マンションのローンが払えないとどうなる?リスクや対処方法を解説

司法書士山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第8849号 / 東京都行政書士会所属 会員番号第14026号 【保有資格】司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

住宅ローン問題
マンションのローンが払えないとどうなる?リスクや対処方法を解説

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 この記事を読んでわかること

  • マンションのローンを払えないと起こるリスク
  • マンションのローンが払えなくなる理由
  • マンションのローンを払えなくなったときの対処方法

マンションを購入してローンの返済を続けていたものの、予定外に収入が減った、ケガや病気で働けなくなったなどの理由で払い続けるのが苦しくなったことはありませんか。

マンションのローンが払えなくなると、早い段階で手を打たなければ、最終的に競売にかけられて住む場所を失います。

この記事では、マンションのローンが払えなくなるとどのようなリスクがあるのかを解説するとともに、払えなくなったときの対処方法を紹介します。

目次

1章 マンション・戸建ての住宅ローンを払えない人の割合は一定数あり

住宅ローンは、家を購入した人のほとんどが利用しています。契約時に金融機関から支払い能力について審査されるので、毎月の支払い額は無理がないように設定されているはずです。

しかし、短くても10年以上の長期間で支払い続けるローンなので、期間中にさまざなことが原因で返済が苦しくなる人は必ず存在します。

住宅金融支援機構が行った調査によると、2023年度の住宅金融支援機構の融資でリスク管理債権残高の比率は3.04%です。

リスク管理債権…破産や3か月以上延滞、あるいは破産の危険がある債権

この結果から考えると、住宅ローンを契約している100件のうちの3件は住宅ローンが払えなくなっているといえるでしょう。

住宅ローンが払えなくなるのは、思いの外めずらしい事態ではないのです。

2章 マンションのローンが払えないと生じるリスク

マンションのローンが払えないと、単純にそこへ住み続けられない以外にもさまざまなリスクが生じます。

考えられるリスクは、主に以下の4つです。

  • 督促が頻繁に来る
  • ブラックリストに載る
  • 最終的に競売へかけられる
  • 住めなくなるのに残債を払い続ける

それぞれ詳しい内容を見ていきましょう。

2-1 督促が頻繁にくる

ローンの支払いが1か月でも滞納すると、支払い期日の1週間後には金融機関から電話や郵便で連絡が入ります。

その時点で支払いが苦しくなっている現状を説明したり、支払いについて相談したりすれば問題ありませんが、そのまま放置していると督促の頻度は増えていくでしょう。

早朝や深夜に電話連絡されることはまずありませんが、頻繁に来る連絡に生活も心も落ち着かなくなります。

2-2 ブラックリストに載る

ローンを2か月以上滞納すると、信用情報にその情報が登録されます。これがいわゆる「ブラックリストに載る」状態です。

ブラックリストに載ると、信用情報が必要になる審査には通らなくなります。例えば、新しくクレジットカードを作成したり、携帯電話を分割払いで購入したりすることができなくなり、必要に迫られていても高額な買い物はできなくなるでしょう。

2-3 最終的に競売へかけられる

購入したマンションには抵当権がついているため、住宅ローンが支払えなくなると最終的に競売へかけられます。

競売で買い手が決まると、売却金額が残債に足りない場合はすべて債権者へ支払われます。明け渡し日は一方的に決められる上、引っ越し費用は自前でマンションを明け渡さなければなりません。

2-4 住めなくなるのに残債を払い続ける

競売になると相場の5〜7割程度でしか売却できないため、すべて返済に充てたとしてもローンが残る可能性は高いでしょう。

マンションの所有権は失っても残債を支払う義務は残るため、住んでもいないマンションのローンをそのまま払い続けることになるのです。

なお、競売前に任意売却すれば市場相場で売却できますが、それでも残債が残る可能性はあります。

3章 マンションのローンが払えない理由

マンションのローンが払えなくなる理由は、人によってさまざまです。

返済期間が長いため、契約当初は無理なく返済できても、生活スタイルの変化や病気・リストラなどで支払いが苦しくなることもあります。

ここでは、マンションのローンが払えなくなる理由を考えてみましょう。

3-1 予期せぬことで収入が下がった

ローンが払えなくなる理由としてまず挙げられるのが、以下のケースにともなう収入の低下です。

  • 勤めている会社の業績が悪化した
  • 部署を異動した
  • 転職した
  • 病気・怪我で退職した

ローンを契約する前は予想できなかったトラブルのために収入が下がり、ローンの支払いも苦しくなります。

3-2 ボーナス払いなのにボーナスがない

ローン契約時にはボーナス払いを設定していたのに、会社の業績が不調でボーナスがなくなることもあります。ボーナス払いで加算するのはだいたい高額なので、あてにしていたボーナスがなくなれば負担は大きく増加します。

