お金がないと病院に行けない?医療費が払えない時の対処法を解説

司法書士市川有美

監修者:グリーン司法書士法人   市川有美
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第9784号 【保有資格】司法書士

借金返済の知識
お金がないと病院に行けない?医療費が払えない時の対処法を解説

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 この記事を読んでわかること
  • 病院で治療を受ける際に必要なお金
  • お金がない方でも受診・治療できる制度
  • 医療費を支払えない場合の対処法

体調が悪くても「お金がなくて病院に行けない」「診察代を払えないかもしれない」と不安に感じる方も多いでしょう。診察料や検査費、薬代に加え、場合によっては入院や通院の交通費などもかかり、負担が大きくなることがあります。

しかし、日本では公的な医療制度が整っており、適切に活用すればお金に困っている状態でも必要な治療を受けることが可能です。それでも支払いが難しい場合には、病院への相談や支払い猶予の制度、一時的に費用を立て替えてもらう方法などもあります。

本記事では、病院で治療を受ける際にかかる費用の内訳から、医療費を支払えない時に利用できる制度、支払いが難しい場合の対処法までを解説します。経済的な理由で受診をためらっている方は、安心して医療を受けるための具体的な方法を確認してください。

1章 病院で治療を受ける際に必要なお金

病院で治療を受ける際にかかる費用は、診察料だけではありません。検査費や薬代、入院時の食事代や差額ベッド代など、状況によっては高額になることもあります。医療費の自己負担は原則3割ですが、年齢や所得によって割合が異なります。

例えば、70歳以上75歳未満の人は所得に応じて2割または3割、75歳以上の後期高齢者は1割・2割・3割のいずれかとなっています。また、義務教育就学前の子ども(0〜6歳未満)は2割負担と定められています。

このように、同じ治療を受けても年齢や所得によって自己負担額に差が生じる仕組みです。まずは、病院で治療を受ける際に必要なお金について確認しましょう。

1-1 初診料や診療料

病院を初めて受診する場合には初診料、2回目以降の受診では再診料がかかります。これは医師が診察を行い、症状を確認・判断するための基本的な費用です。

2025年10月現在、初診料は2,910円(自己負担3割の場合は873円)、再診料は750円(自己負担3割の場合は225円)かかります。また、大病院を紹介状なしで受診する場合は選定療養費として、7,700円以上を支払う必要があります。診察内容や医療機関の規模によって差があるため、受診前に病院のホームページや窓口で確認しておくと安心です。

1-2 入院費用

生命保険文化センターが実施した「生活保障に関する調査(2022年度)」によると、入院1日あたりの自己負担費用は平均約20,700円です。この中には、公的医療保険が適用されない食事療養費や差額ベッド代などの費用も含まれています。

金額の分布をみると、「10,000円〜15,000円未満」が最も多く23.3%、次いで「20,000円〜30,000円未満」が16.0%でした。入院期間が長くなるほど費用は増加し、入院時の自己負担費用の総額は平均約19.8万円にのぼります。

10万円〜20万円未満の人が最も多いですが、治療内容や日数によっては数十万円に達するケースもあります。このように、入院は短期間であってもまとまった金額が必要になるため、医療費の支払いが家計に与える影響は小さくありません。

2章 お金がない方でも受診・治療できる制度

医療費の支払いが難しいからといって、治療を諦める必要はありません。日本には、経済的な事情で医療を受けられない人を支援するための以下のような制度があります。

  • 無料低額診療制度
  • 高額療養費制度
  • 高額医療費貸付制度
  • 健康保険限度額適用認定証
  • 一部負担金減免制度
  • 傷病手当金

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

2-1 無料低額診療制度

無料低額診療制度とは、生活に困窮している方が、経済的な理由で治療を受けられないことを防ぐための公的制度です。一定の条件を満たすことで、医療機関での診療費が無料、または低額に減免されます。

対象となるのは、低所得者や生活保護受給者、ホームレス、DV被害者、人身取引被害者、失業中の方など、さまざまな事情で医療費の支払いが難しい方です。医療の内容自体が制限されるわけではなく、通常の診察や治療と同じように受けられます。

申請の際には医療ソーシャルワーカーとの面談、収入証明書の提出が必要です。その後、「支援が必要」と判断された場合のみ、制度を適用できます。

2-2 高額療養費制度

高額療養費制度は、医療費の自己負担が一定額を超えた時に、その超過分をあとから払い戻してもらえる仕組みです。1ヵ月間に支払った医療費が、年齢や所得に応じて定められた上限額を超えた場合に適用されます。

例えば、一般的な収入の会社員であれば、1ヶ月の自己負担はおおむね8万円前後が目安です。高額療養費制度を利用すれば、高額な治療や入院が必要になった場合でも、一定の範囲内で負担を抑えられます。

