経営者保証を外したい時に確認すべきポイント|ガイドラインも解説

司法書士渡邊優太

監修者:グリーン司法書士法人   渡邊優太
【所属】札幌司法書士会 登録番号札幌第1092号 / 北海道行政書士会所属 登録番号第17260997号 【保有資格】司法書士・行政書士

借金返済の知識
経営者保証を外したい時に確認すべきポイント|ガイドラインも解説

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 この記事を読んでわかること
  • 経営者保証を外したいと思う理由
  • ガイドラインの概要や利用条件
  • 経営者保証を外したい場合の対処法

法人融資の際に求められる場合がある経営者保証は、会社の資金調達を円滑にする一方で、社長個人に大きな負担をもたらす制度でもあります。会社の業績が悪化した場合には、経営者自身が個人資産で返済責任を負う可能性があるため、「できることなら外したい」と考える方も少なくありません。

近年では、経営者保証に関するガイドラインの整備により、一定の条件を満たせば保証を見直したり、外したりできるケースも増えています。しかし、「本当に外せるのか」「どのような手順で進めれば良いのか」が分からず、行動に移せない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、経営者保証に関するガイドラインの概要や利用条件について説明した後、経営者保証を外したい場合の対処法を解説します。個人保証の見直しを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

1章 経営者保証とは?外したい社長が多い理由

経営者保証とは、法人が金融機関から融資を受ける際に、代表者である社長が個人として返済を保証する仕組みです。万が一、会社が返済できなくなった場合には、保証人である社長個人が代わりに返済義務を負うことになります。

中小企業の融資では長年一般的に用いられてきた制度ですが、近年では経営者の負担が大きい点が問題視されるようになり、「できるなら外したい」と考える社長も増えています。ここでは、経営者保証を外したいと考える主な理由について見ていきましょう。

1-1 個人資産に影響が及ぶため

経営者保証を付けている場合、会社名義の借入であっても、返済できなくなれば社長個人が責任を負うことになります。つまり、会社の経営状況が悪化した際、その影響が直接個人の資産や生活にまで及ぶ可能性があるというわけです。

例えば、会社が倒産した場合や資金繰りが行き詰まった場合には、預貯金や自宅などの個人資産を返済に充てるよう求められることもあります。本来は法人として分離されているはずのリスクが、個人の生活基盤にまで広がる点は、経営者保証の大きな負担と言えます。将来の生活設計や家族への影響を考え、経営者保証を外したいと考えるのは自然なことでしょう。

1-2 事業承継やM&Aの障壁となるため

経営者保証は、事業承継やM&Aを検討する際の障壁になる場合があります。なぜなら、後継者や買い手が会社の経営を引き継ぐ際に、既存の借入に関する個人保証の引き継ぎを求められるケースがあるためです。

事業承継では、後継者候補が会社の将来性だけでなく、個人として多額の債務リスクを背負う可能性も考慮しなければなりません。その負担の大きさから、承継をためらったり、引き継ぎ自体が難しくなったりする恐れがあります。

また、M&Aの場面でも、個人保証の存在が交渉の障壁になります。保証の解除や条件変更が前提となる場合には、取引条件が厳しくなったり、交渉が長期化したりする可能性があります。このように、経営者保証は将来的な経営の引き継ぎや出口戦略にも影響を与えるのです。

1-3 事業の拡大が難しくなるため

経営者保証を背負っている場合、その心理的な負担が経営判断に影響を与えることがあります。なぜなら、事業上の意思決定の結果が、最終的に社長個人の資産や生活に直結する恐れがあるためです。

例えば、本来であれば成長に繋がる設備投資や新規事業への挑戦であっても、万が一失敗した際のリスクを考え、慎重になり過ぎてしまうかもしれません。個人保証による責任の重さが、リスクを取った戦略的な意思決定を難しくする場合もあるでしょう。

その結果、短期的な資金繰りや安定性を優先した経営に偏り、長期的な成長機会を逃してしまうリスクがあります。経営の自由度を高めたいという理由から、個人保証の見直しを検討する経営者も少なくありません。

