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- クレジットカードの分割払いがおすすめできない理由
- クレジットカードの分割払いのメリット
- クレジットカードの分割払いを選ぶ際に確認すべきこと
- クレジットカードの分割払いの手数料の算出方法
- クレジットカードの分割払いを利用する際の注意点












目次 ▼
1章 クレジットカードの分割払いをやめた方がよい理由
クレジットカードの分割払いをやめた方がよい主な理由としては、次の5つが挙げられます。
- 分割手数料が発生する
- 将来の負担が増える
- クレジットカードを使いすぎてしまうおそれがある
- 返済額や残債の管理が難しくなる
- クレジットカードのキャッシング枠が減ってしまう
それぞれの理由を、詳しく見ていきましょう。
1-1 分割手数料が発生する
クレジットカードの分割払いには、一般的に分割手数料が発生します。これは購入金額を複数回に分けて支払う際に、各回の支払いに対して金利が加算されるためです。
たとえば、18万円の商品を6回払いで購入した場合、手数料は約8,000円にもなります。特に長期の分割払いでは手数料が大きくなり、総支払額が一括払いよりも大幅に増える可能性があるのです。
クレジットカードの分割払いを頻繁に利用すると、その都度発生する手数料が累積し、結果的に家計の負担が増大します。
1-2 将来の負担が増える
クレジットカードの分割払いを利用すると、将来の支払い負担が増大するリスクがあります。分割払いは一回の支払い額が比較的少なくなるうえに、将来の負担なので、意識しにくくなりがちです。
そのため、ほかにも分割払いを重ねてしまう人が少なくありません。将来の自分は他人に等しいという感覚で何度も利用すると、苦しむのは結局自分自身です。
複数の分割払いが重なると、月々の支払い総額が大きくなり、緊急に必要な物が買えなくなるリスクが生まれます。
分割払いは計画的に行わないと、予期せぬ出費や収入の変動に対応しきれず、結果として家計の圧迫につながることが懸念されます。
1-3 クレジットカードを使いすぎてしまうおそれがある
分割払いの利用で、クレジットカードを使いすぎる危険性があります。月々の負担が少ないために、購入判断に慎重さが欠けてしまって、無駄遣いにつながるからです。
その結果、毎月の支払い能力を超える請求額に迫ってゆき、気づいたときには大きな負担となるケースも少なくありません。また、分割払いは手軽であるゆえに、計画性が欠如しがちで、後々の支払いに苦労するケースが多いです。
1-4 返済額や残債の管理が難しくなる
クレジットカードの分割払いを利用すると、複数の支払いが同時進行するため、返済額や残債の管理が複雑化します。それによって、どれだけの負債が残っているのか把握しにくくなり、計画的な返済が困難になることがあります。
特に、複数の分割払いを利用している場合、各支払いの金利や残高を正確に把握することが重要ですが、管理が煩雑になり、見落としや計算ミスが発生しやすくなります。
1-5 クレジットカードのキャッシング枠が減ってしまう
クレジットカードの分割払いを利用すると、キャッシング枠の利用限度額が減少します。これは、クレジットカードの利用限度額は、ショッピング枠とキャッシング枠の合計で計算されるためです。
ショッピング枠の利用が増えると、その分キャッシング枠が減少し、急な出費に対応できなくなる可能性があります。計画的に利用しないと、いざというときにキャッシングが利用できないという事態に陥るリスクがあるのです。
なお、キャッシング枠の確認方法や増額・減額の方法については、以下の記事で詳しく取り上げています。ぜひ、参考にご覧ください。
2章 クレジットカードの分割払いを利用するメリット
クレジットカードの分割払いを利用する主なメリットとしては、次の5項目が挙げられます。
- 2回払いまでは手数料無料のクレジットカードが多い
- 高額な品物も購入できる
- 支払い回数を自分で設定できる
- ボーナス払いなど柔軟な支払い方法を選択できる
- 購入保証が付く場合もある
それぞれのメリットを、詳しく見ていきましょう。
2-1 2回払いまでは手数料無料のクレジットカードが多い
クレジットカードの多くは、2回払いまで手数料が無料です。これは、1回払いと同様に手数料がかからず、利用金額の半分を次の月にまわせるため、支払いの負担を軽減できます。
