即日融資は可能?債務整理中の人が頼ることのできる相談先と対処法を解説

司法書士山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第8849号 / 東京都行政書士会所属 会員番号第14026号 【保有資格】司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

借金返済の知識
即日融資は可能?債務整理中の人が頼ることのできる相談先と対処法を解説

この記事は約 8 分で読めます。

借金問題解決に向けて債務整理中の場合でも、お金がなく即日融資を受けたいと考えたとき、頼れる金融はあるのでしょうか。

たとえ債務整理中でも、独自審査で対応している中小の金融業者なら、借入れが可能になる可能性はゼロではありません。

しかし借金問題解決に向けて債務整理をしたのなら、また借金を繰り返すことは根本的な解決にはならないといえます。

そこで、債務整理中の方でも即日融資は可能なのか、頼ることができる相談先や対処法について次の4つの章に分けて詳しく解説していきます。

  1. 債務整理中の即日融資は利用不可
  2. 債務整理中でも即日融資を可能とする金融業者
  3. 債務整理中に融資を受ける方法
  4. 債務整理中に生活が苦しくなった場合の対処法

借金によるトラブルを起こさないためにも、債務整理中に厳しい状況に追い込まれたときにはどうすればよいのか知る参考にしてください。

1章 債務整理中の即日融資は利用不可

債務整理中の「即日融資」は基本的に利用できません

「債務整理中」であれば、司法書士または弁護士など専門家に「手続」を依頼している状態でブラックリスト扱い中であり、それが借入れできない根本的な理由といえます。

借金問題は解決できていない状態であり、債務整理を専門家に依頼せず債務者本人が手続をするときも同様です。

即日融資を希望する場合、消費者金融などであれば銀行融資より審査が「甘い」ため、対応してもらえると期待しがちですが、審査に通ることはありません

消費者金融の審査に限らず、銀行のカードローンなども、信用情報に「事故登録」が記録されてれば「即」落ちてしまいます

そもそも債務整理中に即日融資を利用してしまうと、借金を整理する「意思」がないと判断されることになり、現在の手続が進まなくなる可能性があります。

任意整理は「和解交渉」に支障をきたすことになり、個人再生や自己破産は「裁判所」を介して行うため、手続自体認められなくなる可能性があると留意しておいてください。

2章 債務整理中でも即日融資を可能とする金融業者

債務整理中でも、即日融資を「可能」とする金融業者がないわけではありません。

たとえば各都道府県内のみで貸金業を営む、「地場」の消費者金融業者や、経営規模が小さな「街金」と呼ばれる金融業者などであれば、柔軟な審査で即日融資してもらえる可能性もあります。

これらの小規模な金融業者の場合、「独自」の審査基準で資金を貸し付けていることが多く、信用情報以外の属性情報など含めた「総合的」な審査を行うケースもあるからです。

信用情報に登録されている情報から「総量規制」は確実に守ることが必要であるものの、債務整理を行った理由など詳しく聞き、「人柄」などに納得すれば債務整理中でも相談に応じてくれる場合もあるとされています。

