任意整理でボーナス払いは可能?返済計画に組み込む際の注意点も解説

司法書士市川有美

監修者:グリーン司法書士法人   市川有美
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第9784号 【保有資格】司法書士

任意整理
任意整理でボーナス払いは可能?返済計画に組み込む際の注意点も解説

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 この記事を読んでわかること
  • 任意整理でボーナス払いをするメリット
  • 途中でボーナスが減った・出なくて返済が苦しくなった場合の対処法
  • 任意整理でボーナス払いを選択するリスク

任意整理を検討している方の中には、「ボーナス払いを返済計画に組み込めるのか」「毎月の返済額を抑えるために、ボーナスをあてにしても問題ないのか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

任意整理は、裁判所を通さずに債権者と直接交渉し、将来利息のカットや返済条件の見直しを行う手続きです。そのため、返済方法についても比較的柔軟に話し合うことができ、ボーナス払いを含めた返済計画が認められるケースもあります。

しかし、ボーナスは会社の業績や個人評価によって変動し、必ず支給されるとは限らない収入です。安易にボーナスを前提とした返済計画を立ててしまうと、途中で返済が苦しくなり、再び借金問題に悩むことになりかねません。

本記事では、任意整理の手続き内容やボーナス払いを組み込む場合の注意点などについて解説します。

1章 そもそも任意整理とは?ボーナス払いはできる?

任意整理とは、裁判所を通さずに債権者と直接交渉し、将来利息のカットや返済条件の見直しを行う債務整理の方法です。元本は減額されませんが、利息や遅延損害金を整理することで、毎月の返済負担を軽減できます。

任意整理では、返済期間や返済方法について、債権者ごとに個別に話し合いを行います。そのため、返済計画の自由度が比較的高く、ボーナス払いを含めた返済方法が認められるケースもあります。

また、交渉の過程で、債権者側からボーナス払いを含めた返済計画を提案されたり、求められたりする場合もあります。これは、毎月の返済額を抑える代わりに、ボーナス時にまとまった返済を行うことで、全体として確実に回収できると判断されるためです。

ただし、ボーナス払いは必ず認められるわけではありません。任意整理は「今後、安定して返済を続けられるか」が重視されるため、ボーナスが不安定な収入と判断されれば、ボーナス払いを組み込むのは難しいでしょう。

2章 任意整理でボーナス払いをするメリット

ここでは、任意整理でボーナス払いをするメリットを解説します。

2-1 弁済期間が短くなる

任意整理でボーナス払いを組み込んで年間の返済総額を増やせば、弁済期間を短縮できます。

例えば、任意整理後の返済額が毎月2万円、返済期間が5年(60ヶ月)の場合、総返済額は120万円です。ここに、年2回・各5万円のボーナス払いを組み込むと、年間で10万円を追加で返済できることになります。

ボーナス払いによって年間の返済額が増えれば、当初は5年かかる予定だった弁済期間を4年以内に短縮できます。弁済期間が短くなって完済のタイミングが近づけば、精神的な負担の軽減にも繋がるでしょう。

2-2 毎月の返済額を抑えられる

任意整理でボーナス払いを組み込むことで、毎月の返済額を抑えながら返済を続けられる点もメリットの一つです。

例えば、年間の返済額が36万円の場合、ボーナス払いを利用しないと、毎月3万円ずつ返済することになります。一方で、ボーナス払いを利用すれば、毎月の返済額を2万円に抑え、年2回・各6万円をボーナス時に支払うことで、同じく1年間で36万円を返済することが可能です。

このケースでは、年間の返済額は同じですが、ボーナス払いを併用することで毎月の返済額を1万円抑えることができます。生活費や固定費の支出が多い方にとっては、毎月の資金繰りに余裕を持たせやすくなる点は大きなメリットと言えるでしょう。

3章 途中でボーナスが減った・出なくて返済が苦しくなった場合の対処法

任意整理では、合意した返済計画に沿って返済を続けなければなりません。しかし、会社の業績悪化や人事評価の変更などにより、想定していたボーナスが減額されたり、支給されなくなったりすることもあります。

ボーナス払いを組み込んだ返済計画の場合、こうした状況の変化によって、当初の計画通りに返済を続けることが難しくなるケースも少なくありません。そのまま返済を滞納してしまうと、債権者との関係が悪化し、問題が大きくなってしまう可能性があります。

そのため、返済が厳しいと感じた段階で、状況に応じた対応を検討することが重要です。ここでは、ボーナスが減った・出なくなった場合に取るべき主な対処法について解説します。

