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FXは自己資金の何倍もの金額の取引が可能であるため、失敗してしまうと破産を余儀なくされるほどの高額な借金を負ってしまうリスクがあります。
また、為替変動を確実に読むことはできないため、所有する通貨が突然暴落し、大きな損害を負う可能性も否めません。
加えて、人間は得をすることより損をすることを恐れてしまう傾向があるため、FXで損失を出すと「次は取り返そう」とどんどんリスクの高い取引を行ってしまい、最終的に破産してしまうケースも多いです。
上手に運用すれば資金を増やすことができるFXですが、リスクがあることはしっかりと理解して置かなければいけません。
この記事では、FXで破産してしまう理由や、破産しないための対策などについて解説します。
目次 ▼
1章 FX取引にはリスクがある
FXは株式の現物取引などと比較したときに、リスクが高いことを理解しておきましょう。
FX取引のリスクや破産してしまう理由は、主に下記の3つです。
- 手元にある資金以上の取引ができる
- 急な価格変動が生じてロスカットが間に合わない
- 損失を取り返そうと取引を追加してしまう
そもそも、FXはギャンブルのようなものです。「絶対に損をしない、増やせる」ということは決してありません。
前提としてそれを理解しておかなければ破産してしまうリスクがあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1−1 手元にある資金以上の取引ができる
FXと大きな特徴として、証拠金を預けることで手元の資金の何倍もの取引ができる「レバレッジ」という仕組みがあります。
少ない資金でも大きなリターンを狙うことができるメリットはありますが、その分失敗した時の損失も高額になります。
レバレッジをかけて損失がでて証拠金がマイナスになってしまうと負債を負う可能性があります。
1−2 急な価格変動により強制ロスカットが間に合わず証拠金がマイナスになる
FX取引には、損失が一定レベルに到達すると損失を最小限に抑えるために自動的に決済がされる「強制ロスカット」という仕組みがあります。
しかし、あまりにも価格変動が急激だと強制ロスカットが間に合わないことがあります。
証拠金維持率が100%未満の場合には、決済された時点で損失が出て、0%未満になると証拠金がマイナスになるため、負債を負ってしまいます。
急な価格変動があった場合にも、すぐに対応できるように証拠金に余裕を持たせた取引をすることが重要です。
1−3 損失を取り返そうと取引をどんどん追加してしまう
FX取引で損失が出た場合、それをどうにか取り返そうと取引を追加してしまう方は少なくありません。
というのも、人間には「損失を確定するのを先送りにしたい」「得をした喜びより損をしたときの悲しみの方が重く感じてしまう」傾向があるからです。
このように、損失について合理的に考えられなくなってしまうことを「プロスペクト理論」と呼び、ギャンブルなどで破産してしまう理由のひとつとして考えられています。
例えば、FXで損失を出してしまった場合、「次に取り返そう」「損失を回収するために早く次の取引をしないと」と考えてしまう人もいるでしょう。
この場合、運が良く次で取り返せればよいですが、損失を繰り返しどんどん積み上げてしまう可能性もゼロではありません。
結果として、損失を繰り返し自分ではどうにもならない状態になってしまい、破産していまうケースもあるでしょう。
2章 FXで破産しないために心がけるべきことと対策
FX取引では「絶対に損失を出さない」という保証はありません。しかし、以下のことを心がけることでリスクを抑えることができます。
絶対に勝てるという保証はないと理解しておく
- 余った資金で取引をする
- まずはデモトレードから始める
- 損切りのルールを作っておく
- レバレッジをかけすぎない
- 根拠を持って取引をする
それぞれ解説しますので、参考にしてください。
2−1 絶対に勝てるという保証はないと理解しておく
FX取引は流動的なものです。世の中の経済状況で一気に価格が変動することも少なくありません。
