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- 使わないクレジットカードを放置するリスク
- クレジットカードを使うことのメリット
- クレジットカードの平均保有枚数
- 使わないクレジットカードを解約する方法
クレジットカードは日常生活において非常に便利なツールですが、持っているけど使わないカードがあれば、リスクが伴います。不要なカードを放置しておくことで、予期せぬ年会費の発生や、管理が煩雑になることがあるでしょう。
さらに、カード情報が漏れた際の不正利用のリスクも高まります。このようなリスクを避けるためには、定期的にカードの見直しを行い、不要なものは解約するのもひとつの考え方です。
解約することで、無駄な費用を抑え、セキュリティを強化できます。今回の記事では、持っているけど使わないクレジットカードを放置するリスクについて、掘り下げて見ていきましょう。
目次 ▼
1章 持ってるけど使わないクレジットカードを放置するリスク
保有はしているけれど、使用しないクレジットカードがあると、主に次のような6つのリスクが生じます。
- 不正利用される恐れがある
- 年会費がかかり続ける
- 新しいクレジットカードを作りにくくなる
- 支払い管理が大変になる
- 住宅ローンの審査に通りにくくなる場合がある
- 利用への誘惑
それぞれを見ていきましょう。
1-1 不正利用される恐れがある
クレジットカードを放置すると、カード情報が漏洩するリスクがあります。特にオンライン上での不正利用が懸念され、クレジットカードの番号やセキュリティコードが第三者に知られることで、不正に使用されるリスクは否めません。
カードが物理的に紛失しなくても、オンラインでの情報漏洩により不正利用されるケースが報告されています。放置されたクレジットカードは、管理が行き届かず、不正利用された際にすぐに気づかないこともあるでしょう。
クレジットカード会社は不正利用を監視していますが、すべての不正利用を防げるわけではありません。そのため、定期的な確認と適切な管理が必要です。
不正利用が発覚した場合には、速やかにカード会社に連絡し、カードの利用停止や新しいカードへの切り替えが行われます。それによって、被害を最小限に抑えることが可能ですが、放置しているとその対応が遅れ、被害が拡大することもあります。
これらのことから、不使用のクレジットカードは適切に管理するか、必要なければ解約することも、ひとつの選択肢です。
1-2 年会費がかかり続ける
使わないクレジットカードを保持していると、年会費無料のカードでなければ、無駄に年会費が発生します。特に、特定のサービスや特典が付帯する高額な年会費のカードの場合、意外に大きな出費となる可能性があります。
年会費がかかるクレジットカードを複数持っている場合、それらの枚数だけ維持費用が積み重なって大きな負担となることもあります。したがって、定期的に自身が所有するクレジットカードの利用状況を見直し、不要なカードは解約することが賢明です。
解約をする際はカード会社に連絡を取り、解約手続を進めます。このプロセスを通じて、不要な年会費の支払いを避け、経済的負担を軽減できます。また、カードの解約後は、カード情報が第三者に不正に使用されないよう、カードを物理的に破棄しましょう。
1-3 新しいクレジットカードを作りにくくなる
クレジットカードを複数枚持っていると、新しいクレジットカードの申し込みが難しくなる場合があります。これには「総与信枠」と呼ばれる、一個人が利用できる信用枠が影響するものです。
クレジットカードを多く持っていると、それぞれのカードの与信枠が合計され、全体の信用枠が大きくなります。その結果、新たにクレジットカードを作る際、カード会社は申込者の信用リスクを高く見積もり、新しいカードの発行が拒否されかねないわけです。
また、多くのカードを持つことは、個人の信用情報にも影響を与え、ほかの金融商品の審査にも影響を及ぼす可能性があります。このため、クレジットカードの枚数を適切に管理し、実際に使用していないカードは解約を考慮することが大切です。
解約することで、不要な信用枠を整理し、より良い信用状態を維持できます。信用情報の健全性を保つためにも、クレジットカードの管理は慎重に行うべきでしょう。
なお、クレジットカードが審査落ちする一般的な原因については、以下の記事でくわしく取り上げています。そちらも併せて、参考にご覧ください。
1-4 支払い管理が大変になる
クレジットカードを複数持っていると、支払い管理が複雑になりがちです。各カードの支払日や利用明細を追跡する必要があるため、時間と労力がかかります。
特に、個人事業主の場合、ビジネス用とプライベート用の区分けも必要になることがあるでしょう。
さらに、複数のカードを利用していると、どのカードがどの支出に対応しているのかを明確にする必要があります。これは、特に確定申告の際に正確な財務報告を行うために重要です。
もし管理が行き届かないと、重複払いや未払いが発生するリスクもあります。また、複数の支払いを一元管理するためには、詳細な記録保持や定期的な確認が必要です。
これには専用のソフトウェアやアプリを利用するのが効果的ですが、それにもコストがかかることを認識しておく必要があります。
