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税金の納付は国民の義務であり、納付を怠ると財産が差し押さえられてしまう可能性があります。
税金は貸金業者などからの借金と違い、裁判所を通さず差し押さえることができるため、一般的な借金に比べ迅速に差し押さえられてしまいます。
また、税金の滞納は債務整理で解決することができません。
一方、やむを得ない事情により納付ができない場合には、分割での納付や納付の猶予、免除が認められる可能性があります。
この記事では、差押えまでの流れや差し押えられないための対処法などについて解説します。
目次 ▼
1章 税金未払いにおける差押えはいつ行われる?滞納から差押えの流れ
税金を滞納すると督促状が届き、それから11日間が経過すると自治体や税務署は差押えが可能になります。
とは言え、実際には財務調査などがあるためもう少し猶予があるでしょう。
税金の滞納の場合自治体や税務署が、裁判所を通すことなく差押えが可能なため、一般的な借金よりスピーディーであることは理解しておきましょう。
税金の滞納から差押えまでの流れは以下のとおりです。
- 【納付期限から20日程度】督促状が届く
- 【督促状から11日】財産差押えが可能になる
- 【督促状から11日以降】財産・人物調査
- 【督促状から11日以降】差押えの開始
それぞれ詳しく解説します。
1-1 【納付期限から20日程度】督促状が届く
納付期限から20日程度経過すると、管轄の税務署や自治体から督促状が届きます。
なお、督促状の送付は「原則、納付期限から20日以内」と決められていますが、実際のいつ送付されるかは各税務署・自治体によって異なります。
督促状の形式についても各税務署・自治体によって異なりますが、「至急」という文言が記載された封筒に納付書が入っていることがほとんどです。
納付期限から督促状が届いた時点で納付すれば特に問題はありません。
1-2 【督促状から11日】財産差押えが可能になる
督促状の送付から11日が経過すると、税務署・自治体は財産の差押えが可能になります。
とはいえ、実際には財産調査などが行われるため、もう少し時間がかかるのがほとんどです。
ただし、税務署や自治体は税金の滞納に対して裁判所の手続きなしに差押えが可能ですので、一般的な貸金業者からの借金の滞納に比べスピーディーであることは理解しておきましょう。
1-3 【督促状から11日以降】財産・人物調査
督促状の送付から11日が経過すると、税務署や自治体は差押えに向けて財産や滞納者の身辺についての調査を行います。
この調査は、国税徴収法に基づいて行われるものですので個人情報保護法に抵触することはなく、対象者も協力的でなければいけません。
1-4 【督促状から11日以降】差押えの開始
財産・人物調査が完了すると、財産の差押えが実行されます。不動産や現金、預金、給料などが差押えの対象です。
すべての財産が差押えられることはなく、以下の財産は法律で差押えが禁止されています。
- 66万円以下の現金
- 給与の一部 ※別途記載
- 国民年金・厚生年金・生活保護費・児童手当費など
- 生活に必要な衣類や寝具・家具・家電・建具
- 1ヶ月に必要な食料や燃料
- 仕事に必要な器具・機械
- 実印や印鑑
- 仏具や位牌などの祭祀財産
- 勲章や賞状など名誉を表彰するもの
- 学習に必要な書類や器具
- 義手や義足など身体の補足に必要なもの
- 消防用の機械・器具・避難器具・備品
- 未公表の発明、著作に関わるもの
- 日記、商業帳簿など
なお、比較的差し押さえられやすい財産としては、現金や預金、給料が挙げられます。これは、差押えにあたって手続きが少なく、容易だからです。
一方、不動産や車などの財産は、査定や売却の手続きが必要なため、現金や預金・給与を差し押えても不足している場合で、評価額が高額である場合でなければ差し押さえられる可能性は低いでしょう。
- 所得税
- 住民税
- 社会保険料
- 10万円
- 4万5000円×扶養人数
- 支給額面額から①~⑤を差し引いた額の20%
2章 税金滞納による差し押さえが生活や信用情報に与える影響
税金を滞納して差し押さえが実行されると、個人の生活や社会的な信用に大きな影響を及ぼします。
単に手元から財産が失われるだけでなく、勤務先や金融機関との関係にも支障をきたす可能性が高いです。
ここでは、差し押さえが日々の生活や信用情報にどのような影響を与えるのかを具体的に解説します。
2-1 給与の差し押さえは会社にバレる
税金滞納によって給与が差し押さえの対象となった場合、税務署や自治体から勤務先に対して給与の差し押さえ通知が直接送達されます。
そのため、税金を滞納している事実が会社にバレることは避けられません。
給与の差し押さえは、手取り額の一定割合が本人ではなく行政機関に直接支払われる仕組みです。
会社側は滞納分を完納するまで毎月この特別な計算と支払い対応を行わなければならず、経理担当者や上司に知られることになります。
結果として、職場での信用低下や精神的な負担の増加を招く恐れがあります。
市民税の滞納による会社への連絡については以下の記事で解説しています。
2-2 信用情報(ブラックリスト)への影響
多くの方が気にするのが、税金を滞納することで信用情報機関のブラックリストに登録されるのではないかという点です。
