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- 借金を踏み倒してもクレジットカードが作れるかどうか
- 借金問題を踏み倒した後にクレジットカードを作るときの注意点
- クレジットカードを作れないときの代替方法
借金の返済が一度遅れてしまうと、このまま踏み倒せないかと考えるかもしれません。しかし、借金を踏み倒して借金の支払いから逃れても、新規でクレジットカードを作れるようにはならないのです。借金を滞納して悩んでいるならば、踏み倒すよりも債務整理して問題解決することをおすすめします。
グリーン司法書士法人では、債務整理のご相談を承っております。相談料・着手料は無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。
目次 ▼
1章 借金を踏み倒し続けてもクレジットカードは作れるようにならない
借金を踏み倒してしまうと、どれだけ時間が経っても新たにクレジットカードを作るのは不可能です。
支払いが滞納すると、借金した会社からCICなどの個人信用情報機関へ「貸倒」という異動情報が届きます。自己破産などの返済事故、いわゆるブラック情報は5年経過すると削除されますが、「貸倒」は毎年異動情報が記録されるため完済するまで消えることはありません。
カード審査の際には必ず信用情報を確認されるので、「貸倒」情報がある限り審査は通らないというわけです。信用情報をごまかしたり、別人のふりをすることもできません。
2章 そもそも借金の踏み倒しはできる?
そもそも、借金を踏み倒すこと自体が困難です。その理由として、以下の3つが挙げられます。
- 借金の時効はなかなか成立しない
- 夜逃げしても督促から逃れられない
- 結婚や養子縁組で名字が変わっても同一人物とわかる
詳しく解説していきます。
2−1 借金の時効はなかなか成立しない
借金の時効が成立するためには、以下の条件を満たしていなければなりません。
- 返済期日の翌日から5年が経過している
- 時効を援用している
- 時効の更新が行われていない
時効の成立には、消滅時効の起算点がいつになるかが重要になります。金融機関から借り入れした場合は、返済期日から5年を経過したかどうかが目安です。
しかし、ただ5年経っただけでは時効が成立したとはいえません。時効成立にはその旨を書面で債権者へ主張する必要があり、これを時効の援用といいます。
時効の援用で提出する書面は、記載する年月日や文面が正しくなければかえって債権者が裁判を起こすきっかけを作ったり、時効を更新されることもあります。
また、返済期日から5年が経過する直前であっても、債務者が支払う意思を示す、債権者から催告書を送付されることで更新されます。これらの行動があった時点で時効は中断され、時効へのカウントがリセットされてしまうのです。
最近は滞納している債務者はデータベースで管理されているため、時効が近くなると督促が増えたり裁判を起こすなどしてすぐに時効を更新されてしまいます。実質、時効の成立を狙うのは難しいといえるでしょう。
2−2 夜逃げしても督促から逃れられない
金融機関へ提出した住所からこっそり引っ越して行方をくらます、つまり夜逃げをすれば借金を踏み倒せるのではと考える人もいるかもしれません。
しかし、夜逃げしても引越し先の住所は簡単にわかってしまいます。金融機関からの郵送物は転送不要郵便で届けられるため、住所が変われば新しい住所へ転送されることはありません。しかし、そのまま郵便物が金融機関へ戻って来ることから引っ越しの事実がまずばれます。
金融機関は債権回収を理由とすれば債務者の住民票を取得できるため、住民票を転居先の市区町村へ移していれば、記載された転居先からわかるというわけです。
2−2−2 住民票を移さずに夜逃げするデメリット
住民票からばれてしまうのならば、住民票を移さずに夜逃げすればいいのでしょうか。これは、返済から逃れられるメリット以上に生活上のデメリットが大きくなります。
住民票を原則14日以内に新住所先の市区町村へ移さなければ、住民票は削除されます。
住民票がなければ、各種書類の住所変更ができません。クレジットカードを作る際に必要な運転免許証、マイナンバーカードなど本人確認書類の住所変更ができず、本人確認ができないので結局クレジットカードは作れないのです。
さらに、住民票がなければ以下をはじめとする公的サービスを受けられなくなります。
