【徹底解説】任意売却の具体的な流れとは?売却可能な期間とは?

   司法書士山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第8849号 / 東京都行政書士会所属 会員番号第14026号 【保有資格】司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

住宅ローン問題
【徹底解説】任意売却の具体的な流れとは?売却可能な期間とは?

この記事は約 9 分で読めます。

 この記事を読んでわかること
  • 任意売却とは
  • 任意売却の流れ
  • 任意売却できる期間

住宅ローンの返済に困った際、選択肢の1つとして挙げられるのが「任意売却」です。
競売になるよりもメリットが多いことから、できれば任意売却したいと考える方も多いでしょう。

任意売却を検討するときに注意すべきことは「任意売却が可能な期間は限られている」ということです。
せっかく任意売却を進めていても、時間切れで競売になってしまえば元も子もありません。
ですので、まずは任意売却の全体の流れや可能な期間について、しっかり把握しておく必要があります。

また、任意売却は、売却後に残る借金額を想定し「債務整理」と同時並行で進めることが大切です。
なぜなら、任意売却が成功しても、残った借金について解決できなれば、安心して新しい生活をスタートすることができないからです

本記事を読んで正しい知識を蓄えて、ぜひとも早期に新しい生活をスタートさせましょう。

1章 任意売却とは?

任意売却とは、住宅ローンの返済が難しくなった際に売却代金でローン返済しても、債務が残ることが想定される不動産売却をいいます。

売却益は原則すべてローン返済に充てられるため、債務が残れば分割で返済していくか、自己破産などの債務整理を行う必要があります

任意売却するためには債権者の合意が必要ですが、競売を回避できるメリットがあります。
任意売却における売却価格は、一般的な不動産価格よりも低めですが競売での売却価格よりも高くなりやすい傾向にあり、競売と比べ近所の人に住宅ローンの滞納が露呈しにくいと言えます。
また、引っ越し費用の融通が利きやすいことや残債の返済についての融通が利きやすいこともメリットです。

任意売却についての詳しい解説はこちらの記事をどうぞ

任意売却とは

2章 任意売却の流れ

任意売却には、一般的な売却とは少し違う流れがあります。
ここで全体的な流れをご紹介するので、参考にしてください。

任意売却 流れ

STEP① 弁護士や司法書士へ相談する

はじめに借金問題のプロである弁護士や司法書士へ相談しましょう
「相談先は不動産会社じゃないの?」と思われる方がいるかも知れませんが、次のような理由により法律の専門家への相談をおススメしています。
・弁護士や司法書士へ依頼すると、返済督促が止まるので平穏な気持ちで任意売却を進めることができる
・住宅ローンだけでなく、消費者金融やクレジットカードの借金についても相談できる
・任意売却後に残った借金について債務整理をしてくれる

当初から弁護士や司法書士へ相談することで、任意売却後に残る借金を想定しつつ「任意売却+債務整理」を同時並行(必要なタイミング)で進めることができるのです

任意売却の目的は「住宅ローン問題(借金問題)を解決して新たな生活をスタートすること」だということは忘れないでおきましょう

STEP② 不動産会社を探す

次に任意売却を任せる不動産会社を探します。不動産会社のなかには一般的な売却のみを扱っている会社もあるため、任意売却に精通している不動産会社を見つけることが大切です。
また、任意売却案件は、手間がかかるので扱いたがらない不動産会社もあるようです。
ホームぺージなどで「任意売却」について書かれているか確認したり、直接電話して「任意売却」を扱っているか聞いてみましょう。
また、借金問題を相談している弁護士や司法書士にお願いすれば、任意売却に精通している不動産会社を紹介してくれるでしょう

STEP③ 物件の査定を受ける

信頼できる不動産会社が見つかったら、物件の査定を受けることになります。
実際に物件を見てもらい、どれくらいの売却価格が見込めるのかを査定してもらいましょう。
物件の売却価格は金融機関にも相談すべき内容となるため、正確に算出してもらうことが大切です。

物件の査定結果は弁護士や司法書士とも共有し、今後の販売方針について不動産会社と話し合います。
話し合いの結果、任意売却するとなったら不動産会社と媒介契約を結びます。
媒介契約とは、不動産を売買するための営業活動を不動産会社へ依頼する契約です。

STEP④ 金融機関と交渉する

販売方針が固まり、不動産会社と媒介契約すれば、いよいよ金融機関との交渉に入ります。
住宅ローンを組んでいる金融機関に対して、任意売却したいという意向を伝え、交渉をすすめます。
任意売却を行うためには金融機関の合意が不可欠となるため、ここはとても重要なステップです。
より多くローンを返済するため、高値で売却できる販売プランと売り出し価格を提示し、納得してもらえるように交渉していきます。実務上、金融機関との交渉は不動産会社が行います。
また、債権者が複数いる場合は、全員の合意を得る必要があり、連帯保証人がいる場合は連帯保証人の同意も必要になります。

STEP⑤ 物件を販売する

金融機関からの合意が得られたら、実際に物件の販売をスタートします。
不動産会社がネットなどに物件の情報を掲載し買主を探す手順で、物件の情報が掲載されると内覧を申し込まれるケースも出てきます。
これに備えて、室内はなるべくキレイな状態にしておくと良いでしょう。
ハウスクリーニングなどをする必要はありませんが、少しでもキレイなほうが印象が良いため買い手はつきやすくなります。
また、いずれ引っ越すことになるので、このタイミングで不用品の処分をすすめておくのがよいでしょう。

STEP⑥ 売買契約を結ぶ

無事に買主が見つかったら売買契約を結び、買主の購入希望日や物件の引き渡し日なども決めることになります。
細かい内容まですべて決定したら、金融機関から最終的な合意をもらい契約を締結します。
このとき手付金を受領することになりますが、任意売却の場合は決済日まで不動産会社が預かる流れが基本です。