結論から言えば、税金の滞納自体は信用情報に記録されません。
国や自治体は信用情報を管理する機関に加盟していないためです。
ただし、間接的に影響が出るケースがあります。
例えば、銀行口座が差し押さえられた結果、クレジットカードの引き落としや住宅ローンなどの支払いができなくなった場合、その未払いが原因で信用情報に傷がつきます。
また、税金をクレジットカードで納付し、そのカード代金の支払いが遅れた場合も同様に信用情報へ悪影響を及ぼします。
3章 差し押さえを避けるためにやってはいけないNG行動
税金の支払いが困難な状況に陥ると、焦りや不安から誤った対応をとってしまうことがあります。
しかし、不適切な行動は事態をさらに悪化させ、差し押さえの実行を早める原因となります。
ここでは、税金を滞納した際に絶対に避けるべきNG行動について解説します。
3-1 督促状や差し押さえ予告を無視・放置する
最もやってはいけない行動は、税務署や自治体から届いた督促状や差し押さえ予告の通知を無視することです。
連絡しなければそのうち諦めてくれるはずだと放置していても、税金の支払い義務は決して消滅しません。
電話や書面での催告を無視し続けると、行政側は納付の意思がないと判断し、強制的に財産調査を行い差し押さえへと踏み切ります。
通知が届いた場合は、手元に全額を支払う余裕がない状態であっても放置せず、速やかに担当窓口へ連絡して状況を説明することが必要です。
3-2 財産隠しや虚偽の申告をする
差し押さえを逃れる目的で、自分の預金を別の口座に移したり、不動産の名義を意図的に家族に変更したりする財産隠しは絶対に避けるべき行為です。
行政には国税徴収法に基づく強力な財産調査権限があり、金融機関の取引履歴などから不自然な資金の動きはすぐに把握されます。
意図的に財産を隠蔽したり、現在の収入について虚偽の申告をしたりする行為は、法律に違反する悪質な対応とみなされます。
単なる滞納よりも重いペナルティが課されたり、最悪の場合は刑事罰の対象になったりするリスクもあるため、自身の状況は正直に申告するよう心がけてください。
4章 財産を差し押さえられないために|税金が払えないときの対処法
税金の滞納を続けると、財産が差し押さえられてしまいます。しかし、やむを得ない事情でどうしても納付できない方もいらっしゃるでしょう。
その場合には、以下のような対処をしてみましょう。
- 税務署・自治体に相談する
- 分割払いにしてもらう
- 猶予制度を利用する
- 生活保護を受給する
- 税金が発生している資産を売却する
それぞれ詳しく解説します。
4-1 税務署・自治体に相談する
まずは、税金の支払いが難しい旨を税務署や自治体に相談してみましょう。
期日までに支払いが難しいこと、その理由、支払いの目処についてしっかりと説明し、「支払う意志があること」を伝えることが大切です。
相談することで、対処方法などについて案内してもらえる可能性が高いでしょう。
なお、相談先は税金ごとに管轄が異なりますので、納付書に記載されたところに相談してください。
- 自治体が管轄の税金・・・住民税、固定資産税、自動車税など
- 税務署が管轄の税金・・・所得税、法人税、相続税、贈与税、自動車重量税
4-2 割払いにしてもらう
一括での支払いが難しい場合には、分割払いを利用できないか相談してみましょう。
例えば、住民税や固定資産税などは一括または、4期に分けて支払うのが一般的ですが、これを12分割にするなど対処してもらえる可能性があります。
ただし、分割払いにすると延滞税がかかりますので、その点は理解しておきましょう。
4-3 猶予制度を利用する
失業や傷病、介護などで一時的に納税が難しい状況に陥ってしまった場合には、税金の支払いを猶予してもらう「猶予制度」を検討してみましょう。
猶予が認められれば、差押えが猶予される上に、猶予期間中の全部または一部が免除されます。
ただし、税金は本来いかなる事情があっても納税するのが原則であり、猶予制度を利用するためには条件があります。詳しくは、国税庁のホームページで自身が条件を満たしているか確認しましょう。
4-4 生活保護を受給する
長期的に働けない事情があり、税金の支払いが難しい場合には、生活保護の受給を検討しましょう。
生活保護を受給中は所得税などの税金や健康保険料などの保険料が免除されます。
また、受給前に滞納していた税金や保険料の滞納に対する処分についても猶予されるため、生活保護受給中に差し押さえられることはありません。
ただし、生活保護の受給には厳しい条件があります。自身が置かれている状況が生活保護の受給の条件に該当する場合には、管轄の自治体に相談してみましょう。
4-5 税金が発生している資産を売却する
現時点で納付するべき税金をなんとか支払ったとしても、今後も同じ税金が発生すれば、いつか完全に支払いができなくなってしまいます。
その場合には、税金の原因となる資産を手放すことも検討しましょう。
例えば、不動産や土地には固定資産税、車には自動車税・重量税が課されます。
収入がある時にタワーマンションや高級車を購入したものの、その後状況が悪くなり維持費が支払えなくなることもあるでしょう。
税金の支払いが生活を圧迫しているのであれば、売却する決断も必要です。
差し押さえになったら、最終的には失う可能性が高い財産ですので、そうなる前に売却するほうがよいでしょう。
