フラット35は返済額の見直しに対応している?手続きの流れも紹介

司法書士山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第8849号 / 東京都行政書士会所属 登録番号第10262380号 【保有資格】司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

住宅ローン問題
フラット35は返済額の見直しに対応している?手続きの流れも紹介

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 この記事を読んでわかること
  • フラット35の返済額の見直し方法
  • フラット35の返済方法変更の手続きの流れ
  • 毎月の返済を楽にするためにできること

毎月の住宅ローン返済が家計を圧迫し、「フラット35の返済額は見直せないのだろうか」と考えている方もいるでしょう。

結論から言うと、フラット35は返済額の見直しに対応しており、状況に応じて月々の返済額を減らす制度が用意されています。ただし、自由に利用できるわけではなく、利用条件や審査がある点には注意が必要です。

この記事では、フラット35の返済額を見直す具体的な方法や手続きの流れに加え、返済が厳しい場合に検討できるその他の対処法についても分かりやすく解説します。

1章 毎月の返済が厳しい場合はフラット35の返済額の見直し方法を要検討

フラット35では、返済が厳しくなった場合に備えて、返済方法を変更できる3種類の制度が用意されています。収入の減少や支出の増加などにより、当初の返済計画通りに返済を続けることが難しくなった場合でも、状況に応じて返済負担を軽減できる可能性があります。

1-1 Aタイプ|返済期間の延長などで月々の負担を軽くしたい場合

Aタイプは、返済期間を延長することで、毎月の返済額を抑える返済方法変更メニューです。収入の減少や支出の増加などにより、これまで通りの返済が難しくなった場合に検討しましょう。

返済期間を延ばすことで、1回あたりの返済額を軽くできるため、月々の家計負担を抑えやすくなる点が特徴です。例えば、転職や離職によって収入が減った場合や、病気・ケガ、育児や介護などで家計に余裕がなくなった場合でも、無理のない返済計画に見直せる可能性があります。

一方で、返済期間を延長すると、返済期間が長くなる分、最終的な返済総額が増える点には注意しましょう。そのため、Aタイプは「一時的に返済額を下げたい」という目的だけでなく、今後も長期的に返済を続けていけるかを踏まえたうえで検討することが重要です。

1-1-1 Aタイプの利用条件

Aタイプは、返済期間を延長することで月々の返済負担を軽くできる一方、誰でも無条件に利用できる制度ではありません。利用する際は、以下の3つの条件全てに該当する必要があります。

まず、離職や病気などの事情により、現在の返済が困難になっていることが前提となります。一時的または継続的に収入が減少し、当初の返済計画通りに返済を続けるのが難しい状況でなければなりません。

次に、収入や返済負担の状況が一定の基準を満たしていることが必要です。具体的には、次のいずれかに該当する場合が対象となります。

年収が、住宅金融支援機構への年間総返済額の4倍以下である場合や、月収が「世帯人員×64,000円」以下である場合が該当します。また、住宅ローン全体の返済負担率が年収に応じた基準(年収300万円未満は30%、300万円以上400万円未満は35%、400万円以上700万円未満は40%、700万円以上は45%)を超えており、かつ収入の減少割合が20%以上(前々年の収入額と前年の収入額とを比較)である場合も対象となります。

そして最後に、返済方法を変更することで、今後も返済を継続できる見込みがあるかもチェックされます。単に返済が苦しいという理由だけでなく、返済期間を延長することで無理のない返済計画が立てられるかが大事です。

1-2 Bタイプ|一定期間だけ返済額を減らしたい場合

Bタイプは、子どもの進学による教育費や入院による医療費など、一定期間だけ支出が増える見込みがある場合に、相談した期間内で毎月の返済額を減らせる制度です。返済の先送りに近い仕組みのため、減額期間が終わった後は毎月返済額が増え、総返済額も増える点に注意が必要です。

