債権委託予定最終通知とは?無視するリスクと対処法について

司法書士山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第8849号 / 東京都行政書士会所属 会員番号第14026号 【保有資格】司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

借金返済の知識
債権委託予定最終通知とは?無視するリスクと対処法について

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 この記事を読んでわかること

  • 「債権委託予定最終通知」とは何か
  • 通知を受け取っても対処しないとどうなるのか
  • 通知を受け取ったときの適切な対処法

ある日突然、債権回収会社や貸金業者からの通知を受け取ると、「連絡するべきか?それとも放置した方がよいか?」と悩むかもしれません。

借金に心当たりがあり、これまで返済を放置してきたという人は、速やかに支払いを行いましょう。

支払いたくないからと放っておくと、債権回収会社に回収業務を委託され、短期間のうちに裁判を起こされる可能性があります。

ここでは、「債権委託予定最終通知」とはどのような通知で、無視をしているとどんなリスクがあるのかや、その対処法について解説します。

1章 債権委託予定最終通知とは

「債権委託予定最終通知」とは、債権者(お金を貸した側)が債務者(お金を借りた人)に対して、貸したお金の回収を債権回収専門の会社に依頼することを予告した通知文書です。

借金の返済が滞り、電話や請求書送付などの方法では返済の目処が立たないため、債権者が債権回収会社(サービサー)に取り立てを委託することがあります。

債権委託予定最終通知とは、債権委託会社に委託することを債務者に知らせる委託前の最終段階の通知です。この段階で返済や連絡がなければ債権回収業務が委託され、これ以降は債権回収会社からの取り立てを受けることになります。

1-1 債権委託と債権譲渡の違い

債権の取り立てを債権回収会社等に委託することを「債権委託(さいけんいたく)」といいます。

一方、「債権譲渡(さいけんじょうと)」とは、債権者が持っている債権を、そのまま内容を変えずに債権回収会社等に譲り渡すことです。

債権譲渡が行われた場合、債務者が返済する相手はもとの債権者から債権回収会社等に変更になります。債権譲渡は、不良債権(回収が困難、または困難になる可能性が高い債権)を所有する債権者が、回収の手間を省いて金銭を得られる、リスク回避の手段として行います。

債権委託と債権譲渡の違いを、簡単に示したものが次の表です。

項目債権委託債権譲渡
債権者変わらない新しい債権者に移転
債権回収委託先(債権回収会社等)が回収あたらしい債権者が回収
収益債権者(委託者)新しい債権者
信用情報変わらない債権譲渡の記録(債権回収会社への譲渡の場合は5年で事故情報が消える)

1-2 【注意】債権委託予定通知は架空請求の可能性もある

債権委託予定通知が届くと、過去に滞納していたのかと焦ってしまうかもしれません。しかし、架空請求の可能性もあるため、慌てて連絡したり支払ってしまったりすることのないよう注意しましょう。

「法務大臣の許可した債権回収会社」に掲載されている会社名や、似た名前を語った悪質な業者が、「債権委託を受けるまたは受けた」などとして、架空請求を行うケースが増えています。

法務省のホームページで、実在する債権管理回収業者名を確認できます。また、社名が同じでも、正しい連絡先に電話してみるなどして債務内容を確認することが大切です。

法務省「債権管理回収業の営業を許可した株式会社一覧」

2章 債権委託予定最終通知が届いても返済しないでいるとどうなる?

債権委託予定最終通知が届いても、返済・連絡などをせず無視していると、回収業務が債権回収会社に委託されます。

2-1 債権回収会社に回収業務が委託される

債権回収会社と聞くと、怪しい会社なのでは?と思う人がいるかもしれませんが、正規の債権回収会社は、債権の取り立てを業とすることについて、法務大臣から許可を受けた会社です。

債権回収業務の委託を受けた債権回収会社は、委託を受けた旨を債務者に通知した後または同時に、書面で全額を一括払いするよう督促してきます。元金に加えて利息や遅延損害金も付加された金額であることが多く、滞納期間が長いと高額になっているケースもあります。

また、書面以外にも電話や自宅訪問による督促を受ける可能性もあるため、不意の電話や訪問には要注意です。

債権回収会社は、債権管理回収業に関する特別措置法(通称:サービサー法)に基づき、裁判上の行為を行う権限も有しています。そのため、強制執行のリスクも上がり、取り立てが以前より厳しくなる可能性があります。

2-2 債権回収会社とは

債権回収会社とは、法務大臣の許可を得て金銭債権の管理回収を行う法人のことです。サービサーとも呼ばれ、サービサー法に基づき運営されています。

債権回収会社に関して送られてくる通知には、会社によって名称が多少異なります。債権委託予定最終通知以外にも、次のようなものがあります。

  • 「債権譲受通知書」
    元の債権者から債権を譲り受けたことを知らせる通知
  • 「督促状」「催告書」「ご返済のお願い」
    期日までに支払われなかった場合に、支払い期日、未払い金額などを示し入金を促す通知。内容証明郵便で送られる場合もある
  • 「訴訟手続き開始予告」「法的措置予告通知」「最終通告書」
    訴訟や強制執行など、法的手続きを行うことの予告・通知。繰り返し督促をしても、返済を行わない場合の最終通告

