任意整理の対象外となる借金とは?整理対象から外すべき借金も紹介

司法書士市川有美

監修者:グリーン司法書士法人   市川有美
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第9784号 【保有資格】司法書士

任意整理
任意整理の対象外となる借金とは?整理対象から外すべき借金も紹介

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 この記事を読んでわかること
  • 任意整理の対象外となる支払い
  • 任意整理の対象となる借金
  • 任意整理の対象から外すべき借金

任意整理とは、裁判所を通さずに債権者と話し合いを行い、将来利息のカットや返済条件の見直しによって、借金の返済負担を軽減する手続きです。クレジットカードやカードローンなどの借金整理に多く利用されており、毎月の支払額を無理のない範囲に抑えられる可能性があります。

一方で、任意整理は全ての借金が対象になる訳ではありません。「この借金は任意整理できるのか」「税金や家賃、奨学金はどうなるのか」など、対象範囲が分からず不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、任意整理の対象外となる借金を紹介します。整理対象から外すべき借金の判断ポイントも解説しているので、自分の借金が任意整理に向いているのか知りたい方はぜひ最後までご覧ください。

1章 任意整理の対象外となる支払い

以下のような支払いは、任意整理の対象外となります。

  • 税金・社会保険料
  • 養育費や賠償金
  • 公共料金(電気・ガス・水道など)
  • 債権者が交渉に応じない借金

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1-1 税金・社会保険料

所得税・住民税・固定資産税といった税金や、国民健康保険料・厚生年金保険料などの社会保険料は、任意整理の対象外です。これらは国や自治体が保有する公的な債権に当たるため、民間の金融機関のように話し合いによる減額や利息カットは認められていません。

滞納が続くと、延滞金が発生するだけでなく、給与や預貯金、車、不動産などが差し押さえられるリスクも秘めています。任意整理を進める場合でも、税金や社会保険料についてはそのまま支払いを続けるか、役所に分納や猶予の相談をする必要があります。

1-2 養育費や賠償金

養育費や離婚に伴う慰謝料、事故などによる損害賠償金は、任意整理の対象にはなりません。これらは単なる借金ではなく、子どもの生活の保障や被害者の救済といった強い保護性を持つ支払いであり、債権者との話し合いによって減額や免除を認める性質のものではないためです。

養育費や賠償金などの支払いが滞ると、履行勧告や強制執行の対象となり、給与や預貯金が差し押さえられることもあります。ただし、収入の減少や病気など、やむを得ない事情がある場合には、相手方との話し合いや家庭裁判所での減額調停によって、支払額や支払方法を見直せます。すでに裁判所の取り決めがある場合でも、状況の変化が認められれば、再度の調整が可能なケースもあります。

このように、養育費や賠償金は任意整理で整理することはできませんが、相手方との協議や別の法的手続きを通じて負担を調整できます。そのため、返済が厳しくなってきたら、放置せず早めに対応することが重要です。

1-3 公共料金(電気・ガス・水道など)

電気・ガス・水道といった公共料金も、基本的には任意整理の対象外です。これらは日常生活に欠かせないライフラインであり、未払いが続くと供給停止されるリスクがあります。

公共料金は貸付契約ではないため、任意整理による利息カットや長期分割といった交渉はできません。ただし、事情によっては各事業者に相談することで、分割払いや支払猶予に応じてもらえるケースもあるため、放置せず早めに直接連絡することが大切です。

1-4 債権者が交渉に応じない借金

任意整理は、裁判所を通さずに債権者と直接交渉し、返済条件を見直す手続きです。そのため、債権者が話し合いに応じない場合、その借金は任意整理できません。すでに訴訟や強制執行の手続きに入っているケースや、違法な闇金業者からの借入などでは、交渉自体が成立しないことがあります。

また、司法書士に依頼する場合には、1社当たりの債務額が140万円を超える借金については、法律上、代理人として交渉することができないという制限があります。そのため、1社当たり140万円を超える借金が含まれている場合は、司法書士ではなく弁護士に依頼する必要があるでしょう。

2章 対象外の支払いがあっても任意整理はできる

税金や養育費など、任意整理の対象外となる支払いがあっても、任意整理そのものを行うことは可能です。 任意整理は、整理できる借金だけを選んで手続きを進められるため、対象外の支払いはそのまま支払いを続けながら、クレジットカードやカードローンなどの整理可能な借金のみを任意整理することができます。

ただし、対象外の支払いについては、それぞれに応じた対処が必要になります。税金や社会保険料については、役所に相談することで分納や納付猶予を認めてもらえる可能性があります。養育費や慰謝料、賠償金については、相手方との話し合いや家庭裁判所での減額調停などによって、支払額や方法を見直せるかもしれません。

このように、任意整理と並行して対象外の支払いへの対応を進めることは可能ですが、整理後の返済と公的な支払いを同時に続けることになるため、家計への影響は慎重に見極める必要があります。