2章 ガイドラインの整備によって経営者保証は外しやすくなっている

従来、法人融資における経営者保証は一般的な慣行として広く求められてきました。しかし近年では、経営者個人に過度な負担が集中することや、事業承継や新規挑戦の妨げになる点が問題視されるようになっています。

こうした背景から、金融機関と経営者の双方が適切な関係を築き、個人保証に過度に依存しない融資のあり方を目指すために整備されたのが経営者保証に関するガイドラインです。ここでは、経営者保証に関するガイドラインの概要や具体的な利用条件について見ていきましょう。

2-1 経営者保証に関するガイドラインとは

経営者保証に関するガイドラインとは、中小企業の資金調達において経営者個人への過度な負担を軽減し、個人保証に過度に依存しない融資慣行の普及を目的として策定された指針です。金融機関と経営者の双方が参考にする自主的なルールとして位置づけられており、保証契約の締結や見直しの場面で活用されています。

従来は、法人融資の際に代表者の個人保証を求めることが一般的でしたが、このガイドラインの整備により、会社の財務内容や経営体制が一定の基準を満たしている場合には、個人保証を付けない融資や、既存の保証の見直しが検討される余地が広がりました。

また、金融機関に対しては、安易に個人保証を求めるのではなく、法人としての信用力や経営状況を踏まえて判断する姿勢が求められています。一方で経営者側にも、法人と個人の資産を明確に区分することや、財務情報の透明性を高めることなどが期待されています。

近年の改定では、保証を前提としない融資の検討や、保証解除に向けた基準を明確にする動きも進んでおり、経営者にとって保証見直しの可能性を検討しやすい環境が整いつつあります。

2-2 経営者保証に関するガイドラインの利用条件

経営者保証に関するガイドラインを活用して個人保証を見直す場合、一定の条件を満たしている必要があります。代表的なポイントとして挙げられるのが、法人と経営者個人の関係の明確化、安定した財務基盤の確保、金融機関への適切な情報開示です。

2-2-1 法人と経営者が区分されている

経営者保証の見直しを検討する際に重視されるのが、法人と経営者個人の関係が明確に分離されているかどうかです。例えば、会社の資金と個人の資金が混在していないか、法人名義の資産と個人資産が適切に区分されているかといった点が確認されます。

経営者個人への貸付や不透明な資金移動が多い場合、法人としての独立性が十分ではないと判断され、個人保証の必要性が高いと見られる可能性があります。日頃から会社と個人の資金管理を明確に分け、経営の透明性を確保することが重要です。

2-2-2 法人の財政基盤が安定している

個人保証を外したいなら、健全な財務状況を保っている必要があります。なぜなら、金融機関は「個人保証がなくても法人単体で貸付金を回収できるか」という視点で判断するためです。

具体的には、安定した収益力があるか、資金繰りに無理がないか、自己資本が一定程度確保されているかなど、会社単体の返済能力が重視されます。経営者個人の信用に頼らなくても返済可能だと判断されれば、個人保証を外せる可能性が高まるでしょう。

2-2-3 金融機関に適時かつ適切に財務情報を開示している

金融機関との信頼関係も、経営者保証の見直しにおいて重要な要素です。決算書や資金繰り状況などの財務情報を適切なタイミングで共有し、経営状況を透明性高く説明している企業は、保証に依存しない融資を受けやすくなります。

一方で、情報開示が不十分だったり、経営状況が把握しにくかったりする場合には、金融機関はリスク管理の観点から個人保証を求め続ける可能性があります。経営者保証を外すためには、日頃から金融機関とコミュニケーションを取り、継続的に信頼関係を築く姿勢が重要です。

3章 経営者保証を外したい場合の対処法

経営者保証を外したい場合の対処法は以下の通りです。

  • 金融機関に相談する
  • 経営者保証に関するガイドラインの利用条件をクリアする
  • 税理士や中小企業診断士などの専門家に相談する

それぞれについて詳しく解説します。

3-1 金融機関に相談する

経営者保証を外したい場合、まずは金融機関に相談しましょう。保証契約は金融機関との合意によって成立しているため、見直しや解除も金融機関との協議を通じて進めることになります。