3-1 債権者に連絡する

ボーナスが減額されたり支給されなくなったりして、返済が難しくなりそうな場合は、できるだけ早い段階で債権者に連絡することが重要です。返済期日を過ぎてから何も連絡せずに滞納してしまうと、債権者からの信用を損ない、その後の交渉が難しくなる可能性があります。

一方で、返済が厳しくなった事情を事前に説明したうえで相談すれば、一時的な支払い猶予や返済額の調整に応じてもらえるケースもあります。特に、ボーナスの減額や不支給といったやむを得ない事情がある場合には、交渉に応じてもらいやすいでしょう。

なお、任意整理を弁護士や司法書士に依頼している場合は、依頼先の専門家を通じて債権者に連絡するのが一般的です。専門家に相談しながら対応することで、余計なトラブルを避けやすくなるでしょう。

3-2 再和解を試みる

ボーナスの減額や不支給が一時的なものではなく、当初の返済計画を継続することが難しい場合には、債権者と再度話し合いを行い、返済条件の見直しである再和解を試みることになります。

再和解では、ボーナス払いを取りやめて毎月の返済額を見直したり、返済期間を再調整したりします。収入状況の変化を踏まえた条件に改めることで、無理なく返済を続けられる計画に立て直せる可能性があります。

ただし、再和解は債権者の合意が前提となるため、必ず認められるものではありません。すでに返済を滞納している場合や、当初の和解からあまり期間が経っていない場合には、条件変更に慎重な対応を取られる可能性もあります。

そのため、再和解を申し出る際は、現在の収入や生活費を整理したうえで、今後も継続して支払える現実的な返済額を明確に示すことが重要です。弁護士や司法書士といった専門家を通じて交渉を行えば、状況に即した条件調整を進めやすくなるでしょう。

3-3 他の借金がある場合は任意整理の追加介入を行う

ボーナスの減額や不支給によって返済が苦しくなった場合、任意整理の対象にしていない借金が家計を圧迫しているケースも少なくありません。そのような場合には、追加で任意整理を行う追加介入を検討しましょう。

任意整理は、借金ごとに整理の対象を選べる手続きです。そのため、当初は影響を避けるために対象外としていた借金や、後から返済負担が重くなった借金について、改めて任意整理の対象に加えることが可能です。追加介入によって利息のカットや返済条件の見直しができれば、毎月の返済額を抑え、全体の資金繰りを改善できる場合があります。

ただし、追加介入を行うと、新たに整理対象となった債権者との交渉が必要となり、手続きや費用が増える点には注意が必要です。

3-4 個人再生や自己破産を検討する

再和解や任意整理の追加介入を行っても返済の見通しが立たない場合には、任意整理以外の債務整理も検討しましょう。元本が減らない任意整理では解決が難しくても、個人再生や自己破産なら借金問題に対応することが可能です。

3-4-1 個人再生

個人再生は、借金を大幅に減額したうえで、原則3年で返済する手続きです。任意整理とは異なり、借金の元本を5分の1〜10分の1程度まで減らせます。

また、個人再生には住宅ローン特則があり、一定の条件を満たせば、住宅ローンを支払い続けながら自宅を手放さずに済む可能性があります。任意整理では返済が立ち行かなくなった場合でも、住まいを維持しながら生活を立て直せる点は、大きなメリットと言えるでしょう。

さらに、個人再生では、住宅ローン以外の財産についても、所有権留保のある自動車ローンなどを除き、直ちに処分されるわけではありません。そのため、自己破産と比べると、財産や生活への影響は比較的小さい傾向があります。

ボーナスが減額・不支給となったものの、毎月一定の収入があり、減額後であれば返済を続けられる見込みがある場合には、任意整理から個人再生へ切り替えることで、借金問題の解決を目指しやすくなるでしょう。

3-4-2 自己破産

自己破産は、裁判所に申し立てを行い、原則として借金の返済義務を免除してもらう手続きです。収入が大きく減少し、今後も安定した返済の見込みが立たない場合には、生活を立て直すために選択する必要があるでしょう。

自己破産では、一定の財産を処分する必要がありますが、生活に必要な最低限の財産まで全て失うわけではありません。現金や家財道具などは、法律で定められた範囲内で手元に残すことができます。また、借金の返済が免除されることで、収入を生活費や将来のために充てられるようになります。

一方で、自己破産をすれば、住宅や高額な財産は原則として手放すことになるうえに、手続き中は一部の職業に就けないなどの制限を受ける場合があります。そのため、住まいを維持したい場合や、一定の収入が見込める場合には、個人再生の方が適しているケースもあります。

