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- 自己破産が原因で賃貸の審査に通らないかどうか
- 自己破産の後でも賃貸の審査に通過するためのポイント
- 自己破産前後の賃貸に関する注意点
借金が増えすぎて返済が苦しい状況でも、「自己破産をしたら賃貸の審査に通らなくなるのでは」「部屋を追い出されるかもしれない」と不安に感じ、手続きをためらってしまう方は少なくありません。
確かに、自己破産をすると信用情報に記録が残り、ローンやクレジットカードの利用が制限されます。しかし、賃貸契約においては自己破産の影響は限定的で、適切な対応を知っていれば問題なく部屋を借りられるケースが多くなっています。
この記事では、自己破産後に賃貸の審査に落ちる可能性があるケースと、その理由を詳しく解説します。審査をスムーズに通過するための具体的な方法や注意点も紹介しているので、「自己破産を考えているけど、賃貸の審査が心配」という方はぜひ参考にしてください。
目次 ▼
1章 自己破産が原因で賃貸の審査に通らないケースはほとんどない
冒頭でも述べた通り、自己破産を理由に賃貸の審査に通らなくなるケースはほとんどありません。賃貸契約の審査は「家賃を滞りなく支払えるか」という支払い能力を重視しており、過去の債務状況よりも今の収入や勤務先、家賃とのバランスなどが重視されます。
また、賃貸の審査を行うのは保証会社や大家(オーナー)であり、これらは信用情報機関(CIC・JICCなど)を確認しません。「自己破産=賃貸の審査に落ちる」というのは誤解であり、自己破産をした後でも賃貸に住むことは可能です。
1-1 一部の賃貸保証会社では審査に落ちる可能性がある
自己破産をしていても基本的には賃貸の審査に通過しますが、例外的に注意が必要なのが以下のような信販系の賃貸保証会社を利用する場合です。
- オリコフォレントインシュア
- セゾン
- ライフカード
- ジャックス
- エポスカード(ROOM iD)
- SBIギャランティ
- SMBCファイナンスサービス
- アプラス
- セディナ
信販系保証会社は、信用情報を参照して審査を行うため、自己破産の履歴があると審査に通過するのが難しくなります。
1-2 自己破産が原因で今の賃貸を追い出される心配は少ない
すでに賃貸物件に住んでいる場合でも、自己破産を理由に契約を解除されたり、強制退去を求められることは基本的にありません。大家や管理会社が契約を終了できるのは、家賃の滞納や重大な契約違反がある場合に限られます。
そのため、破産をしても家賃をきちんと支払い続けていれば、契約を更新できるケースがほとんどです。
ただし、家賃を滞納したまま破産手続きを行うと、大家が債権者として破産手続きに関わることになり、家賃の未納分を理由に退去を求められる恐れがあります。
家賃の支払いが難しいと感じた場合は、手続き前に弁護士・司法書士へ早めに相談し、今後の住まいをどうするかを含めた解決策を検討しておくことが大切です。
2章 自己破産の後でも賃貸の審査に通過するためのポイント
自己破産の後でも賃貸の審査に通過するためのポイントは以下の通りです。
- 信販系の賃貸保証会社を避ける
- 連帯保証人をつける
- UR賃貸住宅や公営住宅に申し込む
- 不動産会社に審査に自信がないことを伝える
- 同居人に申し込んでもらう
それぞれについて詳しく解説します。
2-1 信販系の賃貸保証会社を避ける
自己破産後に賃貸に申し込む際は、オリコフォレントインシュアやエポスカード、ジャックスといった信販系の賃貸保証会社を利用する物件を避けましょう。なぜなら、信販系の保証会社は信用情報をチェックして審査を行うため、自己破産の履歴が残っている期間は審査落ちする可能性が高いためです。
事故情報が記録されている間は信販系保証会社の審査で不利になりやすいため、信用情報を参照しない独立系保証会社を利用する物件を選びましょう。
例えば、JID(日本賃貸保証)やCasa、全保連、アーク賃貸保証などの独立系保証会社は、過去の債務履歴ではなく現在の収入や勤務先、家賃負担のバランスを重視して審査を行います。独立系保証会社であれば、自己破産後でも安定した収入があれば審査を通過しやすいでしょう。
2-2 連帯保証人をつける
保証会社の審査に不安がある場合でも、安定した収入がある親族や家族が連帯保証人になれば、審査をスムーズに進められるケースがあります。連帯保証人は、契約者が家賃を滞納した場合に代わりに支払う法的義務を負う立場です。
