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借金の支払いをせずにいると、裁判所から支払督促が届くことがあります。
支払督促は、債権者が裁判所を通じ、あなたに対して「借金の返済をしてください」と命じる書類です。支払督促が届いて放置していると、最悪の場合、財産の差押えがなされる可能性があります。
そのため、支払いができない場合であっても「督促異議申立書」を提出し「支払いができない」旨を申し出なければいけません。
とはいえ「督促異議申立書」など、聞き馴染みがなく、どうしたらいいか分からないという方が多いかと思います。
そこでこの記事では、督促異議申立書とはなにか、どのように作成するのかなどについて解説します。
督促状が来たときの対処法は、下記の記事でも解説していますのでご参考にしてください。
目次 ▼
1章 督促異議申立書とは
督促異議申立書とは、届いた支払督促に対して異議を申し立てるための書類です。
そう聞いても、なかなかピンとこないかと思いますので、詳しく、わかりやすく解説していきます。
1−1 支払督促に対して「返済ができない」ことを裁判所に申し出ること
督促異議申立書とは、簡単に言えば、裁判所からの支払督促に対して「返済ができません」と申し出る書類です。
借金の返済をせずにいると、債権者(お金を貸している人)があなたに対して借金の返還を求める手続きを裁判所を通して行うことがあります。
そうすると、裁判所は、あなたに対して「借金を返済してください」という内容の「支払督促書」を送付します。
返済ができる場合には、返済をすれば問題ありませんが、支払督促書が届いても支払いができない場合には「督促異議申立書」を用いて「返済できません」と裁判所に申し出なければいけません。
その他にも、
- 借金自体、身に覚えがない
- 今は払えないが、分割であれば払うことができる
- 消滅時効が完成している
と言ったケースでも、督促異議申立てをする必要があります。
支払督促書が届いてもなお、返済や督促異議申立てをせずにいると、次は仮執行宣言付支払督促が届くことになります。督促状のハガキや封筒が来たら必ず確認し、早急に対応しましょう。
仮執行宣言付支払督促については、次で解説します。
1−1−1 督促異議申立書を提出すると通常裁判に移行する
督促異議申立書を提出すると、通常裁判に移行することとなります。
「裁判」と聞くと怖いイメージがあるかもしれませんが、この裁判は「今後どのように返済していくか」について債権者と和解を目指して交渉するために行うものです。
無理のない範囲で返済するよう、裁判所を通して決めることとなります。
なお、裁判所への出頭を怠った場合は欠席判決となり、債権者の主張どおりに判決が下されることとなり、強制執行(差押え)がなされる可能性があります。差押えがされてから慌てても何もできません。裁判には必ず出頭するようにしましょう。
1−2 支払督促から2週間が経過すると仮執行宣言付支払督促が出される
支払督促を無視すると、支配督促が届いた日から2週間後に「仮執行宣言付支払督促」が届きます。
これが届いた場合、債権者は債務者に対して事前に伝えることなく、強制執行を行えるようになります。つまり、いつでも強制執行がなされる可能性があるということです。
仮執行宣言付支払督促が届いた後でも、異議申立てをすることは可能です。この場合も、支配督促に対する異議申立をした場合と同様、裁判に移行することとなりますが、債権者が執行力を有することに変わりはありません。
2章 督促異議申立をしなければいけない理由
支払督促が来たら、決して無視をせず、督促異議申立をするべきといえます。
強制執行されるというリスクの他にも、以下のようなリスクがあるからです。
2−1 消滅時効を迎えている場合、異議申立てをしないと時効を主張できなくなる
借金にも「消滅時効」という時効制度があります。一般的な借金の場合、最後に返済をしてから5年が経過することで、時効を迎えます。
債権者は、時効を迎えていることをわかっていても支払督促をしてきます。これは、驚いた債務者に「支払う」という態度を出させることにより時効の主張を封じ、返済を迫るためです。
