夫婦で同時に債務整理するとどうなる?メリットやポイントを解説

司法書士市川有美

監修者:グリーン司法書士法人   市川有美
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第9784号 【保有資格】司法書士

借金返済の知識
夫婦で同時に債務整理するとどうなる?メリットやポイントを解説

この記事は約 13 分で読めます。

 この記事を読んでわかること
  • 夫婦で同時に債務整理はできるのか
  • 夫婦で同時に債務整理を行うメリット・注意点
  • 夫婦で同時に債務整理をするか迷った際の判断基準

夫婦のどちらも借金を抱えている場合、「一緒に債務整理をした方がいいのか」「片方だけの手続きで解決できるのか」と悩む方は少なくありません。生活費やローンの返済を分担している夫婦では、どちらか一方だけが債務整理を行っても、家計全体の負担が軽減されないケースも多く見られます。

本記事では、夫婦で同時に債務整理を行うことは可能なのか、その具体的な方法やメリット、注意点を司法書士の専門的な視点から詳しく解説します。また、ペアローンや賃貸住宅への影響、同時手続きを検討すべきタイミングについても紹介します。

1章 夫婦で同時に債務整理はできる

夫婦がそれぞれ借金を抱えている場合、同時に債務整理を行うことは可能です。債務整理は個人の名義で行う手続きのため、夫か妻のどちらか一方が債務整理をしても、もう一方に法的な影響は及びません。反対に、2人がそれぞれ別々に債務整理を進めても問題はなく、同時に行うこともできます。

また、夫婦で同じ金融機関から借り入れをしている場合でも、それぞれが個別の債務者として扱われます。例えば、夫が個人再生を選び、妻が任意整理を行うといったように、同じ債権者に対して異なる手続きを選択することも可能です。

ただし、「夫婦同時に債務整理すべきか」「どの手続きを選択するか」を個人で判断するのが難しくなっています。そのため、夫婦での債務整理を検討している場合は、早めに弁護士・司法書士に相談するのがおすすめです。

2章 夫婦で同時に債務整理を行うメリット

夫婦で同時に債務整理を行うメリットは以下の通りです。

  • 根本から家計状況を改善できる
  • 1人当たりの費用が安くなる場合がある
  • それぞれ借金の状況に合わせた方法を選択できる

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

2-1 根本から家計状況を改善できる

夫婦のどちらか一方だけが債務整理を行えば、その人の返済負担は軽減されますが、もう一方の借金が残っている場合、家計全体としてはあまり楽にはなりません。一方、夫婦で同時に債務整理を行えば、世帯全体の収支を見直したうえで、無理のない返済計画と生活再建の道筋を立てやすくなります。

例えば、これまで夫婦それぞれが返済に追われ、生活費を切り詰めながら借金を返していた場合でも、同時に債務整理を行うことで毎月の返済総額が減り、生活費や貯蓄に回せる余裕が生まれます。これにより、家計状況を根本から改善し、借入に頼る生活からの脱却を目指せます。

また、夫婦で同じタイミングで債務整理に取り組むことで、「片方だけが返済を担い続ける」といった不公平感も生まれにくく、家計管理や生活再建に対して夫婦が同じ方向を向いて進める点も大きなメリットと言えるでしょう。

2-2 1人当たりの費用が安くなる場合がある

夫婦で債務整理を行う場合でも、手続き自体はそれぞれ別々に進める必要がありますが、同じ弁護士や司法書士にまとめて依頼することで、費用が抑えられる事務所もあります。事務所によっては、夫婦同時に依頼することで1人当たりの基本料金に追加費用を加算する形で運営しており、夫婦で別々に依頼するより総額が安くなるのです。

また、裁判所に納める予納金や申立てにかかる費用は原則として個別に必要ですが、夫婦同時に申立てを行うことで、事案の進め方によっては予納金などの一部が調整され、結果として費用が抑えられるケースもあります。

必ず安くなる訳ではありませんが、経済的な負担を少しでも軽減できる可能性がある点は、夫婦で同時に債務整理を行うメリットの一つと言えるでしょう。

2-3 それぞれ借金の状況に合わせた方法を選択できる

債務整理には、任意整理・個人再生・自己破産といった複数の方法があります。夫婦が同時に申し立てる場合であっても、それぞれの借金の内容や収入、生活状況に応じて別々の手続きを選択することが可能です。

例えば、住宅ローンがある場合は個人再生を選び、カードローンや消費者金融からの借入が中心であれば任意整理を選ぶなど、夫婦それぞれにとって無理のない方法を組み合わせることができます。

3章 夫婦の借金を債務整理で解決する際の注意点

夫婦で同時に債務整理を行うことには多くのメリットがありますが、進め方を誤ると、生活や将来設計に影響が出る恐れもあります。ここでは、夫婦の借金を債務整理で解決する際の注意点を見ていきましょう。

3-1 どちらも信用情報に事故情報が記録される

夫婦で同時に債務整理を行うと、それぞれの信用情報機関に事故情報が登録されます。事故情報が登録されている期間中は、クレジットカードや各種ローンが利用できなくなります。

