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- 自己破産の種類
- 自己破産の管財人費用を支払うタイミングと支払えない場合に起きること
- 管財人費用が支払えない場合の対処法
借金の返済が困難になった時、生活を立て直す制度として自己破産があります。自己破産は、裁判所を通じて全ての借金を免除してもらう法的な手続きです。
経済的に再出発したい人にとって重要な救済策ですが、自己破産を進めるには、弁護士・司法書士など専門家への依頼費用や、裁判所に支払う申立て費用といった金銭的な負担が発生します。特に管財事件と呼ばれる自己破産のケースでは、管財人費用が別途必要となるため、経済的に余裕のない方にとっては大きな壁となり得ます。
本記事では、管財人費用の相場や支払うタイミング、支払えない場合の対処法について解説します。自己破産を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次 ▼
1章 自己破産は大きく3種類に分けられる
自己破産の手続きには、費用面で見ると同時廃止事件や少額管財事件、管財事件という3つの種類があります。どの手続きになるかによって、かかる費用や破産管財人の選任有無が異なり、準備すべき金額や流れにも大きな違いがあります。ここでは、それぞれの特徴について見ていきましょう。
1-1 同時廃止事件
同時廃止事件とは、自己破産手続きの中でもっとも簡易に処理される形式です。破産者にめぼしい財産がなく、債権者に配当する見込みがないと裁判所が判断した場合に、破産開始決定と同時に破産手続きが終了(廃止)します。
同時廃止事件では破産管財人が選任されないため、管財人への報酬や調査費用といった管財人費用は発生しません。裁判所に支払うのは官報公告費や郵便切手代などで済み、1万円〜5万円程度の費用で手続きを終えられます。
また、手続きにかかる期間も3ヶ月〜4ヶ月程度と短くなっています。同時廃止事件は書類審査のみで終わるケースが一般的なので、費用や手間を抑えて借金問題を解決することが可能です。
1-2 少額管財事件
少額管財事件は、破産者にある程度の財産がある場合や、免責不許可事由の有無を調査する必要がある場合に選ばれる手続きです。破産管財人が選任される点では通常の管財事件と同じですが、弁護士による事前の財産調査の実施を前提としているため、手続きの流れや費用が簡略化されています。
管財人に支払う費用として約20万円が必要なことに加えて、官報公告費や郵便切手代などの実費もかかります。そのため、裁判所への申立てに必要な費用の総額は20万円〜30万円程度と見込まれます。通常の管財事件と比べると安価ではあるものの、同時廃止事件に比べるとまとまった出費が求められる点に注意が必要です。
また、少額管財事件は弁護士による事前準備を前提とした制度であるため、司法書士に依頼した場合や本人申立ての場合は原則として適用されません。少額管財での申立てを希望する場合は、自己破産の経験が豊富な弁護士に依頼する必要があるでしょう。
1-3 管財事件
管財事件は、破産者に一定以上の財産がある場合や、免責不許可事由があると裁判所が判断した場合に選ばれる手続きです。破産管財人が選任され、財産の管理・処分や免責調査などが行われます。
管財事件では、管財人費用として約50万円が必要です。さらに、官報公告費や郵便切手代などの実費もかかり、裁判所への申立て費用の総額は50万円〜60万円ほどにのぼります。また、債権者集会が複数回行われ、手続きには4ヶ月以上を要します。
管財事件では高額な費用に加えて手続きの手間も大きくなるため、早めに専門家に相談し、無理のない進め方を検討しておくと安心です。
2章 自己破産の管財人費用を支払うタイミングと支払えない場合に起きること
少額管財事件や管財事件では、破産手続きに入る前に管財人費用を裁判所に納める必要があります。支払いのタイミングは、破産開始決定の前で、原則は一括払いです。
一部の裁判所では、事情に応じて分割払いに対応している場合もあります。しかし、たとえ分割払いが認められても、全額を支払い終えるまでは破産手続きに進むことはできません。つまり、支払いが完了しない限り、破産開始決定は出ないという点は一括払いと分割払いで同じです。
費用を納められなければ、申立ては却下される可能性もあります。手続きが止まってしまう事態を避けるためにも、事前に必要な費用や支払い方法について専門家と確認しておくことをおすすめします。
3章 管財人費用が払えなくても自己破産はできる?3つの対処法を解説
管財人費用が支払えない場合の対処法は以下の通りです。
- 経験豊富な弁護士・司法書士に相談する
- 家族から援助を受ける
- 専門家に依頼し返済がストップしている間に費用を用意する
