時効援用後なのに取り立てが止まらない?理由や失敗時の対処法を解説

司法書士渡邊優太

監修者:グリーン司法書士法人   渡邊優太
【所属】札幌司法書士会 登録番号札幌第1092号 / 北海道行政書士会所属 登録番号第17260997号 【保有資格】司法書士・行政書士

時効の援用
時効援用後なのに取り立てが止まらない?理由や失敗時の対処法を解説

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 この記事を読んでわかること
  • 時効援用後に取り立てが止まらない理由
  • 時効の援用に成功しているかを確認する方法
  • 時効援用に失敗してしまった場合の対処法

時効援用の通知を送ったのに、債権者からの取り立てが止まらないと、「手続きに失敗したのではないか」「やはり支払わなければならないのか」と不安になる方も多いでしょう。原則として、時効が完成し適切に援用できていれば、債権者は請求を続けることはできません。そのため、通常は連絡も止まる可能性が高いと言えます。しかし、事務処理の行き違いや時効が成立していないケースなど、取り立てが続く理由がある場合もあります。

本記事では、時効援用後に取り立てが止まらないときに考えられる原因と、成功しているかを確認する方法、万が一失敗していた場合の対処法などを分かりやすく解説します。時効援用後に債権者から連絡が来てお困りの方は、ぜひ最後までご覧ください。

1章 時効援用の成立後は債権者から連絡が来ない可能性が高い

借金の時効が完成し、適切に時効援用が行われれば、債権者から連絡が来なくなるケースが多いでしょう。なぜなら、時効援用が成立すると、その借金について債権者は法的に強制的な請求や差押えを行うことができなくなるためです。時効は完成しただけでは効力が生じませんが、債務者が援用することで初めて法的な効果が発生します。

時効の援用が有効に行われていれば、債権者にとって回収の見込みはなくなり、督促や取り立ては停止されるのが一般的です。そのため、時効援用後に債権者から連絡が来ない場合は、手続きが適切に完了している可能性が高いと考えられます。

2章 時効援用後に取り立てが止まらない場合に考えられる2つの理由

前述の通り、時効援用が適切に成立していれば、通常は債権者からの連絡は止まります。しかし、時効援用の通知を送った後も、電話や書面による督促が続くケースがあります。ここでは、時効援用後に取り立てが止まらない場合に考えられる理由を解説します。

2-1 時効成立後も債権者が連絡をしてきている

時効が完成し、適切に援用が行われているにもかかわらず、債権者から連絡が来ることがあります。この場合、必ずしも時効が無効になっているとは限りません。

事務処理の遅れや社内システムの反映ミスなどにより、自動督促が一時的に止まっていないケースが見られます。また、債権が譲渡された直後で情報が十分に共有されていない場合や、時効援用通知の処理が完了する前に督促が発送されている場合もあります。こうしたケースでは、時効自体は有効に成立している可能性が高く、一定期間が経過すれば連絡が止まることも少なくありません。

一方で、時効の援用が成立していても、債権者が任意の支払いを求めて連絡を続けるケースもあります。そのため、取り立てが続いているからといって、すぐに「時効援用に失敗した」と判断する必要はありません。まずは落ち着いて状況を確認することが大切です。

2-2 時効の援用に失敗している

時効の援用に失敗し、取り立てが継続しているケースもあります。ここでは、具体的にどのようなケースで時効が成立していない可能性があるのかを確認していきましょう。

2-2-1 5年または10年が経過していない

借金の消滅時効は、原則として最後の返済日や返済期日から5年で完成します。ただし、判決が確定している場合などは10年となるケースもあります。そのため、「契約から5年以上経っている」という理由だけで時効が完成していると判断してしまうのは危険です。

特に注意が必要なのは、いつから時効期間を数えるのかという点です。多くの場合、最後に返済した日や、返済期日が過ぎた日が起算点になりますが、正確な日付を把握していないまま計算してしまうと、まだ5年が経過していない可能性もあります。

また、裁判を起こされて判決が確定している場合には、時効期間は原則10年となります。この点を見落としていると、時効が完成していると思って援用しても、実際には成立していないということもあり得ます。

2-2-2 裁判所からの書面を放置している

過去に裁判所から支払督促や訴状が届いていたにもかかわらず、そのまま放置してしまっている場合には注意が必要です。支払督促に対して異議を申し立てなかった場合や、訴訟で判決が確定した場合には、その確定時から時効期間は10年となります。

「昔に裁判所から何か届いたが、対応しなかった」というケースでは、すでに判決が確定している可能性があります。その場合、最後の返済日から5年が経過していたとしても、判決確定日から10年が経過していなければ、時効は完成していないことになります。裁判所からの書面は通常の督促とは意味が大きく異なるため、過去にそのような書類が届いていなかったかを一度確認することが重要です。

2-2-3 債務の承認をしている

時効期間の途中で債務の存在を認める行為をすると、借金の消滅時効が更新されます。これを債務の承認と呼び、代表的な例としては一部でも返済を行った場合が挙げられます。たとえ少額であっても支払いをすれば、その時点から改めて時効期間が進行することになります。

