クレジットカードの「総利用枠」がショッピング枠によって使い切られている場合には、キャッシング枠が残っていても借入れができないことがあります。
クレジットカードのキャッシング機能を利用する場合には、ショッピング枠含む利用状況を確認しておきましょう。
3章 カードローンとキャッシングの5つの違い
カードローンとキャッシングは、どちらも利用限度額の範囲で自由にお金を借入れできる点は共通していますが、次のような違いがあります。
カードローン | キャッシング | |
---|---|---|
金利(年率) | 2~18% | 15~18% |
利用限度額 | 10〜500万円程度 | 10〜100万円程度 |
返済方法 | 口座引き落とし・ATM・インターネットバンキング | 口座引き落とし |
返済方式 | リボルビング払い | 1回~分割払い・リボルビング払い |
審査基準の難易度 | 通りやすい | 若干通りにくい(キャッシング枠が付帯されない場合あり) |
カード発行までのスピード | 最短即日~3日程度 | 1~2週間程度 |
それぞれの違いについて、詳しく説明していきます。
3-1 金利の違い
カードローンとキャッシングの違いのひとつに「金利」が挙げられ、カードローンのほうが低めに設定されていることが一般的です。
カードローンとキャッシングの金利の目安は、それぞれ下記の通りです。
- カードローン:年率2~18%
- キャッシング:年率15~18%
なお、カードローンの金利は提供元によっても差があり、「銀行系カードローン」は「消費者金融系カードローン」よりも金利が低めに設定されていることが多くあります。
消費者金融のカードローンでは、利息制限法に基づいて利用金額に応じて金利が変動する仕組みが採用されているケースも多く見られます。
利息制限法とは
利息制限法とは、以下のとおり利息の上限を定めた法律です。
- 借入金額10万円未満の場合:金利上限年20.0%
- 借入金額10~100万円未満:金利上限年18.0%
- 借入金額100万円以上:金利上限年15.0%
違反した貸金業者は行政処分の対象となり、上限を超えた利息は無効とされ、過去に払いすぎていた利息があれば貸金業者に返還請求できます。
3-2 利用限度額の違い
カードローンとキャッシングの違いのひとつに、利用限度額があります。
一般的に、カードローンのほうが高めに設定されている傾向があり、10万円〜500万円程度が目安です。
一方、キャッシングでは10万円〜100万円程度に留まるケースが多く見られます。
そのため、まとまった資金を必要とする場合や、限度額に余裕を持っておきたい場合は、キャッシングよりカードローンを選ぶほうが適しているといえるでしょう。
3-3 返済方法の違い
カードローンとキャッシングは、返済方法の選択肢にも違いがあります。
キャッシングでは、毎月決まった日に口座から自動的に引き落とされる「口座振替」が基本となっています。
一方で、カードローンはより柔軟で、口座引き落としに加えて、銀行やコンビニATMからの入金、インターネットバンキングによる振込など、複数の返済手段が用意されています。
返済方法に自由度を求める方にとっては、カードローンのほうが利便性が高いといえるでしょう。
3-4 返済方式の違い
「返済方式」もカードローンとキャッシングの違いのひとつです。
カードローンは、基本的に「リボルビング払い(定額返済)」が採用されています。
一方、キャッシングでは「一括返済」や「分割払い」、「リボ払い」など、複数の方式から選べるのが特徴です。
なお、リボ払いは毎月の負担が一定になる反面、元金がなかなか減らず、返済総額が大きくなることもあるため、仕組みを正しく理解した上で利用しましょう。
借りた分を早めに返済したい場合は、キャッシングの一括返済を選ぶ方が向いているケースもあります。
3-5 審査基準の難易度の違い
カードローンとキャッシングでは、審査の厳しさに違いがあります。
一般的にはカードローンのほうが審査に通りやすい傾向があるとされています。
クレジットカードは本来、ショッピング利用を目的としたものであり、次のように種類が分かれます。
- 最初からキャッシング枠が付帯されているもの
- 後からキャッシング枠を追加できるもの
- キャッシング枠自体が付帯されないもの(学生向けカードなど)
キャッシング枠付きで申し込んでも、審査の結果、ショッピング枠のみで発行されるケースもあります。
そのため、確実に借入れをしたい場合は、最初から融資を目的とするカードローンのほうが適しており、審査に通る可能性も高いと考えられます。
3-6 カード発行までのスピードの違い
カード発行までにかかるスピードにも違いがあり、一般的には、カードローンのほうが早く手続きが完了する傾向があります。
特に、消費者金融系のカードローンでは、無人契約機を利用することで最短「即日」でのカード発行が可能であり、申し込みから借入れまでスピーディーに対応できるのが特徴です。
一方、クレジットカードの場合は、審査から発行までに1営業日以上かかるのが一般的です。
仮に「即日発行」とされていても、その場でカード番号が発行されるだけで、実物のカードは後日郵送となり、到着まで1〜2週間ほどかかる場合があります。
4章 カードローンとキャッシングの共通点
カードローンとキャッシングは様々な違いがある一方で、次の4つの「共通点」があります。
- 繰り返し何度でも利用できる
- 提携ATMから借入れできる
- 無担保・無保証人で借入れできる
- 使い道は自由である
それぞれの共通点について説明します。