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
3-1 経験豊富な弁護士・司法書士に相談する
管財人費用の用意が難しい場合に、借金問題の解決を目指すなら、そもそも管財事件にならないようにすることが大切です。管財事件では破産管財人が選任され、財産や免責不許可事由の調査が行われますが、これにより費用負担が大きくなってしまいます。
一方、申立ての段階で、専門家が財産状況や収支、借金の原因について丁寧に調査・整理した上で資料を揃えれば、調査の必要がないと裁判所が判断し、同時廃止事件として処理される可能性があります。このように進められれば、管財人費用は一切かかりません。
自己破産の実績が豊富な弁護士・司法書士であれば、申立て前にどの手続きが選ばれそうかを見極めたうえで、少しでも管財事件を回避できるようサポートしてくれます。自己破産においては、事前準備と専門家による判断によって、裁判所への申立て費用を抑えることが可能です。費用面に不安があるからこそ、早めに専門家へ相談し、できるだけ負担の少ない手続きで進められるよう備えましょう。
3-2 家族から援助を受ける
管財人費用をどうしても自力で用意できない場合、家族から支援を受けるという方法があります。ただし注意したいのは、借りるのではなく、援助として受け取ることが前提となるという点です。
自己破産では、申立て前に発生した借金は原則免責の対象となります。つまり、家族からお金を借りた場合、その借金も帳消しの対象となってしまいます。返済する意思がないのにお金を借りたとして、破産手続き上問題視される可能性があります。
一方で、返済義務のない援助として受け取るのであれば、問題ありません。どうしても管財人費用が準備できないときは、こうした援助を受ける選択肢も視野に入れておきましょう。
3-3 専門家に依頼し返済がストップしている間に費用を用意する
管財人費用をすぐに準備できない場合でも、弁護士・司法書士に依頼すれば、債権者への支払いを一時的に止めた状態で手続きを進めることができます。これにより、毎月の返済に充てていたお金を管財人費用の積立に回すことが可能になります。
専門家に依頼すると、債権者に対して受任通知が送られます。この通知が届くと、貸金業者は督促や取り立てを行うことができなくなるため、精神的な負担も大きく軽減されます。その間に、生活再建を図りながら費用の準備を進めるという方法です。
費用の捻出が難しくても、すぐに自己破産を諦める必要はありません。まずは早めに専門家へ相談し、無理のない計画を立てることで、借金問題の解決を目指せるでしょう。
4章 費用の壁で自己破産を諦めないために弁護士・司法書士に相談しよう
少額管財事件や管財事件に該当した場合には、まとまった費用が必要になります。しかし、費用の問題があるからといって、自己破産そのものを諦める必要はありません。
例えば弁護士・司法書士に依頼し、申立てに向けて準備を整えれば、破産管財人が不要な同時廃止事件として処理される可能性があります。同時廃止となれば、管財人費用は一切かからず、裁判所に数万円を支払うことで自己破産が進められます。
また、専門家に依頼し返済がストップしている間に、管財人費用を用意することも可能です。無料相談も実施している事務所も多いため、自己破産を考え始めたら、なるべく早く専門家に相談しましょう。
グリーン司法書士法人では、経験豊富な司法書士が自己破産に向けた準備をサポートいたします。無料相談も承っておりますので、自己破産を検討している方はぜひご相談ください。
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まとめ
自己破産には費用面で見ると同時廃止事件、少額管財事件、管財事件という3つの手続きがあり、どの形式に該当するかによって、かかる費用や進行の複雑さが大きく異なります。特に少額管財事件や管財事件では、破産管財人への費用として数十万円が必要となり、それが大きなハードルに感じられる方も少なくありません。
しかし、弁護士・司法書士に相談して準備を進めれば、管財事件を回避し、管財人費用がかからない同時廃止事件として手続きを進められる可能性があります。また、分割払いや積立による準備、家族からの援助など、状況に応じた対応策も存在します。
大切なのは、費用に悩んだ時こそ一人で抱え込まず、経験豊富な弁護士・司法書士に相談することです。早い段階で相談すれば、選択肢は広がり、無理のない形で自己破産を進められるでしょう。
グリーン司法書士法人では、借金問題の解決に向けた無料相談を承っております。「早く借金問題から解放されたい」「もう自力で返済するのが難しい」という方は、お早めにご相談ください。
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