例えば、融資額2,000万円・金利年3.00%・35年返済(元利均等)で返済開始から4年経過した時点で、Bタイプ(減額期間3年)を適用するケースを考えてみましょう。減額前の毎月返済額は 76,970円です。

ここから3年間だけ毎月返済額を 50,000円に減らすと、家計の負担を一時的に軽くできます。一方で、減額期間が終了した後は、先送りした分を取り戻す必要があるため、毎月返済額は 81,436円に増えます。

このように、Bタイプは今の支払いを軽くする効果がある反面、減額期間終了後に返済が増えることを前提に、将来の家計まで見据えて検討することが重要です。

1-3 Cタイプ|ボーナス返済が負担になっている場合

Cタイプは、ボーナス返済分の金額を見直したり、ボーナス返済そのものを取りやめたりできる返済方法変更メニューです。ボーナスの支給額が減った、支給自体が不安定になったといった場合に適しています。

ボーナス返済は、毎月の返済額を抑えられる一方で、ボーナスが想定通りに支給されなかった場合、家計に大きな負担がかかりやすい返済方法です。そのため、ボーナス返済が重荷になっている場合には、Cタイプによって返済方法を見直すことで、返済計画を立て直せる可能性があります。

Cタイプを利用すると、ボーナス返済分が減額または廃止され、その分が毎月返済に振り替えられる形になります。つまり、ボーナス時の負担は軽くなる一方で、毎月の返済額は増えるケースが多い点に注意が必要です。

1-4 返済方法変更メニューは組み合わせて利用できる場合もある

フラット35の返済方法変更メニューは、一定の条件を満たす場合、複数のタイプを同時に組み合わせて利用することが可能です。組み合わせの可否は以下の通りです。

AタイプBタイプCタイプ
Aタイプ◯(Aタイプで「返済期間の延長のみ」を利用する場合に限り、Bタイプとの組み合わせが可能)
Bタイプ◯(Aタイプで「返済期間の延長のみ」を利用する場合に限り、Bタイプとの組み合わせが可能)
Cタイプ

このように、AタイプとCタイプ、BタイプとCタイプは併用が可能であり、AタイプとBタイプについても条件付きで併用できるケースがあります。一方で、全てのメニューを自由に組み合わせられるわけではない点には注意が必要です。

組み合わせの可否は、収入状況や今後の返済見通しによって異なります。そのため、自己判断で決めるのではなく、金融機関や住宅金融支援機構に相談したうえで確認することが重要です。

2章 フラット35の返済方法変更の手続きの流れ

フラット35の返済方法変更の手続きの流れは以下の通りです。

  1. 住宅ローン返済中の金融機関または住宅金融支援機構に相談する
  2. 住宅ローン返済中の金融機関に返済方法変更の申請を行う
  3. 金融機関と住宅金融支援機構による審査を受ける
  4. 審査に通過すれば返済方法変更の契約を結ぶ

それぞれ詳しく見ていきましょう。

STEP① 住宅ローン返済中の金融機関または住宅金融支援機構に相談する

まずは、現在返済中の金融機関または住宅金融支援機構の各支店に相談します。

相談時には、返済が厳しくなった理由や現在の収入・支出の状況、今後の見通しなどを具体的に伝えてください。その内容をもとに、Aタイプ・Bタイプ・Cタイプのうち、どの返済方法変更メニューが適しているかについて案内を受けることになります。また、返済方法を変更した場合の返済予定額のシミュレーションについても説明されるのが一般的です。

返済方法変更の申請や契約に必要となる書類についての説明も行われます。後の手続きをスムーズに進めるためにも、この段階で必要書類や申請の流れを確認しておくことが重要です。返済が厳しくなり始めた早い段階で相談することで、選択できる対応の幅が広がるでしょう。

STEP② 住宅ローン返済中の金融機関に返済方法変更の申請を行う

相談内容を踏まえて返済方法変更を希望する場合は、住宅ローン返済中の金融機関に対して正式な申請を行います。フラット35の返済方法変更は、金融機関の窓口を通じて進めるのが一般的です。

