住宅ローンのボーナス払いがきつい時の対処法|滞納するリスクも解説

司法書士山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第8849号 / 東京都行政書士会所属 登録番号第10262380号 【保有資格】司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

住宅ローン問題
住宅ローンのボーナス払いがきつい時の対処法|滞納するリスクも解説

この記事は約 13 分で読めます。

 この記事を読んでわかること
  • 住宅ローンのボーナス払いが厳しいと感じる理由
  • 住宅ローンのボーナス払いが厳しい時の対処法
  • ボーナス月の返済が厳しいまま放置するリスク

住宅ローンの返済にボーナス払いを設定しているものの、ボーナスの減額や不支給などによって支払いが厳しいと感じている方もいるのではないでしょうか。

ボーナスは不安定であり、景気や業績の影響を受けて減額や不支給になれば、ボーナス払いの返済が難しくなってしまうのです。厳しい状況が続いて返済を滞納すると、遅延損害金の発生、信用情報への記録、競売などのリスクも発生します。

本記事では、住宅ローンのボーナス払いが厳しいと感じる理由や、難しい時の対処法を解説します。返済を先送りにするリスクも解説しているので、ボーナス払いが原因で住宅ローンの支払いに困っている方はぜひ最後までご覧ください。

1章 住宅ローンのボーナス払いがきついと感じる理由

まずは、住宅ローンのボーナス払いが厳しいと感じる理由について紹介します。

1-1 ボーナスが減少した・不支給だった

ボーナス払いは、将来にわたって一定額のボーナスが支給されることを前提に組まれているため、その前提が崩れると返済計画に無理が生じやすくなります。

企業業績の悪化や人事評価制度の見直しにより、ボーナスが減額されたり、業績次第で支給されなくなったりするケースも珍しくありません。また、転職によってボーナス制度が変わり、これまで通りの返済原資を確保できなくなる場合もあるでしょう。

ボーナス払いは、半年ごとにまとまった金額を支払う必要があるため、支給額が少し減るだけでも家計への影響は大きくなります。その結果、貯蓄を取り崩して対応せざるを得なくなり、将来への不安を抱えながら返済を続ける状態に陥ってしまう場合もあります。

1-2 教育費や車検などで支出が増加した

ボーナスの支給額に変動はなくても、教育費や車検などの支出が増加すれば返済が厳しくなります。特に、教育費や車に関する費用などは、一定の時期にまとまって発生しやすい支出です。

例えば、子どもの進学や習い事によって教育費が増えたり、車検や修理費、保険料の更新などが重なったりすると、ボーナスの使い道が住宅ローン以外に割かれてしまいます。その結果、ボーナス払い分の返済原資を十分に確保できず、返済が苦しくなるケースがあります。

2章 住宅ローンのボーナス払いがきつい時の7つの対処法

住宅ローンのボーナス払いが難しいと感じた場合、重要なのは滞納する前に以下のような行動をすることです。

  • ボーナス払いを減額する
  • ボーナス払いをやめて毎月返済に一本化する
  • 金融機関に返済期間の見直しの相談をする
  • 固定費を見直す
  • 転職や副業などで収入を増やす
  • 借り換えを検討する
  • 個人再生や任意整理を行う

それぞれ詳しく解説します。

2-1 ボーナス払いを減額する

住宅ローンのボーナス払いが厳しいと感じた場合、まずはボーナス返済額の減額を検討しましょう。金融機関によっては、ボーナス払いの金額を見直し、その分を毎月返済に振り分けることが可能です。

ボーナス払いは一度の支払額が大きいため、ボーナスが想定より少ないと家計のやりくりが難しくなります。ボーナス返済額を減らすことで、半年ごとの大きな支払いに追われる状態を和らげ、資金繰りの不安を軽減しやすくなるでしょう。

ただし、ボーナス払いを減額した分は、毎月の返済額が増える形で調整されるのが一般的です。そのため、生活費や他の支出とのバランスを確認しながら、無理のない返済額に設定することが大切です。

