カードローンの借り換えはすべき?メリット・デメリットと選ぶポイント

   司法書士山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第8849号 / 東京都行政書士会所属 会員番号第14026号 【保有資格】司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

借金返済の知識
カードローンの借り換えはすべき?メリット・デメリットと選ぶポイント

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 この記事を読んでわかること
  • カードローンの借り換えとはなにか?
  • カードローンの借り換えに必要な審査
  • カードローンの借り換えをした場合のシミュレーション
  • カードローンの借り換えのメリット・デメリット
  • カードローンの借り換え先を選ぶ際のポイント 

カードローンの返済をする中で「利息が高いな…」と感じたら、カードローンの借り換えが有効なケースもあります。

カードローンの金利は会社ごとに異なるため、現在利用しているカードローンよりも金利が低い会社に借り換えればその分利息を抑えることができます。

一方、カードローンの借り換えが必ずしも有効とは限りませんので、借り換えがどのような仕組みなのか、どのようなデメリットがあるのかなどを理解しておく必要があります。

1章 カードローンの借り換えとは

カードローンの借り換えとは、新たにカードローンを契約してお金を借り、そのお金で現在契約しているカードローンを返済することを言います。

例えば、A社から借り入れている100万円を借り換える場合には、新たにB社から100万円を借り入れて、その100万円でA社の借り入れを一括返済します。

金利を低くしたり、利用限度額を増額したりするために行うのが一般的です。

2章 カードローンの借り換えには審査が必要

カードローンの借り換えとはいえ、新たにカードローンを契約することには変わりありません。そのため、初めてカードローンを申し込む時と同様に審査があります。

カードローンの審査は会社ごとに基準があるため、一概には言えませんが、勤務先や年収、過去の返済情報(延滞・滞納がないかなど)などで判断されるのが一般的です。

そのため、現在のカードローンで延滞や滞納がある、当初の契約時よりも年収が減っている、転職して勤続年数が短くなっているといった事情があるようなケースでは新たなカードローンの審査に通らないこともあります。

誰でもカードローンの借り換えができるというわけではないということは理解しておきましょう。

3章 カードローンを借り換えた場合のシミュレーション

ここではカードローンを借り換えた場合のシミュレーションをしていますので、自身の状況に近いケースを参考にしてみてください。

3−1 借入額30万円の場合

現在の金利18%→借り換え後の金利15%
現在(金利18%)借り換え後(金利15%)
【返済額 月々3万円】
●返済期間:12ヶ月
●返済総額:330,719円
●利息総額:30,719円
【返済額 月々3万円】
●返済期間:11ヶ月
●返済総額:325,128円
●利息総額:25,128円
【返済額 月々2万円】
●返済期間:18ヶ月
●返済総額:346,025円
●利息総額:46,025円
【返済額 月々2万円】
●返済期間:17ヶ月
●返済総額:337,169円
●利息総額:37,169円
【返済額 月々1万円】
●返済期間:41ヶ月
●返済総額:406,749円
●利息総額:106,749円
【返済額 月々1万円】
●返済期間:39ヶ月
●返済総額:382,172円
●利息総額:82,172円

3−2 借入額50万円の場合

現在の金利18%→借り換え後の金利15%
現在(金利18%)借り換え後(金利15%)
【返済額 月々3万円】
●返済期間:20ヶ月
●返済総額:585,929円
●利息総額:85,929 円
【返済額 月々3万円】
●返済期間:19ヶ月
●返済総額:569,077円
●利息総額:69,077円
【返済額 月々2万円】
●返済期間:32ヶ月
●返済総額:638,930円
●利息総額:138,930円
【返済額 月々2万円】
●返済期間:31ヶ月
●返済総額:609,010円
●利息総額:109,010円
【返済額 月々1万円】
●返済期間:96ヶ月
●返済総額:950,726円
●利息総額:¥450,726円
【返済額 月々1万円】
●返済期間:81ヶ月
●返済総額:800,344円
●利息総額:300,344円

3−3 借入額100万円の場合

現在の金利15%→借り換え後の金利13%
現在借り換え後
【返済額 月々7万円】
●返済期間:16ヶ月
●返済総額:1,117,886円
●利息総額:117,886円
【返済額 月々7万円】
●返済期間:16ヶ月
●返済総額:1,100,315円
●利息総額:100,315円
【返済額 月々5万円】
●返済期間:24ヶ月
●返済総額:1,168,418円
●利息総額:168,418円
【返済額 月々4万円】
●返済期間:23ヶ月
●返済総額:1,141,854円
●利息総額:141,854円
【返済額 月々3万円】
●返済期間:44ヶ月
●返済総額:1,315,295円
●利息総額:315,295円
【返済額 月々3万円】
●返済期間:42ヶ月
●返済総額:1,258,176円
●利息総額:258,176円