連帯保証人をつけることで、不動産会社や大家にとっては「支払いが滞っても家賃を回収できる」という安心材料となり、信用情報に自己破産の記録があっても契約が成立する可能性が高まります。
ただし、あなたの返済が滞れば、連帯保証人が家賃を支払わなければなりません。そのため、必ず事前にリスクを説明し、納得したうえで依頼することが大切です。
2-3 UR賃貸住宅や公営住宅に申し込む
自己破産後に賃貸の審査が不安な場合は、UR賃貸住宅や公営住宅を検討するのも有効な方法です。UR賃貸住宅や公営住宅は、一般的な民間賃貸とは異なり、保証人や保証会社を必要としない場合が多いため、自己破産の影響を受けにくいという特徴があります。
UR賃貸住宅は、信用情報を参照せずに審査を行うため、過去に自己破産をしていても問題ありません。審査の基準は「家賃の支払い能力があるかどうか」で、主に収入や勤務形態が重視されます。そのため、安定した収入があれば、自己破産の有無にかかわらず契約を結べるケースがほとんどです。
また、自治体が運営する公営住宅(市営・県営・都営住宅)は、自治体が経済的に困難な方のために提供している住宅です。自己破産を理由に入居を拒否されることはありませんが、自治体によっては保証人を立てる必要がある場合もあります。
収入制限や募集時期などの条件が細かく定められているため、申し込む前に自治体のホームページなどで要件を確認しておきましょう。
2-4 不動産会社に審査に自信がないことを伝える
自己破産後に賃貸契約を進める際は、不動産会社に審査が不安であることを伝えておくのも有効です。不動産会社は日々、様々な事情を抱える入居希望者とやり取りしており、審査落ちの可能性が高い方への対応に慣れている担当者も多くいます。
例えば、「信販系の保証会社は避けたい」「審査に少し自信がない」と伝えておくだけでも、担当者が独立系の保証会社を利用できる物件や保証人不要の物件を優先的に紹介してくれる場合があります。
なお、破産の理由や詳細な事情まで説明する必要はありません。「過去にクレジット関係で少し審査が通りづらいかもしれません」と伝える程度で十分です。
2-5 同居人に申し込んでもらう
自己破産後の審査に不安がある場合は、同居予定の家族やパートナーに契約者として申し込んでもらう方法もあります。賃貸契約では、申込者の信用情報や収入が審査の対象になるため、自己破産をしていない同居人が契約者となれば、信販系の保証会社を利用する物件でも信用情報の影響を受けずに契約を進められます。
例えば、夫婦や親子で同居する場合、収入のある家族が契約者になり、自己破産をした本人は同居人として入居する形です。この方法であれば、保証会社の審査対象が同居人ではなく契約者本人になるため、審査通過の可能性が高まるでしょう。
ただし、実際に住む人と契約者が異なる場合には、事前に不動産会社や大家へ伝え、承諾を得ておく必要があります。無断で契約者と居住者を入れ替えると、賃貸借契約の解除や損害賠償請求を受ける恐れがあるため注意が必要です。
3章 自己破産前後の賃貸に関する注意点
自己破産をすると、住まいや引っ越しに関する行動が一時的に制限されることがあります。特に手続きの時期や家賃の扱いを誤ると、免責が認められなかったり、大家とのトラブルに発展したりする恐れがあります。ここでは、自己破産の前後で注意しておきたいポイントについて見ていきましょう。
3-1 手続き中に引っ越すと免責されない恐れがある
自己破産手続き中に引っ越しをする場合、特に管財事件として進められているケースでは注意が必要です。管財事件とは、裁判所が選任した破産管財人が財産を調査・管理し、必要に応じて換価処分を行い、債権者に配当を行う手続きのことです。
この段階では、財産隠しや所在不明などを防ぐために行動が制限されるため、勝手に引っ越すことはできません。管財事件中に引っ越しを希望する場合は、裁判所に転居許可申立を行い、許可を得る必要があります。
一方で、裁判所の許可を得ずに引っ越してしまうと、免責が不許可になる恐れがあります。その場合、借金は免責されず、これまで進めてきた破産手続きが無効になってしまいます。
そのため、やむを得ない事情で引っ越しが必要な場合でも、弁護士や破産管財人に必ず相談し、正式な手続きを踏みましょう。
3-2 滞納している家賃だけを優先的に返してはいけない
自己破産前に家賃を滞納していても、家賃だけを優先的に支払うのは避けましょう。この行為は偏頗弁済(へんぱべんさい)にあたる可能性があり、免責が認められなくなるリスクがあります。
自己破産では、全ての債権者を平等に扱うことが原則です。一部の債権者だけに返済すると、「他より優遇した」とみなされ、破産手続き全体に悪影響を及ぼす恐れがあります。
