赤字経営の立て直し方法は?赤字経営になった時の対処法を解説!

   司法書士山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第8849号 / 東京都行政書士会所属 会員番号第14026号 【保有資格】司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

借金返済の知識
赤字経営の立て直し方法は?赤字経営になった時の対処法を解説!

この記事は約 13 分で読めます。

「今月は利益が出なくて、会社が赤字になってしまった…」

会社経営において、避けて通れないのが赤字経営です。赤字経営とは、支出が収入を上回る状況のことです。

赤字経営は、赤字の戻し還付が受けられたり法人税を納める必要がなかったりと、必ずしもデメリットばかりではありません。

しかし、このまま赤字を続けてしまうといずれ経営破綻となるため、早めの立て直しが大切となります。

また、経営者が会社の連帯保証人になっている場合は、経営破綻をして倒産してしまった後も経営者に借金の返済義務が残ってしまうため、絶対に避けなくてはいけません。

この記事では、赤字経営の立て直し方法について解説いたします。

また、万が一破綻した場合の手続き方法もご紹介するので、会社の赤字経営にお悩みの方はご参考ください。

1章 赤字経営とは支出が収入を上回る状況のこと

会社だけではなく、日々の家計などでもよく「赤字」という言葉を耳にすることも多いかと思いますが、会社で使う赤字経営とは支出が収入を上回る状況のことです。

例えば、1年間に1億円売上が出たとしても経費や投資などで2億円使った場合は、1億円の赤字となってしまいます。

売上が出ても利益を生み出すことができないまま経営を続けることになるので、状況としてはネガティブでしょう。

国税庁の令和3年の会社標本調査によると、法人数の61.7%が欠損法人(赤字の会社)という結果が分かりました。つまり、日本にある会社の6割が赤字経営ということになります。

赤字経営は決して珍しいことではありませんが、6割の会社が今後立て直しをしなくてはいけない状況に陥っている状況です。

1-1 赤字と似た意味の言葉

赤字のほかに、似たような言葉で「資金ショート」や「債務超過」という言葉を聞いたことがある方も多いかと思います。

しかし、この3つの言葉は少し意味合いが異なるので注意しましょう。

赤字とは、一定期間において、売上よりも経費が多かった状態です。
一方で資金ショートは、事業のための資金が不足することであり、会社のお金そのものが不足している状況になります。
したがって、会社の経営状況としては赤字よりも資金ショートの方が重大な危機にあたります。

