任意整理対象外のカードは利用できる?代わりの方法についても解説

司法書士市川有美

監修者:グリーン司法書士法人   市川有美
【所属】大阪司法書士会 登録番号大阪第4555号 【保有資格】司法書士

任意整理
任意整理対象外のカードは利用できる?代わりの方法についても解説

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任意整理を検討している方にとって、クレジットカードが手続き後も利用できるかどうかということはとても気になる点でしょう。「任意整理対象のカードは利用できないだろうけれど、任意整理対象外のカードはどうなの?」と疑問に思っている方は少なくないようです。

この記事では、任意整理対象外のカードは手続き後も利用できるのかということや、クレジットカードを任意整理するときの注意点などについて解説します。

 この記事を読んでわかること

  • 任意整理対象外のカードはしばらくは使えるがいずれ使えなくなる
  • 任意整理完済後に一定の期間が経過すればカードの新規作成ができる
  • クレジットカードの代替えに使えるカード3種
  • 任意整理後にカードを新規申し込みする際に注意すべきこと

1章 任意整理対象外のカードも使えなくなる

任意整理をするとクレジットカードが即日解約になるというのは、任意整理の大きなデメリットです。「でも、使えなくなるのは任意整理をする会社のクレジットカードだけでしょう。」と考えていると、ある日突然任意整理をしていないカードも使えなくなり、困る可能性があります

1-1 任意整理の対象にしたカードは使えなくなる

クレジットカード会社と任意整理を開始すると、対象のカードは解約され使用できなくなります。任意整理を司法書士などの専門家に依頼した場合、受任通知がカード会社に到着した(社内でシステム処理された)時点で、利用できなくなります。

また、対象のカードに付随する家族カードがあれば、同時に使えなくなるので注意が必要です。

1-2 任意整理の対象外にしたカードはしばらくは使える

任意整理をしないカードについては、一定期間使い続けられる可能性があります。任意整理をしたことについて、対象外としたカード会社に連絡する義務はないため、しばらくは会社としても知る機会がないからです。

しかし、カードの更新時期や、利用者の信用情報を定期的に確認する(途上与信)タイミングなどで、使えなくなる可能性があります。任意整理後の返済に延滞がなく、和解書通りに支払いが出来ていたとしても同様です。そのため、任意整理の対象外としたカードは、しばらくは使えてもいずれは使えなくなると心得ておきましょう。ただし、中にはカード会社の社内判断で使い続けられるケースもあるようです。

2章 任意整理後にカードの新規作成はできる?

任意整理をすると手続きの対象・対象外に関わらず、基本的にはクレジットカードが使えなくなります。では、任意整理をしたら二度とカードは持てないのでしょうか?そんなことはありません。任意整理が終わり一定の期間が経過すれば、また新たなクレジットカードを持つことが可能になります。

2-1 完済後一定期間が経過すれば可能

任意整理をすると、ご自身の信用情報に事故情報が登録され、ブラックリストと呼ばれる状態になります。ブラックリストの状態でいる期間、カードの新規作成はできません。任意整理をした事故情報の登録が信用情報から抹消されるのは、任意整理の返済を完済後5年程度が経過するまでといわれています。そのため、完済後5年を一つの目安として、新たなクレジットカードを作ることができるようになると考えましょう。

ブラックリストの期間や事故情報が登録されたときの影響について、下記の記事で詳細を知ることができます。

2-2 任意整理した会社では作成できない可能性が大

任意整理では、完済後5年程度経過するとカードの新規作成ができるといわれていますが、それは任意整理の対象外であった会社やこれまでカードを作ったことがない会社です。任意整理をした会社のクレジットカードは、手続きを終えて何年経っても基本的にはカードの作成はできないと考えましょう。

理由は、「社内ブラック」と呼ばれる社内ルールです。任意整理の対象となったカード会社からすると、任意整理で遅滞なく返済してもらえたとしても、最初の契約通りに返済してもらえなかったという見方をすることができます。そのため、社内での事故情報が半永久的に残り続ける可能性があるのです。その場合は、任意整理終了後、何年経っても新規作成の審査に通らない可能性が高くなってしまいます。