STEP⑦ 代金決済をして引き渡す

代金の決済は、売買契約から約1ヶ月後となるのが一般的です。
多くの場合は、売主、買主、不動産業者、司法書士が金融機関に一同に会して、代金決済や物件の引き渡し、登記書類の授受を行います。基本的にこの日までに引越しを済ませておく必要があります。

STEP⑧債務整理を検討する

任意売却の結果、「返済可能な金額の債務が残った場合」は、自ら金融機関と交渉して長期返済をお願いしてみるのがいいでしょう。
しかし、交渉がうまくいかない場合や、返済が不可能な金額の債務が残った場合は「債務整理」を検討しなければなりません。
債務整理とは「任意整理」「破産」「個人再生」の総称で、債権者との交渉や裁判所手続きを通じて債務(借金)を整理していくことをいいます。それぞれの詳しい手続内容は下記の記事をお読みください。

任意売却前から相談していた弁護士や司法書士と債務整理手続きをスムーズに進めていきましょう。

STEP⑨ 新生活のスタート

任意売却により住宅ローンが無くなったり、債務整理手続きが終われば晴れて新生活のスタートです。

今あなたがどのような状況におかれていても、安心してください。
必ず借金問題を解決して「新生活をスタート」することはできます。
早期に新生活をスタートするには、信頼できる専門家へ相談することがはじめの第一歩です。


これまで3000人以上の方から借金問題の相談を受けてきた司法書士としてエールを送ります。

3章 任意売却できる期間は滞納から10か月間前後

任意売却は、競売を避けるための手段です。
住宅ローンを滞納し始めて数ヶ月経つと競売へと進むことが多いため、競売になる前に手続きをする必要があります。
競売手続きが始まってからでも、一定期間であれば任意売却できますが開札され入札が始まってしまうと任意売却はできなくなります。

競売の開札は、代位弁済から約6ヶ月後となります。
保証会社が住宅ローンの残債を一括で返済する代位弁済は、住宅ローンの返済が3ヶ月から6ヶ月ほど滞った時点で行われます。
したがって、任意売却は滞納から開札までの約10ヶ月間程度ならば可能といえるのです。
長めに見ても滞納から12か月間程度でしょう。

なお、住宅ローンの延滞が始まる前であっても任意売却は計画的に進めることができます。
そのため、延滞する前であっても今後支払いが厳しくなることが明白ならば、早めに弁護士や司法書士へ相談し、任意売却+債務整理について検討しておくと良いでしょう。

まとめ

任意売却は借金問題を解決するための一つの方法です。任意売却と債務整理どちらも完了すれば、ローン返済がなくなり晴れて新生活をスタートさせることができます。
また、住宅ローンの返済が厳しいとはいえ、本当に任意売却が必要かどうか、任意売却しか選択肢はないのかを見極めることも忘れないようにしましょう。

住宅ローンの返済で悩んだら、借金問題解決のプロであり、任意売却に特化した不動産会社をグループに擁するグリーン司法書士法人へぜひご相談ください
グリーン司法書士法人グループならば、借金の相談から任意売却、破産や債務整理などについて、ワンストップで請け負うことができます。
今後のより良い選択のために、一人で悩まず、ぜひグリーン司法書士法人グループへお問い合わせください。

住宅ローンに関する記事を沢山公開していますので、合わせてご覧ください。

アクセス数が多いキーワード:任意整理 住宅ローン

住宅ローンの無料相談ならグリーンへ

     
住宅ローンの無料相談ならグリーンへ
電話相談は9:00~20:00(土日祝10:00~17:00)で受付中です。「借金返済のブログをみた」とお問い合わせいただけるとスムーズです。相談ではなく、まずはどれくらい減らせるか知りたいという方は、借金返済無料診断をご利用ください。


お気軽にお問い合わせください!

LINEでもお問い合わせ可能!
お友達登録はこちら

よくあるご質問

任意売却の流れとは?
はじめに借金問題のプロである弁護士や司法書士へ相談し、任意売却を任せる不動産会社を探します。その後、査定を受けて交渉を行い、物件を販売し、買主が見つかったら売買契約を結びます。
任意売却できる期間はいつから?
期間は滞納から10か月間前後です。
任意売却できないケースとは?
債権者が任意売却を認めてくれない場合や、連帯保証人の承諾が得られない、内覧・物件の情報公開ができない場合があります。
任意売却の物件を購入するには?
任意整理専門の物件だけが掲載されたサイトを利用しましょう。

関連記事一覧

よくあるご質問

任意売却のメリットは?
任意売却のメリットは、主に下記の通りです。
・通常に近い方法で売却できる
・近所の人にローン滞納が露呈しにくい
・競売よりも高い金額で売却できる
・残債は分割での支払いもできる
・現金を用意する必要がない
競売にかけられる理由について詳しくはコチラ
任意売却の流れとは?
任意売却の流れは、下記の通りです。
・弁護士や司法書士に相談する
・不動産会社を探す
・物件の査定を受ける
・金融機関と交渉する
・物件を販売する
・売買契約を結ぶ
・代金決済をして引き渡す
・債務整理を検討する
・新生活のスタート
任意売却の流れについて詳しくはコチラ
評価しない評価する!
(記事の評価をお願いします!)
読み込み中...
  • LINEで送る

アクセス

東京事務所

住所:〒163-0512 東京都新宿区西新宿1丁目26番2号 新宿野村ビル12階

大阪事務所

住所:〒541-0043 大阪市中央区高麗橋4丁目5番2号高麗橋ウエストビル2階

借金問題でお悩みの方へ
TOPへ