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- 連帯保証人とはどういうものか
- 賃貸契約の連帯保証人は家族に頼めるのか
- どういう人が貸契約の連帯保証人になれないのか
賃貸契約における連帯保証人は、借主が家賃を支払えない場合にその責任を負う重要な役割を果たします。しかし、連帯保証人になれる人はかぎられており、その条件は非常に厳格です。
今回の記事では、連帯保証人に家族がなれるかどうか、そして連帯保証人を用意できない場合の対処法について詳しく解説します。賃貸契約を検討している、あるいは連帯保証人を探しているみなさんは参考にしてください。
目次 ▼
1章 連帯保証人とは
賃貸契約における連帯保証人とは、借主が家賃を支払えない場合にその責任を負う人物のことです。連帯保証人は、借主と同じ義務を負うため、借主が家賃を滞納した場合には全額を支払う義務が生じます。
また、賃貸物件の原状回復費や損害賠償費用も請求される可能性があります。そのため、連帯保証人になる人には、賃貸物件の家賃に見合う支払い能力が求められます。
連帯保証人の年齢や勤務先、年収などを書類に記入してもらう必要があり、それらを証明する書類も提出しなければなりません。
2020年4月に行われた民法改正により、連帯保証人が保証しなければならない金額の限度(極度額)が賃貸借契約書に明記されることとなりました。これは、保証人が想定外の債務を負うことを防ぐための措置です。
ただし、上限は法定されていないので、契約をしっかり確認する必要があります。連帯保証人は、借主の意思で賃貸借契約を解約できないため、慎重な判断が必要です。
賃貸借契約の連帯保証人について疑問がある場合は、専門家に相談するのが賢明です。
なお、賃貸借契約における連帯保証人の解除方法や、特例および更新拒否については、以下の記事でくわしく取り上げています。
そちらも、ぜひ参考にお読みください。
2章 賃貸契約の連帯保証人は家族に頼める
賃貸契約における連帯保証人は、借主と同様の責任を負う重要な役割を果たします。連帯保証人になれるのは、一定の支払い能力を持つ人であり、親や兄弟、子どもなどの親族が一般的ですが、血縁関係のない友人や知人でも可能です。
ただし、連帯保証人には家賃滞納時の全額請求や、物件の原状回復費、損害賠償費用の支払い義務があり、賃貸借契約を自己の意思で解約することもできません。また、連帯保証人が亡くなった場合は、その地位は相続人が引き継ぎます。
したがって、家族に連帯保証人を依頼する際は、これらの重大な責任とリスクを十分に認識してもらうことが重要です。
なお、連帯保証人のなかでもローンや借金の連帯保証人については、必要なケースなども含めて以下の記事でくわしく取り上げています。
そちらも、併せて参考にお読みください。
3章 賃貸契約の連帯保証人になれない人
賃貸契約の連帯保証人になれない、もしくは推奨されない人は次の4種類の人たちです。
- 無職の人
- 年金受給者
- 友人・知人
- 同居者
それぞれの詳細と理由を見ていきましょう。
3-1 無職の人
賃貸契約において連帯保証人になるためには、一定の条件を満たす必要があります。無職の人は、安定した収入がないため、支払い能力の面から通常は連帯保証人になることが難しいです。
また、定年退職した人も、収入が不安定であるため、連帯保証人として認められないことが多いです。つまり家族や親族であっても失業中であったり、定年退職で無職となっていたりすると、連帯保証人としては認められません。
このような状況では、保証会社を利用することがひとつの解決策となります。保証会社によっては審査が厳しく、過去の滞納歴や職業などが問題となることもあります。
ただし、一部の不動産会社や管理会社では、特別な条件下で保証人なしでの契約を許可することがあります。そのため、事前に不動産会社や管理会社に相談することが重要です。
3-2 年金受給者
賃貸契約の連帯保証人になるためには、定収入があることが基本的な要件とされています。年金受給者は安定した収入があるわけですが、年金のみで生活している場合、支払い能力に不安があると判断されることがあります。
特に、賃貸物件の家賃に対する年収の割合が重要であり、家賃の36倍の年収が審査に通る目安とされています。保証人になる人の年収としては、賃貸物件の家賃滞納を肩代わりできるレベルであることが必要です。
ただし、年金受給者でも不動産所得がある場合や十分な資産がある場合は、保証人として認められる可能性があります。
これらの理由によって、賃貸契約時に連帯保証人の所得証明書が求められるのが一般的です。