また、こうした返済条件の見直しは、返済が滞る前に相談してください。延滞が発生してからでは対応が難しくなる場合もあるため、負担を感じ始めた段階で金融機関に相談しましょう。

2-2 ボーナス払いをやめて毎月返済に一本化する

ボーナス払いをやめ、毎月の返済に一本化すれば、ボーナスの支給額に左右されにくい返済計画を立てられます。

ボーナス払いは、半年ごとに大きな支払いが発生するため、収入や支出の変動があると家計への負担が集中しやすいという特徴があります。
毎月返済に一本化すれば、返済額が平準化されるため、先の見通しを立てやすくなり、家計管理もしやすくなるでしょう。

一方で、ボーナス払いをやめた分、毎月の返済額は増えることになります。そのため、生活費や教育費などの支出とのバランスを確認し、無理のない金額かどうかを慎重に判断することが重要です。

また、返済方法の変更についても、返済が滞る前に金融機関へ相談することがポイントです。早めに相談することで、状況に応じた返済計画を検討してもらえる可能性が高まります。

2-3 金融機関に返済期間の見直しの相談をする

返済期間を延ばすことで、1回あたりの返済額を抑えられます。

例えば、残りの返済期間が20年で、毎月8万円を返済し、さらに年2回のボーナス時に各20万円を支払っているケースでは、年間の返済額は約136万円になります。この返済期間を25年に延ばした場合、条件によっては毎月の返済額が6万5,000円程度まで下がり、ボーナス払いも年2回各15万円程度に軽減できる場合があります。

このように返済期間を伸ばすことで、毎月の支払いだけでなく、半年ごとに発生するまとまった支払いの負担も緩和できる点が特徴です。ただし、その分、返済期間が長くなるため、利息を含めた総返済額は増える傾向にあります。

それでも、返済が厳しい状態を放置して滞納に至るリスクを考えると、当面の生活を安定させるための現実的な選択肢と言えるでしょう。こうした返済条件の見直しも、返済が滞る前に相談することが重要です。

2-4 固定費を見直す

住宅ローンの返済が厳しいと感じる場合は、家計全体を見直し、固定費を削減しましょう。固定費は毎月ほぼ一定額がかかる支出のため、一度見直せば継続的な負担軽減に繋がります。

例えば、通信費や保険料、利用頻度の低いサブスクリプションサービスなどは、内容を見直すことで月々数千円から数万円程度の削減ができるケースもあります。こうした支出を調整できれば、その分を住宅ローンの返済に回しやすくなり、家計の余裕を確保しやすくなるでしょう。

2-5 転職や副業などで収入を増やす

住宅ローンの返済負担が重い場合には、転職や副業によって収入を増やすことも一つの選択肢です。収入が増えれば、毎月の返済やボーナス時の支払いに対する不安を軽減しやすくなります。

転職は、基本給の引き上げや安定した雇用形態への変更によって、収入の見通しが立てやすくなるケースもあります。現在の働き方や将来のキャリアを見直す中で、結果的に家計の安定につながることも少なくありません。

一方で、転職先を選ぶ際は、年収の金額だけで判断するのではなく、ボーナスの支給条件や手当の有無など、収入の内訳にも目を向けることが大切です。表面的な年収だけを見ると、実際の手取りや年間収入が想定と異なる場合があります。

副業は、日払いのアルバイトやフードデリバリーなど、空いた時間を使って収入を得られる仕事があります。また、Webデザインや動画編集、ライティングなど、スキルを活かして在宅で取り組める副業も選択肢の一つです。本業に支障が出ない範囲で取り組めば、家計の補助として役立つでしょう。

2-6 借り換えを検討する

住宅ローンの借り換えとは、現在利用している住宅ローンを、新たな金融機関の住宅ローンに切り替えることを指します。借り換えによって金利が下がれば、利息負担が軽減され、総返済額を抑えられます。

