借金があっても起業できる!創業融資を受けられるケースや注意点も

司法書士渡邊優太

監修者:グリーン司法書士法人   渡邊優太
【所属】札幌司法書士会 登録番号札幌第1092号 / 北海道行政書士会所属 登録番号第17260997号 【保有資格】司法書士・行政書士

借金返済の知識
借金があっても起業できる!創業融資を受けられるケースや注意点も

この記事は約 11 分で読めます。

 この記事を読んでわかること
  • 借金があっても起業に向けた創業融資を受けられるかどうか
  • 借金があっても創業融資を受けられるケース
  • 借金に頼らずに起業する方法

「借金があるが起業したい」「債務があっても創業融資を受けられるのか」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。起業には店舗契約や仕入れなどでまとまった資金が必要ですが、実は借金があっても融資を受けられるケースはあります。

ただし、自己資金や事業計画、返済能力といった条件を満たす必要があり、借金を隠しての申込みは厳禁です。状況によっては、助成金の活用や債務整理といった別の選択肢も検討すべきでしょう。

本記事では、借金があっても創業融資を受けられる条件や注意点、借金に頼らず起業する方法、そして多額の借金がある場合の解決策を解説します。

1章 借金があっても起業に向けた創業融資を受けられる

借金があるからといって、必ずしも起業のための融資を受けられない訳ではありません。ここでは、創業融資の仕組みと代表的な制度について解説します。

1-1 創業融資とは

創業融資とは、これから事業を始める人や、起業から間もない人を対象にした公的な融資制度です。オフィスや店舗の契約費用、仕入れ、設備投資、広告宣伝費など、事業立ち上げに必要な資金を確保するために利用されます。

起業初期は実績や信用が乏しいため、銀行などの民間金融機関から融資を受けるのは難しいのが一般的です。一方で、創業融資では過去の実績よりも事業計画の実現性や起業家本人の熱意・準備状況が重視されます。そのため、借金を抱えている人でも、事業の将来性や返済可能性をしっかり示せれば、創業融資を受けられるチャンスは十分にあります。

1-2 日本政策金融公庫と自治体等の制度融資で取り扱いがある

創業融資を検討する際に、代表的な選択肢となるのが日本政策金融公庫と自治体の制度融資です。

日本政策金融公庫の国民生活事業では、創業期の人を対象に新規開業資金やスタートアップ支援資金といった制度を用意しています。新たに事業を始める人や、事業開始から二期以内の人は営業実績が乏しく資金調達が難しいことが多いため、重点的に支援しているのが特徴です。

創業期であれば原則として無担保・無保証人で利用でき、金利も通常より0.65%引き下げられ、雇用を拡大する場合には0.9%の引下げが適用されます。さらに設備資金は最長20年、運転資金は最長10年まで返済期間を設定でき、据置期間も5年以内で認められるため、返済の負担を抑えながら資金調達が可能です。

一方、自治体の制度融資は各自治体が信用保証協会や金融機関と連携して実施しており、利息の一部を補助したり信用保証料を軽減したりする仕組みがあります。支援内容や条件は地域によって異なるため、地元の自治体や商工会議所で詳細を確認することが重要です。

2章 借金があっても創業融資を受けられるケース

自己資金や事業計画、返済能力といった条件を満たしていれば、借金を抱えていても審査に通る可能性があります。ここでは具体的にどのような場合に融資が認められやすいのかを解説します。

2-1 融資希望額の3分の1程度の自己資金がある

創業融資の審査では、自己資金の有無が最も重要なポイントの一つです。借金がある場合でも、融資希望額の3分の1程度の自己資金を用意していれば、起業に対する本気度や資金管理能力が高く評価され、審査に通る可能性が高まります。

例えば300万円の融資を希望するなら、自己資金として100万円程度を準備しておくのが理想です。自己資金は、起業準備の過程でコツコツと貯めてきた努力の証であり、金融機関にとっては返済に対する誠実さや、事業を継続する意思を確認できる材料になります。

反対に、自己資金がほとんどない状態では「返済の見通しが甘いのではないか」と判断され、借金があることと合わせてマイナスに評価されやすくなります。借金を抱えながらでも創業融資を受けたいのであれば、まずは一定の自己資金を積み立ててから申し込むのが望ましいでしょう。

2-2 事業計画書に納得感がある

創業融資の審査において、必ず事業計画書はチェックされます。金融機関は、これから始める事業に収益性があるかどうかを、計画書を通じて判断します。借金がある場合でも、事業計画に説得力があれば「返済能力がある」と認められ、融資が通る可能性は十分にあります。

事業計画書で大切なのは、数字の裏付けと現実性です。売上の見込みや利益の試算が過度に楽観的ではなく、客観的な根拠をもとに作られていることが求められます。さらに、事業の強みや競合との差別化ポイント、ターゲット市場や需要の見通しが明確に示されていれば、金融機関も安心して融資を判断できます。