3-3 友人・知人
賃貸契約の連帯保証人は通常、定収入のある3親等以内の親族が基本とされています。友人や知人を連帯保証人にすることは、一般的には推奨されていません。
これは貸主にとって、友人や知人が借主と十分な関係性がないとみなされるためです。また、友人や知人の場合、支払い能力に不安があることも多く、貸主は安定収入がある人を保証人として求める傾向にあります。
さらに、友人や知人を保証人にすると、万が一借主が家賃を滞納した場合、両者の関係性が悪化するリスクもあります。そのため、賃貸契約では親族以外の保証人を避け、家賃保証会社の利用などほかの対策を検討することが一般的です。
3-4 同居者
賃貸契約の連帯保証人として同居者を選ぶことは、一般的には避けられます。これは、同居者が借主と生計を一にすると想定され、借主が家賃を滞納した場合に同居者も同じ経済的リスクを負うと考えられるためです。
また、同居者が保証人になると、その人が退去した場合に保証人がいなくなるリスクもあります。そのため、賃貸契約では、同居者ではなく、別の住所に住む親族や家賃保証会社を保証人とすることが一般的です。
これらの理由によって、連帯保証人は借主とは異なる経済的基盤を持つことが求められるため、同居者を保証人にすることは推奨されません。
なお、連帯保証人のなかでも経営者個人が会社の債務の連帯保証をしている場合の返済義務については、以下の記事でくわしく取り上げています。
ぜひ、そちらも参考にご覧ください。
4章 賃貸契約の連帯保証人を用意できないときの対処法
借主が賃貸契約の連帯保証人を、どうしても用意できないときの対処法としては、主に次の2つが挙げられます。
- 連帯保証人が不要な住宅を借りる
- 家賃保証会社に依頼する
個別に見ていきましょう。
4-1 連帯保証人が不要な住宅を借りる
連帯保証人が不要な賃貸物件では、親族や友人に保証人を頼む必要がありません。このような物件は、特に保証人を頼めない方や、人間関係のトラブルを避けたい方にとって魅力的です。
契約手続きが簡単になるため、時間や労力を節約できます。また、保証人に関する書類の準備が不要となるため、入居までのプロセスがスムーズに進むでしょう。
保証人不要の物件を選ぶ際には、物件の立地や条件など、ほかの要素も十分に検討することが重要です。ただし、保証人が不要であることで家賃が高く設定されている場合もあるため、注意が必要です。
4-2 家賃保証会社に依頼する
家賃保証会社を利用することで、連帯保証人を用意できない場合でも賃貸契約が可能になります。このサービスを利用する際には、保証料が発生します。
保証料は家賃の一定割合で、契約時に一括で支払うのが一般的です。更新時には固定額で負担が軽減されることが多いです。借主は保証人代行サービスを利用することで、申し込み手続きが簡単に済みます。
保証人代行サービスを利用する場合、借主が保証人代行会社と賃貸保証契約を結びます。家賃の滞納が発生した場合、保証会社が代わりに支払いを行いますが、後日返済する必要があります。
保証会社の利用にも審査があり、安定的な収入が必要となる場合が多いです。家賃保証会社の利用は、保証人を頼むことができない方にとって有効な選択肢となりますが、保証料や返済の責任については十分に理解しておくことが重要です。
なお、賃貸借契約における保証に関して、連帯保証人と保証会社のどちらを選ぶべきか、またどういうケースでは両方必要なのかについては、以下の記事でくわしく取り上げています。
そちらも、ぜひ参考にご覧ください。
まとめ
賃貸契約の連帯保証人は、借主が家賃を滞納した場合や物件に損害を与えた場合など、借主に代わって責任を負う重要な役割を果たします。連帯保証人になるためには、安定した収入が証明できるなど、一定の条件を満たす必要です。
2020年4月の民法改正により、連帯保証人の責任範囲には限度額(極度額)が設定されるようになり、借主から連帯保証人への情報開示も義務付けられました。これにより、連帯保証人が想定外の債務を負うリスクが軽減されています。
連帯保証人が見つからない場合や用意できない場合には、連帯保証人が不要な物件を探す、家賃保証会社に依頼するなどの対処法があります。家賃保証会社を利用する場合は、保証料の支払いが必要になりますが、連帯保証人を探すより手軽であることが多いです。
賃貸契約を検討する際には、連帯保証人の要件やリスク、代替手段などを十分に理解し、適切な選択を行うことが重要です。
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