また、ボーナス払いも手数料がかからないカードが多く、一般的に年に2回あるボーナス月に支払えば、家計の負担を軽減できます。ただし、クレジットカード会社によっては例外もあるため、利用前に確認が必要です。
2-2 高額な品物も購入できる
クレジットカードの分割払いを利用すると、高額な品物の購入が容易になります。たとえば、パソコンや家電製品など、1回払いでは負担が大きい商品も分割払いであれば手軽に購入できるでしょう。
2回払いの場合、手数料がかからないため、実質的に無利子で支払いを分割できます。これは特に、高価な家電やブランド品を購入する際に便利です。
また、収入のタイミングに合わせて支払いを調整できるため、家計の管理がしやすくなります。
2-3 支払い回数を自分で設定できる
クレジットカードの分割払いでは、支払い回数を自分の都合に合わせて設定できます。通常、2回から24回、あるいは36回までの範囲で選択が可能です。
それによって、毎月の支払額を減らし、家計の負担を軽減できます。手数料もカードによって異なりますが、適切な支払い回数の設定により、計画的な返済が可能です。
2-4 ボーナス払いなど柔軟な支払い方法を選択できる
クレジットカードの分割払いには、ボーナス払いなど柔軟な支払い方法が挙げられます。ボーナス払いは、夏か冬のボーナス月に一括で支払う方法です。通常、手数料がかからないため、ボーナスを有効活用した支払いが可能です。
これは特に、大きな支出が必要な際に有効です。多くのクレジットカード会社が手数料なしでボーナス払いを提供しており、家計の負担を軽減するのに役立ちます。
ただし、ボーナス払いの取り扱いは、あくまでもクレジットーカードによって異なるので、利用前にクレジットカード会社の条件を確認することが重要です。
2-5 購入保証が付く場合もある
クレジットカードの分割払いを利用すると、購入商品に保証が付く場合があります。一部のクレジットカード会社では、高額商品の購入時に購入保証を提供しており、万が一の商品故障や盗難に対して保障されます。
購入保証が付けば、安心して高額商品を購入できます。たとえば、JCBカードやセゾンカードなどでは、購入日から一定期間内の保証が付いています。ただし、保証内容や期間はクレジットカード会社によって異なるため、詳細を確認しましょう。
3章 クレジットカードの分割払いをするときに確認すべきこと
クレジットカードの分割払いをする際に確認すべきこととして、次の3項目が挙げられます。
- 手数料がいくらになるか
- 自分の収入で支払い可能かどうか
- クレジットカードの利用限度額はいくらか
それぞれを詳しく見ていきましょう。
3-1 手数料がいくらになるか
クレジットカードの分割払いを利用する際には、まず手数料がいくらかかるかを確認するのが重要です。手数料は「実質年率」として表示され、支払い回数や利用額によって異なります。
たとえば、3回払いと10回払いでは手数料の負担が異なり、回数が増えるほど手数料も増加します。
手数料の計算は複雑で、元金に対して利息がかかるため、シミュレーションを利用して具体的な負担額を確認するとよいでしょう。シミュレーションに関しては、4章で詳しく説明しています。
各クレジットカード会社の公式サイトには、手数料シミュレーションツールが提供されている場合が多いです。また、手数料はクレジットカード会社ごとに異なるため、自分のカードの手数料率を事前に確認しておきましょう。
3-2 自分の収入で支払い可能かどうか
クレジットカードの分割払いを利用する前に、自分の収入で支払いが可能かどうかを慎重に検討するのが賢明です。毎月の返済額が自身の収入に対して過大でないか確認し、返済計画を立てましょう。
特に、長期間の分割払いを選択する場合、途中で収入状況が変わる可能性も考慮に入れるべきです。無理な返済計画は、結果的にほかの支払いに影響を与え、経済的な負担を増やす原因となります。
加えて、分割払いを複数回利用すると、その都度手数料が発生し、最終的な支払い総額が大幅に増える可能性があります。計画的に利用するためにも、収入と支出のバランスを常に確認し、無理のない返済プランを設定しましょう。
3-3 クレジットカードの利用限度額はいくらか
クレジットカードの分割払いを利用する際には、カードの利用限度額も確認する必要があります。限度額を超えてしまうと、新たな購入ができなくなるだけでなく、信用情報にも悪影響を与える可能性は否めません。