自己破産が適しているかは、収入状況や財産の内容、今後の生活設計によって異なります。返済が行き詰まっている場合には、一人で抱え込まず、専門家に相談したうえで、他の手続きと比較しながら検討することが大切です。

4章 ボーナス払いは利用せずに繰上返済を行うのがおすすめ

任意整理ではボーナス払いを返済計画に組み込むこともできますが、返済の安定性を重視するのであれば、毎月の返済だけで完結する計画を立て、ボーナスは繰上返済に充てるのがおすすめです。

ボーナスは、会社の業績や人事評価などによって支給額が変動し、場合によっては支給されないこともあります。そのため、ボーナスを前提に返済計画を組んでしまうと、想定外の事情が生じた際に、返済が一気に苦しくなるでしょう。

一方で、ボーナスに依存しない返済計画を立てておけば、実際にボーナスが支給された場合は余裕のある範囲で繰上返済を行うことが可能です。この方法であれば、ボーナスが出なかった場合でも返済計画が崩れにくく、結果として精神的な負担も軽減されます。

任意整理後の返済を安定して続けるためには、ボーナスを返済資金として扱うのではなく、余裕がある時に活用する資金と考えておくのが望ましいでしょう。

5章 借金の返済が滞ったらすぐに弁護士・司法書士に相談しよう

借金の返済が苦しい状況にもかかわらず、「次のボーナスが出れば対応できるかもしれない」「もう少し様子を見てから判断しよう」と、対応を先延ばしにしてしまう方も少なくありません。しかし、返済が難しい状態を放置してしまうと、選択できる対応が限られ、状況が悪化してしまう恐れがあります。

返済を滞納すると、債権者との信頼関係が損なわれ、交渉に応じてもらえる可能性が低くなります。さらに、遅延損害金が発生したり、一括請求を受けたりするなど、当初想定していなかった負担が生じるケースもあります。

状況の悪化を防ぐためにも、借金の返済が滞ったらすぐに弁護士・司法書士に相談しましょう。弁護士や司法書士に早めに相談すれば、現在の収入状況や返済状況を整理したうえで、複数の選択肢から最適な対応を取ることが可能です。

グリーン司法書士法人では、それぞれの状況に合わせて、無理のない解決方法を検討しています。債務整理後の生活への影響を抑えるためにも、一人で抱え込まず、早めに専門家へ相談してください。

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まとめ

任意整理にボーナス払いを取り入れることで、弁済期間を短縮できたり、毎月の返済額を抑えられたりします。しかし、ボーナスは会社の業績や人事評価などによって変動し、必ず支給されるとは限りません。そのため、ボーナスを返済の前提にした計画は、途中で返済が行き詰まるリスクを抱えやすい点には注意が必要です。

また、ボーナスの減額や不支給などにより返済が難しくなった場合でも、再和解や任意整理の追加介入、個人再生、自己破産などで対応できる可能性があります。返済が苦しくなってから慌てて対応すると選択肢が狭まるため、早い段階で専門家に相談することが重要です。

グリーン司法書士法人では、債務整理に強い専門家として借金問題の解決をサポートしています。無料相談も実施しておりますので、借金問題でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。

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任意整理に関してよくある質問

ここでは、任意整理に関してよくある質問に回答します。

債権者からボーナス払いを求められたら従うしかありませんか?
債権者からボーナス払いを含めた返済計画を提案された場合でも、必ずしも従わなければならないわけではありません。ボーナス払いを組み込まない形で返済できないか、交渉することは可能です。
交渉の中では、毎月の返済額を見直す、返済期間を調整するなど、ボーナスに依存しない返済計画を提示することも検討されます。実際の交渉では、現在の収入状況や生活費を踏まえ、無理なく継続できる内容であることを説明することが重要です。
ただし、毎月の返済額を下げる余地がなく、ボーナス払いを組み込まなければ合意が難しいケースもあります。その場合には、ボーナス払いを含めた返済計画を受け入れるか、任意整理対象の借金を増やすか、別の債務整理を検討する必要があるでしょう。
任意整理後の返済を滞納するとどうなりますか?
任意整理後の返済を2ヶ月以上滞納してしまうと、借金の残債を一括で請求される可能性があります。これは、和解で定めた返済条件に違反したと判断され、分割払いの前提が崩れてしまうためです。
ただし、返済が1回遅れそう、または遅れてしまった段階で早めに相談すれば、再和解や追加介入など、状況に応じた対応を検討できる余地はあります。返済が難しいと感じた時点で専門家に相談し、今後取れる選択肢を整理することで、状況の悪化を防げる可能性があります。

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