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- 個人再生を行うことで家族に影響があるかどうか
- 個人再生が家族にバレる理由
- その他の借金問題の解決手段
借金の返済が難しくなった時に利用できる法的な債務整理の一つが個人再生です。個人再生は、裁判所を通じて借金を大幅に減額し、原則3年で分割返済していく手続きです。自己破産とは異なり、財産を残しながら返済計画を立てられるのが大きな特徴です。一定の条件を満たせば住宅ローンの残ったマイホームも残すことが可能です。
しかし、「個人再生することで家族に影響はないのか」「配偶者や子供に迷惑をかけたくない」と不安に思う方もいるのではないでしょうか。
この記事では、個人再生の基本的な仕組みを踏まえながら、家族への影響やバレる可能性、さらに家族に知られずに借金問題を解決する方法について詳しく解説します。
目次 ▼
1章 個人再生は家族に直接的な影響を与えない場合が多い
個人再生は、裁判所に申し立てを行い、借金を大幅に減額して分割で返済していくための手続きです。基本的には債務者本人のための制度であり、配偶者や子供など家族が手続きの対象となることはありません。
そのため、個人再生をしたからといって家族の信用情報に事故情報が記録されることはなく、家族名義でのローンやクレジットカードの利用が制限されることもありません。
また、個人再生には住宅ローン特則と呼ばれる制度があります。これは、一定の条件を満たすことで住宅ローンだけは従来通り返済を続けながら、その他の借金を大幅に減額できる仕組みです。この特則を利用すれば、マイホームを残したまま生活を立て直せる可能性があり、家族の生活環境を守れます。
つまり、個人再生は本人の借金問題を解決するための手続きであり、家族に直接的な不利益は及びません。ただし、後述するように保証人が関わっている場合や財産の処分が必要になる場合など、状況によっては間接的な影響が出る可能性があるため注意が必要です。
2章 個人再生による家族への影響
個人再生は家族に直接的な不利益を与える手続きではありませんが、状況によっては家族に影響が及ぶケースもあります。ここでは代表的な4つのケースを解説します。
2-1 家族が保証人・連帯保証人になっている場合は一括請求を受ける
個人再生をすると本人の返済義務は大幅に減額されますが、保証人や連帯保証人に対してはその効果が及びません。つまり、家族が保証人や連帯保証人になっている場合には、借入先から残債の支払いを求められることになります。
特に多いのは、住宅ローンや事業資金の借入に家族が保証人として署名しているケースです。この場合、本人が個人再生を申し立てた段階で、債権者は保証人に対して一括請求を行うことが可能です。本人が返済できなくなった分を、保証人・連帯保証人になっている家族が全て肩代わりしなければなりません。
2-2 自動車ローンが残っている場合は車を手放す必要がある
ディーラーで自動車ローンを利用している場合、完済するまでの間はディーラーが所有権を持っているのが一般的です。そのため、個人再生を申し立てると債権者が担保権を行使し、車を引き上げることが多く、原則として手元に残すことはできません。
ただし、契約内容や状況によっては例外もあります。例えば、所有権を留保していない契約の場合や、残債がほとんどなく清算可能な場合には、車を手放さずに済むこともあります。
日常生活に車が不可欠な家庭にとっては大きな問題となるため、個人再生を検討する際には自動車を残せるかどうかを事前に確認しておくことが重要です。ケースによって判断が分かれるため、弁護士や司法書士に相談して対応を検討するのが安心です。
2-3 5年〜7年は新たにローンを組めない
個人再生を申し立てると、その情報は信用情報機関に登録されます。いわゆるブラックリストと呼ばれる状態で、登録期間はおおむね8年です。この間は新たにローンを組んだり、クレジットカードを作ったりすることが難しくなります。
住宅ローンやマイカーローンといった大きな借入だけでなく、携帯電話の分割払いのような少額の契約にも影響が出る可能性があります。本人名義での契約ができないため、家族が代わりに契約するなど生活上の工夫が必要になるケースもあるでしょう。
この制限はあくまで本人に対して適用されるもので、配偶者や子どもなど家族の信用情報には影響しません。ただし、世帯収入を前提に住宅ローンを組もうとする場合など、本人の信用情報が審査に反映されることで家族のライフプランにも影響が及ぶことがあります。
2-4 家族カードが使えなくなる
個人再生を申し立てると、本人名義のクレジットカードは利用できなくなります。残債があるカードは手続きと同時に強制的に利用停止となり、返済計画に組み込まれるため継続して使うことはできません。
残債がないカードについては、申し立て直後にすぐ解約されるとは限りません。ただし、カード会社は定期的に信用情報をチェックしており、個人再生の情報が登録されることで契約が打ち切られるケースがあります。一時的に使える可能性がありますが、個人再生の手続きに不利になるため自発的に解約をしておく方が無難です。
また、家族カードは本会員である本人の契約に紐づいているため、本人のカードが停止されれば同時に利用できなくなります。日常的に家族カードで支払いをしていた場合、突然使えなくなることで生活に影響が出ることもあります。代替手段としては、配偶者や家族自身の名義でクレジットカードを作る、または口座引き落としやデビットカードに切り替えるといった対応が必要です。
3章 個人再生が家族にバレる3つの理由