また、電話や書面で「もう少し待ってほしい」「分割でなら払える」などと発言した場合も、債務を認めたと判断される可能性が高いでしょう。自分では軽い気持ちで応答したつもりでも、債務の承認と評価されることがあるため注意が必要です。

債務の承認をしていると、最後の返済日から5年以上が経過していると思っていても、実際には時効が更新されている場合があります。時効援用後に取り立てが止まらない場合には、過去に承認行為がなかったかを振り返ってみることも大切です。

3章 時効の援用に成功しているかを確認する方法

取り立てが止まらない場合でも、すぐに時効援用が失敗したと判断する必要はありません。ここでは、時効援用が成立しているかを確認するための方法を解説します。

3-1 最終返済日を調べる

消滅時効は、原則として最後に返済をした日や、返済期日を過ぎた日から進行します。そのため、いつから時効期間を数えるのかを正確に把握することが大切です。「もう何年も前の借金だから大丈夫だろう」と思っていても、実際には最後の返済日からまだ5年が経過していないケースもあります。まずは通帳の記録や当時の契約書、督促状などを確認し、最後に支払った日付を特定しましょう。

また、過去に少額でも支払いをしていないか、分割払いの約束をしていないかも振り返る必要があります。時効の起算点を誤ってしまうと、援用が有効に成立していない可能性があるため、最終返済日の確認は丁寧に行いましょう。

3-2 信用情報を確認する

最終返済日がはっきりしない場合には、信用情報を開示して確認する方法があります。信用情報機関には、契約日や最終支払日、延滞状況などが登録されているため、時効の起算点を把握する参考資料になります。

また、事故情報が残っているかどうかについても確認しておきましょう。なぜなら、借金の時効援用が成立すれば、借金の滞納情報が消滅したり訂正されたりするためです。

時効援用が有効に成立していれば、その債務について新たな請求はできませんが、信用情報の登録がすぐに消えるとは限りません。債権者によっては完済と同様の扱いで登録を更新し、その日からさらに5年間、事故情報が記録として残る場合もあります。そのため、「事故情報が残っている=時効が成立していない」とは限らない点に注意が必要です。

このように、自分の信用情報を確認することで、最終返済日や登録状況を客観的に把握できます。主な信用情報機関と開示手数料は以下の通りです。

信用情報機関開示手数料
JICC(日本信用情報機関)スマホ請求:700円
郵送請求:1,969円
CIC(シー・アイ・シー)インターネット請求:500円
郵送請求:1,500円
KSC(全国銀行個人信用情報センター)インターネット請求:1,000円
郵送請求:1,500円

※本情報は2026年3月現在のものです。最新の情報は各信用情報機関のサイトをご確認ください。
※支払い方法によって別途手数料がかかります。詳しくは各信用情報機関のサイトをご確認ください。

3-3 弁護士・司法書士に依頼する

最終返済日や信用情報を確認しても判断が難しい場合には、弁護士・司法書士に相談しましょう。時効が成立しているかどうかは、単純に5年や10年が経過しているかだけでなく、裁判歴や債務承認の有無などによって変わります。

自分では時効が完成していると思っていても、過去の裁判記録や更新事由を見落としている可能性もあります。専門家に依頼すれば、時効の成立要件を法的に精査したうえで、債権者への対応方法を具体的にアドバイスしてもらえます。

また、時効が有効に成立しているにもかかわらず督促が続いている場合には、専門家が介入することで連絡が止まるでしょう。取り立てが続くことで強い不安を感じている場合には、一人で悩み続けるよりも、早めに専門家に確認してもらうことが安心に繋がります。

4章 時効援用に失敗してしまった場合の対処法

時効援用が有効に成立していなかった場合でも、すぐに諦める必要はありません。借金問題には、時効以外でも解決することが可能です。

4-1 コツコツ返済を続ける

時効が成立していなかった場合でも、現在の収入で返済が可能であれば、計画的に返済を続けることが一つの対応方法です。ただし、長期間滞納している場合には、すでに期限の利益を喪失しており、債権者から残額の一括請求を受けているケースも少なくありません。その場合、分割払いを希望するのであれば、債権者との交渉が必要になるでしょう。

交渉に応じてもらえるかどうかは債権者の判断によりますが、収支状況を整理したうえで誠実に相談することで、分割払いに応じてもらえる可能性もあります。ただし、利息や遅延損害金の負担が大きい場合には、返済を続けても負担が重い状態が続くかもしれません。

4-2 債務整理を行う

返済を続けることが難しい場合は、根本的な解決を図れる債務整理を検討しましょう。債務整理とは、法律に基づいて借金の負担を軽減したり、返済方法を見直したりする手続きのことです。収入や借金の総額、財産の状況によって適した方法は異なりますが、生活を立て直すための制度として利用されています。