反対に、数字の根拠が曖昧だったり、市場環境の説明が不十分だったりすると、いくら熱意があっても審査では評価されにくくなります。借金がある状況で融資を申し込むなら、事業計画書を丁寧に作り込み、審査担当者が「この計画なら返済できそうだ」と納得できる内容に仕上げることが不可欠です。

2-3 返済能力がある

創業融資の審査では、返済能力があるかどうかもチェックされます。なぜなら、返済能力がない人に融資をしてしまうと、回収できない可能性が高いためです。借金がある場合は特に、現在の返済状況と新たに借りる融資の返済を両立できるかどうかが細かくチェックされます。

返済能力を示すには、まず安定した収入源があることが大切です。起業前に一定の貯蓄や給与収入があれば「当面の生活費や返済を滞りなく賄える」と判断されやすくなります。また、事業開始後の売上予測に根拠があり、利益から無理なく返済できることを示せれば、借金があっても融資の可能性は高まります。

一方で、既存の借金の返済が遅れていたり、信用情報に延滞記録が残っていたりすると、融資の審査では大きなマイナスになります。借金を抱えながら起業資金を調達したいなら、返済計画を現実的に立て、数字で説明できる準備をしておくことが不可欠です。

3章 借金を隠して創業融資に申し込んではいけない

借金があることを不安に思い、融資の申込時に隠したくなる方もいるかもしれません。しかし、借金を隠して創業融資に申し込むのは避けるべき行為です。金融機関は審査の過程で、信用情報機関を通じて申込者の借入状況を必ず確認します。そのため、借金を隠してもすぐに発覚し、融資の審査に大きな悪影響を及ぼします。

借金を隠した場合、融資を断られるだけでなく、今後の取引や信用に悪影響を与える可能性もあります。さらに、虚偽の申告とみなされれば、不正行為として法的な責任を問われるリスクもあるでしょう。

借金がある状態で創業融資を申し込む場合は、正直に申告し、そのうえで返済能力や事業計画の現実性をアピールすることが重要です。金融機関にとって借金があること自体は必ずしも致命的な問題ではなく、むしろ隠そうとする姿勢が最大のマイナス評価に繋がります。

4章 借金に頼らずに起業する方法

借金に頼らずに起業する方法は以下の通りです。

  • 小さな規模で始める
  • 助成金・補助金を活用する
  • 借金を完済して生活を立て直してから始める

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

4-1 小さな規模で始める

最初から大きな設備投資や広い店舗を構えると固定費がかさみ、資金繰りが厳しくなります。そのため、借金を増やさずに事業を始めたい場合は、小さな規模でスタートするのが現実的な方法です。

例えば、自宅の一室を事務所代わりにしたり、店舗を借りる前にネットショップやポップアップ出店で商品を販売したりと、初期費用を抑えて顧客の反応を確認する方法があります。また、まずは副業として事業モデルをテストし、収益性が確認できてから本格的に拡大していくのも有効です。

このように小さな規模から始めれば、事業が失敗した場合の損失を最小限に抑えつつ、成功すればその実績を元に追加の融資や投資を受けやすくなります。リスクをコントロールしながら起業を進めるために、スモールスタートは非常に有効な手段と言えるでしょう。

4-2 助成金・補助金を活用する

借金に頼らずに起業する方法として、国や自治体が用意している助成金や補助金を活用するのも有効です。助成金や補助金は返済不要で利用できるため、創業時の大きな資金負担を軽減できます。

代表的なものに小規模事業者持続化補助金や創業者向け補助金などがあり、広告宣伝費や設備投資、店舗改装など幅広い経費に充てられるのが特徴です。採択されるためには、事業計画の具体性や将来性を示す必要があり、申請書類の準備には時間と労力がかかりますが、その分成功すれば数十万円から百万円単位の資金を得られる可能性があります。

また、各自治体や商工会議所、中小企業支援センターも独自の創業支援制度を設けています。地元の制度を調べて活用すれば、全国的な制度と組み合わせて資金面の後押しを受け
られるでしょう。

4-3 借金を完済して生活を立て直してから始める

借金を抱えたまま起業すると、事業資金の返済と既存の借金返済が重なり、資金繰りが厳しくなるリスクが高まります。特に事業が軌道に乗るまでの間は収入が不安定になりやすいため、借金を抱えた状態での起業は精神的にも大きな負担となります。

そのため、まずは既存の借金を完済し、家計や生活基盤を安定させてから起業に踏み出すのも選択肢の一つです。借金を整理したうえで起業すれば、金融機関や投資家からの信用も得やすくなり、創業融資や補助金などの制度を利用する際にも有利に働きます。

どうしても早く起業したい場合でも、最低限の生活費や運転資金を自己資金として確保しておくことが欠かせません。借金の返済に追われながら起業するのではなく、余裕を持った状態でスタートすることで、長期的に事業を続けやすくなるでしょう。

