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- 連帯保証人とはどのようなものか
- 連帯保証人として借金返済を請求された際にはどうすればよいか
- 連帯保証人はやめたり誰かと交代したりできるのか
- 連帯保証人を救済できる債務整理とは何か
連帯保証人は主債務者と同等の責任を負うので、主債務者が借金を返せない場合には大きな影響を受けます。連帯保証人を救済するためには、債務整理が有効です。
今回の記事では、連帯保証人が借金返済を請求された場合の対処法や、債務整理の方法について詳しく解説します。ご自身や身近な人が連帯保証人になっている場合に備えて、ぜひ参考にしてください。
目次 ▼
1章 連帯保証人とは
連帯保証人とは、保証人のなかでも借主と「連帯責任」を負う保証人のことです。一般的には、保証人と連帯保証人では何が違うのか、あまり意識されていないかもしれません。
連帯保証人と保証人は、借主が返済不能に陥った際に代わりに返済する義務を負う点では共通していますが、責任の重さに大きな違いがあります。
ここでは連帯保証人とはどういう立場なのか、保証人とはどう違うのかについて見ていきましょう。
1-1 連帯保証人と保証人の違い
連帯保証人とは通常の保証人と異なり、借主と同等の責任を負う立場の保証人です。借主が借金を返済できなくなった場合には、その全額を返済する義務を負います。
借主が返済を滞らせた場合、債権者は連帯保証人に対して一切の猶予を設けずに返済を要求できることを意味します。そのため、連帯保証人になる際には、借主の返済能力や借金の内容について十分に理解し、慎重に判断する必要があります。
また、連帯保証人としての責任を果たせない場合、自身の信用情報にも大きな影響が及び、将来的な借り入れや金融取引に支障をきたす可能性があります。連帯保証人になる前に、専門家のアドバイスを受けることが推奨されます。
特に高額な借金や長期にわたる返済計画の場合、連帯保証人の責任は非常に重くなるため、十分な検討が必要です。
このように保証人の責任は連帯保証人に比べて限定的なので、債権者側からいえば請求行為の自由度が低く、保証人をとるメリットが少ないのです。そのため、奨学金などの一部の債務を除いて、保証人といえばほとんどが連帯保証人を指していると考えてよいでしょう。
連帯保証人になることに、メリットはあるのかどうかや、連帯保証人が不要なケース、また連帯保証人になることを回避する方法などについて、以下の記事で特集しています。ぜひ、そちらも参考にご覧ください。
2章 連帯保証人として借金返済を請求されたときの対処法
連帯保証人として借金返済を請求された際に、取るべき主な対処法としては次の4つが挙げられます。
- 債権者の一括返済に応じる
- 債権者と分割返済や期日の延長を交渉する
- 連帯保証人本人も債務整理をする
- 連帯保証人になった覚えがなければそのように主張する
それぞれを見ていきましょう。
2-1 債権者の一括返済に応じる
連帯保証人が借金の返済を請求された場合、最も直接的な対処法は債権者の一括返済に応じることです。一括返済とは、借入残高全額を一度に支払う方法で、これにより連帯保証人の責任は完全に解消されます。
ただし、一括返済には多額の資金が必要となるため、連帯保証人にとって大きな負担となるでしょう。場合によっては、債権者と事前に一括返済の金額や手続について相談することが必要です。
2-2 債権者と分割返済や期日の延長を交渉する
連帯保証人が一括返済を行うことが難しい場合、債権者と分割返済や返済期日の延長を交渉することが考えられます。分割返済とは借金の残高を複数回に分けて支払う方法で、毎月の支払額を減らし、返済の負担を軽減できます。
債権者との交渉では、具体的な返済計画や支払能力を示すことが重要です。また、返済期日の延長を求める場合も、債権者に対して誠実に状況を説明し、理解を得ることが欠かせません。
債権者は、保証人が誠実に返済を続ける意志を示すことで、交渉に応じる可能性が高まります。分割返済や期日の延長は、債権者との信頼関係を築く上でも重要な手段となります。
交渉が成立した場合、正式な契約書を作成し、返済計画を明確にすることが求められます。専門家のアドバイスを受けることで、より有利な条件での交渉が可能となる場合があります。
2-3 連帯保証人本人も債務整理をする
連帯保証人が自身の返済能力を超える債務を抱えている場合、債務整理を行うことも選択肢のひとつです。債務整理には、任意整理、個人再生、特定調停、自己破産などの方法があります。
債務整理を検討する際には、司法書士などの専門家に相談することが賢明です。専門家は、適切なアドバイスを提供し、手続のサポートを行います。
債務整理を通じて、連帯保証人は再び経済的な安定を取り戻すことが可能です。債務整理の詳細については、4章で詳しく取り上げます。
連帯保証人になってしまい、債権者から返済を迫られ、お困りのみなさんは、ぜひグリーン司法書士法人にお気軽にご相談ください。借金問題のプロフェッショナルであるグリーン司法書士法人では、個々のケースに応じた解決方法をご提案し、その実行をサポートできます。
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2-4 連帯保証人になった覚えがなければそのように主張する
もし身に覚えのない連帯保証人として借金返済を請求された場合、まずその契約が無効であることを主張する必要があります。勝手に印鑑を使用されて連帯保証人にされた場合、これは無権代理行為に該当し、法的にその契約の効力を否定できます。
具体的には、実印の保管状況や印鑑登録証明書の有無を確認し、印鑑が無断で使用されたことを証明することが重要です。加えて、債権者が本人確認を怠った場合、その責任を追及することも可能です。
なお、請求に対して一部でも返済してしまうと、無権代理行為を追認したと見なされ、返済義務が生じる可能性があるため、注意が必要です。こうしたケースでは、まず専門家に相談し、適切な法的手続を進めることが推奨されます。
専門家は、契約書の無効を主張するための証拠収集や、裁判手続のサポートを行ってくれます。さらに、しつこい取り立てに対しては、法的措置を講じることが可能です。
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3章 連帯保証人はやめることや誰かと交代することはできる?
