任意整理の完済後、クレジットカードやローンはすぐに利用できる?

司法書士市川有美

監修者:グリーン司法書士法人   市川有美
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第9784号 【保有資格】司法書士

任意整理
任意整理の完済後、クレジットカードやローンはすぐに利用できる?

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 この記事を読んでわかること
  • 任意整理の完済後にクレジットカードやローンはいつから利用できるか
  • 任意整理の完済後にクレジットカードやローンの審査に通過しやすくするポイント
  • 任意整理の完済後に借金しないためのコツ

「任意整理を完済したが、いつになればクレジットカードが使えるようになるのか」
「任意整理を検討しているが、完済後の暮らしが不安で手続きに踏み切れない」

上記のような疑問や不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。

結論から言うと、完済後も信用情報には任意整理の記録が一定期間残るため、すぐにはクレジットカードやローンを利用できません。ただし、適切な対処法を知っていれば、審査に通過しやすくなる可能性があります。

本記事では、任意整理完済後にクレジットカードやローンを利用できる時期と、信用回復のために取るべき行動を詳しく解説します。

1章 任意整理の完済後、クレジットカードやローンはいつから利用できる?

任意整理の完済後、すぐにクレジットカードやローンを利用できる訳ではありません。ここでは、任意整理後にどのように信用情報が扱われるのかを、信用情報機関ごとに見ていきましょう。

1-1 原則として完済後5年間は利用不可

任意整理の記録が信用情報から消えるのは、完済から約5年が経過してからです。事故情報が記録されている間は審査通過が難しく、新たにクレジットカードやローンを利用するのは難しいでしょう。

なお、任意整理の手続きが遅ければ、長期延滞や代位弁済による事故情報が記録されている場合もあります。信用情報機関ごとに、任意整理や長期延滞、代位弁済の記録について確認していきましょう。

1-1-1 日本信用情報機構(JICC)

日本信用情報機構(JICC)は、主に消費者金融やクレジットカード会社、リース会社などが加盟する信用情報機関です。日本信用情報機構(JICC)では、約5年間にわたって任意整理をしたことが記録されます。
現在の運用では、契約日が2019年10月1日以降であれば、契約終了日(完済日)から5年以内に削除される仕組みです。

1-1-2 シー・アイ・シー(CIC)

シー・アイ・シー(CIC)は、クレジットカード会社や信販会社が加盟する信用情報機関です。任意整理を行ったという情報そのものは、シー・アイ・シー(CIC)には記録されません。ただし、任意整理前に発生していた長期延滞や代位弁済などは事故情報として登録されます。

1-1-3 全国銀行個人信用情報センター(KSC)

全国銀行個人信用情報センター(KSC)は、銀行や信用金庫、信用保証協会などが加盟している信用情報機関です。全国銀行個人信用情報センター(KSC)でも任意整理を行ったという情報は登録されません。

ただし、延滞や保証会社による代位弁済が発生していた場合には、事故情報として登録されます。延滞や代位弁済による事故情報は、完済から5年を超えない期間で削除されるのが原則です。

1-2 信用情報に記録が残っていることによる影響

任意整理の完済後でも、信用情報に事故情報が記録されている期間中は、各種の審査に通りにくい状態が続きます。なぜなら、金融機関やクレジット会社は審査の際に必ず信用情報を確認するためです。

まず、クレジットカードの新規発行やローン契約は、できない可能性が高いでしょう。審査時に延滞や債務整理の記録が確認されると、支払い能力に問題があると判断されます。同様に、携帯電話の分割払い(端末の割賦契約)や賃貸契約にも悪影響を及ぼします。そのため、任意整理の完済後しばらくは現金払いを中心に生活し、必要に応じて家族名義の契約などで一時的に対応するなどしましょう。

2章 任意整理の完済後にクレジットカードやローンの審査に通過しやすくするポイント

任意整理の完済後にクレジットカードやローンの審査に通過しやすくするポイントは以下の通りです。

  • 安定した収入を得る
  • クレジットヒストリーを作る
  • 整理対象の金融機関やグループ会社の利用を避ける
  • 短期間で複数社に申し込まない
  • 信用情報の開示請求を行う

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

2-1 安定した収入を得る

審査では、過去の情報だけでなく、現在の返済能力も重視されます。正社員として一定期間勤務している場合はもちろん、契約社員やパート・アルバイトでも、継続的に収入を得ていれば評価されやすくなります。

転職を繰り返していたり、収入が不安定だったりすると審査に通りにくいため、まずは安定した収入基盤を整えましょう。時間に余裕がある場合は、フードデリバリーや日払いバイトなどで別の収入源を確保するのもおすすめです。

2-2 クレジットヒストリーを作る

信用情報の記録が削除された直後は、信用情報がまったくない状態(いわゆるスーパーホワイト)になります。この状態では、金融機関が過去の取引履歴を確認できないため、審査に慎重になる傾向があります。

