この記事は約 11 分で読めます。
経済的に住宅ローンの支払いができなくなることを「住宅ローン破綻」と言います。
住宅ローン破綻に至る主な原因は、収入の減少や、定年退職などです。
住宅ローンは20年、30年と長期間支払い続けるものですので、その中で収入状況や生活状況が変化し、最初は支払えていたものが支払えなくなってしまうケースは少なくありません。
まだ破綻していなくても、支払いがギリギリの状況ではいつ破綻してしまうかわかりません。
原因を理解しておくことで、住宅ローン破綻に陥らないよう対策を取ることができます。
この記事では、住宅ローン破綻する原因や、破綻しないための対策について解説します。ぜひ、参考にしてください。
目次 ▼
1章 住宅ローンが破綻する4つの原因
住宅ローン破綻してしまう原因は様々ですが、主に以下の4つが考えられます。
- 収入が減った
- 定年後も住宅ローンの支払いが続いている
- 金利が上がった
- 世帯収入が減った
それぞれ、詳しく解説します。
1−1 収入が減った
住宅ローン破綻の原因として多いのが、収入の減少です。
住宅ローンは20年、30年と長い期間支払い続けなければいけませんから、その間に失業や転職、病気などで収入が減ってしまうこともあるでしょう。
昨今は、新型コロナウイルスの影響で仕事を失ってしまう人も増えました。
住宅ローンを組んだ時には支払えると思っていても、状況が変わり支払えなくなってしまうと、住宅ローン破綻に陥ってしまいます。
1−2 定年後も住宅ローンの支払いが続いている
住宅ローンは長くて35年。もし35歳でローンを組んだのであれば、完済するのは70歳です。
65歳までに定年する方が多いかと思いますので、そうすると定年から先5年も支払いを続けなければいけません。
年金暮らしもしくは定年退職後の再雇用では、定年前よりも収入が減少するケースが多いです。
定年後十分な蓄えが無ければ、住宅ローンの支払いが困難になってしまうでしょう。
1−3 金利が上がった
変動金利で住宅ローンを組んでいる場合、金利が上昇すると返済額も高額になります。
2000年頃から現在までかなりの低金利が続いており、近年、大幅に金利が上がることはありませんでしたが、今後経済状況によっては急激に上昇する可能性は否めません。
万が一、将来金利が急上昇した場合には、それが原因で住宅ローンが支払えなくなることがあります。
1−4 配偶者の収入が減った
共有ローンにしていなくても、2人分の収入も当てにしている場合には、配偶者の収入状況が代わって世帯収入が減ったことで住宅ローンが支払えなくなってしまうケースも少なくありません。
例えば、以下のようなケースが考えられます。
- 奥様が産休・育休によって収入が減った
- 夫婦のどちらかが体調不良によって仕事をやめた
- 離婚や死別によって一人で支払わなければいけなくなった
ローンを組む際に「二人で働けば払える」からと、背伸びをして高額なローンを組んでしまうと、万が一のときに支払いができなくなってしまいます。
そのため、ローンを契約している人が「一人で支払える」だけの返済額に抑えておくことが大切です。
2章 住宅ローンの破綻しないための対策
一度住宅ローン破綻してしまうと、持ち家を失う、大変な事態に陥ってしまいます。
そのため、これから住宅ローンを組む方は、可能な限り住宅ローン破綻しないために、以下のように対策しておくのがよいでしょう。
- 将来のことも考えて返済シミュレーションをする
- ぎりぎりの返済にならないようにする
- 固定金利でローンを組む
- 繰り上げ返済をする
- ボーナス払いを設定しない
- 定年前にローンが終わるように計画する
それぞれ詳しく解説します。
2−1 将来のことも考えて返済シミュレーションをする
住宅ローンを組む際には、最初にしっかりと返済シミュレーションをしておくことが大切です。
「今の収入なら、この額も返済できる」と、ギリギリでローンを組んでしまうと、定年や世帯年収が減ったときに対応できません。
現時点で払える金額のギリギリでローンを組むのではなく、以下のように将来発生しうることも想定してシミュレーションすることが大切です。
- 失業や休職(失業保険や傷病手当の受給での生活)
- 妊娠・出産による配偶者の収入の減少
- 子供の養育費の増加(大学の学費や仕送り、留学費用など)
- 定年後の収入(年金)
上記のことも考えた上で、少し余裕を持って支払額を決定するようにしましょう。
2−2 ぎりぎりの返済にならないようにする
住宅ローンの審査では、収入などによっては高額な借入れが認められる可能性があります。
しかし、「審査に通った=返済し続けられる」というわけではありません。
あくまで目安ではありますが、住宅ローンの審査では、年間の返済額が年収の15〜20%程度なら認められているとされています。
例えば、年収500万円であれば、年間の返済額は75万円〜100万円程度。月額にすると約6万〜約8万円です。
一方、年収500万円の方の手取りは約33万円。ボーナスがある方はもっと少なくなるでしょう。一人で家族を養っている場合、その手取りの中から8万円を捻出するのは難しいかもしれません。
ローンの審査が通ったからと言って、必ずしもその返済が自身に適しているとは限りません。家を購入する際には、自身の収入を考えたうえで決定するようにしましょう。
2−3 固定金利でローンを組む
住宅ローンには大きく分けて「変動金利」「固定金利」の2種類があります。