もし、こうした支払いを含めても返済の見通しが立たない場合には、任意整理以外の方法も検討が必要です。個人再生であれば借金全体の大幅な減額が期待でき、自己破産であれば税金や養育費などを除くほとんどの借金の支払い義務が免除されます。対象外の支払いが多い場合は、こうした手続きも視野に入れることが重要です。

3章 任意整理の対象となる借金

任意整理は、主に金融機関や貸金業者からの借入を対象として行う債務整理です。ここでは、実際に多くの方が任意整理の対象としている代表的な借金の種類を紹介します。

3-1 クレジットカードの残債・キャッシング

クレジットカードのショッピング利用分やキャッシングによる未払い分は、任意整理の対象となります。特にリボ払いやキャッシングといった高金利の返済が残っている場合、任意整理の利息カットによって返済負担が軽減されます。

リボ払いは毎月の支払額が一定に見える反面、実際には高い金利がかかり続けており、返済を続けても元本がなかなか減らない状態に陥りやすいのが特徴です。キャッシングについても同様に、年15%前後の金利が設定されているケースが多く、長期間利用すると利息の負担が大きくなります。

このようなカード残債について任意整理を行えば、将来利息をカットしたうえで、元本のみを分割返済する形に見直してもらえる可能性があります。その結果、返済総額の圧縮や、毎月の支払額の軽減が期待できる代表的な借金と言えるでしょう。

3-2 ローン

消費者金融や銀行のカードローン、フリーローンなども、基本的に任意整理の対象となります。これらのローンもクレジットカードと同様に、将来利息のカットや返済条件の見直しによって、返済負担を軽減できる可能性があります。

複数の金融機関から借入れがある場合でも、それぞれについて任意整理の交渉を行うことができ、返済額の合計を大きく減らせるケースも少なくありません。 よって、毎月の返済が収入に対して重くなっている場合は、任意整理を検討するべきでしょう。

3-3 未払いの通信料や家賃

通信料や家賃の未払い金についても、状況によっては任意整理の対象となる可能性があります。対象となりやすいのは、携帯電話の通信料金や端末代金、インターネット回線の利用料、賃貸住宅の家賃などの滞納分です。

滞納が続いた結果、強制解約後に一括請求された残額や、債権回収会社へ移行した債権については、任意整理の対象として検討されるケースが多く見られます。 一方で、現在も利用中の通信契約や居住中の賃貸住宅の家賃を任意整理の対象に含めてしまうと、契約解除や退去を求められるリスクが高まるため注意が必要です。

3-4 個人間の借金

親族や友人、知人など、個人から借りたお金についても、法律上は任意整理の対象になります。ただし、個人間の借金を任意整理の対象に含めると、人間関係のトラブルに発展する可能性が高いという点には注意が必要です。

返済条件の変更を第三者である司法書士や弁護士が行うことで、相手方との関係が悪化してしまうケースも少なくありません。そのため、個人間の借金については、事前に話し合いを行ったうえで、整理対象に含めるかを慎重に判断することが重要です。

4章 任意整理の対象から外すべき借金

任意整理は、どの借金を整理対象にするかを自分で選べる手続きです。しかし、法律上は任意整理が可能な借金であっても、生活や家族への影響を考えると、対象から外した方が良い借金も存在します。ここでは、任意整理に含めてしまうことで不利益が大きくなりやすい借金について解説します。

4-1 住宅ローン

住宅ローンは、原則として任意整理の対象から外すべき借金です。住宅ローンには自宅が担保として設定されているため、任意整理によって返済条件の変更を求めた場合、金融機関が競売に向けて動く可能性があります。

任意整理は話し合いによる和解手続きですが、住宅ローンの場合、債権者側には利息を減らしてまで和解に応じるメリットがありません。担保によって回収できるため、一括請求や競売に進むケースが多くなっているのです。

住宅ローンを任意整理の対象に含めて自宅を失い、強制的に退去を求められることになれば、本人だけでなく家族の生活環境にも大きな影響が及びます。特に配偶者や子どもと暮らしている場合、住まいを失うリスクは精神的にも経済的にも大きな負担となります。そのため、自宅を守りたい場合は、住宅ローンは任意整理から外し、クレジットカードやカードローンなどの無担保の借金のみを整理対象とする方法が一般的です。

4-2 所有権留保のある自動車ローン

自動車ローンの中には、完済するまで車の所有権がローン会社に残る所有権留保の契約になっているものがあります。このようなローンを任意整理の対象に含めると、ローン会社が所有権に基づいて車を引き上げる可能性が高くなります。

任意整理を進めたことをきっかけに、突然車を失ってしまうケースも少なくありません。通勤や仕事、家族の送迎などで日常的に車を使用している場合、車を失うことは生活に直結する大きな支障となります。そのため、生活に車が不可欠な方については、このタイプの自動車ローンは任意整理の対象から外す判断が現実的と言えます。