利用限度額はカード発行時に設定されており、カードの種類や利用者の信用状況によって異なります。特に高額な商品を購入する際には、事前に限度額を確認し、必要であれば増額申請も検討しましょう。
限度額を把握すれば計画的な利用が可能となり、無理な分割払いによる手数料の発生を避けられます。また、利用限度額を超えた場合のペナルティや追加手数料についても確認しておくとよいでしょう。
なお、クレジットカードの未払いが続いて、弁護士から連絡が来たときの対処法については、以下の記事で詳しく取り上げています。そちらもぜひ、参考にご覧ください。
4章 クレジットカードの分割払いを利用したときの手数料をシミュレーション
クレジットカード分割払いを利用した際の、手数料の算出は以下のようになります。
- 分割払手数料=利用額×(100円あたりの手数料額÷100)
- 支払総額=利用額+分割払手数料
- 1回あたり支払金額=支払総額÷支払回数
なお、「100円あたりの手数料」は各クレジットカード会社の会員規約に記載されている、分割回数ごとの実質年率で決定します。1回あたりの支払金額は1円単位で、端数がある場合は通常、初回に算入されるのが一般的です。
なお、ここでのシミュレーションにおいては、「100円あたりの手数料」を以下の表にもとづき計算します。
支払い回数(分割回数) | 手数料率(実質年率) | 分割払手数料(100円あたり) |
3回 | 12.25% | 2.04円 |
5回 | 13.50% | 3.40円 |
6回 | 13.75% | 4.08円 |
10回 | 14.50% | 6.80円 |
12回 | 14.75% | 8.16円 |
15回 | 15.00% | 10.20円 |
18回 | 15.00% | 12.24円 |
20回 | 15.00% | 13.60円 |
24回 | 15.00% | 16.32円 |
36回 | 15.00% | 24.48円 |
4-1 10万円の商品を2回払いで購入
10万円の商品を、2回払いで購入した場合のシミュレーションはシンプルです。一般的に2回払いは手数料がかからないので、購入金額を2で割った5万円が1回分です。
3回目以降は、各クレジットカード会社の設定した100円あたりの手数料をもとに、この次で説明する要領で算出します。
4-2 20万円の商品を10回払いで購入
20万円の商品を10回払いで購入した場合を、シミュレートしてみましょう。
- 分割払手数料=20万円×(6.80円÷100)=13,600円
- 支払総額=20万円+13,600円=213,600円
- 1回あたり支払金額=213,600円÷10回=21,360円
4-3 60万円の商品を36回払いで購入
60万円の商品を36回払いで購入した場合を、シミュレートしてみましょう。
- 分割払手数料=60万円×(24.48円÷100)=146,880円
- 支払総額=60万円+146,880円=746,880円
- 1回あたり支払金額=746,880円÷36回=20,746円+端数
なお、クレジットカードの分割払いのメリットとデメリット、手数料については、以下の記事でも詳しく取り上げています。そちらもぜひ、参考にご覧ください。
5章 クレジットカードの分割払いを利用するときの注意点
クレジットカードの分割払いを利用する際の注意点としては、次の3項目が挙げられます。
- 安易に分割回数を多くしない
- 収入に余裕があれば繰り上げ返済を検討する
- 分割払いの自力返済が難しければ債務整理を検討する
個別に補足しておきましょう。
5-1 安易に分割回数を多くしない
クレジットカードの分割払いを利用する際には、安易に分割回数を増やさないことが大切です。分割回数を増やすと、毎月の支払い額は小さくなりますが、手数料がその分高くなります。
前述のように、60万円の商品を36回払いで購入すると、月々は20,700円程度ですが総支払額は約746,900円にもなり、一括払いよりもはるかに高額になります。
また、多くの分割回数を設定すると、支払い期間が長期化し、将来の収入や支出に予測できない影響を与える可能性もあるでしょう。
計画的に支払いを行うためにも、分割回数は必要最小限に抑えるべきです。クレジットカードの分割払いは便利な反面、高い手数料と長期の返済義務が伴うため、慎重な検討が求められます。
5-2 収入に余裕があれば繰り上げ返済を検討する