- 健康保険、年金の加入
- 給付金の受取り
- 公的融資の申請
- 子の小学校、中学校入学
健康保険に加入できなければ、保険証が交付されないため医療費は全額自己負担になります。さらに公的融資を利用できないため、生活の立て直し自体が難しくなるでしょう。
2−3 結婚や養子縁組で名字が変わっても同一人物とわかる
もし結婚や養子縁組によって名字が変わったとしても、住民票を見ればすぐにわかるので債務者からはすぐに見抜かれてしまいます。
住民票を確認するまでもなく、生年月日や電話番号といった他の属性からもすぐにわかるため、名字が変わった程度で借金を踏み倒せると考えない方が賢明です。
ブラックリストに載ったら名字が変わってもすぐわかってしまう理由についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
3章 借金を踏み倒した人がクレジットカードを作れるようになる方法
借金を期日までに返済せずに踏み倒してしまったら、一生クレジットカードを作れなくなってしまうわけではありません。事故情報さえ消えれば、新しくクレジットカードを作ることが可能です。
踏み倒したことによって登録された事故情報を消すには、次のいずれかの方法をとる必要があります。
- 時効の援用を申し立てる
- 債務整理する
以下で詳しい内容を見ていきましょう。
3−1 時効の援用を申し立てる
時効は途中で中断・更新されてしまうことが多く、特に近年では時効の援用はなかなか成立しません。しかし、今まで支払いを忘れていたというほど昔の借金については、慎重に対応すれば時効の援用を申し立てられる可能性があります。
ただし、時効の援用を申し立てる時に必要な書類は知識や経験がない人が作成するのは困難です。なにかミスしている状態で時効を主張する旨を記載した書類を債権者へ送ると、それをきっかけにして裁判を起こされることもあります。時効の援用を希望する場合、まずは司法書士など専門家に相談することをおすすめします。
グリーン司法書士法人では、時効の援用に関しても経験が豊富なスタッフが多く在籍していますので、お気軽にお問い合わせください。
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時効援用の手続きが完了すると、その時点で信用情報が訂正されて事故情報が消えるため、クレジットカードを作れるようになります。
3−2 債務整理する
時効の援用が難しい場合には、借金を踏み倒したままにせず債務整理をして一刻も早く問題解決を目指しましょう。
債務整理には次の3つの方法があります。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
それぞれメリットとデメリットがありますので、自分の状況にあった方法を選びましょう。
任意整理、個人整理、自己破産について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
債務整理するとその内容が信用情報に残ります。しかし完済後5年(自己破産の場合は7年)待てば消えるので、その後はクレジットカードの作成が可能です。
ただし、消えるのはあくまで完済や解決してから5年以上なので、早くクレジットカードを作りたければ早く債務整理しなければなりません。
4章 借金を踏み倒した人がクレジットカードを作る時の注意点5つ
時効の援用や債務整理によって借金問題が解決した後で、改めてクレジットカードを申し込む際にはいくつか気をつけたいポイントがあります。
事故情報は消えていても、支払えるという信用がなければ審査に受からずレジットカードは作れません。以下で、具体的にクレジットカードを作る時の注意点を解説します。
1. 事故情報が消えるのを待つ
当然のことですが、事故情報が消えるまではクレジットカードの申し込みは控えましょう。カード会社によっては、利用者の属性や状況によっては5年より前でも審査が通る場合がありますが、完済してから5年まで待ってから申し込むのが無難です。
また、事故情報が消えたかどうか確認するには信用情報機関へ開示を申し込めば、郵送やネットですぐ確認できます。
2. なぜ審査に通らないのか理由をしつこく聞かない
事故情報が消えてから、せっかくクレジットカードを申し込んでも審査に落ちてしまうことは十分ありえます。しかし、落ちた理由をコールセンターへ連絡して聞くのは意味がないのでやめましょう。
