自己破産で子供の受験は不利に?影響がある場合や費用の捻出方法を解説

司法書士山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第8849号 / 東京都行政書士会所属 登録番号第10262380号 【保有資格】司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

借金返済の知識
自己破産で子供の受験は不利に?影響がある場合や費用の捻出方法を解説

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 この記事を読んでわかること
  • 自己破産すると子供の受験に影響はあるか
  • 親の自己破産が子供に与える影響
  • 自己破産を終えた後に子供の受験費用・学費を捻出するためにできること

子供の受験を控えているタイミングで自己破産を考えている場合、「受験に影響が出るのでは」「受験資格がなくなってしまったらどうしよう」と不安になる方も多いでしょう。

結論から言うと、親の自己破産が子供の受験の合否や内申書に直接影響することは原則ありません。ただし、住環境や家計の変化によって、進学準備や受験勉強に影響が出るケースはあります。

判断に時間がかかって借金問題の解決が遅くなれば、子供の受験に与える影響はさらに大きくなります。そのため、自己破産を検討し始めたら早めに弁護士・司法書士へ相談することが重要です。

本記事では、自己破産が子供に影響を与えるケースや、その対処法、自己破産を終えた後に子供の受験費用・学費を捻出するためにできることなどを解説します。

1章 自己破産すると子供の受験に影響はある?

親が自己破産をしたことによって、子供の受験資格が失われたり、合否に影響したりすることはありません。公立・私立を問わず、親の自己破産を理由に受験を制限されたり、不利に扱われたりする心配は不要です。

そもそも、学校が受験生やその保護者の信用情報を確認することはできません。信用情報は、金融機関や信用情報機関の間で管理されているものであり、学校が照会できるものではないためです。

また、願書や調査書、入学手続きの書類において、自己破産をした事実の記載は不要です。家庭状況の記入欄が設けられている場合でも、問われるのは住所や保護者氏名などの基本情報が中心であり、債務整理の有無まで求められることはありません。このように、自己破産そのものが原因で、子供の受験が不利になることは原則としてないと言えます。

2章 親の自己破産が子供に与える影響

前章で解説した通り、親が自己破産をしたこと自体が、子供の受験資格や合否に直接影響することはありません。学校が信用情報を確認することもなく、不利になる仕組みは設けられていないためです。

一方で、自己破産に伴って住環境や家計の状況が変化することで、結果的に子供の受験準備や進学に影響が及ぶケースは存在します。これは自己破産そのものが原因というよりも、生活や収入の変化が間接的に影響するものです。ここでは、親の自己破産が子供に与える影響を解説します。

2-1 住宅を手放すことになって生活環境が変わる

自己破産を行うと、親名義の持ち家は原則として処分対象になります。その結果、現在住んでいる家を手放し、賃貸住宅への転居を余儀なくされるケースがあります。

このような住環境の変化は、子供の受験に間接的な影響を与えるでしょう。例えば、転居によって通学先の学校や通学距離が変わる場合、子供には環境の変化による負担が生じる可能性があります。また、引っ越しに伴う生活リズムの変化や、慣れない環境での生活が、受験期の精神的な負担に繋がることも考えられます。

特に受験直前の時期に転居が重なると、勉強に集中しづらくなるなど、受験準備に影響が出る可能性は否定できません。ただし、自己破産をしたからといって必ず転居が必要になるわけではなく、もともと賃貸住宅に住んでいる場合や、家族名義の住宅に住んでいる場合など、住環境が変わらないケースもあります。

2-2 学資保険の解約が必要になる

自己破産を行う場合、学資保険が処分対象になるケースがあります。学資保険は解約返戻金のある保険商品であり、その返戻金が一定額を超えると、破産手続きの中で処分の対象と判断される可能性があるためです。

しかし、学資保険は必ず解約しなければならないわけではありません。解約返戻金が20万円以下であれば、自由財産の範囲とされ、解約せずに継続できるケースが多いでしょう。返戻金額が比較的少額であれば、進学資金として積み立てを続けられる可能性があります。

また、解約返戻金が20万円を超える場合であっても、自由財産拡張の申立てを行うことで、学資保険を残せる可能性があります。ただし、自由財産拡張の申立てが認められるかどうかは、破産管財人や裁判所の判断に委ねられます。申立てをすれば必ず学資保険を継続できるわけではなく、保険の返戻金額や家計状況などによって結果が分かれる点には注意が必要です。

2-3 学費や塾の費用の支払いが大変になる

自己破産を行うと、借金の支払い義務は免除されますが、その後は家計を立て直す必要があります。その過程で、学費や塾の費用といった教育費が、家計にとって大きな負担になるケースが多いでしょう。

自己破産では、現金は原則として99万円までが自由財産とされ、これを超える部分は処分の対象となります。そのため、受験や進学に備えて現金を多めに確保していた場合でも、想定していた教育資金をそのまま使えなくなる可能性があります。