5章 すでに差し押さえられた場合の解除方法
もし実際に財産が差し押さえられてしまったとしても、適切な手続きを踏むことで解除できる可能性があります。
ただし、差し押さえの解除には厳格な条件があり、そのまま放置していても状況は改善しません。
ここでは、差し押さえを解除するための具体的な方法と、解除までにかかる期間について解説します。
自動車税を払わないとどうなるかについては以下の記事で解説しています。
5-1 滞納している税金と延滞税を全額納付する
差し押さえを解除するための最も確実で迅速な方法は、滞納している税金の元本と、納付期限の翌日から日割りで加算されている延滞税を合わせて全額納付することです。
滞納額の全額支払いが確認されれば、差し押さえを維持する法的な根拠がなくなるため、速やかに解除の手続きが行われます。
どうしても一括での全額納付が難しい場合は、早急に担当窓口で分納の相談を行い、誠実な納付計画を提示することが求められます。
自治体との交渉によって支払い計画が認められれば、特例として差し押さえが解除されるケースも一部存在します。
5-2 差し押さえ解除にかかる期間
税金を完納した後、実際に差し押さえが解除されるまでにかかる期間は、差し押さえられた財産の種類によって異なります。
給与の差し押さえの場合、完納後に勤務先へ解除の通知が送付されます。
手続きが完了すれば次回の給与支払いから通常通りの手取り額が受け取れるようになります。
銀行口座の場合も、完納から数日程度で凍結が解除されるのが一般的です。
一方で、不動産が差し押さえられていた場合は、登記簿上の差し押さえ登記を抹消する手続きが必要となります。
そのため、解除までに数日から数週間ほどの日数を要することがあります。
6章 税金の他に借金があるなら債務整理を検討しよう
税金は債務整理で解決することはできません。しかし、税金以外の借金の支払いがある場合には、それを解決することで税金の支払いに充てられるでしょう。
債務整理には以下のの3つがあります。
- 自己破産
- 個人再生
- 任意整理
それぞれ詳しく解説します。
6-1 自己破産
自己破産とは、借金の支払いが困難な状況に陥っている債務者が裁判所に申し立てることで、借金の返済義務を免除してもらう手続きです。
借金の返済の必要はなくなりますが、その一方で所有する財産が処分され、債権者への返済に充てられます。
その点では、財産の差押えと変わりないと思われるかもしれません。しかし、税金の滞納で差し押さえられても、その後も税金が発生する原因があるのであれば、納付義務は続きます。
一方自己破産をすれば、借金の返済義務がなくなりますので、今後借金をしない限り生活に余裕ができるはずです。
借金額が高額なケースや、収入がないケースでは自己破産をおすすめしています。
6-2 個人再生
個人再生とは、裁判所に申し立てることで、借金を5分の1〜10分の1程度に圧縮し、原則3年で返済する再生計画を立てる手続きです。
自己破産は返済不能(収入が不足し、返済ができない状況)であることが要件ですが、個人再生の場合は、返済不能のおそれがあるだけで十分です。むしろ手続き後も返済が続くことから、安定した収入があることが要件となります。
また、裁判所が財産を処分することがなく、住宅ローン特則を利用することで家を残したまま手続きすることも可能です。
ただし、返済額は所有する財産に応じて決定しますので、高額な財産を所有している状態では効果がない可能性もあります。
安定した職についていて、失いたくない財産がある方には、個人再生をおすすめしています。
6-3 任意整理
任意整理とは、債権者と交渉することで今後発生する利息や遅延損害金をカットしてもらう手続きです。
任意整理は、自己破産や個人再生とは異なり、当事者間で解決を目指す手続きですで、財産を所有する財産が裁判所によって処分されることはありません。(ローンなどを任意整理した場合には、債権の対象となるものが債権者によって回収される可能性が高いです)
また、裁判所を通さないため、手続き自体も比較的シンプルです。
ただし、カットするのは利息や遅延損害金のみですので、減額効果としては自己破産や個人再生には劣ります。
クレッジットカードの借入れやリボ払い、少額の借金の場合には任意整理がおすすめです。
7章 借金トラブルならグリーン司法書士法人にご相談ください
税金の納付を怠り続けると、最終的に財産が差し押さえられます。また、差し押さえされたからといって納付義務がなくなるわけではありません。
失業などで一時的に支払えないのであれば、納付の分割払いや猶予制度を受けることで対処できる可能性があります。
しかし、長期的に支払えない状況なのであれば生活保護の受給も検討しましょう。
また、税金は債務整理で解決することはできませんが、他の借金を債務整理することで税金の支払いに充てることができるでしょう。
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よくあるご質問
- 生活保護を受給すると滞納した税金はどうなるの?
- 生活保護受給中は税金や健康保険料の支払いが免除され、過去の滞納についても猶予されます。
そのため、滞納した税金が理由で差し押さえられることはありません。
- 生活保護費は差押えされない?
- 生活保護費は差押えの対象外となっています。












