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- 債務整理と過払い金請求の違い
- 過払い金請求ができる条件
- 債務整理と過払い金請求が併用できるか
債務整理と過払い金請求はどちらも借金を減らす方法のように聞こえますが、実際には目的も内容もまったく異なる手続きです。
債務整理は、返済が難しくなった借金の負担を軽くするための法的手続きであり、過払い金請求は、払いすぎた利息を取り戻す手続きです。どちらを選ぶかによって、借金の減り方や信用情報への影響も大きく変わります。
本記事では、債務整理と過払い金請求の違いを分かりやすく整理します。過払い金請求の条件や債務整理と併用できるかについても紹介するので、借金問題でお困りの方はぜひ参考にしてください。
目次 ▼
1章 債務整理と過払い金請求の違いとは?
冒頭でも述べた通り、債務整理と過払い金請求では目的や仕組みが異なります。混同してしまう方も多いですが、「返済を減らすためのもの」か「払いすぎたお金を取り戻すためのもの」かによって、手続きの進め方や信用情報への影響も異なります。
1-1 債務整理とは
債務整理とは、借金の返済が難しくなった人が、返済負担を減らしたり免除してもらったりするための法的手続きです。以下のような方法で借金問題を根本から解決し、生活を立て直すことを目的としています。
| 自己破産 | 支払いが不可能と判断された場合に、裁判所の許可を得て返済義務を免除してもらう手続き。借金はなくなりますが、生活に最低限必要な財産以外は没収されます。 |
|---|---|
| 個人再生 | 裁判所を通じて借金を大幅に減額し、原則3年で分割返済していく手続き。返済が必要なので一定の収入が必要ですが、マイホームを守りながら借金問題の解決を目指せます。 |
| 任意整理 | 裁判所を通さず、貸金業者と直接交渉して将来利息や遅延損害金をカットしてもらう手続き。整理対象を選択できるため、不動産や自動車など特定の財産を守りながら手続きを進められます。 |
いずれの手続きも、借金の減額や返済の猶予を受ける代わりに、信用情報に事故情報が登録される点には注意が必要です。
1-2 過払い金請求とは
過払い金請求とは、貸金業者に対して払いすぎた利息(過払い金)を返してもらう手続きのことです。かつては、利息制限法(上限15〜20%)よりも高い金利で貸し付けを行う業者が多く存在していました。
当時の出資法では上限金利が29.2%とされており、この2つの法律の間にあったグレーゾーン金利で長年返済していた人の多くが、結果的に法律で定められた上限を超える利息を支払っていたのです。しかし、2010年6月に出資法が改正され、過払い金の原因となるグレーゾーン金利は撤廃されました。そのため、出資法改正以降の借入については、過払い金が発生しなくなっています。
1-3 債務整理と過払い金請求の違い
債務整理と過払い金請求は、どちらも借金問題に関わる手続きですが、目的や効果が異なります。それぞれの主な違いは以下の通りです。
| 項目 | 債務整理 | 過払い金請求 |
|---|---|---|
| 目的 | 返済負担を軽減し、生活を立て直す | 払い過ぎた利息を取り戻す |
| 結果 | 元本や利息が減額されたり、支払い義務が免除されたりする | 払い過ぎた利息が返金される、または残債に相殺され、実質的に負担が減る |
| 信用情報 | 任意整理・個人再生・自己破産いずれも事故情報として登録される | 完済後の請求は登録されないが、借金が残る状態で請求すると登録される場合がある |
| 対象者 | 返済が困難な状況にあり、負担を軽減したい人 | 2010年6月以前に上限を超える金利でお金を借りていた人 |
2章 過払い金請求後に借金が残る場合は信用情報に事故情報が記録される
過払い金請求が信用情報に与える影響は、借金の完済状況によって異なります。まず押さえておきたいのは、すでに完済している契約に対して過払い金請求を行う場合、信用情報に事故情報が登録されることはないという点です。返済が終わっている契約での請求は、返済条件の変更にあたらないため、信用情報には記録されません。
