この記事は約 10 分で読めます。
時効援用とは、借金が時効を迎えた事実を債務者が債権者に対して主張することです。
NHKの受信料も時効援用できるので、滞納日から5年以上経過した受信料は時効援用により返済しなくてよくなる可能性があります。
ただし、NHKの受信料の時効は中断もしくは更新されるときもあり、自分で消滅時効の起算点を把握するのは困難です。
自分が滞納している受信料が時効援用できそうかどうか判断したいときには、司法書士や弁護士などの専門家への相談もご検討ください。
本記事では、NHKの受信料を時効援用する条件や時効援用の流れを解説します。
NHKの受信料以外にも滞納している借金がある人は、下記の記事もご参考にしてください。
目次 ▼
1章 NHKの受信料は時効援用できる
2014年9月5日の最高裁の判決によれば、NHKの受信料の時効は5年とされています。
消滅時効を迎えていれば、NHKの受信料も時効援用できます。
延滞から5年以上経過しているNHKの受信料は、時効援用により支払い義務がなくなる可能性がありますが、時効の起算点の正確な判断は難しく専門的な知識が必要です。
次の章で、NHKの受信料で消滅時効が成立する要件を詳しく解説していきます。
2章 NHKの消滅時効が成立する要件
延滞しているNHKの受信料が以下の要件を満たす場合には、消滅時効が成立しています。
- NHKの受信料を5年以上滞納している
- 消滅時効を迎えるまで受信料を払っていない
- 時効を迎えた後に時効援用の手続きをしている
それぞれ詳しく見ていきましょう。
2-1 NHKの受信料を5年以上滞納している
1章で解説したように、NHKの受信料の消滅時効は5年と過去に最高裁で判決が出ています。
支払い期日から5年経過している受信料に関しては、時効援用できる可能性があるといえるでしょう。
受信料の支払い期日に関しては書面で届いた受信料の請求を見れば確認可能です。
なお、NHKの受信料は毎月請求されます。
そのため、発生月ごとに支払い期日が異なり、消滅時効を迎える日も発生月ごとにそれぞれ変わってきます。
2-2 消滅時効を迎えるまで受信料を払っていない
NHKの受信料を時効援用するには、滞納してから5年間の消滅時効を迎えるまでに、受信料を全く払わないでいなければなりません。
受信料を一部でも支払ってしまうと、債務を承認したとみなされ時効が更新されてしまうからです。
2-3 時効を迎えた後に時効援用の手続きをしている
滞納から5年経過し、一度もNHKの受信料を払っていなかったとしても、時効援用の手続きをしなければ支払い義務はなくなりません。
時効援用とは、債務者が債権者に対し時効が成立したことを主張する手続きです。
具体的には、債権者に対し時効援用通知書を内容証明郵便で送るのが一般的です。
時効援用の手続きの流れや必要書類に関しては、3章で解説します。
3章 NHKの受信料を時効援用する流れ・必要書類
2章で解説した消滅時効の要件に該当している場合、時効援用をすれば受信料の支払い義務がなくなります。
NHKの受信料を時効援用する流れは、下記の通りです。
- 時効期間の経過を確認する
- 他にも滞納している借金がないか確認する
- 時効援用通知書を送る
それぞれ詳しく解説していきます。
3-1 時効期間の経過を確認する
まずは、NHKの受信料の滞納状況を確認し、消滅時効が成立しているかを確認しましょう。
なお、消滅時効は滞納分を請求する訴訟が行われているときは中断しますし、裁判で判決が下されたときや債務者が返済の意思を示したときには時効が更新されます。
自分の知らないところで時効が中断・更新されている可能性もありますので、まずはしっかり事前調査をすることが重要です。
NHKの受信料の消滅時効の起算点を把握するのは専門的な知識が必要なので、司法書士や弁護士に相談するのがおすすめです。
また、NHKの受信料は毎月発生するので、消滅時効が成立している受信料と成立していない受信料に分けられます。
そのため、消滅時効が成立している受信料はいくらかも正確に計算しなければなりません。
このように、NHKの受信料については通常の借金などに比べて注意すべき事項が多く特殊なものです。この点においても専門家に依頼した方が安全であると言えるでしょう。
3-2 他にも滞納している借金がないか確認する
NHKの受信料を時効援用する際には、他にも滞納している借金がないか確認しましょう。
複数の借金や支払いを延滞している場合には、まとめて時効援用してしまった方が安心だからです。
複数の借り入れ先から借金していて、どこからいくら借りているか自分ではわからない場合には、信用情報機関で情報開示請求を行えば調べてもらえます。
3-3 時効援用通知書を送る