赤字が続いている状況でも会社の資産がたくさんあれば、資金ショートを起こす可能性は低いといえるでしょう。

当然、そのまま赤字経営の状況を放置しているとやがて資金ショートを起こすため注意が必要です。

債務超過は、会社の資産よりも債務が上回った状態のことです。赤字になっていたとしても、債務が少なければ債務超過にならないケースもあります。

赤字だからといって安易に融資を受けていると、当然債務超過になるリスクがあるため、追加融資を検討する場合は慎重に行いましょう。

2章 赤字経営の立て直し方法

資金ショートや債務超過と比較して、赤字経営はまだ緊急性が低そうと感じた方もいるのではないでしょうか。

しかし、そのまま赤字経営を続けていると、やがて資金ショートや債務超過、最悪の場合は会社が倒産してしまうケースも考えられます。

会社が倒産すると、会社が消滅してしまいます。そのため、なるべく早い段階で赤字経営を立て直すことが大切です。

この章では、赤字経営の立て直し方法について解説いたします。

ぜひ、以下のチェックリストを参考に赤字経営が立て直せる方法をご参考ください。

項目チェック内容
コストの削減の見直し
  • 赤字が続いている事業のカット
  • 余分な業務フロー
  • 業務の外注費
  • 交通費
  • 出張費
  • 通信費
  • 光熱費
  • 消耗品費
  • オフィスの家賃
  • 仕入れルート
  • 原材料費
  • 製造方法
  • 広告宣伝費
資金の調達方法
  • 金融機関の融資
  • ものづくり補助金
  • 小規模事業者持続化補助金
  • 事業再構築補助金
  • IT導入補助金
  • 事業承継・引継ぎ補助金
  • JAPANブランド育成支援事業
  • そのほか県や地域の助成金
コンサルタントの選び方
  • 自社の業種や職種の知識があるか
  • 自社の業種や職種はコンサルタントの得意分野か
  • 自社のニーズが分析できるか
  • コンサルタントとしての実績があるか
  • 理論は納得できるものか
  • 話が分かりやすいか
  • アフターフォローはあるか
  • 予算と提案内容は合っているか
事業の売却の検討
  • 経営状況が良くない事業の売却
  • 今後力を入れない事業の売却
  • ランニングコストがかかる事業の売却

2-1 コストを削減する

赤字経営を立て直すには、単純に経費よりも売上を上げることで収入が増えます。

しかし、そうは言っても、今ある環境の中で赤字を解消するほどの売上がすぐに見込めるのはそう現実的ではないでしょう。

赤字が続いた場合、まずコストの削減を検討しましょう。赤字経営を立て直すには、まずは余分なコストが発生していないかと見直す必要があります。

特に、物価の高騰により仕入れ代や原材料のコストが今までよりも嵩むことから、赤字経営の原因の1つになっているケースも少なくありません。

コスト削減として有効な方法は、主に下記の通りです。

コスト削減が可能かどうかチェックしてみましょう。

  • 仕入れルートの再構築
  • 製造方法の見直し
  • 過剰な仕入れによるロス
  • 広告宣伝費の見直し
  • 赤字が続いている事業のカット
  • 余分な業務フロー
  • 業務の外注費
  • 交通費
  • 出張費
  • 通信費
  • 光熱費
  • 消耗品費
  • オフィスの家賃

2-2 資金を調達して売上を増やす

赤字経営から抜け出すためにはコストの削減だけではなく、思い切って資金調達し投資に回して売上を増やすことも重要です。
なぜならば、コストカットは永久には続けられません。

例えば、コストカットを続けて人件費をゼロにしてしまえば、売上を上げてくれる労働力もゼロになってしまいます。
したがって、必要なコストは融資を受けてでも調達し、売上を上げていくことが重要となるのです

「ただでさえ赤字なのに更に借金するのか」と思うかもしれませんが、収益拡大のための資金調達も会社を立て直す方法になります。

気をつけないといけないのは、赤字経営が続き資金ショートや債務超過になり、融資すら受けられない状況になってしまうことです。
そのため、返済できる範囲で行う必要がありますが、資金調達も会社の余力がある状態のうちに行うのが大切です。

また、資金調達の手段は銀行だけではありません。国や自治体の補助金や助成金を活用することも可能です。

資金調達の手段についても、複数の選択肢を持つようにするのがよいでしょう。金融機関からの借り入れだけでなく、国や自治体の補助金・助成金を活用するのもおすすめです。

新規事業の立ち上げに活用できる補助金・助成金の例は以下のものがあります。

活用できるものがないかチェックしてみましょう。

助成金・補助金内容
ものづくり補助金中小企業や小規模事業者向けの補助金
革新的なサービス開発や試作品開発を支援
小規模事業者持続化補助金より小規模な事業者向けの制度
新商品の開発やPRなどを支援
事業再構築補助金中小企業から中堅企業まで利用できる補助金
新しい分野への進出や業態転換を支援
IT導入補助金中小企業や小規模事業者向けの補助金
ITシステムにかかる費用を補填できる
事業承継・引継ぎ補助金後継者不足に悩む中小企業向け
経営者の交代や新規事業を支援
JAPANブランド育成支援事業海外進出を考える企業向けの制度
新規事業の海外進出を支援