一方で、返済中の借金について過払い金請求を行い、その過払い金によって結果的に完済できるケースでは注意が必要です。この場合、貸金業者との交渉を開始した段階で返済条件の変更と判断され、交渉期間中に信用情報へ登録される場合があります。交渉が終わって過払い金で完済できれば、事故情報は記録されませんが、完済までの間に一時的な登録が生じる可能性は避けられません。
また、過払い金を差し引いても借金が残るケースでは任意整理扱いとなり、信用情報に事故情報が登録されます。登録されると、新たな借入やクレジットカードの利用が約5年間は制限されるため、日常生活にも一定の影響が出る可能性があります。
このように、過払い金請求が信用情報へ与える影響は、完済しているか・過払い金で完済できるか・残債が残るかによって変わります。よって、過払い金請求を検討する際は、どのケースに当てはまるかを見極めることが重要です。もし判断が難しい場合には、弁護士・司法書士に相談して状況を確認するのが望ましいでしょう。
3章 過払い金請求ができる条件
過払い金請求ができる条件は以下の通りです。
- 2010年6月以前に契約を締結している
- 利息法の上限を超えた金利でお金を借りている
- 完済日から10年以内である
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
3-1 2010年6月以前に契約を締結している
過払い金請求ができるかどうかは、まず借入契約を結んだ日が2010年6月18日より前かで判断されます。2010年6月17日に出資法および貸金業法が改正され、それ以降は貸金業者が利息制限法の上限を超える高金利で貸付けを行うことがなくなりました。いわゆるグレーゾーン金利が完全に廃止されたため、2010年6月18日以降の契約では過払い金が発生しなくなっています。
ただし、2010年6月18日より前の契約であっても、必ず過払い金が発生している訳ではありません。当時の貸金業者の中には、法改正前から自主的に利息を引き下げ、利息制限法の範囲内で貸付を行っていたところもあります。この場合は、上限を超える利息を支払っておらず、過払い金は発生していません。
3-2 利息法の上限を超えた金利でお金を借りている
過払い金が発生するかどうかは、契約時の金利が利息制限法の上限を超えていたかによって決まります。利息制限法では、借入元本に応じて適用される上限金利が定められており、具体的には以下のようになっています。
- 元本10万円未満:年20%
- 元本10万円以上100万円未満:年18%
- 元本100万円以上:年15%
上限を超える金利で借入をしていた場合、支払った利息のうち上限を超える部分が「法律上支払う必要のない利息」となり、それが過払い金として返還の対象になります。
契約時の金利は、当時の契約書や取引履歴を確認することで把握できます。過払い金請求を検討している場合は、契約日と併せて適用金利が利息制限法の上限を超えているかを確認することが重要です。
3-3 完済日から10年以内である
過払い金請求には時効があり、返還請求ができるのは原則として完済日から10年以内です。借金を完済した日を起点に10年が経過すると、過払い金返還請求権が時効により消滅し、たとえ過払い金が発生していても取り戻せなくなる可能性があります。
完済してから長く時間が経つほど、取引履歴の取り寄せや金利計算が難しくなる場合もあります。そのため、「過払い金があるかもしれない」と思った段階で早めに専門家へ相談することが重要です。
なお、全てのケースにおいて10年で時効が成立する訳ではありません。完済後に同じ貸金業者から再び借入を行っている場合には、後の借入との関係で取引が一連のものとみなされ、時効の起算点がずれるかもしれません。つまり、過去に一度完済していても、その後に再度同じ業者と取引をしていれば、最終的な完済日が消滅時効の起算日とみなされる場合があります。
4章 債務整理と過払い金請求は併用できる?