さらに、支払い先が多いと、金融機関からの信頼性にも影響を及ぼすことがあります。たとえば、支払いの遅延は信用情報に悪影響を与えるため、常に慎重な管理が求められます。
このように、クレジットカードの支払い管理は単に時間がかかるだけでなく、信用情報にも関わるため、適切な対策と注意が必要です。
なお、クレジットカードの支払いの遅延・滞納による信用情報への影響やデメリットについては、以下の記事でくわしく取り上げています。併せてそちらも、参考にしてください。
1-5 住宅ローンの審査に通りにくくなる場合がある
未使用のクレジットカードが複数あると、その利用可能枠が総負債として計算されるため、住宅ローンの審査に悪影響を与えることがあります。カードの利用可能枠があまりに多いと、返済能力に疑問符がつき、審査が厳しくなる可能性があります。
また、クレジットヒストリーが多岐にわたると、金融機関によってはこれをリスクと捉えることがあります。保有カードが多いことは、将来的に突然大量の負債を抱えるリスクがあると見なされるからです。
住宅ローンの審査では、借入れ前のすべてのクレジット情報が評価の対象となるため、カードの数や利用枠を適切に管理することが重要です。
さらに、未使用のクレジットカードがあると、それがいつ利用されるか予測がつかないため、金融機関は余分なリスクを背負いたくないと考えがちです。このため、信用評価が低くなり、住宅ローンの承認が得られにくくなることがあります。
クレジットカードを整理しないことは、将来的に金融サービスの利用が限定される原因にもなります。たとえ現在は利用していないカードであっても、ここで述べたように、金融機関からの信用を低下させる要因となりえるため、定期的な見直しが推奨されます。
なお、住宅ローンの審査が通らない場合の、信用情報の関係性について以下の記事でくわしく取り上げています。ぜひ、参考にご覧ください。
1-6 利用への誘惑
本来クレジットカードを持っていなければ、買わなくてよいものや、利用しなくてよいサービスが、クレジットカードがあるがために、ついつい手を出してしまうケースがあります。
加えて、借金癖がある人は、クレジットカードやカードローンの枠を持っていると、「使えるお金が増えた」感覚、つまりあたかも貯金が増えたような、錯覚に似た感覚を持つ傾向があります。
使わないクレジットカードをそのまま持っていると、利用への誘惑に駆り立てられて、使ってしまうリスクがあるので、無用なクレジットカード類の適切な対応が必要です。
2章 クレジットカードを持つメリット
クレジットカードを保有することには、主に次のような3つのメリットがあります。
- 買い物時に現金を持ち歩かなくてすむ
- ネットショッピングを活用しやすい
- 海外旅行で両替が不要になる
個別に見ていきましょう。
2-1 買い物時に現金を持ち歩かなくてすむ
クレジットカードを使用する最大の利点のひとつは、現金を持ち歩く必要がなくなることです。それによって、盗難や紛失のリスクを大幅に減少させることができます。
クレジットカードなら、商品やサービスの支払いをカード一枚で行え、必要な時にのみ小銭や紙幣を使えます。さらに、日常では多額の現金を用意する必要がほぼなくなり、急な支出があっても慌てることなく対応できるでしょう。
店頭での支払いも、カードを提示するだけで済み、レジでの時間も短縮されます。結果として、買い物がよりスムーズで快適な体験となり、日々の生活の効率が向上します。
これらのメリットにより、今やクレジットカードは現金に代わる便利な支払い方法として、あらゆる場面で利用されています。
2-2 ネットショッピングを活用しやすい
クレジットカードを利用することで、ネットショッピングが格段に便利になります。オンラインでの買い物では、クレジットカード情報を入力するだけで、迅速かつ安全な決済が可能です。
一度情報を登録してしまえば、その後の買い物では何度も情報を入力する手間が省け、スピーディーなネットショッピングが可能です。
また、欲しい商品の数量が限定されている場合、多くのオンラインショップではカードを利用することで即時購入が可能になるため、商品の確保が早くなります。
多くのクレジットカードはセキュリティ機能も充実しており、不正利用から保護するためのさまざまなサービスが提供されています。たとえば、一定の金額以上の取引や海外での利用があった場合に通知が来るサービスなどです。
それによって、万一のデータ漏洩や不正利用が発生したとしても、すぐに対応が可能です。
また、ポイント還元率が高いカードも多く、それを使用するたびにポイントが蓄積されます。このポイントは次回のショッピング時に利用できるため、実質的な割引として機能し、よりお得な買い物が可能です。
加えて、特定のネットショップやブランドと提携しているカードも多く、そのカードの利用者限定割引やキャンペーンなどの特典を利用できます。
2-3 海外旅行で両替が不要になる
海外旅行において、クレジットカードは非常に強力なツールです。クレジットカードを持っていれば、通貨両替の手間を省くことができ、そのままショッピングやレストランでの支払いに利用できます。
それによって、両替時の手数料やレートの損失を避けることが可能です。また、多くのカードには旅行傷害保険が付帯しており、万一の事故や怪我に対して保険が適用されるため、安心して旅行を楽しめます。