インターネット上にはFXに関する様々な情報があります。中には「絶対に勝てる!」と謳うものもあるでしょう。
しかし、FX取引に絶対などありません。どれだけFXの情報を持ち、先読みが得意な人であっても損失を出す可能性は必ずあるのです。
FX取引は基本的には上がる・下がるの取引で、1回だけ見れば勝率は50:50ですが、長いスパンで見ると99%が負けるギャンブルと言われています。
FX取引をする際には「勝てる保証はない、負ける可能性が高い」ことを理解しておくようにしましょう。
2−2 余った資金で取引をする
FX取引にかけるお金は、生活に支障の出ない余った資金から捻出するようにしましょう。
確かに、FXでコンスタントに利益を出すことができればそのお金で生活することができるかもしれません。
しかし、生活に必要なお金をすべてFXにつぎ込んでいては、万が一損失を出した時に生活できなくなってしまいます。
貯金の一部を元手にし、余裕を持って取引するようにしましょう。
2−3 まずはデモトレードから始める
FX取引をシミュレーションできるデモトレードのツールは多くあります。
お金をかけることなく、実際の取引を試すことができるため、FXをこれから始めようと思っている方は勉強することができます。
「これだけかけたら、お金はどう動くのか」「損失がでたときはどのような感じなのか」を体験し、理解度を深めた上で実際の取引を始めるようにしましょう。
2−4 損切りのルールを作っておく
FX取引をする上で、時には損切りをすることも大切です。
「今は損をしている状態でも、もしかしたらレートが戻るかも」と思って損切りせず、レートが低いまま決済を躊躇していると、資金をうまく回すことができず、機会損失を生むリスクがあります。
「マイナスになったら決済をする」といった極端なことはしなくてもよいですが、自身の資金の状況を踏まえて最大損失額を決めるなど、損切りルールをあらかじめ設定しておくことが大切です。
2−5 レバレッジをかけすぎない
レバレッジをかければ、自己資金の何倍もの取引ができます。
成功すれば少ない資金で大きな利益を得ることができるため、大きな刺激を得られるギャンブル性があるため、どんどん高いレバレッジをかけてしまう方も少なくありません。
しかし、リターンが大きいということは、それだけリスクも高いということです。
レバレッジをかけなければ、自己資金から捻出している限り負債を負うことはありません。
しかし高いレバレッジをかけて保証金を超える損失を出してしまうと、破産せざるを得ないほどの借金を負ってしまう可能性があります。
レバレッジはFXの魅力の一つですが、最初は2〜3倍程度から始めるようにしましょう。
2−6 根拠を持って取引をする
FX取引は様々な情報を得ながら分析をして行わなければ勝てるものも勝てません。
- 取引に関する政府要人の発言や
- 中央銀行の声明など情報収集の徹底
- 過去の取引から傾向を分析
など、情報収集と分析が大切です。
インターネットにあらゆる攻略法などがが溢れていますが、それらを安易に信じるのではなく、しっかりと根拠をもって取引をするようにしましょう。
3章 FXで大きな負債を負った借金は自己破産できない可能性がある
自己破産とは、裁判所に申し立てることで借金の返済義務を免除(免責)してもらう手続きです。
しかし、FXが原因の借金の場合、免責を認めてもらえない可能性があります。
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3−1 FXによる借金は免責不許可事由に該当する
FXによる借金は免責不許可事由に該当します。
免責不許可事由とは、無条件に借金の免責を認めないとする要件で、破産法にて以下のことが該当すると定められています。
- 借金を返さないためにわざと財産を隠したり、財産価値を下げる行為
- 特定の債権者だけに偏って返済する行為
- クレジットカード決済で商品を購入し、それを売るなどして換金する行為
- ギャンブルや、投資、不要なショッピングなどによる浪費行為
- 自己破産をする前提で新たに借金をする行為
- 裁判所に嘘の債権者一覧や借金額など虚偽の報告をする行為
- 過去7年以内に自己破産をしている
FXによる借金は上記4の浪費行為に該当することとなります。
