この記事は約 11 分で読めます。
- 法テラスの利用条件
- 法テラスで債務整理を依頼した際の弁護士費用
- 法テラスの費用が無料になるケース
- 法テラスを利用するメリット・デメリット
- 債務整理の手続きに要する費用を抑える方法
債務整理を検討している方にとって、費用の問題は大きな関心事です。法テラスは、経済的に困難な状況にある人たちを支援するために設立された公的機関であり、その利用によって弁護士費用を大幅に抑えられます。
今回の記事では、法テラスを利用した場合の債務整理の弁護士費用や無料で利用できるケース、さらに法テラスを利用するメリットとデメリットについても解説します。
目次 ▼
1章 法テラスとは
法テラス(日本司法支援センター)は、法的トラブルを抱えた人たちが、必要な法律サービスを受けられるように国が設立した機関です。
法テラスは、全国各地に事務所を持ち、収入や資産が一定の基準を下回る人たちを対象に、法律相談や訴訟手続の代理援助、書類作成援助などのサービスを提供します。
法テラスの主な目的は、経済的に困難な状況にある人たちが公平に法的支援を受けられるようにすることです。無料相談は1つの問題につき、最大3回まで可能です。弁護士費用の立替えも分割払いで利用できます。
また、法テラスのサービスは、借金問題、離婚、相続など多岐にわたる法的トラブルに対応しています。相談は電話やメール、対面で行うことができ、事前予約が必要です。
さらに、特定の条件を満たす場合には出張相談も可能です。法テラスは法的手続の簡便さと、経済的な負担の軽減を図るため、多くの人たちに利用されています。
1-1 法テラスを利用できる人の条件
法テラスを利用するためには、一定の収入および資産の基準を満たすことが必要です。収入基準は(月収基準)家族の人数に応じて以下の表のように設定されています。
横スクロールできます
家族人数 | 単身者 | 2人家族 | 3人家族 | 4人家族 |
---|---|---|---|---|
月収基準 | 182,000円以下 | 251,000円以下 | 272,000円以下 | 299,000円以下 |
また、住居費や医療費などの特定の支出がある場合、その分を基準に加算できます。
なお、資産基準も以下の表のとおり、設けられています。
横スクロールできます
家族人数 | 単身者 | 2人家族 | 3人家族 | 4人家族 |
---|---|---|---|---|
資産基準 | 月収180万円以下 | 250万円以下 | 270万円以下 | 300万円 |
これらの基準を満たしている場合に、無料の法律相談や弁護士費用の立替えなどの援助を受けられます。なお、法テラスを利用する際には、問題解決のために勝訴の見込みがあることや、報復などを目的としてしないことが条件です。
なお、法テラスの審査期間や利用条件については、以下の記事でくわしく解説しています。
ぜひ、参考にご覧ください。
2章 法テラスで債務整理を依頼した場合の弁護士費用
法テラスで債務整理を依頼した場合の、弁護士費用はいくらくらいかかるのでしょう。ここでは、債務整理の主な種類である自己破産、個人再生、任意整理の3つにわけて、弁護士費用の目安を見ていきましょう。
横スクロールできます
債務整理の種類 | 弁護士費用の目安 | 法テラス利用の場合の目安 |
---|---|---|
自己破産にかかる費用 | 30万円から90万円程度 | 15万円から21万円程度 |
個人再生にかかる費用 | 40万円から110万円程度 | 20万円から30万円程度 |
任意整理にかかる費用 (債権者1社あたり) | 4万円~15万円程度 | 2万円から3万円程度 |
2-1 自己破産にかかる費用
法テラスを利用して自己破産を依頼する場合、弁護士費用は一般的に15万から20万円程度となります。この費用には、着手金と実費が含まれています。
着手金は1社から10社の場合で13万2,000円、11社から20社の場合で15万4,000円、21社以上の場合で18万7,000円です。また、実費として2万3,000円が必要です。
法テラスの利用は、通常の弁護士費用と比較すれば、半額程度に抑えられるでしょう。なお、立替えた費用は、毎月5,000円から10,000円の分割払いで返済できます。