金融機関へ相談すればボーナス払いをなしにできますが、その分だけ支払い期間が延びたり毎月の返済額が増えたりする可能性が高い​でしょう​。

3-3 予想以上にマンションの経費がかかった

マンションは戸建て住宅と異なり、共有部の管理費や修繕積立金といったマンション特有の経費が必要になります。

マンション購入時に住宅ローンの支払いしか考えていないと、毎月のランニングコストが思わぬ負担になるでしょう。ローンに加えて管理費や駐車場代で毎月2〜3万必要になるため、支払いは苦しくなっていきます。

3-4 無理してローンを組んでいた

そもそもローンを組む段階で、毎月返済できる金額ラインのぎりぎりを設定している場合、払えなくなりがちです。

収入に対するローン返済額の割合を返済負担率と言いますが、これが35%を超えると家計はかなり厳しくなります。冠婚葬祭などで急な出費があると、ローンの支払いはすぐ苦しくなるでしょう。

返済負担率が高い人は、ローンが支払えなくなる可能性もあることに注意が必要です。

3-5 離婚した

ローン返済中に離婚すると、その後の支払いが難しくなる可能性があります。

夫婦二人の収入を前提として返済金額を決めていた場合はもちろん、離婚によって慰謝料や養育費の支払いが発生すると、そちらの負担も加わるのでローンの支払いが難しくなります。

3-6 定年退職した

住宅ローンを長期で組んでいると、最後の方では定年退職して収入が年金だけになってしまい、返済が難しくなるケースもあります。

退職金が出れば繰り上げ返済できますが、退職金がなかったり思ったより少額しか出なかったりした場合は十分ローンに充てられません。とたんに毎月の返済が負担になるでしょう。

4章 マンションのローンが払えない場合の対処法8つ

ローンが払えなくなったとしても、そのまま放置していてはいけません。滞納が続けば、支払い義務はそのままで住む場所を失うことになります。

どうすればいいか分からないという人は、以下に挙げる対処方法を試してみてください。

  • 金融機関へ相談する
  • 家計や収入を見直す
  • 保険が下りるか確認する
  • 借り換えを検討する
  • 任意売却する
  • リースバックする
  • リバースモーゲージを検討する
  • 債務整理する

詳しい内容は以下で説明します。

なお、住宅ローンが払えなくなった時の対処方法についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

4-1 金融機関へ相談する

ローンの負担が大きくなり、払い続けられないと分かったら、まずは借入先の金融機関へ相談しましょう。毎月の返済金額の見直しや、借入期間の延長などの提案をしてもらえます。

ローンを払えずに滞納した後からではなく、その前から早めに相談することでローンを必ず返済する意思を示しましょう。

4-2 家計や収入を見直す

収入が下がってローンを払う余裕がなくなっているのなら、家計の収支を見直してみるのも大切です。

保険や携帯代などで削減できる支出はないか、食費の節約はできないかなど、改めて家計を見直してみればローン費用を捻出できる余裕が生まれるかもしれません。

見直しても支払いが苦しい場合は、副業やアルバイトで収入を得たり、転職を検討したりするのも一つです。本業と両立できる副業やアルバイトの情報は、今やネットで簡単に得られます。

お金を得るのは簡単なことではありませんが、まずは始めてみて、コツコツ続けることでローンの足しになります。

4-3 保険が下りるか確認する

病気やケガなどが理由で働けなくなって収入が下がったのなら、住宅ローン契約時に加入した保険が下りるかもしれません。

保険の規約を確認し、保険会社へ連絡してみましょう。保障が下りれば住宅ローンの返済を続けられる可能性が高まります。

4-4 借り換えを検討する 

契約時の金利が高かった、あるいは金利の見直しによって月々の返済額が増したなどで払えなくなっている場合、他の金融機関へ借り換えを検討するのも効果的です。

ただし、借り換え時には審査があり、必ずしも通るとは限らないので注意しましょう。さらに、借り換えには事務手数料が20〜100万円必要になります。事務手数料の設定は会社によって異なるため、借り換え先はそれも合わせて検討しましょう。

4-5 任意売却する

住宅ローンをすでに滞納しているなら、一刻も早く任意売却を検討しましょう。

任意売却は競売と異なり、ある程度は売却の条件や明け渡し日など所有者の希望を聞いてもらえます。また、一般市場での売却になるため、売却金額も競売よりは高くなるのでその分ローンの残債を減らせるでしょう。

任意売却は債権者の許可を得たうえで、専門の不動産会社を仲介して行います。滞納していなければ許可は出ないのが一般的ですが、近いうちに滞納する可能性が高い場合は認められることもあるため、まずは金融機関や専門家に相談してみましょう。

4-6 リースバックする

リースバックとは、専門業者へマンションを買い取ってもらった後に賃貸契約を結び、家賃を払って住み続ける方法です。

買い取り後の残債と毎月の賃貸料が合わせて発生するものの、賃貸主である業者がマンションの管理費や修繕積立金を負担してくれるメリットもあります。

ただし、リースバックには債権者の許可が必要であるほか、マンションを扱っていないリースバック業者もある点に注意が必要です。

4-7 リバースモーゲージを検討する

リバースモーゲージとは、物件を担保にして金融機関から老後資金を借入れする方法です。借入れしている間は利息のみを支払い、契約者が死亡したら物件を売却して元金を返済します。

