裁判所からの郵便物が届いたら放置はNG!受け取ったときの対処法

司法書士山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第8849号 / 東京都行政書士会所属 会員番号第14026号 【保有資格】司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

借金返済の知識
裁判所からの郵便物が届いたら放置はNG!受け取ったときの対処法

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「郵便局から郵便物が届いて中身を確認したら、裁判所からの郵便物だった!」

ある日突然、裁判所からの郵便物が届いたらどうしたら良いのか困ってしまいますよね。

普通に生活をしている中で、裁判所とは無縁だという方がほとんどだと思います。

裁判所からの郵便物が届いた場合、絶対に放置するのはやめましょう。ただし、すぐに対応するのではなく原因を突き止めて落ち着いて対応することが大切です。

また、裁判所からの郵便物は詐欺の可能性も否定できないため、安易に対応するのは大変危険です。特別送達という形で郵便物が届いていない場合は特に注意しましょう。

この記事は、裁判所からの郵便物についての正しい対処法を解説いたします。どう対応して良いのかお困りの方はご参考にしてください。

1章 裁判所からの郵便物は主に3種類

簡易裁判所などといった裁判所から郵便物が届く場合は、主に民事訴訟や民事調停を起こされた場合です。 裁判所から届く郵便物は、主に下記の3種類に分類できます。

  • 支払督促
  • 訴状
  • 調停の呼出状

それぞれの郵便物が届く原因を詳しく解説していきます。

1-1 支払督促

支払督促とは、債権者が裁判所を通して借金やローンの返済をするように促す郵便物のことです。

もし、自分が借金やローンの支払いを滞納し続けていて、督促状が頻繁に届いていた場合は、裁判所から支払督促が来る可能性が高いです。

再三に渡って、債権者が支払いをするように連絡していたにもかかわらず、無視を続けていた場合は債権者が裁判所を通してお金を支払うように依頼をします。

この裁判所を通した支払督促は、いわゆる最終警告のようなものです。

この支払督促も無視した場合は、支払督促に仮執行宣言が付いて強制執行に発展してしまいます。強制執行になると財産や給料を差し押さえられるため、必ず対応しなければいけません。

もし、借金に心当たりがない場合でも、自分で対応せずにすぐに専門家に相談しましょう。

1-2 訴状

訴状とは、裁判で請求する内容を記載した書面で、郵便で届きます。訴状が届いたということは、誰かに訴えられたということになります。

訴状に記載されている「原告」は訴えた人で、「被告」が訴えられたあなたということになります。

そのため、民事訴訟は自分では心当たりがなくても相手が訴えたいと感じる出来事があれば、裁判所からの郵便物として訴状が届いてしまいます。

訴訟を起こされる原因としては、対人トラブルや借金の返済、建物の明渡しなどなど様々です。

訴状が届いた場合は、自分に一切の心当たりがなくても出頭しなくてはいけません。そのまま放置してしまうと、相手の主張を全面的に認めることになってしまうからです。

もし訴状が届いたら、心当たりのあるなしに関係なく、まずは弁護士などの専門家に相談しましょう。

1-3 調停の呼出状

調停の呼出状とは、調停に来るように促す郵便物のことです。調停とは、調停委員が当事者双方の言い分を聞いて和解を促す手続きで、主に離婚や遺産分割などが調停の内容になることが多いです。

支払督促や訴状と異なり、緊急性が高い郵便物ではありませんが、なるべく書類の指示に従って対応するのが好ましいです。

また、調停に欠席してもペナルティはありません。しかし、調停が調わなければ、訴訟に進んだり自分にとって不利な判決になる可能性があるのは覚えておきましょう。

2章 裁判所からの郵便物は特別送達で送られる

特別送達

裁判所からの郵便物は、特別送達といって裁判所の名前入りの封書で送付されます。

郵便配達担当者が直接手渡すことが原則です。重要書類のため、特別送達報告書に受け取った人の署名や押印を求められます。

また、内容も支払督促や訴訟の呼出状の事件番号が記載されているため、必ず何が原因で裁判所から郵便物が届いたのか確認しておくようにしましょう。

裁判所から届く郵便物となると、怖くて見たくないと思うかもしれませんが、放っておくと勝てる裁判も敗訴してしまいます。必ず中身は確認してください。

2-1 裁判所からの郵便物を装う詐欺に注意

裁判所からの郵便物は「特別送達」という特別な郵便で配達されることから、手渡し以外で届くことはありません。

例え、不在だったとしても郵便受けや宅配ボックスの中に投函されることはないので注意しましょう。

もし、郵便受けの中に裁判所宛ての郵便物が届いた場合は、絶対に連絡をしてはいけません。

基本的に無視して問題ありませんが、不安な場合や手が込んでいて詐欺かどうか判別がつきにくいという場合は近くの消費生活センターなどに相談しましょう。

また、借金やローンの滞納などで裁判所から郵便物が届いてもおかしくない状況の場合は、司法書士や弁護士などの専門家に相談するのが好ましいです。

3章 裁判所からの郵便物は絶対に放置してはいけない!