3−2 免責不許可事由に該当しても裁判所の裁量で免責が認められる可能性が高い
免責不許可事由に該当していても 、裁判所の裁量で免責が認められます。これを「裁量免責」と言います。
そもそも自己破産は借金の返済ができない人を救済するための制度ですので、免責不許可事由に該当しているからと言ってすべて認めないとしていると、制度そのものが機能したんくなってしまいます。
そのため、FXが原因の借金であっても、裁判所の裁量で免責を認めることがほとんどです。
ただし、免責不許可事由に該当した場合、管財事件として扱われる可能性が高いため、手続きの手間も時間もかなりかかります。
また、何もせず裁量免責が受けられるわけではありませんので、自己破産をする場合にはFXをやめ、反省の姿勢を見せるなどの努力が必要です。
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3−3 自己破産が認められない場合は他の債務整理を検討しよう
万が一、自己破産が認められない場合には、他の債務整理を検討しましょう。
債務整理には自己破産以外に「個人再生」「任意整理」があります。
3−3−1 個人再生
個人再生とは、裁判所に申請することで借金5分の1〜10分の1まで圧縮し、それを原則3年で完済する返済計画を立てる手続きです。
自己破産とは違い、免責不許可事由に該当していても手続きが可能です。
また、裁判所によって財産を処分されることはないため、家などの財産を残すこともできます。
3−3−2 任意整理
任意整理とは、債権者と交渉することで将来発生する利息をカットしてもらう手続きです。
自己破産や個人再生とは違い、裁判所を通す手続きではないため、面倒な書類作成も少なく、時間も手間も少なく済みます。
ただし、任意整理でカットできるのはあくまで利息と遅延損害金のみであり、元金を減らすことはできません。
利息をカットすれば返済の目処が立つという方には任意整理が適しています。
4章 債務整理はグリーン司法書士法人にご相談ください!
FX取引は、失敗してしまうと大きな負債を負ってしまうリスクがあります。
もし、少しでも負債を負うようなことがあれば、一度決済し、諦めることも大切です。
また、レバレッジを利用すれば手元の資金よりも多くの取引が可能ですが、ハイリスクハイリターンであり、失敗してしまうと高額な借金を負う可能性があります。
しっかりと損切りのルールを決めたり、情報を集めて根拠を持った取引をしたりと、慎重な取引をすることが大切です。
もし、FXによって借金を負ってしまい、返済ができない状況になってしまったら債務整理を検討しましょう。
グリーン司法書士法人ではこれまで多くの自己破産手続きに対応した実績があります。
免責不許可事由に該当し、管財事件になった場合でも適切かつ迅速に対応することが可能です。
初回相談は無料です。オンライン相談にも対応していますので、お気軽にご相談ください。
自己破産に関する記事を沢山公開していますので、合わせてご覧ください。
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よくあるご質問
- FXが原因でも自己破産できる?
- FXが原因で借金をした場合、自己破産の免責不許可自由に該当する恐れがあります。
しかし、実際には裁判所に裁量免責を認められる可能性が高いです。
FXによる自己破産について詳しくはコチラ
- FXで破産する原因とは?
- FXで破産してしまう理由は、主に下記の通りです。
・手元にある資金以上の取引ができる
・急な価格変動が生じてロスカットが間に合わない
・損失を取り返そうと取引を追加してしまう
FXで自己破産する理由について詳しくはコチラ
- 破産申請中にFXはできますか?
- 破産申請中にFXをするのはやめましょう。
FXはギャンブルや投資など非免責債権に該当する恐れがあり、裁判所に「借金について反省していない」と判断される恐れがあるからです。
- FXでマイナスになることはある?
- 証拠金を預けることで手元の資金の何倍もの取引ができる「レバレッジ」という仕組みがあるため、損失を出してしまうと手元の資金以上にマイナスが発生する場合もあります。