債権回収会社から身に覚えがない電話が来たらどうする?対処法とは

司法書士市川有美

監修者:グリーン司法書士法人   市川有美
【所属】大阪司法書士会 登録番号大阪第4555号 【保有資格】司法書士

借金返済の知識
債権回収会社から身に覚えがない電話が来たらどうする?対処法とは

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 この記事を読んでわかること

  • 「債権回収会社」とは
  • 債権回収会社から身に覚えがない電話が来たときの対処法
  • 詐欺や架空請求の場合の見極め方

債権回収会社から突然督促の電話を受けたら、「身に覚えがない会社から取り立てがきた」と焦ったり憤りを感じたりするかもしれません。このときに大切なことは、実在する債権回収会社からの連絡かどうか確認することです。

昨今、詐欺や架空請求は身近に起こっている出来事であり、そのような場合は一切取り合わないことが原則です。しかし、正規の債権回収会社からの連絡であった場合、無視や放置は危険です。

今回は、債権回収会社から身に覚えがない電話を受けた場合に取るべき行動や、その対処法について解説します。

1章 債権回収会社とは

債権回収会社とは、法務大臣の許可を得て金銭債権の管理回収を行う法人のことです。サービサーとも呼ばれ、「債権管理回収業に関する特別措置法」(通称:サービサー法)に基づき運営されています。

債権回収会社の主な業務は、債権者から債権を買い取り、債務者からその債権を回収することです。当然怪しい会社などではありません。

法務省のホームページには、許可をした債権回収会社の社名や電話番号が公開されています。知らない債権回収会社から請求を受けた場合には、まずこちらの一覧で確認すると良いでしょう。

法務省「債権管理回収業の営業を許可した株式会社一覧

1-1 債権回収会社から突然電話がかかってくる理由

借金の返済が1〜2度遅れたからといって、ある日突然債権回収会社から電話がかかってくるわけではありません。最初に借入をした金融機関やカード会社が、債権回収会社に債権の回収を委託したり債権を売却したりするまでには、一定期間の経過があります。

貸付をしたものの返済されず滞納が長期化し、自力での回収は時間やコストがかかると判断した場合に、貸し手の企業は債権回収会社の利用を選択します。

つまり、債権回収会社から突然電話がかかってくるのは、度重なる借金の返済に応じず、滞納が長期にわたる状況にあるためです。

1-2 債権回収会社からの電話に身に覚えがない理由

身に覚えのない債権回収会社から電話がかかってきた場合、次のような理由が考えられます。

  • 借金したときと債権者が変わっている
  • 督促等の通知を受け取れなかった(住民票を他の場所にしていた)
  • 家族が勝手に借りていた
  • 詐欺や架空請求

詐欺や架空請求以外の理由では、何らかの対処が必要です。

身に覚えがないからと放置していると、債務者と連絡が取れず支払いに向けた交渉が進まないとして、自宅を訪問される可能性があります。最終的には法的な措置を取られることになるでしょう。

具体的には、裁判所を通して通知が届き、給与や預金などの差押えによって債権の回収を図ろうとします。債権回収会社から通知が来たときには、法的措置の一歩手前だと考えてよいでしょう。

2章 債権回収会社から身に覚えがない連絡が来たときにすべきこと

債権回収会社から連絡があったときに、身に覚えがないから詐欺だと決めつけ無視することは危険です。

たとえ借りた覚えのない会社からの請求であっても、まず次の3点を確認するようにしましょう。

    • 債権回収会社の名称・電話番号が正しいか確認する

    • 何の借金についての連絡か確認する

    • 借金の時効が成立していないか確認する


2-1 債権回収会社の名称・電話番号が正しいか確認する

債権回収会社として営業するには法務大臣の許可が必要です。つまり、許可を得ていない業者は違法であると考えられます。

1章に掲載した法務省の「債権管理回収業の営業を許可した株式会社一覧」で、債権回収会社の名称や電話番号を確認しましょう。 

この一覧に掲載されていない債権回収会社名を語る業者は、違法な業者だと判断できます。

2-2 何の借金についての連絡か確認する

身に覚えがない債権回収会社だと思っても、何の借金についての連絡か確認しましょう。話をよく聞き思い出してみると、心当たりがあると気づくケースもあります。

注意しなければならないのは、債権者が債権回収業務を委託している場合、借金している金融機関やカード会社と債権回収会社との社名が異なるため、勘違いしてしまうことがある点です。