そもそもコールセンターでは審査状況や落ちた理由を把握していません。あまりにしつこく問い詰めるとクレーマーとして認識され、社内ブラックに登録される恐れもあります。
審査には年収や勤続年数、持ち家か賃貸かなどの属性が重視されます。申込書にはできるだけ正確かつ丁寧に記載して空欄を作らないことが審査に受かりやすくするコツです。
3. 複数のクレジットカードに同時申込しない
クレジットカードの申し込み状況は、信用情報に登録されます。そのため、一度に複数のカードを申し込みしている状況は別々の会社への申し込みであってもすぐにわかってしまいます。
2〜3枚以上のクレジットカードをほぼ同時期に申し込んでいると、審査に落ち続けて焦っている、または早急にお金が必要な状況であるという印象を与えてしまい、審査に悪影響です。
クレジットカードの多重申し込みについて詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてください。
4. 事故情報の解消後に良い支払い履歴を作っておく
事故情報を解消してクレジットカードを作る前に、ショッピングなどで少額の分割支払いを利用してきちんと支払いしている履歴を作っておくのも効果的です。
事故情報が消えてしまった後、それ以外にこれまでの返済履歴などがまったくない状態をスーパーホワイトといいます。返済履歴がまったくない状況というのも、却って審査には不利になるのです。
5. 借金を踏み倒したカード会社へ申し込まない
踏み倒したのがクレジットカードの支払いならば、そのカード会社へ再びクレジットカードを申し込んでも審査に通ることはないと考えてよいでしょう。
債務整理などをして事故情報がいずれ消えても、社内には返済を滞納していた情報が独自に残されています。これを社内ブラックといい、一度登録されると消えない場合がほとんどです。
5章 クレジットカードが作れない時に審査なしで使えるカード・支払い
借金問題が解決すれば、いずれ事故情報が消えてクレジットカードが作れるようになるものの、5年以上もの間クレジットカードがないのは不便に感じることもあるでしょう。
クレジットカードは購入時に後払いできる点や、キャッシュレス決済に対応しているところが大きなメリットです。この章では、そのメリットを補える代替策を紹介します。
5−1 デビットカード・プリペイドカード
デビットカードやプリペイドカードは審査不要で発行できるため、事故情報が残っている期間でも申し込みが可能です。
- デビットカード…銀行口座と連動しており、利用するとその金額が即時銀行口座から引き落とされる
- プリペイドカード…あらかじめコンビニやATMで入金した分だけ利用できる
プリペイドカードは入金した額までしか利用できませんが、デビットカードは使い過ぎると銀行口座に残金がなくなってしまいます。残金ゼロで別の支払いの口座引き落としなどが行われると、滞納する危険性があるため、気をつけて利用しましょう。
5−2 家族カード
家族カードとは、クレジットカードの本会員の家族に発行されるカードです。クレジットカードを持っておきたいという人にはおすすめです。
ただし、例えば本カードの限度額が50万円の場合、家族カードで30万円使えば本カードで20万円しか使えません。
また、履歴は本カードの名義人宛に届きます。家族カードに関しても使いすぎには十分気をつけましょう。
5−3 キャッシュレスアプリ
キャッシュレスアプリとは、コード決済や電子マネー決済を利用して買い物のときキャッシュレスで支払いができるアプリです。
例えば、次のようなアプリがあります。
- Paypay
- 楽天ペイ
- d払い
- nanaco
- Ponta など
使用には事前のチャージが必要ですが、クレジットカードがなくてもコンビニやATMでチャージ可能です。
クレジットカードの代わりになる決済方法についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
参考記事:【必見】クレジットカードを持ってないとき代わりになる決済方法7つ
まとめ
借金を踏み倒した状態のまま、クレジットカードは作れません。解決されるまで信用情報機関に踏み倒した情報が登録され続けるため、審査が通らないためです。
借金問題でお悩みの方は、まずは債務整理で解決を目指しましょう。
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