変動金利は、固定金利に比べて金利が低く、特に近年は低金利が続いてることから変動金利が魅力的に感じるかもしれません。
しかし、変動金利はその名前の通り、経済状況によって変動するため、今は金利が低くても、数年後には急上昇する可能性があります。
変動金利よりは高いですが、フラット35など固定金利を選択するのが安心です。
2−4 繰り上げ返済をする
住宅ローンは金融機関によっては、月々の返済の他に、繰り上げ返済が可能です。
繰り上げ返済は、すべて元本に充てることができるため、月々の返済額を減らせたり、返済期間を短くできたりします。
ボーナスなどの臨時収入が入ったときや、余裕がある月にローンとは別に繰り上げ返済しましょう。
2−5 ボーナス払いを設定しない
月々の返済を抑えるためにボーナス払いを設定しようと考えている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、将来的に会社の経営難によるボーナスカットや、転職や失業などでボーナスが受け取れなく可能性がありますし、定年後は当然ボーナスはありません。
万が一ボーナスがなくなった時には、住宅ローン破綻のリスクが大きくなるでしょう。
ボーナス払いを設定するのではなく、繰り上げ返済を利用するほうが安心です。
2−6 定年前にローンが終わるように計画する
住宅ローンは完済年齢の上限を80歳までとしている金融機関が多いです。
とはいえ、80歳までローン組んでしまうと、定年後に支払いが難しくなってしまいます。
可能であれば、定年前にローンが終わるように計画するようにしましょう。もし、どうしても定年前のローンが難しいのであれば、長くても70歳までとしておくことをおすすめします。
そうすれば、65歳で定年しても、5年程度なら年金と貯蓄で乗り越えられる見込みがありますし、ローンの残債5年程度なら退職金で一括返済しやすいからです。
3章 住宅ローン破綻しそうなときにするべき対処法
現時点で「住宅ローンの支払いがギリギリ・・・」という状況なのであれば、それはすでに「住宅ローン破綻予備軍」である可能性が高いです。
住宅ローン破綻にしてしまうと、持ち家を失うことになってしまいますので、そうなる前に以下のように対処しておかなければいけません。
- 家計を見直す
- 世帯収入を増やす
- 個人再生をする
- 任意売却をする
それぞれ詳しく解説します。
3−1 家計を見直す
まずは、家計の中に余計な出費がないか一度見直しましょう。
例えば、以下のようなことを心がけることで節約することができます。
- スマートフォンを格安スマホに替える
- 外食を控える
- 交遊費や趣味にかけるお金を抑える
- 光熱費の節約をする
小さなことでも、塵も積もれば山となります。些細な心がけでも積み重ねれば支出を抑えられるはずです。
生活水準を下げるのは難しいことですが、生活がギリギリになっているのであれば、一度きちんと家計を見直すようにしましょう。
3−2 世帯収入を増やす
支出が多いのであれば、収入を増やすことも検討しましょう。
可能なら副業を検討してみてください。最近ではクラウドソーシングなどが普及しているため、仕事を得やすくなりました。
また、配偶者が仕事をされていないのであれば、パートなどでも良いですので、働き始めてもらうのもよいでしょう。
3−3 個人再生をする
住宅ローン以外にも借金があるのであれば、個人再生をすることも検討しましょう。
個人再生とは、裁判所に申し立てることで借金を5分の1〜10分の1程度まで圧縮し、それを原則3年で完済する再生計画を立てる手続きです。
個人再生では、住宅ローン特則を利用することで、住宅ローン以外の借金のみを減額することができます。そのため、住宅を残したまま借金を整理することが可能です。
「住宅ローン以外の返済が負担になり、住宅ローンの支払いができない」というケースでは、個人再生で解決できる可能性があります。
3−4 任意売却をする
どうしても住宅ローンの返済が難しいのであれば、任意売却を検討しましょう。
住宅ローンを滞納し続けると、最終的に競売にかけられてしまいます。競売も任意売却も「売る」ということに変わりはありませんが、任意売却のほうが相場に近い価格で売却することが可能です。
任意売却も競売も、ローンの残債が売却額より多い場合には、その残債を返済し続けていかなければいけません。それであれば、任意売却でなるべく高い金額で売ったほうがよいでしょう。
4章 住宅ローンの支払いがきついと感じたらご相談を
もし、住宅ローンの支払いがきつく、住宅ローン破綻してしまいそう、あるいはすでに破綻してしまっているという方はなるべく早くご相談ください。
住宅ローンを滞納し続けてしまうと、最終的に競売にかけられて持ち家を失うリスクがあります。
早い段階で相談していただくことで、現時点でできる対処・対策を提案することが可能です。
グリーン司法書士法人では個人再生などの債務整理に関するご相談はもちろん、グループ会社に不動産会社を有していますので、任意売却のご相談も受け付けています。
初回相談は無料です。オンライン相談も受け付けていますので、お気軽にご相談ください。
お気軽にお問い合わせください!
借金返済のご相談はグリーンへ
借金返済に関する記事を沢山公開していますので、合わせてご覧ください。
アクセス数が多いキーワード:債務整理 クレジットカード
借金返済の無料相談ならグリーンへ
お気軽にお問い合わせください!