2-3 コンサルのアドバイスを取り入れる

赤字経営を立て直す案が煮詰まってしまった場合は、コンサルなど社外の人材を招致するのも一つの方法です。

経営コンサルタントや赤字経営から立て直した社外の人のアドバイスを聞くなど、外部からの刺激を受けることで気付きを得ることができる可能性があります。

ただし、コンサルタントを取り入れる場合はそれなりにコストがかかるため、効果が得られるかどうかやポジティブな投資になるかどうかを見極める必要があります。

コンサルタントの選び方は、以下を参考に選ぶと良いでしょう。ぜひご参考ください。

  • 目的・手段がはっきりしているか
  • 具体的な作業まで落としこんでくれるか
  • 自社の業種や職種の知識があるか
  • 自社の業種や職種はコンサルタントの得意分野か
  • 自社のニーズが分析できるか
  • コンサルタントとしての実績があるか
  • 理論は納得できるものか
  • 話が分かりやすいか
  • アフターフォローはあるか
  • 予算と提案内容は合っているか

また、コストやサポート体制が会社によっても異なるため、コンサルタントを選ぶ場合は複数のコンサルティング会社を比較すると良いでしょう。

そして、コンサルティング会社を入れても、コンサルティング会社が働いてくれる訳ではありません。
頑張るのは自社であることを忘れると全く意味のない費用になるので気をつけましょう。

2-4 事業を売却する

今後力を入れない方針の事業や、経営状況が良くない事業を売却する方法もあります。

赤字事業で発生している赤字がそのまま切り離せるので、赤字経営の立て直しには有効的と言えます。

事業の売却は会社の売却と異なり、売買契約になるため契約内容によっては売却益を得られるのも大きなメリットです。

3章 立て直しが難しい赤字経営のケース

赤字とひとくちに言っても、新事業や既存事業の成長のために資金を投資して赤字になる場合は一時的なものでしょう。

今は赤字経営だったとしても、事業が成長するにつれて売上が増えていくため、いずれは赤字から立て直すことができる可能性は高いです。

しかし、一方で赤字経営から立て直しが難しいケースもあります。

その特徴として、

  • そもそも利益が出にくいビジネスをしている
  • 業界全体の将来性がなく先細りしている

の2点に該当する場合は特に危険です。

売上の単価が低かったり仕入れコストが嵩んで粗利率が低い場合は、いくら売上を上げたりコストの削減をしても立て直しが難しいでしょう。

今やっているビジネスそのものが売上の目処が立たない場合、いずれ資金不足に陥ってしまいます。

会社を倒産させないためにも、新規事業の立ち上げなど思い切った施策が必要になります。

3-1 黒字でも倒産する場合もある

では、黒字化したら倒産の危険はないのかと言われたらそうではありません。

実は、会社が黒字だったとしても「黒字倒産」してしまう可能性はあります。

黒字倒産とは、利益が出ているにも関わらず支払いに必要な資金が不足してしまい倒産することです。

利益が出ているのに倒産する原因で多いケースは、取引先の入金の遅れや売掛金の未回収などが挙げられます。貰えるはずのお金が遅れることによって、現金不足になり倒産してしまうという仕組みです。