4-1 繰り返し何度でも利用できる
カードローンとキャッシングは、いずれも「繰り返し利用できる」という共通点があります。
一度契約をすれば、限度額の範囲内であれば何度でも借入れが可能で、毎回手続きや契約を行う必要はありません。
このように利便性が高い反面、繰り返し利用してしまい、借入残高がなかなか減らず、完済までの期間が長引いてしまうリスクもあります。
返済計画をしっかり立てた上で、計画的に利用することが大切です。
4-2 提携ATMから借入れできる
どちらのサービスも、銀行やコンビニなどの提携ATMから借入れができる点も共通点です。
急な出費が必要な場面でも、手軽に現金を引き出せます。
なお、カードを発行した金融機関のATMであれば手数料が無料となるケースが多いですが、提携ATMを利用した場合には別途手数料がかかることがあるため、利用前に確認しておきましょう。
4-3 無担保・無保証人で借入れできる
どちらのサービスも、担保や保証人を必要とせずに利用できる点が特徴です。
資産を担保に差し入れる必要がなく、誰かに保証人になってもらう手間や精神的な負担もありません。
こうした気軽さから利用しやすい一方で、繰り返し借り入れてしまうと、気づかないうちに借入額が膨らんでしまう可能性もあります。
安易に利用せず、返済計画を立てたうえで必要な場面だけにとどめるよう心がけましょう。
4-4 使い道は自由である
カードローンとキャッシングはいずれも、使い道に制限がなく、自由に利用できます。
住宅ローンやマイカーローンなどと異なり、借入れの目的が問われることは基本的にありません。
ただし、カードローンやキャッシングで借りたお金を事業資金として使用することはできないのでご注意ください。
カードローンやキャッシングは自由度が高く利便性も高い一方で、気軽に使いすぎてしまい、気付いたら借入額が膨らんでしまうリスクもあります。
5章 カードローンとキャッシングの使い分け方
カードローンとキャッシングの違いを理解した上で、ニーズに応じて次のように使い分けるとよいでしょう。
種類 | 利用がおすすめのケース |
---|---|
カードローン | 借入希望額が大きい金利を抑えたいすぐにお金が必要である |
キャッシング | 家族に借金があることを知られたくない借入希望額が少額使い過ぎを防ぎたい |
それぞれ解説していきます。
5-1 カードローンがおすすめな方の特徴
カードローンは、キャッシングよりも利用限度額が高めに設定されるため、まとまった資金が必要なときにも対応しやすいといえるでしょう。
加えて、金利はキャッシングより低いこと多く、消費者金融のカードローンであれば即日融資を受けられる場合もあります。
このことからも、借入希望額が大きい場合や、すぐにお金が必要な場合は、カードローンの利用を検討しましょう。
5-2 キャッシングがおすすめな方の特徴
キャッシングは専用カードを所有するわけではなく、家族に借金していることがバレにくい点がメリットです。
利用限度額がカードローンより低いため、少額であればわざわざカードローンを申し込まなくても、手持ちのクレジットカードのキャッシング枠を利用して資金を調達できます。
しかし、キャッシングは少額の資金ニーズであればカードローンを申し込まなくても対応でき、使い過ぎを防ぐことができます。
ただ、カードローンと比較して金利は高めであるため、長期利用を避けるなど、返済負担が重くならないように注意しなければなりません。
6章 【注意】借金返済のために借金をするのは絶対にやめましょう
カードローンとキャッシングのどちらを利用するにしろ、借金返済のために新たな借り入れをすることは絶対にやめましょう。
借金返済のために新たな借り入れをしている状態は、すでに自力返済が不可能となっている可能性があるからです。
借金返済のために借金を繰り返す状態が続くと、借入額が増えてしまい、どこからも借入できなくなってしまいます。
借金の自力返済が難しくなってきた場合には、司法書士や弁護士に相談してみましょう。
借金問題に精通した司法書士や弁護士であれば、借金の総額や資産、収入状況に合った債務整理も提案可能です。
まとめ
カードローンとキャッシングは、いずれも急な出費に対応できる便利なサービスですが、金利や限度額、返済方法などに違いがあります。
どちらを利用する場合でも、仕組みを正しく理解し、無理のない返済計画を立てることが大切です。
利便性の高さゆえに安易に使ってしまうと、思わぬ負担につながることもあるため注意しなければなりません。
利用する際には、本記事で紹介した特徴や違いを参考にしながら、状況や目的に応じた適切な選択を心がけましょう。
借金の自力返済が難しくなってきた場合や、借金返済のために新たな借り入れをしようとしている場合には、借金問題に詳しい司法書士や弁護士に相談することもご検討ください。
グリーン司法書士法人では、債務整理などの相談をお受けしています。
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正しい金融知識を身につけることが、安心して日々を過ごすための第一歩です。
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よくあるご質問
- カードローンとキャッシングの違いとは?
- カードローンとキャッシングは、どちらも利用限度額の範囲で自由にお金を借入れできることは共通していますが、下記の違いがあります。
・金利
・利用限度額
・返済方法
・返済方式
・審査基準の難易度
・カード発行までのスピード