一方で、差額ベッド代や入院時の食事代など、保険が適用されない費用は制度の対象外です。また、支給までには通常2ヶ月〜3ヶ月かかるため、一時的に医療費を立て替える必要があります。申請できるのは診療月の翌月初日から2年以内に限られ、期限を過ぎると払い戻しを受けられなくなる点にも注意が必要です。

なお、手続きは、加入している医療保険によって異なります。会社員であれば勤務先を通じて協会けんぽや健康保険組合に、自営業や無職の方は市区町村の国民健康保険窓口で申請を行います。必要書類や申請方法は保険者ごとに異なるため、早めに確認しておくと安心です。

2-3 高額医療費貸付制度

高額医療費貸付制度とは、高額療養費制度による払い戻しを受けるまでの間、一時的に医療費を無利子で借りられる制度です。高額療養費の支給までには通常2ヶ月〜3ヶ月かかるため、その間に医療費を立て替えるのが難しい人の負担を軽くする目的で設けられています。

貸付金額は、支給見込額の8割が上限です。後日、高額療養費が支給されると、その給付金から貸付分が自動的に差し引かれて清算される仕組みになっています。つまり、一時的に立て替えを行い、後からその分を補うつなぎ制度と考えると分かりやすいでしょう。

なお、高額医療費貸付制度は返済が必要です。高額療養費の支給額が貸付額を下回った場合や、不支給となった場合は、不足分を返済しなければなりません。また、申請から貸付金の交付までにも一定の期間がかかるため、医療費の支払いが難しいと感じた時点でできるだけ早めに申請を検討することが重要です。

2-4 健康保険限度額適用認定証

健康保険限度額適用認定証とは、高額療養費制度の適用を事前に受けるための証明書です。
この認定証を医療機関の窓口で提示すれば、その時点で医療費の自己負担額が上限までに抑えられ、高額な医療費をいったん全額支払う必要がなくなります。

例えば、入院や手術などでまとまった費用がかかる場合でも、事前にこの認定証を取得しておけば、実際の窓口負担を数万円程度に抑えることが可能です。高額療養費制度が、後から払い戻される仕組みであるのに対し、限度額適用認定証は最初から負担を減らす仕組みといえます。

そのため、入院や長期治療の予定がある場合は、事前に申請しておくことで家計の負担を軽減できます。申請方法は、加入している保険の種類によって異なるため、会社員であれば勤務先を通じて協会けんぽや健康保険組合、自営業や無職の方は市区町村の国民健康保険窓口に問い合わせておくと安心でしょう。

2-5 一部負担金減免制度

一部負担金減免制度は、国民健康保険に加入している人が災害や失業などによって大幅に収入が減り、医療費の自己負担を支払うことが難しくなった場合に、一定期間その負担を軽くしてもらえる制度です。医療機関の窓口で支払う自己負担分が対象で、所得状況に応じて減額または免除が認められます。

ただし、一部負担金減免制度は誰でも利用できるわけではありません。例えば、自然災害で自宅が損壊した、世帯主が失業や長期の療養で収入を失った、といった特別な事情がある世帯のみが対象です。減免が適用される期間は3ヶ月ほどで、継続して支援を受けたい場合は改めて申請手続きが必要になります。

なお、一部負担金減免制度の申請は市区町村役場の国民健康保険窓口で行います。減免の可否や割合は自治体の判断によって異なるため、まずは現在の収入状況を説明し、早めに相談することが重要です。

2-6 傷病手当金

傷病手当金は、会社員など健康保険に加入している方が、業務外の病気や怪我で働けなくなった場合に支給される生活補償の給付金です。勤務先から給与が支払われない時、休業前の給与(日額)のおよそ3分の2が支給され、最長で1年6ヶ月間受け取ることができます。

ただし、全てのケースで支給されるわけではありません。対象となるのは、仕事以外の原因による病気や怪我で、医師から就労不能と診断された場合です。さらに、連続して3日間の待機期間を経て4日目以降も仕事に就けない状態が続き、休業中に給与の支払いがないことが条件となります。

なお、傷病手当金の申請は加入している健康保険の保険者に対して行います。多くの場合、勤務先を通じて申請し、主治医の意見書(就労不能の証明)と、会社が作成する休業証明書などを添付して提出します。

手続きの流れや必要書類は健康保険組合によって異なるため、勤務先の人事・労務担当者に早めに確認しておくことが大切です。なお、この制度は健康保険に加入している被用者が対象のため、自営業者やフリーランスなど国民健康保険の加入者は利用できません。