例えば、家賃の滞納分だけを支払って退去を免れたとしても、後から破産管財人に偏頗弁済と判断されてしまいます。その場合、管財人が大家から滞納分の支払いを回収して退去を迫られたり、免責が認められなかったりします。
自己破産を検討している状況では、一部の債権者にだけ返済をすることがないようにしましょう。
3-3 家賃が高額と判断された場合は引っ越しが必要になる
自己破産手続き中に、今の家賃が収入に対して高すぎると判断された場合は、引っ越しを求められるケースがあります。自己破産は、借金を整理して再出発するための制度なので、家計に見合わない高額な家賃を払い続けていると「生活の安定が見込めない」と判断され、必要経費を抑えるよう求められるのです。
裁判所から選任される破産管財人は、破産者の財産や支出を調査し、生活を立て直すうえで支障があると判断した場合には、賃貸借契約を解除する権限を持っています。つまり、収入に比べて家賃が高すぎると、破産管財人の判断で住まいを変えなければなりません。
4章 自己破産にためらっているなら早めに専門家に相談しよう
自己破産を検討していても、「手続きが難しそう」「賃貸に住めなくなるかもしれない」と不安に感じて、なかなか踏み出せない方は少なくありません。しかし、自己破産は人生を立て直すための法的な救済制度であり、正しい知識を持って進めれば、生活をやり直すことは十分に可能です。
弁護士・司法書士に相談することで、自己破産以外の選択肢(任意整理や個人再生など)も含めて、今の状況に最も合った解決方法を一緒に検討できます。また、賃貸の継続や新しい住まい探しについても、これまでの事例を踏まえた具体的なアドバイスを受けられるでしょう。
ただし、対応が遅れると解決方法の選択肢が少なくなったり、財産が差し押さえられたりします。そのため、支払いに追われて自己破産を検討しているなら、早めに専門家に相談することが大切です。
グリーン司法書士法人では、経験豊富な司法書士が借金問題の解決をサポートしています。適切な解決方法の提案も行っているので、少しでも借金でお困りの方はお気軽にご相談ください。
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まとめ
自己破産をしても、賃貸の審査に通らないとは限りません。信販系の保証会社を避けたり、連帯保証人をつけたりすることで、多くの方が問題なく新しい住まいを見つけています。また、UR賃貸や公営住宅など、自己破産の影響を受けにくい選択肢もあります。
一方で、手続き中の引っ越しや家賃の支払い方などには注意が必要です。裁判所の許可を得ずに転居したり、滞納家賃だけを優先的に返済したりすると、免責が認められなくなります。生活を立て直すためにも、正しい手順で自己破産の手続きを進めましょう。
なお、自己破産の手続きは非常に複雑で、状況に応じた判断や書類対応が求められます。誤った対応によって免責が認められなくなるため、少しでも不安がある場合は、早めに司法書士や弁護士などの専門家へ相談しましょう。
専門家に依頼すれば、債権者への連絡や裁判所とのやり取りも代行してもらえるため、精神的な負担を大きく減らせます。
グリーン司法書士法人では、自己破産をはじめとする債務整理の相談を数多く受けております。相談は無料で承っておりますので、自己破産をためらっている方もお気軽にお問い合わせください。
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自己破産に関してよくある質問
ここでは、自己破産に関してよくある質問について見ていきましょう。
- 賃貸保証会社や大家に自己破産をしたことはバレませんか?
- 自己破産をしても、その情報が自動的に大家や管理会社へ通知されることはありません。自己破産の記録は信用情報機関に登録されますが、賃貸保証会社(信販系を除く)や大家は確認できない仕組みになっています。
そのため、現在の住まいで家賃を滞納せずに支払っていれば、自己破産が理由で契約を打ち切られたり、退去を求められたりすることはほとんどありません。
ただし、家賃を滞納している場合は状況が異なります。滞納分が債務に含まれると、大家が破産手続きの債権者となるため、その過程で自己破産が知られる可能性があります。
- 信用情報に登録される期間はどれくらいですか?
- 削除までの期間や起算点は信用情報機関によって異なりますが、一般的には7年ほどです。登録期間が過ぎれば事故情報は消去され、クレジットカードやローンの審査も徐々に通りやすくなるでしょう。