また、借り換えを機に返済計画そのものを見直し、ボーナス払いを使わない返済方法に切り替えられる点も大きなメリットです。毎月返済に一本化することで、ボーナスの支給額に左右されにくい返済計画を組めるようになります。

ただし、借り換えには審査があり、収入状況や信用情報の内容によっては利用できない場合もあります。加えて、事務手数料や登記費用などの諸費用がかかるため、金利の低さだけを見るのではなく、借り換え後の総返済額や返済方法を含めて判断することが重要です。

返済が厳しいと感じていても、滞納がない段階であれば、借り換えによって返済負担を調整できる余地があります。現在の返済条件を整理したうえで、借り換えが現実的な選択肢かを確認してみると良いでしょう。

2-7 個人再生や任意整理を行う

住宅ローン以外にもカードローンやクレジットカードの返済があり、それらが家計を圧迫している場合は、個人再生や任意整理といった債務整理を検討してください。

個人再生は、一定の条件を満たせば、住宅を残したまま借金を大幅に減額できる手続きです。借金の元本自体も減るため、手続きを終えた後の返済計画が立てやすくなります。

また、任意整理は、将来利息や遅延損害金のカット、返済条件の見直しを行う手続きです。整理対象とする借金を選択できるため、住宅ローンはそのまま返済を続けつつ、カードローンやクレジットカードなどの返済負担だけを軽減することが可能です。

このように、個人再生と任意整理はいずれも、状況によってはマイホームを残しながら返済の立て直しを図れます。ただし、どの手続きを選ぶべきかは、借金の内容や収入状況、住宅ローンの契約条件などによって大きく異なります。

そのため、自分にとって適切な方法を判断するのは簡単ではありません。住宅ローンの返済に不安を感じた段階で、債務整理に詳しい弁護士・司法書士に相談し、現在の状況に合った手続きを確認することが重要です。

3章 住宅ローンのボーナス払いがきついまま放置するリスク

住宅ローンのボーナス払いが難しいと感じながらも、「次のボーナスで何とかなる」「今は忙しくて動けない」と先送りにしてしまう方は少なくありません。

しかし、返済が厳しい状態を放置すると状況は徐々に悪化し、取れる選択肢が少なくなっていきます。ここでは、ボーナス払いの負担を放置した場合に起こり得るリスクを解説します。

3-1 遅延損害金が発生する

住宅ローンの返済が期日までに行われない場合、通常の利息とは別にペナルティとして遅延損害金が発生します。この遅延損害金の利率は、年14.6%〜20%程度に設定されていることが多く、一般的な住宅ローン金利と比べると、非常に高い水準です。

例えば、年14.6%の遅延損害金が設定されている場合に、5万円のボーナス払いを滞納したケースをシミュレーションしてみましょう。

1日あたりの遅延損害金は、5万円×14.6%÷365日で約20円となります。同様に、年20%で設定されている場合は、5万円×20%÷365日となり、1日あたり約27円の遅延損害金が発生します。この状態が30日間続いた場合、年14.6%なら約600円、年20%なら約810円の遅延損害金が発生する計算です。

返済額そのものに比べれば大きな金額ではないものの、遅延が続くほど確実に積み重なり、本来支払う必要のなかった負担が増えていきます。

3-2 リスケジュールの相談に応じてもらいにくくなる

住宅ローンの返済が厳しくなった場合でも、滞納する前なら、返済期間の延長や返済方法の変更などに応じてもらえる可能性があります。

しかし、返済の遅れが生じると、「相談に応じても滞納するかもしれない」と判断され、返済条件の見直しに応じてもらいにくくなる可能性があります。遅延が続くほど、交渉の余地は狭まっていくでしょう。