クレジットヒストリーを再構築するには、まず携帯電話の端末を分割払いで購入するなど、信用情報に登録される小規模な契約から始めましょう。割賦契約(分割払い)の情報が登録されるため、支払いを延滞なく続ければ信用が積み上がります。

その後、年会費無料のクレジットカードや少額のショッピングローンを利用し、少額利用と期日通りの返済を繰り返すことで、見栄えの良い信用情報になるでしょう。

2-3 整理対象の金融機関やグループ会社の利用を避ける

任意整理を行った金融機関や、そのグループ会社では、社内ブラックと呼ばれる独自の記録が残る場合があります。信用情報機関から事故情報が削除されていても、社内データとして「過去に任意整理をした顧客」として扱われ、再契約や新規審査が通らないことがあるのです。

例えば、クレジットカードのA社を整理対象に含めた場合、同じグループの消費者金融でも、一定期間は審査に通らない可能性があります。したがって、任意整理後にクレジットカードやローンを申し込む際は、過去に整理した会社やその関連企業を避け、別の金融グループを選ぶのが安全です。

2-4 短期間で複数社に申し込まない

任意整理の完済後、信用情報が回復したからといって、一度に複数のカードやローンへ申し込むのは避けましょう。信用情報機関には申込情報も記録されており、これが短期間に集中していると、金融機関から「お金に困っている」と判断される恐れがあります。

申込情報は通常、6ヶ月保存されるため、申し込みは1社ずつ、少なくとも3か月以上の間隔を空けるのが理想です。また、審査落ちが続いた場合も、すぐに再申請するのではなく、収入や支出の状況を見直してから申し込むようにしましょう。

2-5 信用情報の開示請求を行う

任意整理の完済から数年経っても審査に通らない場合は、まず信用情報の状態を確認することが大切です。信用情報は、信用情報機関に開示請求を行うことで確認できます。信用情報機関ごとの開示手数料は以下の通りです。

信用情報機関開示手数料
JICC(日本信用情報機関)スマホ請求:700円
郵送請求:1,969円
CIC(シー・アイ・シー)インターネット請求:500円
郵送請求:1,500円
KSC(全国銀行個人信用情報センター)インターネット請求:1,000円
郵送請求:1,500円

※本情報は2025年12月1日現在のものです。最新の情報は各信用情報機関のサイトをご確認ください。
※支払い方法によって別途手数料がかかります。詳しくは各信用情報機関のサイトをご確認ください。

任意整理の記録や延滞情報がまだ残っているのか、削除されているのかを把握することで、無駄な申し込みを防げます。

2-5-1 日本信用情報機構(JICC)

日本信用情報機構(JICC)の開示請求方法は以下の通りです。

スマホ(手数料700円)郵送(手数料1,969円)
  1. 専用アプリをダウンロードし、トップページで「信用情報開示の申込」を選択する
  2. マイナンバーカードで本人認証を行う
  3. 氏名や生年月日などを入力する
  4. 手数料を支払う
  5. 開示結果を受け取る
  1. 本人確認書類2点を用意する※
    (例:住民票の写し、運転免許証のコピー)
  2. JICCサイトの申込書作成フォームに必要事項を入力し、開示申込書を印刷する
  3. コンビニで郵送開示利用券を購入する
  4. 1〜3を同封して開示窓口宛に送付する

※詳細は、JICCのサイトをご確認ください。

2-5-2 シー・アイ・シー(CIC)

シー・アイ・シー(CIC)の開示請求方法は以下の通りです。

インターネット(手数料500円)郵送(手数料1,500円)
  1. スマホにマイナPocketアプリをダウンロードする
  2. クレジット会社に届けていて、CICに登録している電話番号からナビダイヤルに電話をかけ、受付番号を取得する
  3. CICサイトのご利用前の最終確認事項をチェックし、情報開始専用ページへアクセスする
  4. 承諾事項を確認し、2の受付番号と、2で使用した電話番号を入力する
  5. オンラインでマイナンバーカードによる本人認証を行う
  6. 氏名、生年月日、手数料の決済方法等、必要事項を入力する
  7. 手数料の決済手続きを行う
  8. 決済完了後、開示報告書をダウンロードする
  1. 本人確認書類2点を用意する※
    例:住民票の写し、運転免許証のコピー
  2. CICサイトから信用情報開示申込書をダウンロード、印刷し、必要事項を記入する
  3. 開示利用券(コンビニチケット)またはゆうちょ銀行の定額小為替証書を購入する
  4. 1〜3を同封して開示窓口宛に送付する

※詳細は、CICのサイトをご確認ください。

2-5-3 全国銀行個人信用情報センター(KSC)