マンションでリバースモーゲージを申し込むなら、築浅で立地が良いことが条件になります。マンションを購入したものの、自分の死後は使い途がないという人や、退職してローンの返済が苦しいという人に向いています。

ただし、リバースモーゲージは戸建て住宅の事例が多く、マンションを取り扱っている金融機関は一部です。また、高齢者向けの商品なので20〜40代は利用できません。

4-8 債務整理する

マンションのローン以外に、クレジットカードの支払いや車のローンなど他の借金があるなら、債務整理を検討しましょう。

債務整理は法的に借金問題を解決する方法で、以下の3つの方法があります。

任意整理債権者と直接交渉して支払いできる金額・期間を交渉する
個人再生借金を5分の1〜10分の1に減額し、原則3年で返済する
自己破産裁判所に申し立てることですべての借金の返済が免除される手続き

債務整理は借金の状況や収入によって最適な方法が異なります。手続きは個人が進めるのは難しいため、まずは借金の状況を専門家に相談しましょう。

5章 マンションのローンが払えなくなってから競売までの流れ

マンションのローンが払えなくなって滞納すると、最終的に債権者から競売にかけられます。滞納からどのような流れで競売になるのか、期間にそって大まかに見ていきしょう。

STEP1 債権者から督促がくる(滞納後1〜2か月)

ローンの支払い期日を過ぎると、まずは支払いを忘れていないか確認する意味合いでの連絡があります。

その連絡をそのまま放置し、滞納が2か月を過ぎると郵便や電話でさらに督促されるようになります。

STEP2 保証会社から代位弁済の連絡がくる(滞納後7か月)

督促の連絡や送られてくる催告書を無視していると、今度は保証会社から「代位弁済書」が届きます。

金融機関と連携している保証会社の役割は、契約者が滞納するとローンの残債を一括で金融会社へ支払うことです。これを、代位弁済といいます。

残債が支払われた時に、借金を督促する権利(債権)は保証会社に移ることになるため、以降の督促は保証会社から行われます。

なお、保証会社からの督促では、これまでの遅延損害金を含めた残債の一括返済を求められることになるのです。

代位弁済について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

STEP3 裁判所から競売開始決定通知が届く(滞納後8〜9か月)

保証会社からの督促も無視していると裁判所へ競売を申立てられ、許可が出れば、契約者へ競売開始決定通知が届きます。

その後、競売物件の公示を経て、半年ほどで買い手が決定します。

STEP4 立ち退きさせられる(滞納後1年半)

競売で売却が決まり、買い手が登記変更を済ませると、ローン滞納者は立ち退きしなければなりません。居座ろうとしても強制退去させられ、家具などといっしょに外へ出されます。

競売の流れについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

6章 マンションのローンが払えなくてもしてはいけないこと2つ

生活が苦しくなればなるほど、マンションのローンの支払いが負担になるでしょう。返済について考えることからも逃げたくなるかもしれません。

しかし、どれだけ追い詰められていたとしても、以下に挙げる2つは避けましょう。

  • 債権者からの連絡を無視する
  • 消費者金融やキャッシングから借入れて払う

その理由について詳しく解説します。

6-1 債権者からの連絡を無視する

債権者からの連絡を無視し続けていると、「ローンを支払う意思がない」とみなされます。

どうしても支払う余裕がないなら、その旨を早めに債権者へ伝え、支払いの意思があることを示しておくのが大切です。できれば滞納する前に相談すれば、支払いを猶予してもらうなどの対応をしてもらえます。

6-2 消費者金融やキャッシングから借入れて払う

ローンを払う責任感からだとしても、消費者金融やキャッシングを利用して支払うのは一時しのぎにすぎません。

消費者金融やキャッシングのほうが金利が高いため、結果的に借金の総額は増えてしまいます。そのうえ、収入のあてがなければ新しい借金を払うのにまた別の会社から借金する、と自動車操業へと簡単に陥ってしまうでしょう。

7章 マンションのローンが払えないことにお悩みの方はグリーン司法書士法人へご相談ください

ローンが払えなくなれば、ひんぱんな督促を受けた挙げ句、住んでいるマンションを競売にかけられます。

競売で売却されれば、どんな事情があっても立ち退き日には追い出されるうえ、住めないマンションに残ったローンを払い続けなければならないリスクもあるのです。

生活が苦しく、どうしてもマンションのローン返済が負担になるとお悩みの方は、グリーン司法書士法人へご相談ください。

任意売却のご相談にも対応できるほか、ローン以外の借金を解決するためにあなたの状況に応じた債務整理のご提案も可能です。

ローンの返済が苦しくても生活は続きます。借金問題を解決したい方は、ぜひグリーン司法書士法人へお問い合わせください。

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