しかし、クレジットカード会社は他にもあります。過去に利用していたカード会社を避けて、別の会社に申し込みをすることで問題なく作れる可能性は高くなります。

3章 クレジットカードの任意整理で注意すること

クレジットカードの借金を任意整理する際、注意しなければならないことがいくつかあります。

3-1 家族カードやETCカードも使えなくなる

クレジットカードの任意整理では、付随する家族カードも使えなくなりますETCカードについては、交通事故防止に対する配慮から、突然利用停止になることはありませんが、そのままずっと使い続けられるわけではありません。そもそも、利用を止めないと債務額が確定しないため、いつまで経っても任意整理手続きを進めることができません。うっかり利用し続けていると、クレジットカード会社から連絡が入るでしょう。司法書士に任意整理を依頼した場合は、司法書士事務所を通して連絡があります。

3-2 キャッシングとショッピングは同時に整理される

クレジットカードの任意整理では、キャッシング枠とショッピング枠の両方に利用がある場合、必ず同時に整理の対象となります。キャッシングのみを整理して、ショッピングはそのまま支払いを続けるということはできません。キャッシング枠もショッピング枠も、同じひとつの契約に基づいているからです。

3-3 毎月のカード払いにしている支払いができなくなる

毎月の公共料金や携帯電話の通信料などの支払いをクレジットカード払いにしている場合、カードが解約されてしまうため支払いができなくなります。他の支払い方法に変更するのを忘れないようにしましょう。

3-4 関連会社の借り入れも整理の対象になる可能性がある(*見出し変更しました)

任意整理は整理する会社を選択できる手続きですが、対象にする会社の関連会社から借り入れがある場合、同時に任意整理しなければならなくなるケースがあります

例として、銀行系のカードローンがあります。銀行系のカードローンとは、アコムやプロミスなど、銀行系列の消費者金融が発行しているカードのローンです。一方、銀行のカードローンとは、カードの発行も借入先も銀行です。

銀行系のカードローン会社は、親会社である銀行のカードローンについて保証会社となっていることが少なくありません。そのため、同じ銀行の、銀行系のカードローンと銀行のカードローンの両方から借入をしている場合、どちらか一方だけを任意整理することは基本的にはできません。

また、銀行系以外のカード会社でも、銀行カードローンなどの保証をしているところはあります。任意整理を避けたい借金がある場合は、関連会社でないかどうか注意が必要です。

4章 クレジットカードの代わりに利用できるカード

任意整理によってクレジットカードが利用できないと、非常に不便だという声を聞きますが、対策はあります。この章では、クレジットカードの代替手段として、よく利用されているカードについて解説します。

4-1 デビットカード

デビットカードとは、カードでの決済と同時にご自身の銀行口座から、代金が即時引き落とされる仕組みのカードです。通常のクレジットカードとは異なり、口座の残高がそのまま利用限度額となります。デビットカードにはクレジットカードのような入会審査がないため、誰でも作りやすいのが特徴です。

4-2 家族カード

家族が契約者となるクレジットカードの家族カードであれば、ご自身の信用情報と関係なく使用できます。ただし使いすぎると、支払いをする人に負担がかかるため注意が必要です。もし支払いが滞った場合には、契約者である家族自身の信用情報に影響します。

4-3 ETCパーソナルカード

ETCパーソナルカードは、毎月の平均利用額の4倍の金額をデポジットとして預けることで、有料道路の通行料金の後払いができるカードです。利用料金は、1ヶ月単位で引き落としがされます。仕事などで頻繁に有料道路を利用する人は、ETCパーソナルカードを持つことで、料金所を通る際にETC車として利用できます。

5章 任意整理後に新しいカードを申し込む際の注意点

信用情報から事故情報の記録が抹消されるのは、任意整理の完済後5年程度経過してからです。そのころには、新たなカードを申し込みしようと考えてもよいでしょう。ただし、申し込みに際して気をつけたい点があります。