債務整理には主に任意整理、個人再生、自己破産の3つの方法があります。それぞれ特徴や影響が異なるため、自分の状況に合った方法を選ぶことが重要です。

4-2-1 任意整理

任意整理は、裁判所を通さずに債権者と直接交渉し、将来利息や遅延損害金のカット、分割回数の見直しなどを行う手続きです。すでに期限の利益を喪失し、一括請求を受けている場合でも、交渉によって改めて分割払いに応じてもらえる可能性があります。

元本自体は原則として減りませんが、将来利息がカットされることで、支払総額を抑えながら完済を目指すことが可能になります。また、整理する債務を選べる点も特徴です。住宅ローンや自動車ローンを継続しながら、消費者金融やクレジットカードの借金のみを対象にすることもできるため、現在の生活を維持しながら負担を軽減できる可能性があります。

ただし、任意整理は分割返済を継続できることが前提となります。安定した収入があり、一定期間にわたって支払いを続けられる見込みがあるかどうかを踏まえて検討することが重要です。

4-2-2 個人再生

個人再生は、裁判所を通じて借金を大幅に減額し、原則3年で分割返済していく手続きです。元本を5分の1〜10分の1まで圧縮できる可能性があるため、借金総額が大きい場合に効果的です。

個人再生の大きな特徴が、住宅ローン特則を利用できる点です。住宅ローン特則を利用すれば、住宅ローンはこれまで通り支払いを続けながら、その他の借金のみを減額できます。そのため、マイホームを手放さずに生活を立て直したい場合に有効な手続きと言えます。

ただし、個人再生は任意整理と同様に継続的な収入があることが前提となります。また、手続きが裁判所を通じて行われるため、任意整理以上に手続きには時間や費用がかかります。したがって、個人再生をする際は、現在の収入状況や借金総額を踏まえたうえで、慎重に判断する必要があるでしょう。

4-2-3 自己破産

自己破産は、支払能力がないと裁判所に認められた場合に、原則として借金の返済義務を免除してもらう手続きです。時効援用に失敗して借金が残ってしまった場合でも、返済が現実的に難しい状況であれば、自己破産によって生活を立て直すことが可能です。

一定以上の価値がある財産は処分の対象となりますが、自己破産をしたからといって何もかも失うわけではありません。99万円を超える現金や不動産などは原則として換価の対象となる一方で、生活に必要な家財道具や一定額以下の現金などは手元に残すことが認められています。

5章 時効の援用で困ったら弁護士・司法書士に相談しよう

時効援用後に取り立てが止まらないと、不安や焦りから冷静な判断が難しくなることもあります。しかし、取り立てが続いているからといって、必ずしも時効が無効とは限りません。まずは時効の成立要件を整理し、事実関係を確認することが大切です。

ただし、最終返済日や裁判歴の有無、債務承認の有無などを自分で正確に判断するのは簡単ではありません。判断を誤ると、本来主張できたはずの時効を主張できなくなる恐れもあります。

そのため、時効の援用で困ったら弁護士・司法書士に相談するのがおすすめです。弁護士や司法書士に相談すれば、時効が成立しているかどうかを確認したうえで、今後どのように対応すべきか具体的なアドバイスを受けられるでしょう。

グリーン司法書士法人では、時効の成立可否の確認から、債権者への対応、万が一時効が成立していなかった場合の解決方法まで、状況に応じて丁寧に案内しています。相談したからといって必ず手続きを進めなければならないわけではありません。まずは現在の状況を整理するためにも、ぜひ無料相談にお越しください。

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まとめ

事務処理の行き違いや債権譲渡のタイミングなどにより、時効援用後も債権者から連絡が届く場合があります。しかし、取り立てが続いているからといって、直ちに時効が無効になっているとは限りません。まずは最終返済日や裁判歴の有無、債務承認の有無などを確認し、時効の成立要件を整理することが大切です。

一方で、時効期間が経過していなかった場合や、裁判による判決が確定している場合には、時効が成立していない可能性もあります。時効援用に失敗し借金の返済が難しい場合には、債務整理が有効になります。

ただし、債務整理にも種類があり、どの方法が適しているかは状況によって異なります。そのため、借金問題で困った時は、弁護士や司法書士に相談し、状況を整理することが重要です。

グリーン司法書士法人では、経験豊富な専門家が借金問題の解決をサポートしています。無料相談も実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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時効の援用に関してよくある質問

ここでは、時効の援用に関してよくある質問に回答します。

債権者からの連絡が来ない場合は時効援用は成立していますか?
時効援用後に債権者から連絡が来ない場合、時効が成立している可能性が高いでしょう。時効が完成し、適切に援用が行われていれば、債権者は法的に請求を続けることができないため、督促が止まるのが一般的です。
時効援用は信用情報に記録されますか?
時効援用そのものが信用情報に新たに登録されることはありません。むしろ、時効援用が成立すれば、その借金に伴う延滞情報が整理され、信用情報の回復に繋がる場合があります。ただし、債権者の登録処理によっては完済と同様の扱いで情報が更新され、その更新日から約5年間は、事故情報が記録として残るケースもあります。

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