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過払い金請求は原則として借金をしていた本人が行う必要があります。
司法書士や弁護士に過払い金請求を依頼する際にも、家族や友人がかわりに依頼するのではなく本人が依頼しなければなりません。
ただし、本人が過払い金請求できない事情があり、委任状がある場合には家族や知人が代理で過払い金請求を行うことは可能です。
しかし、過払い金請求は専門的な知識が必要であり、知識に乏しい家族や友人が代理で行っても失敗してしまう可能性があるのでご注意ください。
本記事では、委任状があれば過払い金請求できるのか、代理人が過払い金請求するときの注意点を解説していきます。
過払い金請求について、詳しくはこちらの記事でも解説しています。
目次 ▼
1章 委任状があれば代理人が過払い金請求できる
過払い金請求は原則として借金をしていた本人が行う必要がありますが、委任状があれば家族や友人などが代理で行えます。
また、本人のかわりに司法書士や弁護士が過払い金請求を行うことも可能です。
本人に過払い金が発生していそうな場合、家族などは「少しでも払い過ぎた金額を取り戻してあげたい」と考えるかもしれませんが、家族や友人が自分で過払い金請求をするのはあまりおすすめできません。
というのも、過払い金請求は払い過ぎた利息の計算や貸金業者への請求が必要であり、専門的な知識が求められるからです。
家族や親族、友人が行っても過払い金請求に失敗してしまう可能性があるので、司法書士や弁護士への依頼をおすすめします。
また、家族や親族、友人が本人のかわりに司法書士や弁護士に依頼することも可能ではありますが、契約書などの必要書類の記入は借金をしていた本人が行う必要がありますし、本人の意思確認に手間取ってしまいます。
1-1 家族や親族が代理で過払い金請求をする流れ
家族や親族が代理で過払い金請求を行うときには、以下の流れで行っていきましょう。
- 委任状など必要書類を揃える
- 過払い金が発生しているか調べる
- 債権者に過払い金請求を行う
過払い金請求の委任状には、以下の内容を記載しておく必要があります。
- 過払い金請求を行う意思があること
- 委任する人の氏名
- 書類の作成日
- 本人による署名・押印
家族や親族、友人も委任状があれば過払い金請求や裁判を代理で行えますが、現実的にはかなりハードルが高いです。
上記で解説したように、過払い金請求には発生している過払い金の計算や債権者への請求、交渉が必要になります。
債務整理に詳しい司法書士や弁護士でないと貸金業者との交渉が難航する恐れもあるので、せっかく過払い金請求をしても失敗してしまう可能性が高いでしょう。
次の章では、代理人が過払い金請求するときの注意点を詳しく解説していきます。
2章 家族・友人が代理で過払い金請求をするときの注意点
家族や友人、親族が代理人として借金をしていた本人のかわりに過払い金請求をする際には、以下の3点に注意が必要です。
- 専門家以外では貸金業者との交渉に難航する恐れがある
- 債務者から報酬を受け取ってはいけない
- 過払い金が140万円以上になると裁判の代理はできない
それぞれ詳しく解説していきます。
2-1 専門家以外では貸金業者との交渉に難航する恐れがある
本記事の1章でも解説しましたが、過払い金請求時には払い過ぎた利息の計算や貸金業者への請求、交渉が必要になります。
過払い金請求や債務整理に関する専門的な知識や経験が必要であり、素人である家族や友人が行っても成功しない可能性が高いです。
知識がない人が貸金業者と交渉をしても、貸金業者に有利な条件に合意してしまう場合もあります。
また、過払い金が発生しているのか、いくら発生しているかの計算自体も難解であり専門知識がないと有利な計算はできないでしょう。
2-2 債務者から報酬を受け取ってはいけない
家族や友人、親族が借金をしている人本人のかわりに過払い金請求を行ったときに債務者から報酬を受け取ってしまうと罰則を受ける恐れがあります。
司法書士や弁護士以外が報酬を受け取って過払い金請求を代行することは、非弁行為ないし非司行為に該当するからです。
非弁行為は法律で禁止されており、違反者は2年以下の懲役又は300万円以下の罰金が科せられます。
2-3 過払い金が元本140万円以上になると裁判の代理はできない
家族や友人、親族が代理で過払い金に関する裁判を行う場合、対応できるのは簡易裁判所までと決められており、弁護士や司法書士以外が代理人になるには裁判所の許可が必要です。
簡易裁判所では140万円までの争いしか取り扱いできないので、金額が140万円よりも大きい場合には代理で行うことが認められません。
