この記事は約 9 分で読めます。
- 任意整理で口座が凍結されるケースとされないケース
- 口座が凍結されるとどうなるのか
- 口座が凍結される前にしておくべき対策
任意整理の対象に銀行のカードローンがある方は、一定期間銀行口座が凍結されてしまう可能性があるため注意が必要です。
口座凍結はずっと続くわけではなく、一般的には1~3か月ほどで解除されることが一般的です。
銀行は、なるべく早く、少しでも多く借金を回収しようとするため、預金口座に残っている残高を引き出されないよう、口座を凍結するのです。
そのため、口座凍結される可能性があるのであれば、事前に様々な対処をしなければなりません。
任意整理を検討している方や、任意整理の手続中という方は、自身の銀行口座が凍結されるのか、凍結されたらどうなるのかについて理解しておきましょう。
本記事では、任意整理をすると口座が凍結されるのかどうかや、対策すべきことについて解説します。
任意整理については、下記の記事で詳しく解説しているので、よろしければ併せてお読みください。
借金をなくせる任意整理とは?メリット・デメリットや向いている人1
目次 ▼
1章 任意整理で口座が凍結されるケースと凍結されないケース
ここでは、任意整理によって凍結されるケースとされないケースについて解説します。
任意整理をした場合にご自身の銀行口座が凍結されるかどうか確認しておきましょう。
1-1 凍結されるケース
任意整理手続きに関係する銀行口座は、凍結される可能性があります。
1-1-1 任意整理の対象としている銀行カードローンの銀行口座がある
最も凍結される可能性が高いのは、任意整理の対象としている銀行カードローンの口座があるケースです。例えば、三菱UFJ銀行のカードローンを任意整理の対象とした場合には、所有している三菱UFJ銀行の口座はほぼ確実に凍結されるでしょう。
複数の支店に口座がある場合、全ての口座が凍結されますので、全ての支店を専門家に伝えて事前対策をしましょう。
1-1-2 任意整理の対象としている消費者金融と同系列の銀行口座がある
消費者金融には同じグループ系列の銀行が存在することがあります。
銀行カードローンと、同グループ系列の消費者金融どちらにも借金があり、消費者金融の借金だけを任意整理する場合、銀行カードローンの銀行口座が凍結される可能性があります。
銀行カードローンは、系列の消費者金融を保証会社としていることが多いからです。
例えば、アコムは三菱UFJフィナンシャル・グループの系列会社であり、かつ保証会社でもあります。
そのため、三菱UFJ銀行のカードローンとアコムから借金をしていて、アコムだけを任意整理した場合でも、三菱UFJ銀行の口座の口座が凍結される可能性があります。
なお、銀行カードローンは利用しておらず、消費者金融のみの借金を任意整理するような場合は、銀行口座が凍結されることはありません。
1-2 凍結されないケース
任意整理手続きと無関係な銀行口座は凍結されません。
具体的に見ていきましょう。
1-2-1 借入をしていない銀行の口座がある
直接その銀行から借金をしていない場合は、口座を凍結されることはありません。
ただし、任意整理をしたという情報は、すべての金融機関で共有されます。
1-2-2 任意整理の対象にない銀行の口座がある
借入があっても、任意整理の対象でない銀行の口座は、原則として凍結されることはありません。
この場合も上記と同じように、任意整理をしたという情報は、すべての金融機関で共有されます。
2章 任意整理で口座が凍結されるとどうなる?