4章 カードローンの借り換えが向いている人・向いていない人

上手に使えば月々の返済額を減らせたり、返済期間を短くできたりする借り換えですが、すべての人に向いているわけではありません。

ここではカードローンの借り換えが向いている人・向いていない人について解説します。

向いている人向いていない人
・現在契約中のカードローンの金利が高いと感じている人
・現在契約中のカードローンが不便だと感じている人
・現在契約中のカードローンの利用限度額が少ないと感じている人
・過去5年以内に返済を延滞・滞納したことがある人
・過去5年以内に任意整理をしたことがある人
・現在のカードローンの金利が比較的低い人

4−1 カードローンの借り換えが向いている人

4−1−1 現在契約中のカードローンの金利が高いと感じている人

貸付に対する金利は法律で以下のような上限が設けられています。

横スクロールできます

借入額10万円未満10〜100万円100万円以上
金利年20%年18%年15%

この上限金利ギリギリで設定されている場合、現在よりも金利の低いカードローンがある可能性が高いでしょう。

そのため、借り換えをすることによって金利を下げられる可能性があります。

4−1−2 現在契約中のカードローンが不便だと感じている人

返済方法が不便だと、延滞や滞納の原因になります。

  • 提携しているATMが少なく、返済しづらい
  • 返済のたびに手数料がかかる
  • 返済期日が選べず、給料日とタイミングが合わない

など、現在の契約しているカードローンが不便だと感じている方は、借り換えを検討しても良いかもしれません。

4−1−3 現在契約中のカードローンの利用限度額が少ないと感じている人

カードローンの限度額は、会社によって様々です。収入などによっても変動します。

元々の利用限度額に余裕のあるカードローンを利用しておけば、いざというときでも慌てて増額の申込みをしなくても済みます。

ただし、あまり利用限度額を多くしておくと、際限なく借り入れを続けてしまい、取り返しのつかないことになってしまう可能性があります。

ご自身の収入などを鑑みて、節度のある範囲で利用するようにしましょう。

4−2 カードローンの借り換えが向いていない人

4−2−1 過去5年以内に返済を延滞・滞納したことがある人

過去5年以内にカードローンや自動車ローン、携帯本体の割賦金などを延滞・滞納したことがある人は、信用情報機関(いわゆるブラックリスト)に事故情報が登録されている可能性があります。

ブラックリストに事故情報が登録されると、新しいカードローンの審査に通らないため、そもそも借り換えが難しいでしょう。

4−2−2 過去5年以内に任意整理をしたことがある人

過去5年以内に任意整理をしている場合にも、ブラックリストに事故情報が登録されます。

任意整理では、手続きをする借り入れを選択することができますが、任意整理をした事実は信用情報機関に登録され、手続きをしていない金融機関にも伝わるのです。

そのため、新しいカードローンの審査を通過することができなくなります。

4−2−3 現在のカードローンが比較的低い人

前項でもお話しましたが、貸付に対する金利は法律で以下のような上限が設けられています。

横スクロールできます

借入額10万円未満10〜100万円100万円以上
金利年20%年18%年15%

上限金利よりも大幅に低い金利で借り入れをしている場合には、今より低いカードローンを探すのは難しいかもしれません。

5章 カードローンを借り換えるメリット

カードローンを借り換えるのは以下のようなメリットがあります。

  • 金利が安くなる
  • 借金を一本化して返済管理がしやすくなる
  • 利便性の高いカードに変更できる

それぞれ詳しく解説します。

5−1 金利が安くなる

カードローンの借り換えの大きなメリットは、金利が安くなることです。

3章のシミュレーションを見ていただければ分かる通り、現在よりも金利の低いカードローンに借り換えれば、その分返済総額が少なくなりますし、返済期間も短くなります。

支払い方法を工夫すれば、毎月の返済額を減らすこともできるでしょう。

5−2 借金を一本化して返済管理がしやすくなる

1社のカードローンを1社で借り換えるのではなく、複数社のカードローンを1社で借り換えれば借金を一本化することができます。

借金が一本化すれば、毎月の返済もまとめてできるため管理しやすくなります。

また、場合によっては金利を下げることもできるでしょう。

借金の一本化について詳しくは以下の記事を御覧ください。

5−3 利便性の高いカードに変更できる

返済方法や手数料などは、会社によって異なります。不便なものもあれば、利便性の高いものもあるでしょう。

返済方法が不便だと、延滞や滞納の原因になりますので、返済のしやすさも重要です。

最近では、以下のように利便性の高いカードも増えています。

  • 提携ATMが多く、コンビニなどでも気軽に返済できる
  • 返済の手数料が無料
  • スマホアプリで返済期日や返済額などをいつでも確認できる
  • 返済期日を複数日から選択することができる