申請時には、返済方法変更の申請書に加え、本人(連帯債務者を含む)の前年および前々年の源泉徴収票や課税証明書などの提出が求められます。その他にも、金融機関から家計状況を確認するための書類など、追加で提出を求められる場合があります。

必要書類や提出方法は金融機関によって異なるため、事前に案内された内容を確認し、不備のないよう準備することが大切です。書類の不足や記載漏れがあると、審査に時間がかかるため、早めに対応するようにしましょう。

STEP③ 金融機関と住宅金融支援機構による審査を受ける

返済方法変更の申請後は、金融機関と住宅金融支援機構による審査が行われます。この審査では、返済方法を変更することで、今後も無理なく返済を継続できるのかが確認されます。

具体的には、現在の収入状況や支出のバランス、返済負担の程度などを踏まえ、返済期間の延長や返済額の減額が妥当かを判断されます。そのため、申請時に提出した書類の内容によっては、追加で資料の提出を求められる場合もあります。

STEP④ 審査に通過すれば返済方法変更の契約を結ぶ

金融機関と住宅金融支援機構による審査に通過した場合は、返済方法変更に関する契約を締結します。

契約時には、金銭消費貸借契約の変更契約証書や、発行後3ヶ月以内の印鑑証明書の提出が求められるのが一般的です。その他にも、金融機関から追加書類の提出を求められる場合があります。

契約手続きが完了すると、原則として次回以降の返済から、新しい返済条件が適用されます。

3章 70歳以上の場合はシルバー返済特例によって返済額を見直せる可能性がある

フラット35では、返済方法変更メニュー(Aタイプ・Bタイプ・Cタイプ)を利用しても返済の継続が難しい場合、満70歳以上など一定の条件を満たす方についてはシルバー返済特例が適用できる可能性があります。

シルバー返済特例は、高齢期の返済負担を抑えることを目的とした制度で、今後の毎月の支払いを利息のみとし、債務者全員が亡くなった後に、自宅を売却して残債務を一括返済する仕組みです。

ただし、元金残高が減る制度ではなく、適用可否や具体的な条件は個別の状況によって判断されます。利用を検討する場合は、返済中の金融機関や住宅金融支援機構に相談し、内容を十分に確認することが重要です。

4章 フラット35の返済額の見直し以外に毎月の返済を楽にするためにできること

フラット35を滞納しそうになった場合、返済額の見直し以外の方法を検討すべきケースもあります。なぜなら、返済額の見直しで一時的に乗り越えても、収入や支出が変わらなければ、後で苦しくなるためです。ここでは、フラット35の返済額の見直し以外に毎月の返済を楽にするためにできることを解説します。

4-1 固定費の見直しを行う

毎月の住宅ローン返済が厳しいと感じた場合、まず取り組みやすいのが固定費の見直しです。固定費は一度見直すだけで、継続的な支出削減につながるため、家計改善の効果が出やすい項目と言えます。

具体的には、スマートフォンやインターネットの通信費、加入している保険の内容、利用頻度の低いサブスクリプションサービスなどが見直しの対象になります。契約内容を変更したり、不要なサービスを解約したりすることで、毎月数千円から数万円程度の支出を抑えられるケースもあります。

4-2 不用品売却や日払いアルバイトで収入を得る

一時的に資金が不足している場合には、不用品の売却や短期間で収入を得られる手段を活用しましょう。

例えば、使っていない家電や衣類、ブランド品などは、フリマアプリや買取専門店を利用することで現金化できる可能性があります。自宅にある物を整理しながら収入を得られるため、比較的取り組みやすいでしょう。

また、スキマ時間を活用できる日払い・短期のアルバイトを利用することで、急な支出や一時的な返済資金を補える場合もあります。最近では、短時間で働ける仕事を探せるサービスもあり、状況に応じて活用することが可能です。

