クレジットカードを作りすぎるとどうなる?平均保有枚数は何枚?

司法書士渡邊優太

監修者:グリーン司法書士法人   渡邊優太
【所属】大阪司法書士会 登録番号大阪第4454号 / 大阪府行政書士会所属 会員番号第17260997号 【保有資格】司法書士・行政書士

借金返済の知識

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 この記事を読んでわかること

  • クレジットカードを作りすぎると生じるリスク
  • クレジットカードを複数枚持つことのメリット
  • クレジットカードの平均枚数と適切な利用方法

クレジットカードを保有することは、多くの利便性をもたらしますが、過度にクレジットカードを作りすぎるとさまざまなリスクが生じます。また、クレジットカードの枚数が増えることで、年会費の負担や管理の煩雑さも増すでしょう。

また、多数のクレジットカードを持つことで、不正利用のリスクが高まる可能性も指摘されています。さらに、新たなクレジットカードの申し込みが頻繁に行われると、信用情報に影響を与え、借入の審査に不利になりかねません。

今回の記事ではクレジットカードを適切に管理し、リスクを避ける方法について見ていきましょう。クレジットカードを作ることを検討しておられるみなさんは、ぜひ参考にしてください。

1章 クレジットカードを作りすぎるとどうなる?

クレジットカード(クレカ)を作りすぎると、主に次のようなことが起こります。

  • 申し込みブラックになる恐れがある
  • 年会費などの維持費がかかる
  • クレジットカードのポイントが貯まりにくくなる
  • 利用可能枠を増やしにくくなる
  • 不正利用のリスクが高まる
  • クレジットカードや使用額の管理が難しくなる

ひとつずつ見ていきましょう。

1-1 申し込みブラックになる恐れがある

クレジットカードの申し込みを短期間に何枚も行うと、「申し込みブラック」になるリスクがあります。申し込みブラックとは、短期間に複数のクレジットカードやカードローンの申し込みをすると、信用情報に申し込みの事実が6ヶ月間記録され、審査に通りにくくなる状態のことです。

短期間で複数のクレジットカードを申し込んでいることは、クレジットカード会社や金融機関が審査の際に照会する信用情報で判明します。審査する側は、短期間で複数のクレジットカードを申し込む行為について、経済的に厳しい状態と判断し、審査で最も重要な返済能力に疑問を持つでしょう。

特に、1ヶ月の間に3枚以上の申し込みをすると申し込みブラックの可能性が高まります。申し込みブラックになると、最長で6ヶ月間、新しいクレジットカードの審査通過が困難です。申し込む際は間隔を空け、一度に多数の申し込みを避けることが推奨されます。

なお、申し込みブラックについては、以下の記事でくわしく掘り下げて解説しています。

興味があるみなさんは、ぜひ参考にご覧ください。

1-2 年会費などの維持費がかかる

クレジットカードを多く持つと、年会費(年会費無料のクレジットカードは例外)や、そのほかの維持費、つまり保有コストが発生します。特に年会費の高いプレミアムクレジットカードを複数持っている場合、その費用は非常に高額になることが珍しくありません。

クレジットカードを選ぶ際には、自分の利用頻度やサービスの内容を考慮して、余計な維持費が発生しないように計画的に管理することが大切です。不要なクレジットカードと必要なクレジットカードを分けて、不要なクレジットカードは解約することで、維持費を下げられます。

なお、クレジットカードの支払いの遅延・滞納による信用情報への影響やデメリットについては、以下の記事でくわしく取り上げています。

併せてそちらも、参考にしてください。

1-3 クレジットカードのポイントが貯まりにくくなる

クレジットカードごとのポイントプログラムは、クレジットカードを利用するメリットのなかでも重要視されています。ところが、複数のクレジットカードを持つと、各クレジットカードのポイントを集中して貯めることが難しくなるでしょう。

さらに、ポイントの有効期限も考慮する必要があります。複数枚のクレジットカードを持つことで、ポイントが無駄に失効するリスクも高くなるでしょう。

少数のクレジットカードに絞って利用することで、ポイントがより早く、より多く貯まるのは確実です。ポイントプログラムの利用条件をしっかり理解し、効率的なクレジットカードの使い分けが求められます。