債務整理の種類によっても異なりますが、登録期間の目安は約5年〜7年です。この期間中は、携帯電話の分割払い、カーローン、住宅ローンなどの審査通過が難しくなるでしょう。

夫婦のどちらか一方のみが債務整理を行う場合と比べ、夫婦で同時に手続きを行うと、世帯全体で信用取引を利用しにくくなる期間が生じる点は、事前に理解しておく必要があります。

3-2 一方だけ債務整理をしてもう一方をそのままにするとカードを利用できてしまう

夫婦のうち一方だけが債務整理を行い、もう一方がこれまで通りにクレジットカードやカードローンを利用できる状態にあると、家計の立て直しが思うように進まない場合があります。

一方の返済負担が軽減されても、もう一方がカード利用を続けてしまえば、支出が増え、結果として家計の改善に繋がらないケースも少なくありません。せっかく債務整理によって返済の負担が軽くなっても、家計全体では再び苦しい状況に戻ってしまう可能性があるのです。

借金問題を根本から解決するためには、夫婦のどちらか一方だけの問題として捉えるのではなく、家計全体での再建方法を考えることが重要です。

4章 夫婦で同時に債務整理をするか迷った際の判断基準

夫婦で同時に債務整理を行った方が良いかどうかは、家計の状況や借入の内容、今後の生活設計によって異なります。

同時に行うことで大きな効果が期待できる一方で、状況によっては慎重な判断が必要になるケースもあります。ここでは、夫婦同時に債務整理を検討すべき代表的なケースと、注意が必要なケースに分けて解説します。

4-1 夫婦で同時に債務整理をした方が良いケース

夫婦で同時に債務整理をした方が良いケースは以下の通りです。

  • 夫婦ともに消費者金融やカード会社からのみ借入をしている場合
  • 数年間は借入やカード作成ができなくても問題ない場合
  • ペアローンで組んだ住宅ローンの返済を続けながら借金の元本を減らしたい場合

それぞれ詳しく解説します。

4-1-1 夫婦ともに消費者金融やカード会社からのみ借入をしている場合

夫婦のどちらも、消費者金融やクレジットカードなどの無担保の借入のみを抱えている場合は、夫婦で同時に債務整理を進めることで、家計全体の改善効果を実感しやすいケースと言えます。これらの借金は、住宅や自動車などの担保が設定されていないため、自己破産を除けば債務整理をしても財産には大きな影響がありません。

このようなケースでは、将来利息のカットや返済条件の見直しが可能な任意整理や、債務を大幅に圧縮できる個人再生を選択することで、無理のない返済計画を立てやすくなります。
夫婦それぞれの収入や借入額に応じて手続きを使い分けることで、生活への影響を最小限に抑えながら、家計を立て直しましょう。

4-1-2 数年間は借入やカード作成ができなくても問題ない場合

債務整理を行うと、一定期間は新たな借入やクレジットカードの作成が難しくなります。しかし、現金払いやデビットカードでの生活に切り替えられる場合や、今後しばらく大きな借入の予定がない場合には、夫婦で同時に債務整理を行っても生活への影響はそれほど大きくないでしょう。

むしろ、借入に頼らない生活へと早い段階で移行することで、支出の管理がしやすくなり、家計の見直しにも本腰を入れやすくなります。その結果、夫婦で支出と収入のバランスを共有しながら、借金に依存しない家計体質へと立て直していくことが可能になります。

4-1-3 ペアローンで組んだ住宅ローンの返済を続けながら借金の元本を減らしたい場合

ペアローンで組んだ住宅ローンの返済を続けながら借金の元本を減らしたい場合、夫婦同時に個人再生を行う必要があります。

個人再生には住宅ローン特則があり、マイホームを守りながら借金問題の解決を目指せますが、要件として「その不動産に住宅ローン以外の抵当権が設定されていないこと」が求められているためです。ペアローンでは、1つの住宅に対して夫婦それぞれの住宅ローンに基づく抵当権が設定されるため、どちらか一方だけが個人再生を行った場合には、この要件を満たさず、特則を適用できません。

なお、ペアローンには手を付けず、その他のカードローンや消費者金融の返済負担を軽減したい場合は、整理対象を選べる任意整理も選択肢になるでしょう。

4-2 夫婦で同時に債務整理をする際に注意が必要なケース

夫婦で同時に債務整理をする際に注意が必要なケースは以下の通りです。

  • 今後住宅ローンを組む予定がある場合
  • 教育ローンや奨学金の保証人を予定している場合

それぞれ詳しく解説します。

4-2-1 今後住宅ローンを組む予定がある場合

債務整理を行うと、一定期間は信用情報に事故情報が登録されるため、その間は住宅ローンの審査通過が難しくなります。そのため、今後住宅ローンを組む予定がある場合には、夫婦で同時に債務整理を行うかどうかは慎重に検討すべきケースと言えるでしょう。

夫婦のどちらか一方が債務整理をしても、手続きを行っていない配偶者の信用情報に直接影響が及ぶことはありません。そのため、夫が債務整理を行い、妻名義で住宅ローンを申し込むといった対応が取られることもあります。