総量規制とは
総量規制とは、貸金業者が個人に貸し付けできる借金総額の上限であり、年金などを基準にその3分の1を超える貸し付けは禁止されています。

しかし事業規模が小さい分、設定される「金利」も高く、債務整理で借金問題を解決するはずがさらに厳しい状況に追い込まれるリスクは高くなります。

中には債務整理中など窮状にある方をターゲットとした「ヤミ金融業者」も存在します。

さらに状況が悪化するだけでなく、現在の債務整理手続が進まなくなってしまうことも踏まえ、利用しないようにしてください

3章 債務整理中に融資を受ける方法

債務整理中でも借入れする方法はゼロではなく、たとえば次の2つが挙げられます。

  1. 社会福祉協議会の貸付けを利用する
  2. 生命保険の契約者貸付を利用する

ただし債務整理のうち、「個人再生」や「自己破産」で手続している場合、借入先を増やすことはできないため注意が必要です。

それを踏まえた上で、それぞれの融資を受ける方法について説明していきます。

3-1 社会福祉協議会の貸付けを利用する

債務整理中でも、「社会福祉協議会」の貸し付けを利用することはできます。

「社会福祉協議会」は、民間の社会福祉活動推進を目的とした営利を目的としない民間組織であり、全国の市区町村に設置されています。

行政と連携しながら「生活困窮者」に貸付けを行っており、「低所得世帯」や「高齢者世帯」などで民間貸金業者からお金を借りることができない方が対象です。

緊急かつ一時的に生計維持が困難になったとき、10万円など少額資金を貸し付ける「緊急小口資金」などであれば借入れは可能と考えられます。

ただし借金返済を目的とした貸付けは行っていないため、仮にお金を借りることができても借金返済資金に充てることはできません

3-2 生命保険の契約者貸付を利用する

債務整理手続で「自己破産」を選択している場合、加入している「生命保険」の「解約返戻金」が20万円以上であれば、「処分」の対象となります。

解約返戻金とは
解約返戻金とは、保険契約者が契約解除したときや、保険会社から契約解除されたときに保険契約者に払い戻されるお金のことです。

しかし自己破産以外の債務整理中である場合には、解約返戻金が払い戻される生命保険に加入していても問題ないため、「契約者貸付」を利用することで借入れが可能です。

契約者貸付とは
「契約者貸付」とは、解約返還金の一定範囲内で資金を貸し付ける制度で、生命保険会社所定の利息がかかります。

4章 債務整理中に生活が苦しくなった場合の対処法

借金問題を解決するために債務整理をしたものの、様々な「事情」により生活が苦しくなってしまうこともあるかもしれません。

もしも債務整理中に生活が苦しくなったときには、次の2つの対処法を検討しましょう。

  1. 親や親戚に相談する
  2. 自己破産を検討する(任意整理・個人再生中の場合)

それぞれの対処法について説明します。

4-1 親や親戚に相談する

債務整理中に生活が苦しくなったときには、まず「親」や「親戚」に相談してみましょう。

心配をかけたくないと考える方もいるでしょうが、生活できない状態でいることのほうが親に心配をかけることになります。

一人暮らしの方などは、賃貸物件を解約して実家に戻ることにより、収入を借金返済資金に「集中」させることもできるはずです。

4-2 自己破産を検討する(任意整理・個人再生中の場合)

親や親戚に相談しても解決できず、任意整理や個人再生の手続で借金問題が解決できないのであれば、「自己破産」を検討することになるでしょう。

「自己破産」とは、裁判所に申立てることにより、税金などの公金を除いたすべての借金返済が「免除」される手続であり、「同時廃止」と「管財事件」の2つの手続があります。

個人の自己破産で一般的であるのが「同時廃止」で、所有する財産を処分する「破産」の申立てと、借金を帳消しにしてもらう「免責」の許可の申立て手続を「同時」に行います。

しかし所有する財産が多いときや、ギャンブルや浪費など「免責」を認められない理由で借金をした場合には、「管財事件」で手続することになります。

どちらの手続になるか状況により異なるため、任意整理や個人再生の手続を依頼した専門家に相談しましょう。

まとめ

債務整理中でも独自審査で対応している中小の金融業者から借入れできる可能性はあるため、即日融資を受けることもできるかもしれません。

しかし借金問題解決に向けて債務整理中であるのにもかかわらず、借金を繰り返すことは根本的な解決にはならないだけでなく、さらに厳しい状況に追い込まれることになります。

そもそも債務整理中に借金を増やすと、現在の手続が進まなくなってしまうため、即日融資などの借入れはするべきではありません。

もしも債務整理中でも厳しい状況が変わらず悩んでいるのなら、一度グリーン司法書士法人グループへご相談ください。

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よくあるご質問

債務整理中でも借入できる?
債務整理中でも下記の方法であれば、借入可能です。
・社会福祉協議会の貸付けを利用する
・生命保険の契約者貸付を利用する
債務整理中の借入について詳しくはコチラ
債務整理中は即日融資できる?
債務整理中の「即日融資」は基本的に利用できません。
「債務整理中」であれば、司法書士または弁護士など専門家に「手続」を依頼している状態でブラックリスト扱い中だからです。
債務整理中の借入について詳しくはコチラ
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