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第三者とトラブルが発生すると訴訟を起こされてしまうことがあります。突然訴訟を起こされ、自宅に訴訟が届いたら驚きますよね。
どうしたらいいのか、何をするべきなのか分からないという方がほとんどかと思います。
まずは焦らず、届いた書類を確認しましょう。決してやってはいけないのが、訴状を無視することです。
この記事では、訴訟を起こされたときの流れや訴訟にかかる費用などについて解説します。
目次 ▼
1章 訴訟を提起されたら最初に確認すべきこと
訴訟を提起されたら、自宅に訴状が届きます。
驚き、焦ってしまうかもしれませんが、決して無視をしてはいけません。
まずは訴状をみて以下のことを確認しましょう。
1−1 訴訟の相手方と内容
今回、誰から、どんな理由で訴訟を提起されたのか確認してください。
訴状には、訴訟に至った経緯や原因、そして請求の主旨について、訴状に同封されている証拠説明書には訴えの内容を裏付ける証拠の詳細が記載されています。
その内容を確認すれば、原告(訴訟を提起した人)が求めていることがわかります。
元々の債権者から保証会社や債権回収会社に債権が移っていることもあります。万が一、相手方や内容に身に覚えが無くても決して無視をしてはいけません。
1−2 口頭弁論期日
訴状に同封されている口頭弁論期日呼出及び答弁催告状には、裁判所へ出頭すべき日程と答弁書の提出期限が記載されています。
答弁書の提出期限は過ぎても問題ありませんが、弁論日までに届いていなければいけません。
この期日を守らず無視してしまうと、欠席判決として無条件で相手の主張がすべて通ってしまいます。
決して無視せず、期日を守って出席できるよう予定を調整してください。
2章 口頭弁論期日呼出状を無視するとどうなる?
口頭弁論期日呼出及び答弁催告状が届いたときに裁判所に行かずに無視すると、訴状に記載された判決になってしまうので絶対にやめましょう。
次の章では、口頭弁論に行けないときの対処法を紹介します。
3章 口頭弁論にどうしても出席できないときの対処法
また、弁護士や司法書士に依頼することで代理で出席してもらうことが可能です。
原則として、口頭弁論の期日は守らなければいけません。しかしどうしても口頭弁論の期日に出席できないこともあるかと思います。
その場合には以下方法で対処しましょう。
- 【予定がつかない場合】専門家に依頼し、代理で出席してもらう
- 【裁判所が遠方で出席できない場合】移送申立てをする
- 【予定はつくが、出席が難しい場合】擬制陳述・電話会議システムを利用する
- 【本人の判断能力が低下している場合】成年後見人を選任する
それぞれ詳しく解説します。
3−1 【予定がつかない場合】専門家に依頼し、代理で出席してもらう
どうしても予定がつかない場合や、本人が勾留中などで出席できない場合には、弁護士や司法書士などの専門家に依頼しましょう。
専門家に依頼すれば、代理人としてあなたの代わりに裁判に出席してくれます。
ただし、司法書士が代理人になれるのは、借金の請求など債権(140万円以下に限る)に関する訴訟のみです。
なお、専門家があなたの主張を記載した書面(答弁書)を作成し、裁判所へ提出することもあります。これをすれば実際に裁判所へ出向かなくても、出向いたものと同じ効果を受けることができます。
3−2 【裁判所が遠方で出席できない場合】移送申立てをする
裁判所が遠方で出席が難しい場合には、裁判所に移送申立てをしましょう。
もし、出席するための移動に大きな負担がある場合には、移送申立てが認められ、あなたの住所地で開廷してもらえる可能性があります。
なお、移送申立ては答弁書を提出する前に行う必要がありますので、なるべく早めに申し立てを行いましょう。
ただし、
- 被告側だけ移動の負担が大きい
- 病気や怪我によって、長距離の移動が難しい
- 小さな子どもがいて、預けるのが難しい
など、合理的な理由がなければ認めてもらうことは難しいので、その点は理解しておきましょう。
3−3 【予定はつくが、出席が難しい場合】擬制陳述・電話会議システムを利用する