なお、自己破産とはどういうものかや、メリットおよびデメリット、手続およびその流れや事例などについては以下の記事でくわしく解説しています。
ぜひ、参考にご覧ください。
2-2 個人再生にかかる費用
個人再生を法テラスで依頼する場合の弁護士費用は、おおむね20万円から30万円程度です。個人再生の手続は自己破産よりも複雑であり、費用もその分高くなる傾向にあります。
法テラスの民事法律扶助制度の利用で、着手金と実費の分割返済が可能です。具体的な費用は、案件の内容や債権者の数により異なりますが、法テラスの利用で負担を軽減できます。また、収入や資産の要件を満たすことで、さらに費用の立替えが可能となります。
個人再生とはどういうものかや、個人再生が持つメリットとデメリット、事例などについては以下の記事でくわしく解説しています。
ぜひ、そちらも参考にしてください。
2-3 任意整理にかかる費用
任意整理を法テラスで依頼する場合の弁護士費用の相場は、債権者1社あたり2万円から3万円程度の着手金がかかります。
法テラスを通じた依頼で、これらの費用を立替えてもらい、分割返済が可能です。法テラスの支援を受けることで、通常よりも安価に手続を進められます。
依頼者は、法テラスが設定する収入や資産の要件を満たしていなければなりません。それによって、経済的な負担を軽減しつつ、借金問題の解決を図られます。
任意整理とはどういうものかや、任意整理が持つメリットとデメリット、向いている人や事例などについて、以下の記事でくわしく解説しています。
ぜひ、そちらも参考にしてください。
3章 法テラスの費用が無料になるケース
法テラスの費用が無料になるケースは、次の3つです。
- 生活保護を受給している
- 収入・資産要件などを満たしている
- 病気やケガなどやむを得ない事情がある
それぞれを見ていきましょう。
3-1 生活保護を受給している
法テラスを利用する際、生活保護を受給している場合は、立替費用の返還義務が免除されるケースが多いです。生活保護受給者は経済的に困窮しているため、法テラスの支援を受けることができ、その費用を返済する必要がありません。
この制度の利用で、自己破産や任意整理などの手続を行う際に発生する弁護士費用や書類作成費用などを無料で受けられるのです。生活保護を受けている人は、まず福祉事務所に生活保護申請を行い、受給が決定した後に法テラスに申請するのが一般的です。
3-2 収入・資産要件などを満たしている
法テラスの費用が無料になるケースには、収入や資産が一定の基準を満たしていなければなりません。単身者の場合、手取り月収が18万2,000円以下、資産が180万円以下である必要があります。
同居家族がいる場合、家族の人数に応じて基準が設定されています。たとえば2人家族では、手取り月収が25万1,000円以下、資産が250万円以下でなければなりません。
さらに、住宅ローンや家賃の支払いがある場合、その金額も考慮されます。これらの条件を満たすことで、法テラスの民事法律扶助制度を利用でき、弁護士費用や書類作成費用の立替えを受けられます。
3-3 病気やケガなどやむを得ない事情がある
法テラスの費用が無料になるもうひとつのケースは、病気やケガなどのやむを得ない事情がある場合です。この場合、資力回復困難要件を満たすことが求められます。
たとえば、65歳以上の高齢者、重度または中度の障害を持つ者、長期療養が必要で収入を得ることが見込めない者などが対象です。これらの条件を満たすことで、法テラスの支援を受けられ、その費用を免除されることがあります。
また、病気やケガにより長期療養が必要で収入が見込めない場合も、この要件を満たします。
4章 法テラスを利用するメリット
法テラスを利用するメリットは、次のとおりです。
3回までの無料相談
法テラスでは、専門家に対して無料で相談できる制度があり、1回30分の相談を3回まで受けられます。それによって、複数回の相談を通じて疑問を解消でき、法的問題の解決に向けたアドバイスを受けられます。
費用の立替え制度
専門家に依頼する際の費用を法テラスが立替えてくれるため、依頼時に一括で支払う必要がありません。費用の立替えは、利用者の経済的負担を軽減します。