NHKの受信料が消滅時効を迎えていた場合には、通常は内容証明郵便で時効援用通知書を送ります。
時効援用通知書に記載すべき項目は、主に下記の通りです。
- 時効を援用する日付
- 差出人の情報
- 債権を特定する情報
- 消滅時効を援用する旨
時効援用通知書に何を書くべきか判断するには、法律や借金問題に関する専門的な知識が必要です。
不備のない時効援用通知書を作成するためにも、時効援用に詳しい司法書士や弁護士に依頼するのが良いでしょう。
4章 NHKの受信料を時効援用するときの注意点
NHKの受信料を時効援用する際には、自分でも知らないうちに時効の中断や更新に該当する行動をしていないかなどに注意が必要です。
具体的には、下記の3点に注意しましょう。
- 時効の中断・更新に該当していないか注意する
- 時効援用は専門家に依頼する
- 時効援用できない・失敗した場合には債務整理も検討する
それぞれ詳しく解説していきます。
4-1 時効の中断・更新に該当していないか注意する
NHKの受信料の滞納を認めてしまうと、その都度、消滅時効の起算点が更新され時効援用できる日が遠ざかってしまいます。
受信料の滞納を認める行為は、下記も該当するのでご注意ください。
- NHKの受信料の集金スタッフに「今はお金がなく支払えない」などと話す
- 受信料支払期間指定書に署名する
- 受信料の一部を支払う
上記行為は、受信料の滞納を認める行為にあたります。
また、NHKから届くお知らせを放置していると、支払督促など法的な手続きを取られる恐れもあります。
4-2 時効援用は専門家に依頼する
借金問題や法律について詳しくない人が時効援用すると失敗するリスクが高いので、専門家に手続きを依頼するのがおすすめです。
- 消滅時効が成立しているか正しく判断してもらえる
- 時効援用通知書を不備なく作成してもらえる
専門家に依頼するメリットは、上記の通りです。
なお、時効援用を代行できる専門家は司法書士と弁護士であり、司法書士の方が費用が安価にすむ場合が多いです。
4-3 時効援用できない・失敗した場合には債務整理も検討する
受信料の滞納を認めていて時効援用ができそうにない場合、もしくは失敗したものの受信料の支払いが難しい場合には債務整理も検討しましょう。
NHKの受信料は債務に含まれますので、自己破産や個人再生などの債務整理をすれば支払い義務をなくす、負担を軽減することが可能です。
債務整理は、主に下記の4種類があります。
債務整理 | おすすめな人の特徴 |
---|---|
任意整理 | 住宅や自動車など残したい財産がある人 周囲にばれずに債務整理をしたい人 |
個人再生 | 借金を大幅に減額したい人 住宅や車など残したい財産がある人 |
自己破産 | 他の債務整理では借金の完済が難しい人 |
特定調停 | 債務整理する借金を自分で選びたい人 |
時効援用を専門家に依頼した場合、万が一時効援用に失敗したとしても、その後の債務整理手続きのサポートも継続して行えるので安心です。
債務整理については、下記の記事でも詳しく解説しています。
まとめ
5年以上滞納しているNHKの受信料は、時効援用すれば支払い義務をなくせる可能性があります。
一方で、滞納中に少しでも受信料を払っているケースや「お金が入ったら払う」などスタッフとやり取りしているケースでは時効援用できない恐れもあります。
また、NHKの受信料は毎月発生しているので、時効援用をしたとしても直近5年間の滞納分は支払い義務が残り続ける点にも注意が必要です。
NHKの受信料は消滅時効の起算点の判断が難しく、債権者であるNHKとも揉めやすいです。
少しでも、時効援用の成功率を上げたいのであれば、司法書士や弁護士などの専門家へ相談するのがおすすめです。
グリーン司法書士法人では、時効援用に関する相談をお受けしています。
初回相談は無料、かつオンラインでの相談も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。
時効の援用に関する記事を沢山公開していますので、合わせてご覧ください。
アクセス数が多いキーワード:消滅時効
時効援用の無料相談ならグリーンへ
お気軽にお問い合わせください!
よくあるご質問
- NHK受信料を時効援用する流れは?
- 時効援用の流れは、下記の通りです。
①時効期間の経過を確認する
②他にも滞納している借金がないか確認する
③時効援用通知書を送る
時効援用の流れについて詳しくはコチラ
- NHKの消滅時効が成立する要件
- NHKの受信料の時効成立要件は、下記の通りです。
・NHKの受信料を5年以上滞納している
・消滅時効を迎えるまで受信料を払っていない
・時効を迎えた後に時効援用の手続きをしている
時効援用の要件について詳しくはコチラ