特別送達で裁判所からの郵便物を受け取った場合は、絶対に放置してはいけません。

もし放置してしまうと、そのまま差押えや敗訴につながり、自分が不利な状況に立たされることになってしまいます。

しかし、だからといって慌てて対応するのも実はよくありません。

なぜなら、昔の借金が原因で支払督促や訴状を受け取った場合、消滅時効の援用で解決できる可能性があるからです。

消滅時効とは、時効が完成したことを主張することで、借金の支払いを免れることができる手続きです。

消滅時効は、一般的な借金だけでなく損害賠償や税金などにも適用されます。そのため、もし時効が成立する可能性があればすぐに専門家に相談しましょう。

ここで、間違っても自分で時効を主張して連絡をしてはいけません。ちょっとした言葉のミスで時効が適用されずに、支払い義務が発生してしまうケースも考えられます。

放置するのは良くないですが、対応を間違えると取り返しがつかなくなります。自分で判断して対応するのは避けましょう。

3-1 特別送達は受け取り拒否できない

明らかな心当たりがあって、今後自分がどうなるのか想像をすると書類自体を受け取るのが嫌になるかもしれません。

しかし、残念ながら特別送達は受け取り拒否することはできません。

特別送達によって送達された裁判所からの郵便物は、法律で受け取り拒否することができないようになっています。

絶対に受け取らないと強い意志を見せたとしても、郵便配達員がその場に郵便物を置いていくことで送達したと見なされるほど効力が強いのです。

「それなら出なければいい」と居留守を使って玄関すら開けない場合は、特別送達が職場宛てに送られる可能性が高いです。

裁判所から郵便物が届いていて、尚且つ受け取らずに逃げ回っていることが職場にバレてしまうので、今後のことを考えても素直に受け取るのがベストな対応だと言えます。

3-2 無視を続けると差押えや家を競売にかけられる

支払督促や訴状が届いても無視を続けていると、強制執行に発展する可能性があります。

強制執行では、会社からの給料や預金口座が差し押さえられたり、車やブランド品など売ったらお金になる財産が差し押さえられてしまいます。

また、持ち家の場合には、家を競売にかけられてしまう場合もあるでしょう。

もし、家を競売にかけられてしまったら、今後住むことはできなくなり強制的に引越しをしなくてはいけません。今後の人生も大きく変わってしまうため、絶対に無視をするのはやめましょう。

4章 裁判所からの郵便物が届いたらすぐに専門家に相談しよう

心当たりのあるなしに関わらず、裁判所からの郵便物が届いたら、一人で対応しようとするのは絶対におすすめしません。

詐欺に引っかかって慌ててお金を支払ってしまったり、消滅時効が適用されずに支払い義務が発生したりと、自分の判断でしたことが裏目に出てしまい取り返しのつかないことになるケースも多いからです。

裁判所から郵便物が届いたら、すぐに専門家に相談するようにしましょう。

支払督促が届いたら、2週間以内に異議の申し立てをしなくてはいけません。もし異議の申し立てをしないと債権者が仮執行宣言の申し立てをして差し押さえに発展してしまいます。

差し押さえを防ぐためには、専門家の適切なアドバイスの指示のもと対応するのがおすすめです。

4-1 借金が原因なら債務整理を検討しよう

借金が原因で裁判所からの郵便物が届いた場合は、債務整理を検討するようにしましょう。

裁判所を通して支払いを請求されているということは、差し押さえ寸前の状態のため大変危険です。

当然、ここまで放置していたということは借金を支払えない状態であることは間違いないでしょう。しかし、支払えないからと黙っていても状況は好転しません。

このまま何もせずに借金問題を放置するのではなく、根本的な解決を目指すことが大切です。

何社からも借金をしている場合は、郵便物を送った債権者だけでなく、今後複数社から郵便物が届く可能性も十分に考えられます。

あちこちから差し押さえされているのでは、生活もままならない状況になってしまいます。

今回請求されていない他の借金やローンなども考えると、債務整理に踏み切った方が良いケースがほとんどです。

債務整理は、一般的に3つの方法があります。

債務整理の種類特徴
任意整理・借金の利息や遅延損害金など元金以外をカットする手続き
・長期的に返済している借金におすすめ
個人再生・借金の元金を大幅にカットする手続き
・車や持ち家など失いたくない財産がある方におすすめ
自己破産・全ての借金を免除することができる手続き
・支払い能力がなく返済不能に陥った場合におすすめ

それぞれ借金の残高や状況によっても、おすすめしたい手続きが異なるので、まずはご相談ください。

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5章 裁判所からの郵便物は早めの対応がベスト!

結論、裁判所からの郵便物が届いた場合は、自分で対応せずにすぐに専門家に相談をして一緒に対応を進めるのがベストです。

借金問題を解決するにせよ、心当たりがない訴状に反論するにせよ、裁判所が関わっている以上は一人で正確な対応をするのには限界があります。

状況が拗れて取り返しのつかないことにならないためにも、裁判所からの郵便物が届いたら勝手な自己判断で進めないようにしましょう。

早めの対応を心がけつつも、慌てて判断を間違えないためにも、ぜひ一度お問い合わせください。

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よくあるご質問

裁判所から届く郵便物は何?
裁判所から届く郵便物は、主に下記の通りです。
・支払督促
・訴状
・調停の呼出状
裁判所からの封筒が特別送達で届いた場合はどうすればいい?
裁判所から届く特別送達には支払督促や訴訟の呼出状の事件番号が記載されているため、必ず何が原因で裁判所から郵便物が届いたのか確認しておくようにしましょう。
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