4-3 保証人を立てている借金

保証人や連帯保証人が付いている借金を任意整理の対象に含めると、債権者は保証人に対して残っている借金の請求を行うことができます。 任意整理は返済条件を見直す手続きであり、保証人の支払い義務までが免除されるわけではないためです。

その結果、任意整理をしたことをきっかけに、保証人が返済を求められることになります。保証人が親や兄弟、配偶者などの家族であれば、金銭的負担だけでなく、人間関係にも深刻な影響が及ぶ恐れがあります。

そのため、「保証人には迷惑をかけたくない」「家族との関係を壊したくない」という場合は、保証人付きの借金を任意整理の対象から外す選択をするケースが多いのが実情です。保証人に負担をかけずに借金問題を解決したい場合には、どの借金を任意整理の対象に含めるのかを慎重に見極める必要があります。

4-4 奨学金

奨学金はもともと金利が低く設定されているため、任意整理をしても返済負担の軽減効果が小さい借金です。貸与型奨学金には無利息と有利息がありますが、有利息でも年3%を上限とするなど低水準に抑えられており、消費者金融のように高額な利息が発生する借金とは性質が異なります。そのため、任意整理をしても大きな減額には繋がらず、かえって条件が不利になるケースもあります。

また、奨学金は親などが連帯保証人になっていることが多く、任意整理の対象に含めると、保証人に直接請求がいきます。さらに、債権者である日本学生支援機構は原則として任意整理の交渉に応じにくいとされており、利息や延滞金のカットも期待しにくいのが実情です。

5章 返済が厳しくなったら弁護士・司法書士に相談しよう

任意整理には、対象となる借金と対象外となる支払い、整理から外した方が良い借金が混在します。自己判断で手続きを進めてしまうと、住宅や車を失ったり、保証人に突然請求がいったりと、取り返しのつかない事態につながる恐れもあります。

また、税金や養育費、奨学金など、任意整理では解決できない支払いも含めて、返済の全体像を整理しなければ、生活を立て直すことはできません。どの借金を整理すべきか、どれを残すべきかは、借金の内容や収入状況によって正解が変わります。

返済が少しでも苦しいと感じているなら、できるだけ早い段階で、弁護士や司法書士に相談することが重要です。専門家に相談すれば、任意整理だけでなく、個人再生や自己破産も含めた選択肢の中から、あなたの状況に合った最適な解決方法を客観的に提案してもらえます。

グリーン司法書士法人では、任意整理をはじめ、個人再生や自己破産など、借金問題全般の相談を受け付けています。無料相談も実施しておりますので、返済が限界になる前に気軽にご相談ください。

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まとめ

任意整理は、クレジットカードやカードローンなどの借金の返済負担を軽減できる有効な手続きですが、全ての借金や支払いが整理できる訳ではありません。例えば、税金や社会保険料、賠償金などは、任意整理の対象外です。

また、住宅ローンや所有権留保のある自動車ローン、保証人付きの借金、奨学金などは、法律上は整理の対象に含められるものの、手続き後に不利益を被る可能性が高くなっています。そのため、任意整理から外した方が良いと判断されるケースが少なくありません。

任意整理について正しく理解せずに手続きを進めてしまうと、生活の基盤を失ったり、家族や保証人との関係が悪化したりするなど、取り返しのつかない事態に繋がる恐れもあります。どの借金を整理し、どの支払いを残すべきかは、借金の内容や収入状況によって大きく変わるため、自己判断だけで決めるのは危険です。

グリーン司法書士法人では、対象外となる支払いがある場合や、住宅ローン・保証人付きの借金・奨学金がある場合でも、状況を丁寧に整理したうえで、最適な解決方法を提案します。「自分は任意整理できるのか」「この借金は対象にしても大丈夫か」と迷っている段階でも問題ありませんので、まずは無料相談にお越しください。

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任意整理に関してよくある質問

ここでは、任意整理に関してよくある質問に回答します。

整理対象から外せばクレジットカードは使い続けられますか?
一時的に使える可能性はありますが、将来的には使えなくなるのが一般的です。任意整理の対象から特定のクレジットカード会社を外した場合、その直後はカードが利用できるケースもあります。しかし、いずれかの借金について任意整理を行うと、その事実は信用情報機関に事故情報として登録されます。
クレジットカード会社は、定期的に利用者の信用情報を確認します。その際、他社で任意整理をした履歴が確認されると、更新を拒否されたり、利用停止となったりする可能性があります。
賃貸住宅から追い出されますか?
任意整理をしただけで、直ちに賃貸住宅から追い出されることは通常ありません。ただし、家賃の滞納がある場合は、契約解除や退去を求められる可能性があります。現在の家賃をきちんと支払っていれば、任意整理のみを理由に退去させられる可能性は低いでしょう。
任意整理は誰でもできますか?
任意整理は、安定した収入があり、将来にわたって分割返済を継続できる見込みがある方のみが利用できる手続きです。そのため、収入がまったくない場合や、分割での返済が現実的に不可能と判断される場合には、任意整理を行うことは難しくなります。

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