連帯保証人をやめることは簡単ではありませんが、不可能でもありません。次のような方法があります。
連帯保証契約の無効や取消しを主張する方法
たとえば、契約に不備があったり騙されたりした場合などは、無効や取消しを主張できます。
債権者と合意して連帯保証人を解除してもらう方法
債権者が了承する場合にかぎられますが、交渉次第で可能性があります。
債務を自身で、もしくは主債務者と協働して完済する方法
債務自体を完済してしまえば、そこで連帯保証契約も終了します。
借り換えで連帯保証人を外す方法
借り換えやおまとめローンで債務を一括返済することで、もとの連帯保証人の責任を解消できます。
ほかには、物的担保を提供することで連帯保証を解除できる場合もあります。たとえば、不動産を担保に提供することで、連帯保証人の責任を軽減できます。
なお、連帯保証人をほかの人と交代することも可能ですが、こちらも容易ではありません。まず、交代する新たな連帯保証人を見つける必要があります。
その後、債権者に対して新たな連帯保証人を提示し、承認を得ることが必要です。この際、交代後の連帯保証人が債務を履行できるかどうかを債権者が判断します。
さらに、連帯保証人を交代するための正式な手続が必要です。これには、新しい契約書の作成や必要書類の提出が含まれます。
最終的に、交代が認められるかどうかは債権者の判断に委ねられます。
なお、連帯保証人が簡単にやめられない件や、やめられるケース、請求されたときの対処法などについては、以下の記事で詳しく取り上げています。そちらも、ぜひ参考にご覧ください。
4章 連帯保証人を救済できる債務整理とは
連帯保証人を救済できる方法として挙げられる、債務整理をおおまかに理解するには、以下の表をご覧ください。
【債務整理の種類別:特徴・メリット・デメリット】
種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
任意整理 | 債権者と直接交渉して、将来の利息をカットし、残りを分割返済する方法 | 借金の総額が減額され、月々の返済額が軽減される | 交渉が難航する可能性がある |
個人再生 | 裁判所の許可を得て、借金を減額し、残りを3年で分割返済する方法 | 借金の総額が大幅に減額される | 財産が多いと返済額が増える |
特定調停 | 簡易裁判所の仲介のもと、債権者と話し合いをして、月々の返済額を抑える方法 | 任意整理と似た効果が期待できる | 裁判所の仲介が必要であるため、手続が煩雑になる |
自己破産 | 裁判所の許可を得て、借金を免除してもらう方法 | 借金の返済義務がなくなる | 官報に掲載され、主立った財産を失う |
ここからは各債務整理の詳細を、連帯保証人の立場という視点も加味し、詳しく見ていきましょう。
4-1 任意整理
任意整理は、裁判所を介さずに債権者と直接交渉して、借金の返済条件を見直す手続です。これにより、利息や遅延損害金の減免を受け、返済総額を減らすことが可能です。
連帯保証人も任意整理を利用できますが、債権者との交渉が必要です。手続が比較的簡単であり、裁判所を通さないため費用が抑えられるのが、任意整理の特長です。
また、整理後の返済計画は、現実的な支払い能力にもとづいて設定されます。任意整理を開始するには専門家に依頼し、債権者との交渉を代行してもらうことが一般的です。
連帯保証人が任意整理を行う場合、主債務者にも同様の手続をすすめると効果的です。しかし、任意整理は信用情報に影響を与え、一定期間、新たな借り入れが難しくなる点に注意が必要です。
また、主債務者と連帯保証人が同じ専門家(事務所)に依頼することはできません。なぜなら、連帯保証人から主債務者に求償権が発生し、同一事務所内で利益相反するからです。
求償権とは連帯保証人が補償した額を請求する権利で、これを行使しないとその額は「贈与」とみなされ贈与税が課せられる可能性があります。
両者とも自己破産を選ぶ場合以外では、主債務者と連帯保証人の債務整理は、異なる専門家(事務所)に依頼しましょう。
ちなみに、任意整理は債務を減らす有効な手段ですが、債権者の同意が得られなければ、不成立に終わることもあるので注意が必要です。
なお、任意整理とはどういうものかや、任意整理が持つメリットとデメリット、向いている人や事例などについて、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ、そちらも参考にしてください。
連帯保証人になってしまい、任意整理を検討しているみなさんは、ぜひグリーン司法書士法人にお気軽にご相談ください。借金問題のプロフェッショナルであるグリーン司法書士法人では、個々のケースに応じた解決方法をご提案し、その実行をサポートできます。
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4-2 個人再生