一例を挙げると、次の主な債権回収会社では、下記の取引先の債権を取り扱っています。 

債権回収会社 債権の取り扱いがある取引先
日本債権回収株式会社
(法人番号 2010001070337)
・オリエントコーポレーション
・みずほ銀行 など
アビリオ債権回収株式会社
(法人番号 5010001132002)
・SMBCコンシューマーファイナンス(プロミス)など
ニッテレ債権回収株式会社
(法人番号 5010401023016)
・ドコモ(dカード)
・DCMX
・クレディセゾン
・ソフトバンク など

たとえば、オリエントコーポレーションからの借入の返済を滞納した場合、日本債権回収株式会社から連絡を受けることになります。

債権回収会社の社名・電話番号と借金の内容を確認した時点で、架空請求・詐欺であるのか、元々借り入れした会社と債権回収会社が異なるため身に覚えがないのか、どちらなのかを特定することが大切です。

架空請求や詐欺でない場合、放置しているとどんどんリスクが高まります。

2-3 借金の時効が成立していないか確認する

もう何年も前に借りて忘れていた借金について、債権回収会社から連絡を受けることもあります。そのようなケースでは、社名に心当たりがないばかりか、借金していたこと自体忘れているという人も少なくありません。

ずっと以前の借金について債権回収会社から連絡が来た場合は、「消滅時効」が完成している、あるいはもうすぐ完成する可能性も考えられます。

「消滅時効」とは、債権者が請求をしないまま一定期間が経過した場合に、返済義務がなくなる制度です。これに該当する場合、時効の確認をして時効援用の手続きを行うことで、借金の返済義務がなくなる可能性があります。

次の章で詳しく解説します。

3章 債権回収会社から身に覚えがない電話が来たときの対処法

債権回収会社から身に覚えのない電話や通知が来たときには、冷静に対処すべきです。

次の3つのパターン別に、対処法を解説します。

    • 架空請求・詐欺と判明した場合

    • 借金・料金滞納に心当たりがある場合

    • 5年以上前の借金について連絡が来た場合


3-1 架空請求・詐欺の場合の対処法

架空請求や詐欺などのいわゆる迷惑電話は、発信者不明の非通知の電話番号からかかってくることが少なくありません。他にも、いろいろな個人の番号からかけてくることもあります。

かかってきた電話に身に覚えがなく、架空請求・詐欺の可能性がある場合は、次の対処を行いましょう。

3-1-1 実在する債権回収会社か確認する

まずは、電話がかかってきたときの対応です。

債権回収会社を名乗る相手の話し方や内容を、注意して聞きます。正規の債権回収会社の担当者であれば、あなたの債務について丁寧な説明があるでしょう。

電話を切ったら、実在する債権回収会社かどうかを確認します。1章で掲載した法務省の「債権管理回収業の営業を許可した株式会社一覧」で社名をチェックしましょう。

3-1-2 債権回収会社の正しい連絡先に問い合わせする

実在する債権回収会社の社名を名乗っていても、架空請求の場合もあります。

社名は実在するが覚えがない、話す内容に違和感を感じるなどの場合には、一度電話を切ってかけ直してみるのも有効です。

その際は、債権回収会社の正しい連絡先を確認して問い合わせましょう。法務省のHPに掲載されている債権回収会社の連絡先に問い合わせると、本当にその債権回収会社から請求されているのかを確認できます。

3-1-3 連絡を無視する

詐欺であると判明したら、その後の連絡はすべて無視しましょう。電話で伝えられた連絡番号や、郵送されてきた書類に記載されている連絡先に、絶対に連絡をしてはいけません。

電話に出ることで、この番号は実際に使用されており所有者は電話に出る意思があると、詐欺業者は判断します。再び電話をかけてきて、金銭を騙し取ろうとしたり、電話番号を犯罪集団のネットワークに流したりする可能性があります。

3-1-4 請求に応じない

詐欺であると判明した場合、もちろん請求にも一切応じてはいけません。

中には、「請求に応じないと自宅や勤務先に集金に行く」などと脅してくるケースもあります。怖くなり、少額だからと慌てて支払ってしまうことがないよう注意しましょう。

一度でも支払ってしまうと、さらに新たな請求を受ける可能性が高くなります。

3-1-5 警察に相談する

詐欺や架空請求被害の相談先として、警察相談専用電話「#9110」や、各都道府県警察の被害相談窓口があります。

「#9110」とは、「110番」と異なり緊急の対応を必要としない警察への相談窓口です。また、各都道府県警察の被害相談窓口では、さまざまな被害に遭った人からの相談に応じています。

近年、手口が複雑化しているため、悪質な場合には最寄りの警察署に直接相談しましょう。

3-1-6 消費生活センターに相談する

消費生活センターにも、電話で相談ができます。

全国どこからでも、局番なしで3桁の電話番号「188(いやや!)」にかけると、最寄りの消費生活センターや消費生活相談窓口につながり、専門の相談員がトラブル解決を支援してくれます。