任意整理の手続きをしたことにより、口座が凍結された場合には、3か月程度はその状態が続きます。
その期間は、預金の引き出しや引き落とし、振り込みが一切できなくなるのでご注意ください。
詳しく見ていきましょう。
2-1 口座凍結は3か月間程度続く
口座の凍結期間は、銀行にもよりますが、一般的に3か月程度とされています。
債務者側から銀行に対し、任意整理開始を知らせる「受任通知」を送ったときから凍結が開始され、保証会社が債務者に代わって銀行に返済をし終えたときに解除されます。
2-2 預金は借金と相殺される
冒頭で述べたとおり、銀行が口座を凍結する目的は債権の回収です。
そのため、口座凍結されるとその時点での預金は強制的に借金の返済に充てられます。
借金額と預金額のうち、少ない方の金額分が相殺されます。
具体例とともに見ていきましょう。
例1:借金50万円・預金30万円の場合
借金>預金となるため、預金全額が相殺され、借金の残額20万円を分割などで支払います。
凍結解除後の口座残高は0円となります。
例2:借金額50万円・預金額70万円
借金<預金となるため、借金全額が相殺され、債務はなくなります。
凍結解除後の口座残高は20万円となります。
2-3 お金の引出しや引落とし・振込みができなくなる
口座が凍結されると、銀行口座からの引出し、引落としができないだけでなく、他の口座からの振込みもできなくなります。
銀行口座での手続きはすべてできないと思っておくのが良いでしょう。
2-4 口座が強制解約される可能性もある
銀行によっては「返済が不可能となった場合、銀行口座は強制的に解約する」と契約で取り決めているケースがあります。
そのため、銀行口座が凍結されたまま、強制的に解約となる可能性があります。
3章 口座が凍結される前にしておきたい対策
任意整理の手続きを開始したら、すぐに口座が凍結される可能性があります。
そのため、任意整理の手続きをする前に下記の対策を実施しておくと良いでしょう。
- 残高を全額引き出しておく
- 給与の振込口座を変更する/現金払いにする
- 公共料金等の引き落としは別口座に変更する
それぞれ詳しく解説していきます。
3-1 残高を全額引き出しておく
口座が凍結されると、口座の残高は借金の相殺金として没収されてしまいます。
そのため、凍結の対象となり得る銀行口座に入っている残高は、任意整理をする前に全額引き出しておきましょう。
借金返済に使っている口座だけでなく、任意整理の対象となる銀行の口座については、支店・口座の種類を問わず全て引き出さなければなりません。
漏れなく引き出すためにも、任意整理を司法書士や弁護士に依頼する際には、所有している銀行口座をすべて知らせておくことをおすすめします。
3-2 給与の振込口座を変更する/現金払いにする
口座が凍結されると、給与などの振り込みができなくなります。
誤って振り込みがされてしまった場合、銀行へ返金依頼をしなければならず、本人が窓口へ赴く必要があるため、非常に手間がかかります。
そのため、給与の振り込みは凍結されない別の銀行口座に変更するか、もしくは現金払い(手渡し)にしてもらうようにしましょう。
3-3 公共料金等の引き落としは別口座に変更する
口座が凍結されると、引き落としもできなくなります。
そのため、公共料金や携帯電話料金などを口座引落に設定している場合は、事前に凍結されない口座にするか、コンビニ払い等にするといった対応をしておきましょう。
4章 任意整理のことならグリーン司法書士法人にご相談を
任意整理をすると、特定の銀行口座が凍結される可能性があります。
任意整理の対象としている銀行カードローンの口座がある場合や、対象としている消費者金融と同系列の口座がある場合には、注意しなければなりません。
銀行口座が凍結されると預金の相殺や引出し不可など生活に影響が出るため、事前に残高を引き出したり、給与口座を変更したりなどの対策が必要です。
任意整理を司法書士や弁護士に相談すれば、口座凍結への対処法などのアドバイスも受けられます。
任意整理を検討してる段階や、借金の自力返済が難しくなった段階で、早めに司法書士や弁護士に相談することも検討しましょう。
グリーン司法書士法人では、任意整理についての相談をお受けしています。
初回相談は無料、かつオンラインでの相談も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。
お気軽にお問い合わせください!
借金返済のご相談はグリーンへ
よくあるご質問
- 任意整理の銀行口座凍結期間はどれくらい?
- 任意整理によって銀行口座が凍結される期間は3ヶ月程度です。
任意整理開始を知らせる「受任通知」を送ったときから凍結が開始され、保証会社が債務者に代わって銀行に返済をし終えたときに解除されます。
任意整理時の銀行口座の凍結期間について詳しくはコチラ
- 任意整理後に口座凍結されたらどうなるの?
- 任意整理中・後に銀行口座が凍結されると、預金の引き出しや引き落とし、振り込みが一切できなくなります。
さらに、銀行口座が強制解約になる可能性もゼロではありません。
任意整理後の銀行口座凍結について詳しくはコチラ
- アコムの借金は債務整理できますか?
- アコムなどの消費者金融の借金も債務整理の対象となります。
自力返済が難しい場合には、任意整理や個人再生、自己破産などの債務整理を検討しましょう。
▶債務整理について詳しくはコチラ
- アコムの借金を任意整理するデメリットは何ですか?
- アコムなど消費者金融の借金を任意整理するデメリットは、主に下記の通りです。
・信用情報機関にブラックリストが登録される
・借金の返済義務はなくならない
・借金を大きく減額することはできない
・収入がなければ手続きできない
・債権者の合意が必要となる
▶任意整理のデメリットについて詳しくはコチラ