また、自己破産後は生活費を優先せざるを得なくなることが多く、私立学校の学費や塾・予備校の費用など、継続的に発生する支出について、これまでと同じ水準で支払い続けることが難しくなる場合も少なくありません。結果として、塾の回数を減らしたり、進学先の選択肢を見直したりする判断を迫られる場合もあるでしょう。

2-4 奨学金を借りられない可能性がある

奨学金は、受験後の学費を支える重要な制度ですが、原則として保証人が必要になる点には注意が必要です。自己破産をしている場合、この保証人の要件が、奨学金利用のハードルになる場合があります。

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は、子供本人が借りる制度であり、親が自己破産をしていることだけを理由に申込み自体ができなくなるわけではありません。ただし、多くのケースでは親や親族を連帯保証人として立てることが求められます。

自己破産をした親は、信用力の観点から保証人になれないことが一般的です。そのため、親以外の親族を保証人として立てられない場合には、奨学金の利用が難しくなる可能性があります。

もっとも、JASSOの奨学金では、機関保証制度を選択することで、保証人を立てずに利用できます。この制度を利用すれば、一定の保証料を支払うことで奨学金を借りることが可能です。

2-5 一部の職業に就いている場合は制限を受けて収入が途絶える

自己破産をすると、一部の職業では、手続き中に就業制限を受ける場合があります。これは、破産手続開始から免責が確定するまでの期間は、特定の職業に就けなくなる制度です。

具体的には、弁護士・司法書士・税理士などの士業の他、警備員、保険募集人、宅地建物取引士などが対象となります。これらの職業に就いている場合、資格制限の期間中は業務ができず、一時的に収入が減少する可能性があります。

もっとも、この資格制限は永久的なものではなく、免責が確定すれば解除されます。また、会社員や公務員、パート・アルバイトなど、一般的な職業では原則としてこの制限はありません。そのため、多くの家庭では、この影響を受けないケースのほうが多いと言えます。

3章 自己破産以外の選択肢で子供の受験を守れるケースもある

借金の返済が難しくなった場合でも、必ずしも自己破産を選ばなければならないとは限りません。状況によっては、自己破産以外の債務整理を選ぶことで、子供の受験や進学への影響を抑えられるケースもあります。

3-1 個人再生

個人再生は、裁判所を通じて借金を大幅に減額し、原則3年で分割返済していく手続きです。自己破産と異なり、住宅ローン特則を利用すれば、自宅を残したまま手続きを進められる可能性があります。

親名義の持ち家に住んでいる場合、自己破産では住宅を手放すことになり、転居や学区変更が必要になるケースがあります。一方、個人再生を行えば、住環境を維持したまま返済を続けられるため、受験期の生活環境を大きく変えずに済む点は大きなメリットです。

また、個人再生には自己破産のような資格制限がないため、職業による一時的な収入減が生じにくいという特徴もあります。収入を維持しながら返済を続けることで、学費や塾代を確保しやすいでしょう。ただし、個人再生は安定した収入が前提となる手続きであり、返済を継続できる見込みがなければ利用できない点に注意が必要です。

3-2 任意整理

任意整理は、裁判所を通さず、債権者と直接交渉して将来利息のカットや返済条件の見直しを行う手続きです。借金の元本は大きく減らないものの、毎月の返済負担を軽くできる可能性があります。

任意整理の特徴は、整理する借金を選べる点です。例えば、教育費や生活に影響の少ない借入のみを対象にし、住宅ローンや自動車ローンを残すといった調整ができます。そのため、受験期の家計への影響を抑えながら返済を続けやすいでしょう。

また、裁判所の手続きが不要なため、比較的短期間で進められる点もメリットです。受験を控えて時間的な余裕がない場合でも、状況に応じた柔軟な対応がしやすいと言えます。

一方で、任意整理は返済自体は継続する必要があるため、収入に対して返済額が重い場合には適さないこともあります。受験費用とのバランスを踏まえ、無理のない返済計画が立てられるかどうかが重要です。

4章 自己破産を終えた後に子供の受験費用・学費を捻出するためにできること

自己破産を終えた後でも、子供の受験や進学に向けた費用を用意できなくなるわけではありません。家計を立て直す過程で、支出の見直しや利用できる制度を整理することで、受験費用・学費を捻出できるケースもあります。

ここでは、自己破産を終えた後に子供の受験費用・学費を捻出するためにできることを紹介します。

4-1 固定費を削減する

自己破産後に受験費用や学費を捻出するためには、毎月発生している固定費を見直すことが重要です。なぜなら、固定費は一度削減できれば、その効果が継続するためです。

具体的には、携帯電話料金やインターネット回線、保険料、サブスクリプションサービスなどが見直しの対象になります。契約内容を変更したり、不要なサービスを解約したりすることで、月々数千円から1万円以上の支出を抑えられるケースもあります。