また、どうせ時効だからと無視し、その支配督促に異議申立をせず放置しておくと時効の主張ができなくなってしまうのです。時効の主張をするならしっかりその処理をしておかなければなりません。
そのような判断や対応も含め、司法書士や弁護士に任せたほうが良いでしょう。
2−2 本来していない借金まで支払わなければいけなくなる可能性がある
最近、支払督促や少額訴訟の手続きを悪用した、詐欺(架空請求)などの事例があると、裁判所が注意喚起をしています。
支払督促は、申立ての要件を満たしていれば相手方の言い分を聞かずとも送付することができます。
そのため、裁判所は相手方からの異議申立てがあるまで、それが架空請求かどうかわからないのです。
また、裁判所や裁判所の職員の名称を悪用して書類が送られてくる事例もあるそうです。
万が一見に覚えのない支払督促が来た場合、決して無視はせず、本当に裁判所から送付されたものか裁判所に問い合わせるなどして確認した上で異議申立をするようにしましょう。
なお、裁判所が電話などで金銭の支払いを命じることはありませんので、そのような不審な電話があった場合には警察に連絡するようにしてください。
3章 督促異議申立をする方法・書き方
督促異議申立をするには、「督促異議申立書」を裁判所に対して受け取ってから2週間以内に提出します。通常、督促異議申立書は支払督促に同封されています。
もし同封されていない場合には、裁判所の窓口で取得することが可能です。
督促異議申立書には、以下の内容を記載します。
- 債務者の指名・住所・電話番号
- 返済ができない理由や、今後の返済方法の希望
- 今後の書類の送付先などに関する質問に対する回答 など
4章 支払いが難しい場合には異議申立をする前に早急に債務整理手続きをする
支払督促に対して異議申立てをした場合、前述したとおり原則として通常裁判に移行します。
裁判では「どのように支払うか」ということを決めますので、原則として「支払わない」という選択はありません。(督促自体が架空請求など違法な場合は除く)
そのため、収入がなかったり、借金額が高額すぎてとても支払えないような場合には、裁判に移行する前に自己破産や個人再生をする必要があります。
しかも、支払督促が届いてから2週間後には仮執行宣言付支払督促が届き、強制執行がなされる可能性があるので、その前に手続きをしなければいけません。
4−1 督促をストップするためには専門家に依頼する
「自己破産の手続きは時間がかかるのでは?2週間以内に済ませられるの?」
と思いますよね。
しかし、督促をストップするには、司法書士や弁護士などの専門家が「代理人に就任しました」と債権者に通知する「受任通知」を送付するだけで問題ありません。
専門家に事情に話し契約を結べば、早急に受任通知を送るよう対応してくれるはずです。
ただし、債務整理に明るくない専門家の場合、手続きが滞ったり遅れたりする可能性がありますので、HPの実績などを確認し、債務整理を得意とする専門家を選ぶようにしましょう。
5章 支払督促が届いたらグリーン司法書士法人にご相談ください
支払督促が届いたら、早急にご相談ください!
前述したとおり、支払督促を放置してしまうと強制執行をなされる可能性があります。
また、支払いができない場合には、支払督促が届いてから2週間以内に債務整理の手続を開始しなければいけません。
グリーン司法書士法人は、これまで数多くの借金問題に対応して参りました。
ご依頼いただきましたら、迅速に受任通知送付の手続きをさせていただきますので、ぜひご相談ください。
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よくあるご質問
- 督促異議申立書の提出方法は?
- 督促異議申立をするには、「督促異議申立書」を裁判所に対して受け取ってから2週間以内に提出します。
通常、督促異議申立書は支払督促に同封されていますが、同封されていない場合には、裁判所の窓口で取得可能です。
督促異議申立書の提出方法について詳しくはコチラ
- 督促異議申立書は誰に送る?
- 督促異議申立書とは、裁判所からの支払督促に対して「返済ができません」と申し出る書類であり、裁判所に対して提出します。
督促異議申立書について詳しくはコチラ