さらに、クレジットカードは海外で広く受け入れられており、ホテルやレンタカーの予約にも必要です。これらのサービスでは、クレジットカードがあれば現地での支払いやデポジットの設定がスムーズに行えます。
また、カードによっては外国での利用に特化したサービスや、通信料金の割引など、旅行者に便利な機能が付帯していることもあります。
このようにクレジットカードの利用により、海外での経済的な負担を減らし、より多くの場所を自由に旅できます。カードを選ぶ際は、海外利用に適したセキュリティ機能や、サポート体制が整っているものを選ぶと安心です。
3章 クレジットカードの平均保有枚数は約3枚
クレジットカードはどの程度、世間に行き渡っているのでしょうか。日本クレジット協会の調査によると2023年の3月末現在で、国内クレジットカード総発行枚数が20歳以上の人口の約3倍の約3億860万枚です。
この数字は、前年比で2.5%の増加を示しています。また、家族カードが前年比1.6%増の2,415万枚、法人カードが4.9%増の1,201万枚となっています。
この調査で判明したのは、20歳以上の人々の間では、クレジットカードの平均所有枚数は3.0枚ということです。消費者が多様な支払い方法やカードの利便性を活用する傾向があることが示されています。
出典:クレジットカード発行枚数調査結果の公表について|一般社団法人日本クレジット協会
クレジットカードの普及によって、消費者の金融知識が向上し、生活スタイルの多様化に寄与しているとされていますが、複数のカードの管理はそれに伴う課題も指摘されています。
カードユーザーにとってカードの複数保有は、自身が充分に収支を管理できる範囲に抑えることが望ましいでしょう。
3-1 管理しやすくするならメイン+サブの2枚持ちがおすすめ
クレジットカードの賢い利用法の一つとして、メインとサブのカードを適切に使い分けることが挙げられます。
メインカードは日々の支払いに頻繁に使用するカードですが、サブカードは特定の場面や非常時のために保持するカードです。この使い方によって、カードの特典を最大限に享受できるだけでなく、リスクも分散させることができます。
さらに、メインカードでの利用がポイントを効率良く集める手助けをする一方で、異なる属性のサブカードを持つことにより、利用できる範囲を拡げることができます。
このようにカードをメインとサブで2枚選ぶ際は、年会費や利用条件なども考慮し、自分の生活スタイルに最適なものを選ぶことが、家計管理や非常時の備えに役立ちます。
なお、クレジットカードの請求額が支払えなくなった場合や、支払いが遅れる場合の対処法については、以下の記事でくわしく取り上げています。ぜひ、参考にご覧ください。
4章 不要なクレジットカードを解約する方法
クレジットカードの解約方法は、基本的には各カード会社の公式サイトにおいて、オンラインで手続できます。
ある大手クレジットカードの場合、スマホアプリを通じて解約手続が可能です。ただし、複数枚カードを持っている場合は、解約したいカードを選択してから手続を進める必要があります。
解約する際には、いくつかの重要な点を確認する必要があります。まず、解約前には利用しているクレジットカードで貯めたポイントがあれば、それらを使用または移行することが推奨されます。
多くのカードでは、カードを解約するとポイントが失効するため、解約手続の前に利用するのが賢明です。
また、年会費の支払いがある場合、その年会費の請求周期を確認しましょう。次の年会費が請求される前に解約すれば余計な年会費を支払わずに済むため、適切なタイミングを見計らうことも大切です。
解約手続は基本的にカード会社によって簡単に設計されており、会員からの解約申し入れを容易に受け入れる体制が整っています。
これはカード会社にとって、ユーザーのカードが不要になった場合は、不正利用のリスクを防ぐためにも、放置せずに解約することが望ましいからです。
解約は通常、問題なく行えることが多いですが、カードごとの手続の詳細はカード会社の公式サイトやカスタマーサポートで確認しましょう。
まとめ
クレジットカードを放置することによる主なリスクには、不必要な年会費の発生、カードの不正利用、および管理の難しさがあります。年会費が発生するカードを放置してしまうと、意識せずにコストがかさむことになるでしょう。
また、使用していないカードは不正利用されやすく、その事実に気づくのが遅れがちです。多くのカードを持つことで、管理が複雑になり、個々のカードの条件や特典を見落とす可能性があります。
これらのリスクを避けるためには、定期的にクレジットカードの整理を行うことが重要です。具体的には、使用頻度が低い、年会費が高い、ポイント還元率が低いカードは解約を検討しましょう。
解約手続は通常、電話やインターネットを通じて簡単に行えます。カードを解約した後は、カード情報が第三者に悪用されないよう、カードを物理的に破壊することが基本です。
適切な対策を講じて無駄な出費を防ぎ、クレジットカードの安全性を高めることが可能です。2枚ほどの必要なカードのみを使用することが、お金の管理の健全性とセキュリティの向上につながります。
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