予定はつくものの、妊娠や病気・怪我などによって出席が難しい場合には擬制陳述や電話会議システムを利用しましょう。
擬制陳述は、簡易裁判所管轄の訴訟で利用できるもので、書面提出だけで手続きを完了させることができます。
電話会議システムは、テレビ電話などを用いて裁判を進めるシステムです。裁判所によって利用できるところとできないところがあります。最近はご時世柄、電話会議システムを利用している裁判所が増えてきています。
3−4 【本人の判断能力が低下している場合】成年後見人を選任する
被告本人が、認知症などによって判断能力が低下していて、自身で裁判に出席するのが困難な場合、成年後見人を選任しましょう。
成年後見人とは、判断能力が低下した人の財産保護や身上監護を行う人で、裁判所に申し立てることによって選任されます。
詳しくは司法書士などの専門家に相談しましょう。
4章 訴訟を提起されたときの流れ
訴訟を提起されたら、基本的に以下の流れで進みます。
STEP②口頭弁論
STEP③控訴
STEP④上告
詳しく見ていきましょう。
4−1 STEP①答弁書の作成・提出
まずは、訴状に同封されている答弁書を作成し、裁判所に提出しましょう。
答弁書とは、訴えの内容に対して、自身の主張を記述するものです。
民事裁判は、原告の訴えを通すものではなく、原告・被告双方が主張したうえでトラブルの解決を目指すものですので、原告からの主張に異論があればきちんと自身の主張を述べるようにしましょう。
答弁書と一緒にひな形や記載例も同封されていますので、それを参考に作成します。もし、自身で作成するのが難しい場合には専門家に依頼してください。
答弁書を作成したら、裁判所に郵送するか直接持参することで提出します。
なお、答弁書を口頭弁論までに提出しないと、無条件で相手の主張が認められてしまうことになるため、必ず期日までに裁判所に届くよう提出するようにしてください。
4−2 STEP②口頭弁論
訴状に記載されている期日に、裁判所にて口頭弁論が行われます。みなさんがイメージする裁判はこの口頭弁論です。
口頭弁論では、最初に裁判官が訴状の内容を原告に確認し、その後被告の答弁書を確認します。
その後、弁論準備として争点が整理され、次に証人尋問が行われます。証人尋問とは、裁判官や弁護人が事件の関係者や当事者に直接質問しながら証言や証拠を整理する手続きです。
弁論準備と証人尋問は複数回繰り返されることがあります。
裁判所が証拠・証人が揃ったと判断されると、口頭弁論が終結し、判決が下ります。なお、その前に当事者間の話し合いで合意がなされれば和解が成立します。
4−3 STEP③控訴
第一審の判決内容に不服がある場合には控訴します。
控訴をすると、より上級の裁判所で改めて審理が行われます。最初の裁判所が簡易裁判所なら地方裁判所に、最初が地方裁判所の場合には高等裁判所になります。
控訴する場合には、判決書を受け取ったあと2週間以内に控訴状を裁判所へ提出し、控訴申立後50日以内に控訴理由書を提出する必要があります。
なお、控訴審の対応ができる専門家は弁護士のみですので注意して下さい。
4−4 STEP④上告
控訴審の判決内容にも不服がある場合には上告します。
上告をすると、さらに上級の裁判所(最高裁判所、または高等裁判所)で改めて審理が行われます。上告審では事実関係ではなく、その法的評価についてのみ審理が行われます。
上告する場合には、判決書を受け取ったあと2週間以内に上告状を裁判所へ提出し、控訴申立後50日以内に上告理由書を提出する必要があります。
なお、上告審の対応ができる専門家は弁護士のみですので注意して下さい。
5章 訴訟にかかる費用
訴訟にかかる費用は以下の2つです。
- 裁判手数料
- 専門家への費用
それぞれ詳しく解説します。
5−1 裁判手数料
裁判手数料とは、訴訟を提訴するのにかかる手数料です。
最初は原告側が支払いますが、判決後に裁判所が負担割合を決定しますので、最終的に被告側が支払うこともあります。
裁判手数料は訴訟の目的額に応じて変動し、具体的には以下のとおりです。
訴訟の目的の価額 | 手数料 |
---|---|