個人再生は、原則として家族に知られずに進められる手続きです。しかし、状況によっては家族に気づかれてしまう可能性もあります。ここでは、代表的な3つの理由を解説します。
3-1 家に裁判所や債権者からの郵便物が届くから
個人再生の手続き中には、裁判所や債権者からの通知が自宅に郵送されます。封筒には裁判所や金融機関名が記載されていることが多く、家族が先に受け取れば不審に思われる可能性があります。
特に、普段は金融機関や裁判所から郵便物が届くことがない人にとっては、突然届いた正式な通知が目立ちやすく、家族に「何か問題が起きているのでは」と気づかれるきっかけになりやすいでしょう。手続きの進行中は複数回にわたりこうした郵便物が届くため、完全に隠し通すのは容易ではありません。
3-2 車などの財産の処分が必要な場合があるから
個人再生は自己破産と異なり、基本的には財産を処分せずに借金を整理できる制度です。自宅や生活に必要な財産を手元に残しながら、返済計画を立てられるのが大きな特徴と言えます。
ただし、例外となるのがディーラーや信販会社で組んだ自動車ローンです。こうした契約には所有権留保が付いていることが多く、ローンを完済していない状態で個人再生を申し立てると、ローン会社が担保権を行使して車を引き上げるケースが一般的です。
普段から使用していた車が突然使えなくなれば、家族から事情を尋ねられるのは避けられません。日常生活に大きな変化が生じるため、個人再生が家族に知られてしまう可能性が高いでしょう。
3-3 手続きに必要な書類が多いから
個人再生の手続きを進めるには、収入や支出、財産の状況を証明するための多くの書類を提出する必要があります。給与明細や源泉徴収票、預金通帳のコピー、家計の収支表など、生活に密着した情報を細かく揃えなければなりません。
これらの書類を集める過程で、家族に協力を求めざるを得ない場合があります。特に共働き世帯では、配偶者の収入証明や家計に関する情報を一緒に提出する必要が出てくるため、隠して進めることが難しくなるケースも少なくありません。
また、普段は必要のない資料を大量に準備している姿を見られれば、不自然に思われるのも当然です。こうした事情から、個人再生の手続きをきっかけに家族へ借金問題が知られてしまうことがあります。
4章 家族にバレずに借金問題の解決を目指すなら任意整理も要検討
個人再生は借金を大幅に減額できる強力な手続きですが、裁判所を通す必要があり、郵便物の送付や財産の扱いなどをきっかけに家族へ知られてしまう可能性があります。「できれば家族に秘密のまま借金を整理したい」と考える方には、任意整理という選択肢もあります。
任意整理は、裁判所を介さずに弁護士や司法書士が債権者と直接交渉し、将来利息のカットや返済期間の調整を行う手続きです。裁判所からの通知が届くことはなく、必要書類も比較的少ないため、家族に知られずに進められる可能性が高いのが特徴です。
また、任意整理は対象とする債権者を選べるため、住宅ローンや自動車ローンをそのまま残して手続きすることも可能です。生活に必要な財産を維持しながら借金の負担を軽減できる点もメリットと言えるでしょう。
ただし、任意整理では元本そのものを大幅に減額することはできません。借金総額や返済能力によっては、個人再生や自己破産といった別の手続きのほうが適している場合もあります。どの方法が最善かは、収入や生活状況を踏まえて専門家に相談して判断することが重要です。
5章 個人再生を検討しているなら弁護士・司法書士に相談しよう
個人再生は、借金を大幅に減額しながら生活を立て直せる強力な手続きです。しかし、保証人への影響やローンの制限、家族に知られてしまう可能性など、デメリットやリスクも伴います。制度を正しく理解し、自分にとって最適な解決策を選ぶには、専門的な知識と経験が欠かせません。
弁護士・司法書士に相談すれば、任意整理・個人再生・自己破産といった複数の選択肢の中から、あなたの生活状況や家族構成に合わせた最善の方法を提案してもらえます。また、手続きの流れや家族への影響についても詳しく説明してもらえるため、安心して手続きを進められるでしょう。
グリーン司法書士法人では、個人再生をはじめとする債務整理のご相談を随時受け付けています。家族に迷惑をかけずに借金問題を解決したい方は、ぜひ一度ご相談ください。
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まとめ
個人再生は、借金を大幅に減額しながら生活を立て直せる有効な手続きです。家族が直接的に不利益を受けることは基本的にありませんが、保証人になっている場合や自動車ローンの残債がある場合など、状況によっては間接的に影響を及ぼすことがあります。また、裁判所からの郵便物や財産の処分をきっかけに家族へ知られてしまうケースもあるため注意が必要です。
「家族に迷惑をかけたくない」「できれば秘密にしたい」と考える方には、任意整理など別の債務整理方法が適している場合もあります。どの解決策を選ぶべきかは、借金額や収入状況、家族構成などによって異なります。
借金問題は放置すれば悪化してしまう一方ですが、早めに専門家へ相談すれば、最適な方法を選び安心して生活を再建できます。家族を守りながら借金を解決するためにも、なるべく早い段階で弁護士・司法書士に相談しましょう。
グリーン司法書士法人では、借金問題の解決に向けて適切な手続きの提案や債務整理のサポートを行っています。無料相談も実施しておりますので、借金の悩みを抱えている方は、一人で悩まずにぜひ一度ご相談ください。
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