全国銀行個人信用情報センター(KSC)の開示請求方法は以下の通りです。

インターネット(手数料1,000円)郵送(手数料1,500円)
  1. メールアドレスを登録する
  2. 名前や住所、電話番号などを入力する
  3. 公的個人認証のアプリをインストールし、マイナンバーカードで本人認証を行う
  4. 登録したメールアドレス宛に手数料の支払いに必要なURLが届く
  5. URLから決済サイトにアクセスし、手数料を支払う
  6. 登録したメールアドレス宛に開示報告書のダウンロードURLが送付される
  1. 本人確認書類2点を用意する※
    例:住民票の写し、運転免許証のコピー
  2. KSCサイトから登録情報開示申込書をダウンロード、印刷し、必要事項を記入する
  3. コンビニで本人開示・申告手続利用券を購入する
  4. 1〜3を同封して開示窓口宛に送付する

※詳細は、KSCのサイトをご確認ください。

3章 任意整理の完済後に借金しないためのコツ

任意整理の手続きを経て借金を完済することで、返済に追われる生活から抜け出せます。しかし、借金の完済はスタートラインに過ぎず、油断すると再び借金に頼る生活に陥ってしまうかもしれません。ここでは、任意整理後に同じ失敗を繰り返さないためのポイントを紹介します。

3-1 固定費を上げずに生活する

任意整理を完済すると、返済のプレッシャーから解放され、「これで少しは楽になる」と感じる方も多いでしょう。しかし、その安心感から生活レベルを上げてしまうと、再び家計が苦しくなり、借入を繰り返す原因になりかねません。

特に注意したいのが、家賃やサブスクリプションサービス、通信費、保険料などの固定費です。固定費が増えると毎月の出費が膨らみ、家計を長期的に圧迫します。

任意整理を完済できたということは、今の生活レベルでも十分やりくりができているという証拠です。つまり、これまで返済に充てていたお金を貯蓄に回せば、無理なくお金を貯められます。完済後の安定を守るために、支出を増やさずに貯金を習慣化するという意識を持ちましょう。

3-2 副業や転職で収入を増やす

固定費を最適化して無理なく貯蓄ができる状態を作ったら、副業や転職による収入アップを目指すのがおすすめです。収入を増やすことで、生活に余裕が生まれ、将来への不安を減らすことができます。

すぐに始めやすいのは、日払いバイトやフードデリバリーなどです。空いた時間を使って収入を得られるため、本業やプライベートと両立しやすくなっています。また、ライティングやデータ入力、Webデザインなどの在宅ワークを始めれば、スキルを活かしながら副収入を得られます。

一方で、中長期的な安定を目指すなら、転職による収入アップも検討してみましょう。資格取得や経験を活かしてより条件の良い職場に移ることで、月収・年収の底上げが期待できます。ただし、焦って転職すると早期退職に繋がる恐れがあるため、専門家や転職エージェントに相談しながら慎重に進めるのがおすすめです。

4章 完済後の生活が不安で任意整理を迷っているなら弁護士・司法書士に要相談

任意整理をすれば返済が楽になるとわかっていても、「手続きをして本当に生活していけるのか」と不安を感じる方は少なくありません。しかし、任意整理を行うことで、返済額が減り、生活に必要な支出を確保しながら、計画的に借金完済を目指せます。

手続きにも不安があるかもしれませんが、弁護士・司法書士に相談すれば、返済計画の立て方や家計の見直し方などを具体的にアドバイスしてもらえます。「手続き後にどれくらい余裕が残るのか」「貯金はできるのか」など、完済後の生活をイメージしながら進められるため、安心して判断できます。

また、完済後の生活設計や再発防止のポイントについても相談できるため、サポートを受けながら安定した生活基盤を築きやすくなります。不安なまま一人で抱え込まず、早めに専門家へ相談して、今の生活に合った無理のない解決策を見つけていきましょう。

グリーン司法書士法人では、任意整理の手続きのサポートはもちろん、個人再生や自己破産を含めた最適な解決方法を提案しています。無料相談も実施しておりますので、借金問題でお困りの方はお気軽にご相談ください。

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まとめ

任意整理の完済後は、すぐにクレジットカードやローンを利用できる訳ではありません。信用情報には債務整理の記録や延滞情報などが記録される可能性があり、完済からおよそ5年間は新たな審査に通りにくい期間が続きます。ただし、この期間を過ぎれば、再びカードやローンを利用できる可能性が高まります。

完済できたということは、今の生活水準でやりくりができているという証拠です。再び借金問題で困ることがないよう、完済後5年間は、固定費を見直したり、貯蓄を増やしたり、収入を安定させたりと、次の生活基盤を整える準備期間と考えましょう。

また、「任意整理をすべきか迷っている」「完済後の生活が不安」という場合でも、専門家に相談すれば、返済計画の立て方から生活設計まで具体的なサポートを受けられます。

グリーン司法書士法人では、任意整理の完済後に関するご相談をはじめ、債務整理全般の無料相談を承っています。信用情報の回復時期や完済後の家計管理など、状況に合わせて丁寧にアドバイスいたしますので、不安を抱えたまま悩まず、まずはお気軽にご相談ください。

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