黒字倒産にならないためには、自社の入出金状況を把握しましょう。現金不足に陥りそうであれば、入金の前倒しを交渉するなどのリスクヘッジを行いましょう。

4章 経営破綻した場合の手続きについて

赤字経営を立て直すことができない状況が続いた場合、やがて経営破綻になってしまいます。

経営破綻は、会社の経営が継続できない状態のことです。具体的には、下記のケースが該当します。

  • 買掛金の支払いが遅れてしまう状態
  • 借入金の返済ができない状態
  • 不渡手形を出してしまう状態

もし経営破綻した場合は、以下の5つの方法のどれかで手続きを取って、会社を存続させるか会社を潰すかの判断が必要です。

  • 民事再生
  • 会社再生
  • 破産
  • 特別精算
  • 任意整理

会社の経営状況によってもできることの選択肢が限られてくるので、会社を存続させたい場合は早めの判断が大切です。

4-1 民事再生

民事再生とは、民事再生法に基づく法的手続きのことです。

個人の借金を減額する債務整理である「個人再生」を会社が行うイメージです。

債権者や裁判所の同意のもとで、再生計画に基づいて債務を返済していきます。そのため、会社を潰すことなく債務を返済しながら立て直しをすることができます。

確実に債務を完済できる計画を立てて返済していくため、計画を立てる際は債権者や裁判所のチェックが入ります。

また、一度スタートさせたら絶対に計画に従わないといけないため、途中でお金が足りなくなって融資を受けることができないので注意しましょう。

会社を再建して存続させたいという場合は、破産しか選択肢が取れなくなる前に、早めの決断を行うことが大切です。

4-2 会社更生

会社更生とは、会社更生法に基づく法的手続きのことです。

会社再生は株式会社に限定されるほか、法的効力が強く費用の負担が大きいことから、比較的規模の大きい企業の選択肢になります。

民事再生と同じく、更生計画のもとで会社を存続しながら再建ができます。しかし、会社更生は経営者が全員退任する必要があるので注意が必要です。

裁判所が選任する「管財人」と呼ばれる弁護士に経営権や会社財産の管理処分権限が移行します。そのため、会社更生では管財人が更生計画を遂行することになります。

遂行中に管財人に再建の見込みがないと判断された場合は、破産手続きに移行する場合もあります。

4-3 破産

破産とは、全ての債務が消滅する法的手続きのことです。

いわゆる「倒産」と呼ばれる状態での手続きが破産です。

会社が債務超過や支払不能に陥って破産になると、残っている全ての会社の財産を処分して、裁判所が全ての債権者に公平に配当していきます。

配当が終わると、会社の法人格と残りの債務も消滅します。当然、会社として続けることができないため、従業員は全員解雇になります。

4-4 特別清算

特別清算とは、会社法に基づく法的手続きのことです。

破産のように厳格な手続きがなく、債務超過に陥った会社を簡易的に清算する手続きです。

ただし、簡易的と言っても、特別清算の手続きを行うと会社は解散し、手続きが完了すると会社は消滅します。つまり、破産と同じく倒産となります。

また、破産と異なり特別清算は債権者の3分の2以上の同意を得る必要があるので注意しましょう。

4-5 任意整理

任意整理とは、直接債権者と交渉して債務を減額させる手続きのことです。

私的整理と呼ばれることもあり、他の手続きと異なり裁判所を通す必要がありません。

民事再生や会社更生と同じく会社を存続させることができるほか、債務を選んで減額することができるのがポイントです。

民事再生や会社更生では、全ての債権者の債務が手続きの対象になるため、取引先を失う可能性が高く再建のデメリットになる場合があります。

債務の中でも、会社に対して貸付を行っている金融機関のみの債務を減額することで、再建しやすくなるので会社に余力がある場合はおすすめの方法といえます。

5章 会社の債務の連帯保証人になっている場合は注意が必要

もし赤字経営が続いて立て直しができず、民事再生や破産などの手続きを取ったとしても「個人」と「法人」は別人格として扱われるため、経営者自身が何かなるというわけではありません。

ただし、経営者が会社の債務の連帯保証人になっている場合は例外です。

会社として借入している債務が返済不能になった場合、連帯保証人である経営者に支払い義務があります。そのため、法人の破産で返済義務を負うことになってしまいます。

中小企業などの場合、会社が銀行から融資を受けるための担保が不十分なことから経営者の個人保証を求められることがあります。そのため、経営者が連帯保証人になるケースは考えられるのです。

会社単位で融資を受けるため、金額も数百万から数千万円単位になるでしょう。個人で完済できることはほとんどないため、会社の破産手続と同時に経営者個人の破産手続も進めることになります。

そのため、連帯保証人になっている債務がある場合は、慎重に判断してから手続きを取りましょう。

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6章 赤字経営は早めの立て直しが必要!

赤字経営は危ないと思っていても、つい放置してしまいがちな会社も少なくありません。

赤字経営はデメリットだけではないとはいえ、そのまま続けていると経営破綻へとつながってしまいます。

大切な仕事を失わないためにも、赤字経営を立て直す努力が大切です。早めに立て直しを始めることで、最悪のケースを免れる可能性も高くなります。

ぜひ、早い段階で赤字経営の立て直しに着手しましょう。

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