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口座凍結とは、銀行口座の預金の引き出しや振込などの取引が制限される状態です。口座凍結の原因は「借金の返済が滞納」「不正な取引が行われた疑い」「死亡や認知症などにより本人確認が取れない」「裁判所からの命令」などがあります。
今回の記事では、借金が原因の口座凍結について掘り下げます。そして口座凍結によって、まともに生活できないときには、どうすればいいのかも解説します。
目次 ▼
1章 借金が原因で口座凍結されるケース
借金が原因で口座凍結されるケースは、主に次の2つです。
- 銀行からの借金の返済が滞納している場合
- 債務整理を行った場合
銀行からの借金の返済が滞納している場合
銀行カードローンや住宅ローンなどの返済が長期的に滞納していると、銀行は預金口座を凍結する可能性があります。これは、銀行が債権回収のために取る措置です。
債務整理を行った場合
口座の発行元である銀行や信用金庫などに対して、任意整理、個人再生、自己破産などの債務整理を行うと、借金の一部または全部を免除される代わりに、一定期間の間、口座凍結される可能性があります。これは、債権者を守るための措置です。
口座凍結されると、以下の制限が設けられます。
- 預金の引き出し
- 預金の振込
- 公共料金などの自動引き落とし
- キャッシュカードの利用
振り込まれた給与などが利用できなくなるため、日常生活に大きな支障をきたすことになります。
なお、自己破産による口座凍結については、以下の記事で特集しています。ぜひそちらも、参考にお読みください。
2章 借金が原因で口座凍結される期間
借金が原因で口座が凍結されるのは、通常、債務整理の開始通知を銀行が受け取った時から、銀行の保証会社が代位弁済を終えるまでの期間です。これはおおむね1~3ヶ月程度とされています。
自己破産の場合も、凍結解除までの期間は同様に1~3ヶ月程度を要することが一般的です。
個人再生手続においては、弁護士や司法書士から銀行が受任通知を受け取った時点で口座が凍結されます。銀行が任意で凍結を解除することは基本的になく、保証会社を通じた返済で解除されるケースが多いです。
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3章 借金が原因により口座凍結されて生活できない状況を予防する方法
借金が原因で口座が凍結されると、日常生活において大きな支障をきたします。特に、給与や年金などの収入源が凍結された口座に振り込まれていた場合、生活資金が得られなくなることがあります。
このような状況を未然に防ぐためには、事前の準備が非常に重要です。ここでは、口座凍結を予防するための具体的な方法について見ていきましょう。
3-1 預金残高をすべて引き出しておく
借金が原因で口座凍結のリスクがある場合、事前に預金残高を全て引き出しておくことがひとつの予防策となります。これにより、万が一口座が凍結されても、手元に現金があるので生活資金に困ることは少なくなります。
しかし、この方法には現金管理のリスクが伴います。大量の現金を自宅で保管することは、盗難や紛失のリスクを高めるため、安全な場所に保管することが重要です。
3-2 給料や年金の振込先口座を変更する
給料や年金の振込先口座を変更することで、口座凍結による生活苦を少しでも緩和できるでしょう。給料の振込先の変更は、会社の人事・経理部門に申請しましょう。
ちなみに、給料の振込先の変更は、法的には問題がないものの、簡単には了承しない会社が多い傾向にあります。
年金の場合は「年金受給権者 受取機関変更届」を用いて手続します。この届出書には、年金の種類ごとに異なる年金コードの記入が必要です。
3-3 口座振替やクレジットカードの引き落とし先を変更しておく
クレジットカードの引き落とし口座変更は、借金が原因で口座が凍結される前に対処すべき重要な手段のひとつです。この手続を行うことで、引き落としの不備を防ぎ、金融事故を未然に防ぐことができます。
引き落とし口座の変更手続は、オンラインまたは郵送で行うことが可能です。
郵送での手続を選択した場合、必要な書類をカード会社から取り寄せ、記入後に郵送する必要があります。この方法は時間がかかるため、緊急性が高い場合はオンライン手続がよいでしょう。オンライン手続は迅速かつ簡単で、多くのカード会社が受け付けています。
引き落とし口座を変更する際は、変更後の口座がカード会社によって受け入れ可能か、事前に確認することが重要です。
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4章 借金が原因で口座凍結されたときの対処法
借金が原因で銀行口座が凍結された場合、多くの人がどのように対処すれば良いのか戸惑うでしょう。凍結された口座からはお金を引き出すことができなくなり、給与の受け取りや日常の支払いに影響が出るため、迅速な対応が求められます。
借金が原因で口座凍結されたときの主な対処法は、以下の3つです。
- 銀行の窓口に相談する
- 新たに銀行口座を開設する
- 債務整理について司法書士や弁護士に相談する
それぞれを見ていきましょう。
4-1 銀行の窓口に相談する
口座凍結の事実を知ったら、まずは銀行の窓口に相談しましょう。凍結された口座に入金された給与や年金は、一般的には出金ができなくなり、借金と相殺されます。しかし、銀行窓口にて相談することで、出金できる可能性があります。