過払い金請求は払いすぎたお金を取り戻す手続き、債務整理は返済負担を軽くする手続きと目的が異なりますが、状況によっては両方の手続きを併用することが可能です。
4-1 任意整理
任意整理では、債権者ごとに取引履歴を取り寄せて利息を再計算するため、その過程で過払い金が発生していることが明らかになる場合があります。このため、任意整理の手続き中に過払い金請求を同時に行うことは可能です。
過払い金が確認された場合は、本人に返金されることもありますが、任意整理でまだ返済が残っている状態であれば、その過払い金を残債の返済に充てることで返済額を減らせます。過払い金の金額が大きい場合には、一部の債務をまとめて減額できたり、一括返済の目途が立ったりすることもあり、結果として返済計画がより現実的で無理のないものになります。また、債権者との和解交渉においても、過払い金を返済原資として提示できるため、支払い回数や利息の扱いなど、より有利な条件でまとまりやすくなる点もメリットです。
任意整理を検討している場合、過払い金の有無は返済の負担を左右する重要なポイントになります。取引履歴を確認することで状況を正確に把握できるため、専門家に相談しながら適切な進め方を判断することが大切です。
4-2 個人再生
個人再生でも、任意整理と同様に過払い金請求を併用することが可能です。ただし、個人再生には清算価値という独自のルールがあるため、過払い金の扱いが返済額に影響する点には注意が必要です。
個人再生では、借金総額に応じて最低弁済額が決まりますが、これよりも、あなたが持っている財産の価値(清算価値)が高い場合には、財産の価値に応じて返済額が引き上げられます。例えば、本来120万円の返済で済むケースでも、過払い金が多くて財産が200万円ある場合、返済額も200万円になります。そのため、個人再生の申立て前に取引履歴を確認し、過払い金があれば先に回収するのが一般的です。回収した分を申立書作成費用や生活費に充てておけば、清算価値として扱われる金額を必要以上に増やさずに済みます。なお、個人再生の認可決定後に過払い金の存在が発覚した場合でも、条件を満たせば返還請求が認められるケースがあります。
4-3 自己破産
返済中の借金に過払い金がある状態で自己破産をする場合、過払い金の調査は破産手続きの中で行われます。破産管財人が取引履歴を確認し、過払い金があれば業者に返還請求しますが、取り戻した金額は破産財団に組み入れられ、債権者への配当に回されます。したがって、自己破産を行う本人が過払い金を受け取ることはありません。
一方で、破産前にすでに完済していた借入については、破産手続きの対象外となり、裁判所や管財人はその取引の調査を行いません。完済済みの契約は破産債権にも該当しないため、破産後であっても過払い金を請求できる可能性があります。
ただし、過払い金を取り戻せるのは、破産手続きでその取引が調査されておらず、なおかつ完済から10年以内で時効が成立していない場合に限られます。該当するケースは多くはありませんが、心当たりがある場合は調べてみると良いでしょう。
5章 債務整理や過払い金請求で困ったら弁護士・司法書士に相談しよう
債務整理と過払い金請求は、いずれも借金問題を解決するための有効な手続きですが、どの方法が最適かは 借入れの時期・金利・残債の有無・収入状況 などによって変わります。自分では「過払い金があるはず」「任意整理で何とかなる」と思っていても、実際には別の手続きの方が適しているケースも少なくありません。
過払い金があるかを確認するには、契約書だけでなく、取引履歴の取り寄せや利息計算が必要になります。また、債務整理を選ぶ場合でも、手続きによって信用情報への影響や返済額が大きく変わるため、正確な状況把握と手続きの選択には専門家のサポートが欠かせません。「自分の借金は過払い金請求で解決できるのか」「債務整理をするべきなのか判断に迷う」といった不安がある方は、一人で抱え込まず、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
グリーン司法書士法人では、債務整理・過払い金請求に関するご相談を無料で受け付けています。状況に合わせた適切な解決方法の提案も行っていますので、まずはお気軽にご相談ください。
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まとめ
債務整理と過払い金請求はどちらも借金問題を解決するための手続きですが、目的・仕組み・信用情報への影響が異なる制度です。返済が難しい状況を改善したいのか、払いすぎた利息を取り戻したいのかによって選ぶべき手続きが変わるため、両者の違いを正しく理解しておくことが重要です。
過払い金請求が利用できるのは、主に2010年6月18日より前に結んだ契約で、かつ利息制限法の上限を超える金利で借入れをしていた場合に限られます。また、完済日から10年以内であることも条件となるため、誰でも請求できるわけではありません。
さらに、過払い金を差し引いても借金が残ってしまう場合には、信用情報に事故情報が登録される可能性があり、任意整理や個人再生などの債務整理を併用する必要が出てくるケースもあります。このように、どの手続きを選ぶべきかは、契約時期や借入れ状況、現在の返済能力などによって異なります。手続きを終えてから後悔しないためには、事前に専門家に相談して適切な選択をすることが大切です。
グリーン司法書士法人では、債務整理・過払い金請求に関するご相談を無料で受け付けています。経験豊富な専門家に相談し、適切な手段で借金問題の解決を目指しましょう。
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