3章 債権委託予定最終通知が来たときの対処法

債権委託予定最終通知が郵送されてきたら、そのまま放置するのは危険です。まずは、督促状が実在する債権回収会社からの正しい請求であるかを確認します。

詐欺や架空請求ではないと判明したら、次に取るべき対処法を解説します。

3-1 司法書士・弁護士に相談する

支払いができないため、どのように対処したら良いかわからない・自分で対応する自信がないと不安を感じる人は少なくないでしょう。その場合は、司法書士や弁護士に相談しましょう。

司法書士や弁護士に相談すると、届いた通知の内容を確認した上で適切な対処法をアドバイスしてくれます。消滅時効の可能性について確認したり、債務整理が可能か説明したりしてもらえるでしょう。

自分で行うのが不安な債権回収会社との交渉も、専門家に依頼することができるため安心です。

3-2 債権者と分割払い・支払い期限の延長を交渉する

返済の資金が足りず、すぐに支払えない場合は、債権回収会社と分割払いや支払い期限の延長について交渉します。

債権回収会社の連絡窓口に連絡し、今後の支払い方法について話し合います。真摯な態度で対応すれば、担当者は話を聞いてくれるでしょう。

会社によっては、分割払いや遅延損害金の減額に応じてくれる可能性もあります。

3-3 債務整理を検討する

分割払いの交渉をしても返済が難しい場合、債務整理は有効な選択肢となります。債務整理とは、借金の返済が難しくなったときに、借金の減額や返済の免除をしてもらうことで借金問題を解決できる手続きです。

自身の状況に応じて適切な方法を選ぶことで、無理なく返済することができたり、生活の立て直しを図ったりすることができます。

次に、債務整理の主な3つの方法について解説します。

3-3-1 任意整理

「任意整理」とは、裁判所の関わりなく、債権者と直接交渉し、借金の返済条件を変更する手続きです。

任意整理をすると、今より家計の負担が減り生活が楽になったと実感できるでしょう。裁判所を通さないため、比較的簡単に行える点が特徴です。また、配偶者や家族に内緒にしたい人にとって、バレにくい手続です。

ただし、完済後も5年間は信用情報機関に事故情報が登録されるため、新たな借入が制限されることがあります。

3-3-2 個人再生

「個人再生」とは、大幅に減額してもらった借金を原則3年間で完済するよう再生計画案を作成し、裁判所に認可をもらう手続きです。

具体的には、借金の元本を5分の1程度に減額でき、再生計画どおりに完済すると減額した分の借金について支払義務がなくなります。

また、住宅ローン特則を利用することで、持ち家を維持しながら債務整理を行えるという大きなメリットがあります。

任意整理では返済できない多額の借金がある場合や、自宅など処分したくない財産がある場合に個人再生は大変有効な手続きです。ただし、信用情報機関に事故情報が登録され、完済後も5年間は新たな借入が制限されます。

手続きには時間と費用がかかりますが、司法書士や弁護士など専門家に相談することでスムーズに進められるでしょう。

3-3-3 自己破産

「自己破産」とは、税金の滞納分などを除いた借金の返済義務を、法的に免除してもらう手続きです。

原則的に返済義務がなくなるという大きなメリットがある一方で、持ち家や車など高価な財産を失うリスクがあります。また、信用情報に事故情報が登録され、7年間は新たな借入ができなくなります。

しかし、収入がないなどの理由で借金返済の目処が立たない人にとって、自己破産は借金をゼロにして人生を再スタートできる強力な手続きです。

まとめ

「債権委託予定最終通知」は、いわば“本格的な取り立ての一歩手前”のサインです。架空請求の可能性もあるため、まずは通知に記載された債権者名や債権回収会社名・連絡先が正しいかどうかを冷静に確認することが重要です。正規の債権回収会社による請求であれば、無視や放置は差押えなどの法的措置につながるリスクがあります。

支払いが難しい場合でも、「払えないから見ないふりをする」のではなく、分割払いや期限延長の交渉、債務整理の検討など、取れる選択肢はいくつもあります。一人で抱え込まず、早めに司法書士や弁護士へ相談することで、負担を抑えつつ現実的な解決策を一緒に考えてもらうことができます。

債権委託予定最終通知が届いたタイミングは、まだ「間に合う段階」です。将来の生活を守るためにも、通知をきっかけに借金問題と正面から向き合い、早期の対応・相談を心がけましょう。

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