とはいえ、受任通知を受け取った後に窓口で引き出すことができるかどうかは銀行側の裁量となり、必ずしも出金の承諾が得られるとはかぎりません。
しかし、銀行によっては引き出しに時間がかかることもあるため、早めに行動することが重要です。また、そのための必要書類は銀行によって異なるので、事前に確認が必要です。
口座凍結が債務整理によるものであれば、銀行は債務整理を受けている弁護士との協議を求めることがあります。この場合、弁護士を通じて対応することで、凍結解除に向けた具体的な手続を進めることができます。
4-2 新たに銀行口座を開設する
銀行口座が凍結された場合、凍結期間は通常1〜3か月程度とされており、この期間は預金の引き出しや新たな入金ができなくなります。
借金が原因で口座が凍結されるのは、通常その銀行から借金をしている状況に限定されます。自己破産や任意整理の際にも、借入のない他の銀行では口座の凍結は発生しないため、新たな銀行口座を開設することは可能です。
口座が凍結される前に現金を全額引き出す行為や、特定の債権者への偏った返済は自己破産の免責不許可事由となりえるため注意を要します。信頼できる弁護士の指導のもと、新規口座の開設を含めた適切な対応策を講じることが重要です。
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4-3 債務整理について司法書士や弁護士に相談する
借金が原因で口座が凍結された場合、司法書士や弁護士に債務整理について相談することがひとつの解決策です。債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産などの方法があり、それぞれが借金問題を解決するための合法的な手段として提供されています。
債務整理を行うことで、将来発生する利息のカットや過払い金の回収、元金の減額などが可能となり、返済負担を軽減することができます。特に任意整理や特定調停では、裁判所を介さずに手続を進めることができ、比較的簡単に手続を行うことが可能です。
個人再生を選択することで、借金を大幅に減額し、住宅ローン特則を利用して家を守りながら借金問題を解決することもです。自己破産の選択は、返済義務を完全にゼロにすることができるため、大きな借金を抱えて返済が不可能な場合に適しています。
各方法の特徴やメリット、デメリット、おすすめなケースについては、以下の表で確認してください。
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種類 | 特徴 | メリット | デメリット | おすすめなケース |
---|---|---|---|---|
任意整理 | 債権者と直接交渉して、将来の利息をカットし、残りを分割返済する方法 | 借金が減額され月々の返済額が軽減されることや、周囲にバレにくいこと | 交渉が難航する可能性があること | 債務額が大きくなく、将来的に返済できる見込みがある場合 |
個人再生 | 裁判所の許可を得て、借金を減額し、残りを3年で分割返済する方法 | 借金の総額が大幅に減額されること | 財産が多いと返済額が増えること | 一定収入はあるが債務額が大きく、任意整理では難しい場合 |
自己破産 | 裁判所の許可を得て、借金を免除してもらう方法 | 借金の返済義務がなくなること | 官報に掲載され、主立った財産を失うこと | 債務額が非常に大きく、他の方法では返済が難しい場合 |
なお、債務整理の種類と生活への影響に関しては、以下の記事でくわしく解説しています。ぜひ、そちらも参考にご覧ください。
また、以下の返済シミュレーションツール【バーチャル債務整理】を使えば、借金問題の解決のために債務整理を行った場合に、借金がどれくらい減るのかの目安がわかります。
まとめ
借金が原因で口座が凍結されると、日常生活に大きな支障をきたすことになります。このような状況になる前に、借金の返済に困難を感じたらすぐに専門家に相談することが重要です。
債務整理は、借金問題を法的に解決する有効な手段であり、自力での返済が難しい場合には特に相談を検討すべきです。弁護士や司法書士は、個々の状況に応じた最適な解決策を提案してくれます。
債務整理を通じて借金の減額や返済計画の見直しが可能となり、経済的な再生を目指すことができます。早期の相談と適切な手続により、借金問題の解決に向けた第一歩を踏み出すことが可能となり、生活の質を改善させることができるでしょう。
借金問題を抱えている多くの人々が、債務整理を利用して新たなスタートを切っている事実は、その有効性を物語っています。
借金問題を抱えて債務整理をお考えのみなさんは、新たに借入をしないで解決する方法を検討しましょう。
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よくあるご質問
- 口座凍結により生活できないときにはどうすればいい?
- 口座凍結により生活できない状況を防ぐには、下記を行っておきましょう。
・預金残高をすべて引き出しておく
・給料や年金の振込先口座を変更する
・口座振替やクレジットカードの引き落とし先を変更しておく
- 口座凍結解除までにかかる期間は?
- 任意整理によって銀行口座が凍結される期間は3ヶ月程度です。
任意整理開始を知らせる「受任通知」を送ったときから凍結が開始され、保証会社が債務者に代わって銀行に返済をし終えたときに解除されます。
意整理時の銀行口座の凍結期間について詳しくはコチラ