返済に不安を感じた段階で早めに相談していれば選べたはずの対応が、先送りによって使えなくなる可能性が高いため、滞納前に行動することが重要です。

3-3 信用情報に事故情報が記録される

住宅ローンの返済が滞ると、信用情報に事故情報が記録される可能性があります。一般的には、返済の遅れが61日以上、または3ヶ月以上続いた場合に、信用情報機関へ事故情報が登録されるケースが多いとされています。

事故情報が記録されると、住宅ローンの借り換えをはじめ、新たなローンの利用やクレジットカードの新規作成、更新、限度額の増額などが難しくなります。

さらに、一度登録された事故情報は、完済後も一定期間は信用情報に残ります。つまり、「今さえ乗り切れば何とかなる」と先送りにした結果、家計を立て直すための選択肢を自ら狭めてしまうおそれがあるのです。信用情報に事故情報が記録されると生活に様々な悪影響を及ぼすため、返済が厳しいと感じた段階で行動し、滞納が長期化する前に対処することが重要です。

3-4 一括返済を求められる

住宅ローンを3ヶ月以上にわたって滞納すると期限の利益を喪失し、住宅ローン残額の一括返済を求められます。期限の利益とは、住宅ローンを毎月分割で返済できるという、債務者側の権利のことです。滞納が続くことで期限の権利を失うと、分割払いは認められなくなり、残っている借入金をまとめて返済しなければならなくなります。

一括返済を求められても、住宅ローンの残額をすぐに用意できるケースは多くありません。本来であれば、返済期間の延長や返済方法の変更といった調整が可能だった場合でも、期限の利益を喪失した後では、こうした選択肢を取れなくなります。

3-5 競売にかけられる

住宅ローンの一括返済にも応じられない場合、最終的には住宅が競売にかけられる可能性があります。競売とは、裁判所の手続きを通じて不動産を強制的に売却し、その代金を返済に充てる制度です。

競売では、市場価格よりも低い金額で売却されるケースが多く、住宅を失うだけでなく、売却後も借金が残ってしまう場合があります。その結果、住まいを手放したにもかかわらず、返済だけが続く状況に陥ることも少なくありません。また、競売の手続きが進む過程では、裁判所からの通知や現地調査などが行われ、精神的な負担も大きくなるでしょう。

4章 住宅ローンのボーナス払いに不安を感じたら早めに専門家に相談しよう

住宅ローンのボーナス払いが厳しいと感じていても、支払いができているうちは問題を先送りにしてしまいがちです。しかし、返済が滞ってからでは、取れる対処法が限られてしまいます。

滞納前の段階であれば、返済条件の見直しや借り換え、住宅ローン以外の借金を含めた家計全体の調整など、選択肢はまだ多く残されています。状況によっては、個人再生や任意整理によって、マイホームを残したまま返済負担を軽減することも可能です。

複数の選択肢から最適な対応を取るためにも、住宅ローンのボーナス払いに不安を感じたら早めに弁護士・司法書士に相談してください。債務整理に強い専門家に相談すれば、現在の返済状況を整理したうえで、取れる対処法や今後のリスクについて具体的に説明してもらえます。

グリーン司法書士法人では、住宅ローンのボーナス払いに悩んでいる方からの相談にも対応しています。無料相談も実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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まとめ

住宅ローンのボーナス払いは、ボーナスの減少や支出の増加によって、返済計画が崩れやすい返済方法です。負担を感じながらも放置して滞納してしまえば、遅延損害金や信用情報への影響、一括返済の請求や競売といったリスクに発展します。

一方で、返済が厳しいと感じた段階で対処すれば、返済方法の見直しや借り換え、住宅ローン以外の借金を含めた調整など、状況に応じた対応を取れます。そのため、住宅ローンのボーナス払いに不安を感じたら、「まだ大丈夫」と先送りにせず、早めに弁護士・司法書士に相談することが重要です。

グリーン司法書士法人では、借金問題に強い司法書士が状況に合わせた対処法を提案しています。住宅ローンのボーナス払いが厳しくなってきた方は、お早めに無料相談にお越しください。

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