また、140万円以下の過払い金請求であり簡易裁判所で対応できたとしても、判決に納得がいかない貸金業者が控訴し地方裁判所へ裁判が進む可能性もあります。
控訴により地方裁判所で争う場合も、家族や友人、親族が代理で行うことはできません。
裁判で代理できなくて困る事態を避けるためにも、過払い金請求の初期の段階から司法書士や弁護士に相談するのがおすすめです。
3章 家族や親族が代理で過払い金請求できるケース
最後に、家族や親族が借金をしていた本人のかわりに過払い金請求できるケースを3つ紹介します。
- 病気やケガで本人が動ける状況にない
- 本人が死亡している
- 本人が認知症などで判断能力を失っている
なお、上記のケースであっても過払い金請求には専門的な知識が必要になるので、家族や友人、親族が代理で行うのではなく専門家の依頼をおすすめします。
3-1 病気やケガで本人が動ける状況にない
病気やケガで本人が動ける状況にない、貸金業者に請求できない状況の場合には、家族や親族、友人が代理で過払い金請求を行えます。
ただし、過払い金請求には借金をしていた本人の意思が必要になるので委任状は必要です。
また、本人のかわりに家族や親族が司法書士や弁護士に依頼することもできますが、必要書類の署名や本人の意思確認が複雑になるのでおすすめできません。
オンライン相談が可能な事務所を利用して、本人が直接専門家に依頼するのがおすすめです。
グリーン司法書士法人でも、オンライン相談を行っておりますのでお気軽にお問い合わせください。
3-2 本人が死亡している
本人が死亡していて遺された借金に過払い金が発生している場合、借金を相続した相続人が過払い金請求を行えます。
借金をした本人が死亡している場合、そもそも借金は相続されているので代理ではなく相続人が債務者本人として司法書士や弁護士に過払い金請求を依頼可能です。
相続した借金を過払い金請求する場合、借金に関する書類や自分が相続人であることを証明する以下の書類が必要になります。
また、借金を共同相続した場合、自分の相続分に応じた割合の過払い金請求しかできません。
故人の借金の過払い金を全額請求したいのであれば、相続人全員での依頼や請求が必要です。
- 亡くなった人の戸籍謄本
- 相続人全員の戸籍謄本
- 相続人全員の印鑑証明書
- 遺産分割協議書
- 相続放棄申述受理証明書(相続放棄する人がいる場合)
- 遺言書(亡くなった人が作成していた場合)
また、故人が完済していた借金もしくは返済中の借金かによって過払い金請求の方法がかわりますので、まずは専門家に相談してみましょう。
3-3 本人が認知症などで判断能力を失っている
過払い金請求には本人の意思が必要であり、認知症などで判断能力を失っている人が行っても無効になります。
ただし、判断能力を失っている人であっても成年後見人が代理で過払い金請求を行えます。
成年後見人とは、認知症などで判断能力を失っている人のかわりに法的手続きや契約行為などを行う立場の人です。
司法書士や弁護士であれば、成年後見制度の利用手続きも行えるので、認知症になった家族に過払い金が発生している場合にはまず専門家に相談することをおすすめします。
まとめ
過払い金請求は本人が行うのが原則ですが、委任状があり本人の意思を確認できれば家族や親族、友人が代理で請求可能です。
ただし、過払い金請求には払い過ぎた利息の計算や貸金業者への請求、交渉など専門的な知識が必要です。
家族や友人、知人が代理で行ったとしても失敗してしまう可能性が高い点にはご注意ください。
可能であれば、本人が司法書士や弁護士に直接依頼するように説得するのが理想的です。
病気やケガなどの事情があり本人が動くことができない場合には、オンライン相談や訪問相談に対応している司法書士事務所や弁護士事務所を選ぶのも良いでしょう。
グリーン司法書士法人では、過払い金請求に関する相談をお受けしています。
初回相談は無料ですし、オンライン相談も可能ですのでまずはお気軽にお問い合わせください。
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よくあるご質問
- 自分名義でない過払い金も請求できる?
- 過払い金請求は原則として借金をしていた本人が行う必要があります。
ただし、本人が過払い金請求できない事情があり、委任状がある場合には家族や知人が代理で過払い金請求を行うことは可能です。
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- 過払い金の成功報酬はいくらですか?
- 過払い金の成功報酬の相場は、還付を受けた過払い金の額のの15〜20%が相場です。
また、裁判にて請求した場合にはこれに5%程度上乗せされます。
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