5-1 申し込み前に信用情報を確認する

クレジットカードを新規申し込みする際には、信用情報機関に問い合わせ、自身の信用情報から事故情報が消えているか確認しましょう。主な信用情報機関として、下記の3つがあげられます。

5-1-1 CIC(シー・アイ・シー)

主にクレジット系の企業を会員とする信用情報機関です。信用情報の確認方法は、インターネットと郵送です。CICのホームページで、それぞれの請求方法を確認することができます。

CICのホームページ https://www.cic.co.jp/index.html

5-1-2 JICC(日本信用情報機構)

主に消費者金融系の企業を会員とする信用情報機関です。信用情報の確認方法は、スマートフォン専用アプリ(JICC専用スマホアプリをダウンロードします)と郵送です。JICCのホームページで、それぞれの請求方法を確認することができます。

JICCのホームページ https://www.jicc.co.jp/

5-1-3 KSC(全国銀行個人信用情報センター)

主に銀行系の企業を会員とする信用情報機関です。信用情報の確認方法は、インターネットと郵送です。KSCのホームページで、それぞれの請求方法を確認することができます。

KSCのホームページ https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/

5-2 審査に通りやすくするために

信用情報から事故情報が消えていることが確認できても、必ず審査に通るとは限りません。安定した収入がないなど、他の事情で通らない場合もあります。

また、条件は整っている場合でも少しでも審査に通りやすくするために、以下の点に注意しましょう。

5-2-1 任意整理をしていないカード会社に申し込みをする

任意整理をしたカード会社では、社内ブラックとなっている可能性が高いです。審査に通りやすくするためには、任意整理をしたカード会社は外して申し込みをしましょう。

5-2-2 利用限度額・キャッシング枠の設定に気をつける

任意整理期間を経て申し込みをする場合、直近の信用情報に利用履歴がない状態になります。その場合、クレジットカード会社が、申込者の返済能力に問題がないか判断するのが難しくなります。そのため、利用限度額を高額に設定してしまうと、審査に通りにくくなる可能性があります。まずは、可能な限り利用限度額を低めに設定して申し込む方がよいでしょう

また、キャッシング枠を設定しないことも重要です。キャッシング枠がないことで、審査に引っかかる可能性が低くなります。

5-2-3 短期間での複数のカード会社への申し込みを避ける

クレジットカードの申し込み審査が行われたことも、信用情報機関に記録として残ります。他社で審査が度々行われていることがわかると、申し込みを受けたクレジットカード会社での審査はさらに厳しくなる可能性があります。お金に困っているため短期間でいくつものカードを申し込みしているのではないか、審査に通過しにくい事情があるのではないか、などと疑いの目を持たれてしまうからです。

最初にカードを申し込みするのは2枚くらいに留め、もしそれらが審査落ちしても、次の申し込みはそこから数ヶ月は空けるようにしたほうがよいでしょう。

6章 まとめ

任意整理をすると、対象にしたカードは即日退会となり、対象外のカードもいずれ使えなくなる可能性が高いことをお伝えしました。クレジットカードがない生活は、慣れないうちは不便かも知れませんが、デビットカードなどの利用で十分対策は可能です。

中には、自身の信用情報から事故情報を削除する方法はないの?と考える人もいらっしゃるかも知れません。そのような人に対して、「ブラックリストから事故情報を消すことができる」などと嘘の宣伝・勧誘をしてくる業者もいます。このような詐欺業者には騙されないよう注意が必要です。

また、任意整理完済後は新たにカードを申し込むことができますが、再び任意整理の手続きが必要な事態になってしまわないよう心がけましょう。

任意整理をしたけれど返済に不安を感じている方や、現在の借金がなかなか減らず悩んでいらっしゃる方は、ぜひ一度グリーン司法書士法人グループへご相談ください。個々のご事情を丁寧にお伺いした上で、ご自身の状況にあったアドバイスをさせていただきます。

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