5章 創業融資を希望する場合はコンサルタントへの相談も要検討

借金を抱えながら創業融資を受けようとする場合、自己資金の割合や事業計画の説得力など、審査で重視されるポイントをしっかり押さえる必要があります。しかし、初めて起業する方にとって、融資申請の準備や金融機関とのやり取りを自力で進めるのは簡単ではありません。

そこで検討したいのが、創業融資に詳しいコンサルタントへの相談です。専門家に依頼すれば、事業計画書の作成や資金計画の見直し、面談対策などをサポートしてもらえます。特に借金がある場合は「なぜ借金があるのか」「それでも返済可能と判断できる根拠は何か」を丁寧に整理する必要があり、第三者の視点を入れることで説得力を高めやすくなります。

もちろんコンサルタントへの依頼には費用がかかりますが、融資が通るかどうかは事業の成否に直結する大きな要素です。自己流で準備して融資を断られるリスクを考えれば、専門家に相談して成功率を高める価値は十分にあると言えるでしょう。

6章 多額の借金がある場合は先に債務整理を行おう

借金を抱えながらの起業は不可能ではありませんが、借金額が大きい場合はリスクが高くなります。事業が軌道に乗るまでには時間がかかるため、すでに返済が苦しい状況でさらに創業融資を受ければ、返済負担が重なり破綻してしまう可能性があります。

そのような場合には、起業に踏み出す前に債務整理を検討しましょう。任意整理で利息をカットして返済負担を軽減する、個人再生で借金を大幅に減額する、自己破産で借金を帳消しにして生活を立て直すなど、状況に応じた選択肢があります。これらの手続きを行うことで生活基盤を整え、安心して新しい事業に取り組めるようになります。

借金を抱えたまま無理に起業を進めるのではなく、まずは返済の目処を立ててから再出発することが成功への近道です。債務整理を行えば信用情報に影響は残りますが、無理な資金繰りで起業に失敗するリスクを考えれば、先に生活を立て直す判断は十分に合理的と言えるでしょう。

グリーン司法書士法人では、任意整理や個人再生、自己破産といった債務整理の相談を受け付けています。借金の状況に合わせて最適な解決策を提案し、再出発に向けた一歩をサポートします。多額の借金を抱えて起業を検討している方は、まずはお気軽にご相談ください。

お気軽にお問い合わせください!

借金返済のご相談はグリーンへ

まとめ

借金があっても、自己資金や事業計画、返済能力をしっかり示せば創業融資を受けられる可能性はあります。特に日本政策金融公庫や自治体の制度融資は、創業期の起業家を支援する仕組みが整っており、借金がある人にとっても現実的な選択肢となります。

ただし、借金を隠して申し込むことは信用を失う行為であり、必ず正直に申告する必要があります。状況によっては、小さな規模で始める、助成金や補助金を活用する、あるいは借金を完済してから起業に踏み切るなど、融資以外の方法を選ぶ方が安全なケースもあります。また、多額の借金を抱えている場合は、先に債務整理で生活を立て直すのも選択肢の一つです。

グリーン司法書士法人では、借金問題の解決から起業に向けた再スタートまで、専門家がサポートしています。まずは一人で抱え込まず、安心してご相談ください。

お気軽にお問い合わせください!

借金返済のご相談はグリーンへ

借金返済に関する記事を沢山公開していますので、合わせてご覧ください。

アクセス数が多いキーワード:債務整理 クレジットカード

借金返済の無料相談ならグリーンへ

借金返済・債務整理の相談ならグリーンへ
電話相談は9:00~20:00(土日祝9:00~18:00)で受付中です。「借金返済のブログをみた」とお問い合わせいただけるとスムーズです。相談ではなく、まずはどれくらい減らせるか知りたいという方は、借金返済無料診断をご利用ください。


お気軽にお問い合わせください!

LINEでもお問い合わせ可能!
お友達登録はこちら

無料相談フォーム

あなたの借金のお悩み
お聞かせください!

1/7

お名前 必須

メールアドレス 必須

相談希望日 必須

第一希望日

第二希望日

電話番号 ※ハイフン無し 必須

お住いの都道府県 必須

ご相談項目 必須

メッセージ本文

  • LINEで送る

アクセス

東京事務所

住所:〒163-0512 東京都新宿区西新宿1丁目26番2号 新宿野村ビル12階

難波事務所

住所:〒542-0076 大阪市中央区難波4丁目4番4号 難波御堂筋センタービル8階

淀屋橋事務所

住所:〒541-0043 大阪市中央区高麗橋4丁目5番2号 高麗橋ウエストビル2階

24時間いつでも受付中!無料借金減額診断

24時間365日受付

減額診断してみる

匿名・無料で確認

債務整理をプロにご相談!タッチで無料相談

平日/9:00~20:00


TOPへ
借金問題でお悩みの方へ