個人再生は、裁判所を通じて借金を大幅に減額し、3年から5年で返済する計画を立てる手続です。主に住宅ローンなどの高額な債務を抱える人に適しています。住宅を手放せずに、債務を整理できるのが特長です。
連帯保証人も個人再生を利用でき、これにより多額の債務を法的に減額できます。この手続を行うには、一定の収入があり、再生計画にもとづいて継続的に返済できる見込みが必要です。
個人再生を申し立てる際には、専門家に依頼して再生計画の作成を支援してもらうことが一般的です。
裁判所が再生計画を認可すれば、その計画にもとづいて返済を進めます。ただし、個人再生は信用情報に影響を与えるため、新たな借り入れが制限される点に注意が必要です。
ちなみに、主債務者が個人再生を行う場合、連帯保証人にも影響が及ぶため、事前に相談しておくことが重要です。
なお、個人再生とはどういうものかや、個人再生が持つメリットとデメリット、事例などについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ、そちらも参考にしてください。
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4-3 特定調停
特定調停は、簡易裁判所で調停委員を介して債権者と交渉し、返済条件を見直す手続です。この手続は、裁判所の調停を利用するため、第三者の介入により交渉が円滑に進むことが期待できます。
特定調停は、連帯保証人が債務整理を行う際にも利用可能で、主債務者と同時に手続を進めることが効果的です。費用が比較的安価で、手続が迅速に行われるのが、特定調停の特長です。
また、調停が成立すれば、法的な強制力を持つため、債権者との新たな返済計画が確実に履行されます。ただし、特定調停が不成立となった場合、裁判所から別の法的手段を提案されることもあります。
特定調停を行う際には、裁判所への申し立てを行い、調停委員との面談を経て手続を進めます。調停委員は中立的な立場で債務者と債権者の間に入り、合意形成を支援します。
特定調停は信用情報に影響を与えますが、債務整理の一環として有効な手段です。
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4-4 自己破産
自己破産は、裁判所に申し立ててすべての債務を免除してもらう手続です。連帯保証人も自己破産を利用できます。
自己破産の最大の特長は、すべての債務が免除され、返済の義務が完全に解消される点です。手続を開始するには、専門家に依頼して必要な書類を準備し、裁判所に申し立てを行います。
自己破産が認められると、連帯保証人の債務も含めてすべてが免除されます。しかし、自己破産には一定のデメリットがあります。たとえば、信用情報に重大な影響を与え、破産後一定期間、新たな借り入れができなくなります。
また、一定の財産は清算されるため、資産を失う可能性もあります。自己破産は最終手段として利用されることが多く、ほかの債務整理方法が適用できない場合に選択されます。
連帯保証人が自己破産を考える際には、専門家のアドバイスを受けて慎重に判断することが重要です。
なお、自己破産とはどういうものかや、メリットとデメリット、事例などについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ、そちらも参考にしてください。
連帯保証人になってしまい、自己破産を検討しているみなさんは、ぜひグリーン司法書士法人にお気軽にご相談ください。借金問題のプロフェッショナルであるグリーン司法書士法人では、個々のケースに応じた解決方法をご提案し、その実行をサポートできます。
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まとめ
連帯保証人は、借主の返済が滞った場合に全額の返済義務を負うという重大な責任を伴います。そのため、連帯保証人が借金返済を請求された場合には、まず一括返済や分割返済、期日の延長を債権者と交渉することが考えられます。
また、連帯保証人本人も債務整理を行うことができます。任意整理や個人再生、特定調停、自己破産といった法的手段を利用可能です。
連帯保証人が抱える債務を解消するためには、状況に応じた適切な手段を選択し、専門家のアドバイスを受けることが重要です。専門家であれば、どの債務整理がよいか、ほかに解決方法がないかを提案できます。
連帯保証人としての責任を深く理解し、早期に対応することで、将来的なリスクを軽減できます。本稿でご紹介した対処法や債務整理の方法を参考にし、連帯保証人としての負担を適切にコントロールしましょう。
連帯保証人になってしまい、返済を請求されてお困りのみなさんは、ぜひグリーン司法書士法人にお気軽にご相談ください。借金問題のプロフェッショナルであるグリーン司法書士法人では、個々のケースに応じた解決方法をご提案し、その実行をサポートできます。
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