1-4 利用可能枠を増やしにくくなる

多くのクレジットカードを持っていると、新たに申し込むクレジットカードの利用可能枠の設定に影響します。利用枠の合計がさらに増えるので、クレジットカード会社は返済能力を考えて、利用可能枠を低く設定するからです。

一般的にクレジットカード会社は、申込者の総合的な信用状況を見て利用枠を決定するため、多くのクレジットカードを持つこと自体で、貸し倒れリスクが高まると見なされがちです。

適切な数のクレジットカードを持ち、それぞれのクレジットカードの利用をバランスよく行うことが重要です。

1-5 不正利用のリスクが高まる

クレジットカードを多く持つことで注意が分散してしまい、不正利用のリスクが高まります。特に盗難や紛失の際、多数のクレジットカードを一度に管理することは難しく、不正利用される前に対応することが遅れがちです。

不正利用が発生した場合、その影響を最小限に抑えるためにも、定期的なクレジットカードの利用状態のチェックと利用明細の確認が必要です。セキュリティ機能が強化されたクレジットカードを選ぶことも、リスク軽減につながります。

1-6 クレジットカードや利用額と支払日の管理が難しくなる

クレジットカードを複数持つと、それぞれのクレジットカードの利用状況や支払い状況を把握し、管理することが一層難しくなります。支払いの管理が不十分になると、予期せぬ遅延や滞納が発生するリスクは否めません。

また、多くのクレジットカードを持つことで、予算設定が甘くなることも考えられます。ひとつ一つのクレジットカードの利用額は少なくても、トータルで使いすぎてしまうことにもつながるでしょう。

さらに、クレジット会社ごとに引き落とし日が異なるため、引き落とし資金の管理が難しくなります。引き落とし日を間違えてしまうと、信用情報機関に事故情報が登録されて、すべてのカードが停止になるおそれがあります。

効率的な管理のためには、手持ちのクレジットカードを一旦整理してみて、利用するクレジットカードの数を制限し、必要なクレジットカードだけを持つことが賢明です。

なお、クレジットカードの請求額が支払えなくなった場合や、支払いが遅れる場合の対処法については、以下の記事でくわしく取り上げています。ぜひ、参考にご覧ください。

2章 クレジットカードを複数枚所有するメリット

クレジットカードを複数枚所有することには、悪い点もありますがメリットもないわけではありません。主なメリットは次のとおりです。

  • クレジットカードを使い分けられる
  • 1枚のクレジットカードが使えなくても別のクレジットカードを使える
  • 複数のクレジットカードの付帯サービスを利用できる

それぞれを見ていきましょう。

2-1 クレジットカードを使い分けられる

クレジットカードを複数枚持つことの最大のメリットのひとつは、シーンに応じてクレジットカードを使い分けることができる点です。

たとえば、ショッピング専用のクレジットカード、食事専用のクレジットカード、旅行専用のクレジットカードなど、それぞれのクレジットカードで特典や割引が異なります。

この使い分けにより、最適なクレジットカードを選んで利用することで、ポイントの最大化やキャッシュバック、割引などの特典を効率よく享受できます。

また、異なる国際ブランドのクレジットカードを持つことで、店舗によって受け付けるクレジットカードのブランドが異なっていても対応しやすくなるため、より多くの場所でスムーズに決済が可能になります。

さらに、クレジットカードによっては特定のショッピングモールやオンラインストアでの追加ポイントが得られることもあります。これらのメリットを活用することで、日々の消費がよりお得に、また便利になるのです。

2-2 1枚のクレジットカードが使えなくても別のクレジットカードを使える

クレジットカードは予期せぬ状況、たとえば紛失や盗難、クレジットカードの磁気不良などで突然使用できなくなることがあります。特に海外旅行中などでは、このようなトラブルが生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。

複数のクレジットカードを持つ利点のひとつは、上記のようにいずれかのカードが利用できなくなった際にも、別のクレジットカードで支払いができる安心感です。

メインのクレジットカードは決まっていても、予備のクレジットカードを携帯していれば、一時的な問題を解決しやすくなります。

また、複数のクレジットカードを持っていることで、メインのクレジットカードの使用が利用可能額に達しても、ほかのクレジットカードを使用でき、支払いの柔軟性が増します。

このように、複数のクレジットカードを持つことは、さまざまな状況に対応するためのひとつの安全策といえるでしょう。ただし、クレジットカードが使えなくなった原因が滞納などによる場合、信用情報に記載されるため、他のカードも使えなくなる可能性が高いでしょう。