クレジットカードの分割払いを利用している場合、収入に余裕が出たら繰り上げ返済が有効です。繰り上げ返済を行えば、分割払いの残高とその分の手数料を減らすことができます。
手数料は分割回数に比例して増加するため、早期に返済すれば総支払額を抑えられます。基本的に分割回数が多いほど年率も高くなるため、早めに返済することにより、およそ年率で12%から15%程度の手数料の節約が可能です。
繰り上げ返済の手続は、クレジットカード会社の公式サイトや電話で簡単に行えるので、手軽に実践できる対策です。計画的な返済を行えば、経済的な負担を軽減し、健全なクレジットヒストリーを維持できます。
5-3 分割払いの自力返済が難しければ債務整理を検討する
分割払いの返済が困難になった場合は、債務整理が有効な手段です。債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産などがあり、それぞれの方法で借金の減額や返済期間の延長ができます。
任意整理では、クレジットカード会社との交渉により返済条件の見直しが行われ、月々の返済額を減らせます。個人再生では、裁判所を通じて大幅な債務減免が可能で、自己破産では税金などを除くすべての借金の返済義務が免除されます。
債務整理を行うには、専門の弁護士や司法書士への相談が必要です。早めに専門家に相談すれば、適切な解決策を見つけられて、精神的な負担も軽減されます。
自身の経済状況を見極め、無理のない返済計画を立てるためにも、早い段階で債務整理を検討しましょう。ただし、債務整理を行うと、分割払いで購入した商品を引き揚げられてしまう可能性があるので、専門家に診断してもらうのが賢明です。
債務整理の主な種類ごとの特徴やメリット、デメリットについては、以下の表にわかりやすくまとめてあります。
任意整理 | 個人再生 | 自己破産 | |
特徴 | 裁判所を通さずに、債権者と直接交渉して借金の減額や返済計画の見直しを行う方法 | 裁判所に申立てを行い、借金の減額と返済計画の認可を得る方法 | 裁判所に申立てを行い、全ての借金を免除してもらう方法 |
メリット | ・手続が比較的簡単で費用が安い ・裁判所への申立て記録が残らない ・家族や勤務先に知られない | ・借金を大幅に減額できる ・ローン支払中の住宅や車などの財産を守れる ・将来、再び借金問題に陥る可能性が低い | ・借金が全て免除される ・新しい生活をスタートできる |
デメリット | ・減額できる金額は債権者との交渉次第 ・将来、再び借金問題に陥る可能性がある | ・裁判所への申立て記録が残る | ・裁判所への申立て記録が残る ・官報に掲載される ・一定期間、クレジットカードやローンを利用できない ・一定期間、就業制限を受ける |
適したケース | ・債務額が大きくなく、将来的に返済できる見込みがある場合 ・任意整理の詳細はコチラ ↓ 借金をなくせる任意整理とは?メリット・デメリットや向いている人 | ・一定収入はあるが債務額が大きく、任意整理では難しい場合 ・個人再生の詳細はコチラ ↓ 小規模個人再生とは|給与所得者再生との違いやメリット・デメリット | ・債務額が非常に大きく、他の方法では返済が難しい場合 ・自己破産の詳細はコチラ ↓ 自己破産とは?メリット・デメリットや手続きの流れを徹底解説 |
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まとめ
クレジットカードの分割払いには、便利な面もある一方で、注意すべきデメリットが存在します。特に、分割手数料や将来の負担増加、カードの利用過多によるリスク、返済管理の難しさなどが挙げられます。
これらの理由から、分割払いをやめるのが推奨される場合があります。一方で、分割払いを利用する際には手数料の確認や自分の収入とのバランス、利用限度額の把握が重要です。
また、安易に分割回数を増やさず、収入に余裕がある場合は繰り上げ返済を検討することも有効な手段です。慎重に利用することで、クレジットカードの利便性を最大限に活かしつつ、リスクを最小限に抑えることができます。
なお、クレジットカードの支払いがかさんで自力返済が難しい場合は、債務整理を検討しましょう。早い段階で債務整理を検討し、適切なアクションを起こすのが賢明です。
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