100万円までの部分 | 10万円ごとに1,000円 |
100万円超 500万円までの部分 | 20万円ごとに1,000円 |
500万円超 1,000万円までの部分 | 50万円ごとに2,000円 |
1,000万円超 10億円までの部分 | 100万円ごとに3,000円 |
10億円超 50億円までの部分 | 500万円ごとに1万円 |
上記は、加算式です。例えば、訴訟の目的の価額が600万円だった場合の手数料は以下のようになります。
②500万円までの部分→20,000円
③600万円までの部分→4,000円
合計:34,000円
5−2 専門家への依頼費用
専門家への依頼費用は事務所によって金額は様々ですが、かつて日本弁護士連合会が定めていた旧報酬規定に則って設定している法律事務所・司法書士事務所も多くあります。
そのため、専門家への依頼費用については旧報酬規定の金額が相場の目安になるでしょう。
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経済的利益の額 | 着手金 | 報酬金 |
---|---|---|
300万円以下の場合 | 経済的利益の8% | 経済的利益の16% |
300万円を超えて3000万円以下の場合 | 経済的利益の5%+9万円 | 経済的利益の10%+18万円 |
3000万円を超えて3億円以下の場合 | 経済的利益の3%+69万円 | 経済的利益の6%+138万円 |
3億円を超える場合 | 経済的利益の2%+369万円 | 経済的利益の4%+738万円 |
なお、被告側の経済的利益とは、訴訟の内容にもよりますが、請求されている損害賠償金等を減額した場合に減額した額がそれにあたります。
6章 支払いを求める訴訟を提起されても、自己破産が可能
借金などの支払いを怠ったっていると、支払いを求める訴訟を提起されることがあります。
支払いを求める訴訟を起こされると、支払いを免れることは難しいでしょう。和解にて利息をカットしてもらったり分割払いに応じてもらったりするのが関の山です。
万が一、分割払いでも支払えない場合や訴訟を無視した場合には、強制執行として財産を差し押さえられてしまう可能性があります。
それを防ぐためには、早い段階で自己破産をする必要があります。
訴訟を提起されていても自己破産をすることが可能です。自己破産をすれば、借金の返済義務がすべて免除されますので、もちろん強制執行もストップします。
支払いを求める訴訟を提起され、支払いに応じるのが難しい場合には、なるべく迅速に自己破産の手続きをするのがよいでしょう。
7章 訴訟を提起された時に依頼できる専門家
訴訟を提起された時、一人で裁判に対応するのは難しいでしょう。そのため、代理人となってくれる専門家に依頼することをおすすめします。
依頼できる専門家としては、以下の2つです。
- 弁護士
- 司法書士
代理人として依頼した場合の報酬は両者にそれほど大きな差はありませんが、司法書士の方が比較的リーズナブルな傾向があります。
ただし、司法書士は借金などの支払いを求める訴訟かつ、訴訟の目的となる価額が140万円以下の場合にしか対応できないので注意してください。
なお、司法書士に代理人として依頼ができない場合でも、訴状の作成や裁判所への同行などは依頼することが可能であり、代理人として依頼するよりも費用を抑えることができます。
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よくあるご質問
- 訴訟を提起されたときの流れは?
- 訴訟を提起されたときの流れは、下記の通りです。
STEP① 答弁書の作成・提出
STEP② 口頭弁論
STEP③ 控訴
STEP④ 上告
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- 訴訟を提起されたらどうしたらいい?
- 訴訟を提起されたときには、下記の内容を確認しましょう。
・訴訟の相手方と内容
・口頭弁論期日
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