2-3 複数のクレジットカードの付帯サービスを利用できる

クレジットカードを複数持つことのもうひとつの大きなメリットは、それぞれのクレジットカードが提供する異なる付帯サービスを活用できる点です。クレジットカードごとに、旅行保険、延長保証、空港ラウンジの無料利用など、さまざまな特典が付いています。

たとえば、あるクレジットカードに付帯している旅行保険の補償が十分でない場合でも、ほかのクレジットカードにはより高額の補償がついていることもあるでしょう。このようにクレジットカードを組み合わせて使うことで、補償内容を最大限に活用できます。

また、一部のクレジットカードではゴルフ場の予約サービスや高級レストランの予約サービスなど、普段では体験できないような特別なサービスが利用できることもあるでしょう。

さらに、いくつかのクレジットカードを持つことで、それぞれのクレジットカード会社のプロモーションやキャンペーンに参加する機会も増え、通常よりもお得にサービスを受けることができる場合もあります。

これらのサービスは通常、単一のクレジットカードでは得られないものであり、複数のクレジットカードを賢く活用することで、日常生活をより豊かで便利なものにできます。それによって、クレジットカードを複数持つことの価値が高まるといえるでしょう。

なお、クレジットカードが審査落ちする一般的な原因については、以下の記事でくわしく取り上げています。

そちらも併せて、参考にご覧ください。

3章 クレジットカードの平均保有枚数は約3枚

一般社団法日本クレジット協会の調査によれば、2023年3月末時点のクレジットカード発行枚数は、人口の3倍を超える3億860 万枚です。前年から2.5%の増加となっています。

ちなみに、家族カードは2,415万枚で前年に比べて1.6%の増加です。また、法人カードは1,201 万枚で前年に比べて4.9%の増加となっています。

この調査では、20歳以上のクレジットカードの平均保有枚数は3.0枚です。これは、多様な支払い方法やクレジットカードの特性を活用するため、消費者が複数のクレジットカードを持つことが一般的であることを示しています。

また、クレジットカードの保有数が増えることは、消費者の金融リテラシーの向上や生活スタイルの多様化にも関連しています。しかし、クレジットカードを複数持つことは前述のとおり、管理を難しくする可能性も否めません。

自身の経済状況や支出管理能力に応じた、クレジットカード数に留めることが推奨されています。

出典:クレジットカード発行枚数調査結果の公表について|一般社団法人日本クレジット協会

3-1 管理しやすくするならメイン+サブの2枚持ちがおすすめ

メインクレジットカードとサブクレジットカードをバランス良く使い分けるのが、クレジットカードを賢く活用する重要なポイントといえるでしょう。

メインクレジットカードは日常的に多く使うクレジットカードを指し、サブクレジットカードは特定の用途や緊急時のバックアップとして使用します。この方法により、クレジットカードの特典を最大限に活用しつつ、万が一の際のリスク分散が可能になります。

また、メインクレジットカードでの利用によってポイントが効率よく貯まる一方で、サブクレジットカードは異なるネットワークを持つクレジットカードを選ぶことで、カバー範囲を広げることが可能です。

このようにクレジットカードを使い分けることで、不測の事態にも対応しやすくなり、家計の管理の面でも利点があります。

クレジットカードの選定にあたっては、年会費や利用条件などを考慮に入れ、自身のライフスタイルに合ったクレジットカード選びが重要です。

まとめ

クレジットカードを作りすぎることには、メリット以上にさまざまなデメリットが伴います。たとえば、年会費の増加、管理の難しさ、不正利用のリスク増加などです。

しかし、メインクレジットカードとサブクレジットカードを上手く使い分けることで、これらのリスクを軽減できます。適切なクレジットカード数の管理は、個々のライフスタイルや家計のニーズに応じて調整することが重要です。

クレジットカードは便利なツールですが、その利用は慎重に行うことが求められます。万が一、クレジットカードの支払いが難しくなってお悩みであれば、司法書士などの専門家に相談するのが賢明です。

クレジットカードによる借金問題にお悩みで、解決策を検討しておられるみなさんは、どの方法が最善策なのか、ぜひグリーン司法書士法人にお気軽にご相談ください。

当司法書士法人では借金問題に関する個々のケースに応じた解決方法をご提案し、その実行をサポートできます。

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