費用が安く抑えられる
法テラスの利用で、専門家の費用は一般的に依頼する場合よりも安く設定されます。それによって、費用の総額を抑えつつ、必要な法的支援を受けられます。
分割払いに対応
立替えた費用の返済は月々5,000円から10,000円の分割払いで対応可能です。返済が困難な場合には、さらに返済額を抑えることもでき、経済的な負担を軽減するための柔軟な対応がされています。
5章 法テラスを利用するデメリット
法テラスを利用するデメリットは、次のとおりです。
収入や資産の制限
法テラスを利用するためには、収入や資産が一定の基準以下である必要があります。そのため、一定以上の収入や資産を持つ人は利用できません。
審査に時間がかかる
法テラスの利用には審査が必要であり、この審査には2週間から1か月程度の時間がかかる場合があります。その間に緊急の法的対応が必要な場合、対応が遅れるリスクがあります。
弁護士を選べない
法テラスを通じて依頼する場合、弁護士を自分で選ぶことができず、法テラスが紹介する弁護士に依頼することになります。弁護士との相性が合わない場合でも、基本的には交代してもらうことはできません。
督促や回収のリスク
立替えた費用の返済を怠ると、法テラスから督促が来るだけでなく、場合によっては裁判を起こされることもあります。最終的には差押えを受ける可能性もあり、注意が必要です。
6章 債務整理の手続費用を抑える方法
法テラス利用もデメリットがあり、急いでいるなどの事情があれば、法テラスを利用しない債務整理も検討しましょう。そのうえで費用を抑えたい場合は、次の2つが考えられます。
- 相談料・着手金無料の事務所に相談する
- 後払い・分割払い可能な事務所に相談する
個別に見ていきましょう。
6-1 相談料・着手金無料の事務所に相談する
債務整理の手続を進める際、相談料や着手金を取らない弁護士や司法書士を選ぶことで費用を抑えられます。多くの事務所が初回の相談を無料で提供しており、これは債務整理においても同様です。
これらの事務所を活用すれば、初期費用を抑えつつ、プロのアドバイスを受けられます。事務所の選択時には、無料相談を提供しているかどうかの確認が欠かせません。
6-2 後払い・分割払い可能な事務所に相談する
債務整理の手続費用を抑えるためには、後払いまたは分割払いに対応している法律事務所を選ぶことも有効です。それによって、債務整理の手続をより負担の少ない方法で進められます。
債務整理の手続を検討しているみなさんは、ぜひグリーン司法書士法人にお気軽にご相談ください。借金問題のプロフェッショナルであるグリーン司法書士法人では、個々のケースに応じた解決方法をご提案し、その実行をサポートできます。
お気軽にお問い合わせください!
借金返済のご相談はグリーンへ
まとめ
法テラスを利用して債務整理を依頼する場合、費用を大幅に抑えることができる点が大きなメリットです。自己破産や個人再生、任意整理においても、弁護士費用は一般的に依頼するよりも低く設定されています。
また、無料相談や立替え制度の利用で、初期費用を軽減できます。さらに、生活保護を受給している場合や収入・資産要件を満たす場合には、費用の返還が免除されることもあります。
経済的な負担を最小限に抑えながら、適切な法的支援を受けることが可能です。一方で、法テラスの利用には収入や資産の制限があり、審査に時間がかかることや、弁護士を自分で選べないといったデメリットも存在します。
債務整理の手続を進める際には、相談料や着手金が無料の事務所や、後払い・分割払いに対応している事務所を選ぶことで、費用の負担をさらに軽減できます。
借金問題で自力返済ができなくなってお困りのみなさんは、ぜひグリーン司法書士法人にお気軽にご相談ください。借金問題のプロフェッショナルであるグリーン司法書士法人では、個々のケースに応じた解決方法をご提案し、その実行をサポートできます。
お気軽にお問い合わせください!
借金返済のご相談はグリーンへ
借金返済に関する記事を沢山公開していますので、合わせてご覧ください。
アクセス数が多いキーワード:債務整理 クレジットカード
借金返済の無料相談ならグリーンへ
お気軽にお問い合わせください!