利便性の高いカードに乗り換えられるものメリットでしょう。

6章 カードローンを借り換えるデメリット

カードローンの借り換えには、金利の低い会社や利便性の高い会社を選びなおせるなどのメリットがありますが、以下のようなデメリットもあります。

  • 選び方を間違えると金利が高くなる
  • 返済期間が長期化する可能性がある
  • 利便性が悪くなる

それぞれ詳しく解説します。

6−1 選び方を間違えると金利が高くなる

カードローンにはそれぞれ金利が設定されています。

利便性などを気にしすぎて、現在よりも金利が高い借り換え先を選んでしまうと、最終的な支払額が増えてしまいます。

借り換えをする際には、金利が高くならないよう慎重に選びましょう。

6−2 返済期間が長期化する可能性がある

カードローンの中には、月々の返済額が少なく設定されているものもあります。

毎月の負担額は軽減できますが、その分完済までの期間が長期化してしまいます。

長期化すると、支払う利息も増えますので、結果的に返済総額が増えることになります。

6−3 利便性が悪くなる

金利が低いカードローンを選んだものの、その会社の利便性が悪いこともあります。

金利を下げられても、毎月の返済が不便だと延滞や滞納の原因になります。

借り換えでは金利を下げることも大切ですが、返済が煩雑になってしまわないよう選ぶようにしましょう。

7章 カードローンの借り換え先を選ぶポイント

カードローンの借り換え先を選ぶ際には、以下のポイントを抑えておきましょう。

  • 現在のローンより金利が低いところを選ぶ
  • 使いやすいカードを選ぶ
  • おまとめローンも検討する

それぞれ詳しく解説します。

7−1 現在のローンより金利が低いところを選ぶ

「利便性を良くしたい」「利用限度額を増額したい」という目的でカードローンの借り換えを検討されている方もいらっしゃると思います。

とはいえ、せっかく借り換えをするのであれば、現在より金利の低い会社で借り換えるのがよいでしょう。

7−2 使いやすいカードを選ぶ

カードローンを返済する上で、「返済のしやすさ」「返済額の確認のしやすさ」なども重要です。

提携しているATMが少ないと、返済が億劫になってつい遅らせてしまうこともあります。また、返済期日が給料日の数日前だと、返済するお金がなく返済できなくなってしまうこともあるでしょう。

カードが使いにくいと、延滞や滞納の原因になりますので、以下のようにできるだけ使いやすいカードを選ぶようにしてください。

  • 提携ATMが多く、コンビニなどでも気軽に返済できる
  • 返済の手数料が無料
  • スマホアプリで返済期日や返済額などをいつでも確認できる
  • 返済期日を複数日から選択することができる

7−3 おまとめローンも検討する

おまとめローンもカードローンの借り換えの一種で、複数社の借り入れ分を1社に借り換えるものです。

例えば【A社30万円】【B社50万円】【C社20万円】といった形で借り入れをしているのを、D社から100万円借り入れをして、【D社100万円】と借金を一本化します。

おまとめローンを提供している金融機関は少ないですが、複数社から借り入れがある場合にはおまとめローンを検討してみるのもよいでしょう。

8章 カードローンの返済が厳しいときは債務整理も検討しよう

カードローンを金利の低い会社に借り換えても返済が難しそうな場合には、債務整理も検討しましょう。

債務整理は主に「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つです。

それぞれどのようなものか解説します。

8−1 任意整理

任意整理とは、債権者と交渉することによって将来発生する利息などをカットしてもらう手続きです。

個人再生や自己破産のように裁判所を通した手続きではなく、債権者と話し合うことで取り決めます。

そのため、家などの財産を失ったり、官報載ったりするリスクはありません。

債務整理の中でも最も手軽な手続きとなっています。

8−2 個人再生

個人再生とは、裁判所に申し立てることで、借金を5分の1〜10分の1程度に圧縮し、圧縮後の借金を原則3年で返済する再生計画を立てる手続きです。

個人再生では、財産を処分することなく借金を大幅に減額することができます。

8−3 自己破産

自己破産とは、裁判所に申し立てることで、借金の返済をすべて免除してもらう手続きです。

すべての借金がなくなりますが、その分所有している一定以上の財産は処分されてしまいます。

債務整理の中で最もハードルが高い手続きで、借入額が高額な方や、収入がない方におすすめしています。

9章 まとめ

カードローンの借り換えをすることで、金利を下げることができたり、利便性の高いカードに乗り換えられたりします。

しかし、借り換えには審査が必要であり、誰でもできるわけではありません。

また、借り換え先の選び方を間違えてしまうと、金利が高くなったり利便性が悪くなったりする可能性があります。

カードローンの借り換えをを検討されている方は、慎重に検討するようにしましょう。

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