ただし、住宅ローンの審査では、名義人本人の信用情報だけでなく、返済能力も確認されます。よって、信用情報に事故情報が記録されていなくても、家計に借金が残っている状況では、希望通りにローンを組めない可能性も否定できません。

このような事情を踏まえると、一度夫婦で債務整理を行い、信用情報が回復したタイミングで改めて住宅ローンを検討した方が、結果的にスムーズに進む場合もあります。債務整理のタイミングが住宅取得の時期に与える影響は大きいため、早い段階から専門家に相談し、長期的な資金計画を立てておくことが重要です。

4-2-2 教育ローンや奨学金の保証人を予定している場合

教育ローンについても住宅ローンと同様に、信用情報に事故情報が登録されている期間中は、借入が難しくなるのが一般的です。そのため、今後教育ローンの利用を予定している場合には、配偶者のどちらか一方の名義で借り入れるのか、信用情報が回復してから改めて申し込むのかを、事前に検討しておく必要があります。

また、信用情報に事故情報が登録されている間は、奨学金の保証人になることもできません。事故情報が抹消されれば保証人になることは可能ですが、子供の進学の時期は待ってくれないため、タイミングによっては信用情報の回復を待つのが非現実的なケースもあります。

夫婦が同時に債務整理を行う場合には、他の親族に保証人を依頼したり、公益財団法人教育資金融資保証基金の保証を利用して「国の教育ローン」を組んだりといった選択肢も考えられます。教育に関わる資金計画は子供の将来に影響するため、債務整理の時期と併せて、早めに専門家へ相談しながら判断することが重要です。

5章 夫婦での債務整理に迷ったら弁護士・司法書士に相談しよう

夫婦で同時に債務整理を行うべきかどうかは、借入の内容や家計の状況、今後の生活設計などを総合的に判断する必要があります。しかし、これらを自分たちだけで見極めるのは簡単ではなく、誤った判断をしてしまうと生活再建が遅れてしまいます。

債務整理に詳しい弁護士・司法書士に相談すれば、夫婦それぞれの収入・債務・生活状況を踏まえたうえで、最も適した解決方法を提案してもらえます。例えば、どちらがどの手続きを選ぶべきか、同時に進める方が良いのか、また費用や今後の生活への影響がどの程度かといった点を、具体的に助言してもらうことが可能です。

特に、夫婦の一方が保証人になっている場合や、住宅ローン・ペアローンなどの共同債務がある場合は、手続きの選択によって結果が変わる場合があります。専門家に早めに相談することで、不要なリスクを避けながら、借金問題の解決を目指せるでしょう。

グリーン司法書士法人では、経験豊富な専門家が借金問題の解決をサポートしています。無料相談も実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

夫婦で同時に債務整理を行うことは可能であり、家計全体の再建を目指す際に効果的です。夫婦のどちらか一方だけが手続きを行っても、もう一方に借金が残れば家計の負担は軽減されにくいため、同時に進めることで根本的な改善を図りやすくなります。ただし、夫婦で同時に債務整理を行う場合には、信用情報への登録や今後のローン利用への影響など、注意すべき点もあります。

また、どの手続きを選ぶべきかは、借入の種類や金額、収入の状況、そして将来の生活設計によって大きく異なります。重要なのは、夫婦どちらか一方の問題としてではなく、家計全体の課題として捉えることです。

返済が苦しくなった段階で放置してしまうと、利息や遅延損害金が膨らみ、解決がさらに難しくなる恐れがあります。そのため、早めに弁護士や司法書士などの専門家に相談し、現状に合った最適な債務整理の方法を一緒に検討することが大切です。

グリーン司法書士法人では、夫婦での債務整理に関するご相談を無料で受け付けています。借入状況や今後の生活設計に合わせた提案を行っておりますので、安心してお任せください。

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夫婦同時に債務整理を行う際によくある質問

ここでは、夫婦同時に債務整理を行う際によくある質問を見ていきましょう。

ペアローンを組んでいる場合、マイホームは手放すしかありませんか?

ペアローンを組んでいても、夫婦どちらも同時に個人再生を行えば、マイホームを手放さずに済む可能性があります。夫婦の双方が個人再生を申し立て、住宅ローン特則を利用すれば、住宅ローンの返済を続けながらその他の借金だけを減額することが可能です。
ただし、片方だけが個人再生を行った場合は、特則を適用できず、マイホームを失う恐れがあります。そのため、ペアローンを組んでいる場合は、夫婦同じタイミングで個人再生を行って住宅ローン特則を利用する、もしくは任意整理を選択して住宅ローンを交渉対象から外す必要があるでしょう。

夫婦同時に債務整理を行うと賃貸住宅は追い出されますか?

債務整理を理由に賃貸住宅を退去させられることは基本的にありません。債務整理の情報は信用情報機関に登録されますが、家主や管理会社には知られることはなく、契約の継続にも影響しない場合が多くなっています。
ただし、家賃の滞納がある場合は別です。滞納が続けば、債務整理の有無にかかわらず契約解除を求められる可能性があります。生活を立て直しながら今の住まいを守るためには、早めに専門家に相談し、家賃を含めた現実的な返済計画を立てるのが望ましいでしょう。

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