3章 医療費を支払えない場合の対処法

医療費が支払えないからといって、受診を諦める必要はありません。制度を活用してもなお支払いが難しい場合でも、以下のような対処法があります。

3-1 病院に相談する

医療費の支払いが難しい時は、病院の会計窓口や医療相談室に早めに相談することが大切です。多くの医療機関では、支払いが困難な患者に対して、分割払いや支払い期限の延長など柔軟な対応を行っています。

実は、医療機関は未払いを理由に診療を拒否することはできません。お金がないからといって受診をためらう必要はなく、まずは病院に事情を伝えることが重要です。「今すぐ全額は払えないが、分割で支払いたい」と相談すれば、対応してもらえるケースも少なくありません。

また、医療ソーシャルワーカーが在籍している病院では、支払いに関する公的制度や生活支援制度の案内を受けられる場合もあります。経済的に厳しい状況を一人で抱え込まず、制度や支援を活用して治療を続けるための方法を一緒に探してもらいましょう。

3-2 クレジットカードを利用する

医療費をすぐに用意できない場合は、クレジットカードを利用して一時的に立て替える方法もあります。最近では、診療費や入院費の支払いにクレジットカードを導入している病院も増えており、窓口での手続きもスムーズです。

クレジットカードを利用すれば、支払いを翌月以降に回せるため、急な治療費にも対応できます。さらに、カード会社によってはリボ払いや分割払いを選択できるため、手持ちの現金が少なくても治療を受けやすいというメリットがあります。

ただし、リボ払いや分割払いを長期間利用すると、利息や手数料が発生し、結果的に支払総額が大きくなる点には注意が必要です。あくまで一時的な資金繰りとして利用し、支払いの見通しが立っている範囲で活用することが大切です。

3-3 医療ローンを利用する

医療費が高額になり、クレジットカードの一括払いや分割払いでも負担が大きい場合は、医療ローンを利用する方法もあります。医療ローンとは、手術や入院、歯科治療、美容医療などの費用を対象に、銀行や信販会社が提供する専用のローンのことです。

ただし、ローンを利用するには審査があり、収入や信用情報の状況によっては利用できない場合もあります。また、金利が発生するため、支払総額は実際の医療費よりも多くなります。医療ローンが原因で生活が破綻するのを防ぐためには、無理のない返済計画を立て、借入額や返済期間を慎重に検討することが重要です。

4章 病院の費用が払えないとどうなる?

医療費を払えないままにしておくと、すぐに治療を断られるわけではありませんが、放置すれば大きなトラブルに繋がる可能性があります。病院は医師法の定めにより、未払いを理由に診療を拒否することはできません。そのため、支払いができなくても必要な治療を受けることは可能です。

しかし、未払いが続くと病院側から督促や請求書が送られ、長期間支払わない場合には債権回収会社に回収が委託されることもあります。給与や預貯金、不動産などが差し押さえられるリスクもあるため、医療費を未払いのまま放置するのは避けましょう。

5章 リボ払いやクレジットカードの返済が厳しいなら債務整理を要検討

医療費や生活費のためにクレジットカードやローンを使用した場合、返済が苦しくなり、生活が立ち行かなくなるケースは少なくありません。滞納したままの状態が続けば、利息や遅延損害金によって借金がさらに膨らむ恐れがあります。

こうした状況で無理に返済を続けても、根本的な解決には繋がりません。返済に追われて生活が成り立たない場合は、任意整理や個人再生、自己破産といった債務整理を検討することが大事でしょう。

任意整理では将来利息のカットや返済額の軽減が可能で、個人再生では借金を大幅に減額しつつ自宅などの財産を守ることもできます。自己破産では借金そのものが免除され、経済的に立ち直ることが可能です。いずれの手続きも、医療費だけでなく他の支払いも苦しいという状況の改善に有効です。

ただし、債務整理の手続きを自分で進めるのは容易ではありません。法律や書類の知識が必要なため、債務整理を検討しているなら弁護士・司法書士に相談しましょう。

グリーン司法書士法人では、借金や返済に悩む方の相談を随時受け付けています。医療費や生活費の支払いが厳しいと感じたら、一人で抱え込まずに早めにご相談ください。

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まとめ

お金がなくても、医療費の支払いを理由に治療を諦める必要はありません。日本には、高額療養費制度や一部負担金減免制度など、経済的に困っている人でも治療を受けられるように支援する制度が整っています。

また、病院に相談すれば、分割払いや支払い猶予など柔軟な対応を受けられるケースもあります。それでも支払いが難しく、クレジットカードや医療ローンの返済が生活を圧迫している場合は、債務整理による根本的な解決を検討しましょう。

グリーン司法書士法人では、借金問題の解決をサポートしています。無料相談も実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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