固定費を削減してお金を用意できれば、塾代や受験料、教材費、入学金などの教育費に充てることができます。自己破産後すぐに大きな収入増を見込むのは難しくても、支出を整えることで、受験期に必要な費用を捻出できる可能性を高められるでしょう。

4-2 日払いのアルバイトや副業などで収入を増やす

自己破産後に受験費用や学費を確保する方法として、一時的に収入を増やすことも選択肢の一つです。受験料や教材費、模試代など、短期間でまとまった支出が必要になる場面では、日払いのアルバイトや短期の仕事が役立つケースがあります。

日払い・短期のアルバイトであれば、比較的早く現金収入を得られるため、受験期の一時的な資金不足を補いやすい点が特徴です。また、在宅でできる副業や、スキマ時間を活用した仕事を始めれば、生活リズムを大きく崩さずに取り組める場合もあります。

ただし、無理な働き方には注意が必要です。受験期は、子供の生活リズムや精神面のサポートも重要になる時期です。過度な長時間労働や体力的に負担の大きい仕事を選んでしまうと、家庭内の負担が増え、結果的に受験環境へ悪影響が出る可能性もあります。そのため、収入を増やす場合は、無理のない範囲で行うことが大切です。

4-3 給付型の奨学金を利用する

給付型奨学金とは、返済の必要がない奨学金制度のことです。給付型奨学金は、世帯収入や学業成績などを主な基準として支給されるもので、親が自己破産をしていること自体が理由で利用できなくなる制度ではありません。

日本学生支援機構(JASSO)の制度のほか、自治体や学校、民間団体が実施しているものもあります。また、進学先によっては、学費の免除や減免制度が用意されている場合もあります。こうした制度は学校ごとに内容や条件が異なるため、受験前の段階から確認しておくのが望ましいでしょう。

4-4 自己破産をしていない配偶者名義で教育ローンを借りる

教育ローンは親が契約者となることが一般的なため、自己破産をした本人名義では審査通過が厳しくなっています。一方で、配偶者に安定した収入があり、信用情報に問題がなければ審査に通る可能性があります。配偶者名義で教育ローンを借りられれば、入学金や初年度の学費など、一時的にまとまった資金が必要な場面に対応しやすくなります。

しかし、配偶者名義で借りる場合でも、返済は世帯全体の負担になる点には注意が必要です。無理な借入をしてしまうと、家計の立て直しが難しくなり、かえって生活に支障をきたす恐れがあります。また、配偶者の収入状況や他の借入によっては、利用できない場合もあります。そのため、教育ローンを検討する際は、他の方法と併せて、返済計画に無理がないかを確認することが重要です。

5章 借金の返済に困ったらすぐに弁護士・司法書士に相談しよう

子供の受験を控えている中で借金問題を抱えると、「今は受験が最優先だから」「もう少し様子を見てから」と、相談を後回しにしてしまう方も少なくありません。しかし、債務整理は進め方やタイミングによって、その後の生活や教育費への影響が大きく変わる手続きです。

特に、自己破産を選ぶかは、家計状況だけでなく、住まいの扱いや学資保険、今後必要となる受験費用・学費などを総合的に考える必要があります。こうした判断を自己流で行ってしまうと、本来であれば避けられた影響が子供に及んでしまう可能性も否定できません。

弁護士や司法書士に早めに相談することで、自己破産以外の選択肢も含めて検討できるうえに、自己破産を選ぶ場合は子供の受験や進学への影響を抑える進め方を一緒に考えてもらうことができます。また、学資保険や教育費の扱いについても、具体的な状況を踏まえたアドバイスを受けられる点は大きなメリットです。

グリーン司法書士法人では、子供の受験や進学を控えている家庭の事情も踏まえたうえで、借金問題の解決方法を一緒に検討しています。子供の将来を守るためにも、まずは現状を整理するところから、専門家に相談してみてください。

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まとめ

親が自己破産をしたこと自体が、子供の受験資格や合否に直接影響することは原則としてありません。学校が信用情報を確認することはなく、願書などに自己破産の事実を記載する必要もないため、「自己破産=受験が不利になる」という仕組みは存在しません。

一方で、自己破産に伴い、住環境の変化や家計状況の見直しが必要になることで、受験準備や進学費用に間接的な影響が出るケースはあります。住宅の処分、学資保険の扱い、学費や塾代の負担、利用できる奨学金や教育ローンの選択肢など、家庭ごとに確認すべきポイントは異なります。

また、借金問題の状況によっては、自己破産以外の債務整理を選ぶことで、子供の受験環境を大きく変えずに済むかもしれません。さらに、自己破産後であっても、固定費の見直しや公的制度の活用などによって、受験費用や学費を捻出できるケースもあります。

子供の将来に関わる問題だからこそ、借金問題を一人で抱え込まず、早めに弁護士や司法書士へ相談し、家庭の状況に合った進め方を検討することが大切です。

グリーン司法書士法人では、経験豊富な専門家が借金問題のサポートをしています。無料相談も実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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