3-2 借金・料金滞納に心当たりがある場合

督促された借金や料金滞納に心当たりがある場合、支払えないからと無視をしてはいけません。そのまま放置していても、さらに遅延損害金が加算され続け、法的措置を取られることになるでしょう。

電話では、慌てて自分が不利になる対応をしてしまう可能性があります。そのため、明確な返事は避け、あらためて折り返し連絡することを日時も含めて伝えます。

電話の内容や受け答えの状況をメモに取り、早急に司法書士や弁護士に相談されることをおすすめします。

3-3 5年以上前の借金について連絡が来た場合

連絡がきた借金について、5年以上返済をしていない場合には、「消滅時効(しょうめつじこう)」といって借金の返済義務が消滅し、返済を拒否できる可能性があります。

具体的には、「債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間、権利を行使しないとき」または「権利を行使することができる時から10年間、権利を行使しないとき」の、いずれか短いほうが経過した場合、時効によって債権が消滅します(民法第166条)。

借金の消滅時効が完成するには、次の条件が満たされていなければなりません。

    • 返済期日から5 年または10年の消滅時効期間が経過している

    • 裁判や支払督促、催告などの時効の更新がない

    • 債務を承認する行動をしていない

    • 時効援用の手続きをしている

最後の「時効援用の手続き」とは、「借金はすでに消滅時効を迎えているので、返済しません」と債務者に伝える手続きです。ただし、時効の援用は失敗すると時効のカウントがリセットされ、一括請求されるリスクもはらんでいるため、慎重に行う必要があります。

そのため、返済が滞り始めた時期がはるか昔の場合は、専門家に相談しましょう。

4章 借金の完済が難しいなら債務整理を検討しよう

取り立てを受けた借金について完済することが難しいなら、「債務整理」を検討してみましょう。債務整理とは、債権者との交渉や裁判所での手続きを経て、借金の減額や免除などが受けられる手続きです。

債務整理の主な種類には、次の3つがあります。

4-1 任意整理

「任意整理」とは裁判所の関わりなく、債権者と直接交渉し、借金の返済条件を変更する手続です。今より家計の負担が減り、生活が楽になったと実感できるでしょう。

裁判所を通さないため、比較的簡単に行える点が特徴です。また、配偶者や家族に内緒にしたい人にとって、バレにくい手続です。

ただし、完済後も5年間は信用情報機関に事故情報が登録されるため、新たな借入が制限されることがあります。

4-2 個人再生

「個人再生」とは、大幅に減額してもらった借金を原則3年間で完済するよう再生計画案を作成し、裁判所に認可をもらう手続きです。具体的には、借金の元本を5分の1程度に減額でき、再生計画どおりに完済すると、減額した分の借金について支払義務がなくなります。

また、住宅ローン特則を利用することで、持ち家を維持しながら債務整理を行えるという特徴があります。任意整理では返済できない多額の借金がある場合や、自宅など処分したくない財産がある場合に個人再生は大変有効な手続きです。

ただし、信用情報機関に事故情報が登録され、完済後も5年間は新たな借入が制限されます。手続きには時間と費用がかかりますが、司法書士や弁護士など専門家の支援を受けることでスムーズに進めることが可能です。

4-3 自己破産

「自己破産」とは、税金の滞納分などを除いた借金の返済義務を法的に免除してもらう手続きです。原則的に返済義務がなくなるという大きなメリットがある一方で、持ち家や車など高価な財産を失うリスクがあります。また、信用情報に事故情報が登録され、7年間は新たな借入ができなくなります。

しかし、収入がないなどの理由で借金返済の目処が立たない人にとって、自己破産は借金をゼロにして人生を再スタートできる強力な手続きです。

まとめ|身に覚えのない請求でも放置はNG。正しい確認と早めの相談が安心への近道

債権回収会社から突然電話が来ると、不安や恐怖を感じてしまうものです。しかし、正規の債権回収会社からの連絡であれば無視は危険であり、反対に詐欺や架空請求であれば一切相手にしないことが重要です。
まずは落ち着いて、会社名・電話番号・請求内容が正しいのかを確認し、状況を事実ベースで整理しましょう。

借金や未払いに心当たりがある場合は、放置すれば法的措置や差押えに発展するリスクもあります。連絡の内容が正しいか判断できない、時効の可能性がある、そもそも返済の見込みが立たない……このような状況にあるなら、早い段階で専門家に相談することが最善です。

「何から手をつければいいかわからない」と感じていても大丈夫です。適切な確認と専門家のサポートがあれば、確実に対処できる方法が見つかります。焦らず、まずは一歩を踏み出しましょう。

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