4-3 借り換えを行う

現在の返済条件によっては、住宅ローンの借り換えによって毎月の返済額を抑えられる可能性があります。高金利で借りている場合や、返済期間を見直したい場合には、借り換えを検討しましょう。

借り換えによって金利が下がれば、毎月の返済額が軽くなるだけでなく、総返済額を減らせるケースもあります。一方で、借り換えには審査があり、事務手数料や保証料などの諸費用も発生するため、必ずしも全ての人に向いている方法ではありません。

また、返済の遅れがある場合や、収入状況が大きく悪化している場合には、借り換えの審査に通らない可能性もあります。そのため、借り換えを検討する際は、返済状況や費用を踏まえたうえで、返済方法変更とのどちらが適しているかを比較することが重要です。

4-4 他に借金があるなら個人再生や任意整理を行う

住宅ローン以外にもカードローンやクレジットカードの借金があり、返済全体が家計を圧迫している場合には、個人再生や任意整理といった債務整理を検討することも一つの選択肢です。これらの手続きを利用することで、住宅ローン以外の返済負担を軽減できれば、毎月の支払いに余裕が生まれる可能性があります。

任意整理は、裁判所を通さずに債権者と交渉し、将来利息のカットや返済条件の見直しを行う方法です。一方、個人再生は裁判所の手続きを通じて借金を大幅に減額し、原則として3年で完済を目指す手続きです。どちらがマイホームに住み続けながら借金問題の解決を目指せますが、どちらが適しているかは借金の額や収入状況などによって異なります。

また、債務整理は信用情報への影響など注意すべき点もあるため、自己判断で進めるのではなく、弁護士・司法書士に相談したうえで検討することが重要です。

5章 生活に余裕が出てきたら毎月の返済額を増やすという選択肢もある

フラット35の返済額を見直したあと、収入が回復したり支出が落ち着いたりして家計に余裕が出てきた場合には、毎月の返済額の増額を検討しましょう。

毎月の返済額を増やすことで、返済期間を短縮したり、支払う利息の総額を抑えたりできます。返済方法変更によって一時的に返済期間が延びた場合でも、返済額の増額によってローンを組んだ当初の予定時期の完済を目指せるのです。

返済額を増やすかどうかは、生活費や将来の支出予定、突発的な支出への備えなどを踏まえたうえで判断する必要があります。無理に返済を急ぐのではなく、生活に支障が出ない範囲で返済ペースを見直すことが重要です。

まとめ

フラット35は、返済が厳しくなった場合でも、返済期間の延長や返済額の一時的な減額、ボーナス返済の見直しなど、返済額を調整できる仕組みが用意されている住宅ローンです。毎月の返済が苦しくなった場合でも、返済額の見直しによって毎月の返済を継続できます。

返済方法変更を利用するには、金融機関や住宅金融支援機構への相談や審査が必要です。早めに相談することで、利用できる返済方法や条件を把握しやすくなるでしょう。

一方で、返済額の見直しが難しい場合でも、家計の見直しや借り換えなど、毎月の負担を軽くするための選択肢は一つではありません。また、根本的な解決が必要な場合は、任意整理や個人再生といった債務整理も検討しましょう。

グリーン司法書士法人では、経験豊富な司法書士が借金問題の解決をサポートしています。状況に応じた解決方法の提案を行っているので、フラット35の返済でお困りの方はご相談ください。

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フラット35の返済に関してよくある質問

ここでは、フラット35の返済に関してよくある質問に回答します。

ボーナス返済を組み込むことは可能ですか?
フラット35では、ボーナス返済を組み込むことができます。借入時に毎月払いだけにしている場合でも、審査を通過すればボーナス払いを利用して毎月の返済額を抑えることが可能です。
年金支給月に2ヶ月まとめて返済できませんか?
フラット35では、返済方法を毎月払いから2ヶ月払いへ変更することが可能です。ただし、2ヶ月払いへの変更は、原則として60歳以上の方に限られます。

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