近年は、経営者保証に関するガイドラインの普及により、一定の条件を満たす企業について保証の見直しが検討されるケースも増えています。ただし、金融機関側から積極的に提案されるとは限らないため、経営者自身が状況を整理し、相談のきっかけを作ることが重要です。相談の際には、財務状況の改善状況や法人と個人の資産分離の取り組み、今後の経営方針などを具体的に説明できるよう準備しておくと、話が進みやすくなるでしょう。

3-2 経営者保証に関するガイドラインの利用条件をクリアする

経営者保証を外したい場合は、経営者保証に関するガイドラインで示されている考え方を踏まえ、自社の経営体制や財務状況を見直していく必要があります。金融機関との交渉に向けて取り組むべきポイントは以下の通りです。

  • 法人と経営者個人の資産や資金の流れを明確に区分する
  • 会社単体で返済可能と判断される財務基盤を整える
  • 金融機関へ適時適切に財務情報を開示し続ける

金融機関に「保証を外してほしい」と伝えるだけで、交渉に応じてもらえるわけではありません。保証を外してもらうためには、ガイドラインの条件を踏まえた対策を行いましょう。

3-3 税理士や中小企業診断士などの専門家に相談する

金融機関との交渉を経営者自身だけで行う場合、経営者保証に関するガイドラインの条件が不十分なまま話を進めてしまうケースも少なくありません。しかし、「自社が本当に要件を満たしているのか」「どの部分を改善すれば保証解除の検討対象になり得るのか」といった点を整理しないまま相談しても、金融機関との交渉が進まない恐れがあります。

こうした場面では、税理士や公認会計士、中小企業診断士などの専門家のサポートを受けることが有効です。専門家であれば、財務状況や経営体制を客観的に分析したうえで、ガイドラインの要件とのギャップを明確にし、どのような準備や説明が必要かを具体的に示してくれます。結果として、金融機関との話し合いも感覚的な交渉ではなく、根拠に基づいた建設的な協議へと進めやすくなるでしょう。

4章 経営者保証が原因で借金を背負ってしまった場合は債務整理を検討しよう

経営者保証を付けている場合、社長個人が多額の返済義務を負う恐れがあります。借金を背負ったものの返済の目途が立たない場合は、債務整理を検討する必要があるでしょう。経営者保証による借金の解決に有効な債務整理方法は以下の通りです。

債務整理特徴
任意整理債権者と交渉し、将来利息のカットや分割返済を目指す方法です。整理対象の借金を選べるため、住宅ローンや自動車ローンの返済を続けながら借金を返済できます。ただし、元本自体は減額されない点に注意が必要です。
個人再生裁判所を通じて借金を大幅に減額し、原則3年での分割返済を目指す手続きです。借金総額に応じて返済額が5分の1〜10分の1程度まで圧縮される可能性があり、任意整理では対応が難しい高額な債務にも対応できる場合があります。また、住宅ローン特則を利用すれば、住宅ローンの返済を継続しながらマイホームを維持できる点も特徴です。ただし、継続的な収入がなければ再生計画が認可されないため、安定した収入があることが前提となります。
自己破産返済が不可能な状態にある場合に、借金の返済義務を免除してもらう手続きです。借金がなくなることで、経済的に再スタートを切ることができます。ただし、一定以上の財産は処分の対象となるうえに、手続き中は資格制限が生じる場合があります。

どの債務整理が適しているかは個々の事情によって大きく異なるため、早めに弁護士・司法書士に相談するのがおすすめです。

グリーン司法書士法人では、経験・実績ともに豊富な専門家が、債務整理のサポートを行っています。無料相談も実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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まとめ

ガイドラインの整備により、経営者保証を外せるケースが増えています。従来は個人保証を前提とする融資も多かったですが、現在では法人単体の信用力や経営体制が評価され、保証に依存しない融資や既存保証の見直しが検討される場面も少なくありません。

ただし、保証が自動的に外れるわけではなく、法人と個人の区分、財務基盤の安定性、金融機関との信頼関係など、様々な要素を踏まえて判断されます。そのため、まずは自社の状況を整理し、段階的に改善を進めながら金融機関へ相談していくことが重要です。

また、経営者保証による借金を背負ってしまった場合は、債務整理による解決を検討する必要があります。遅くなるほど取れる選択肢が限定されてしまうため、多額の債務を抱えてしまったら早いタイミングで弁護士・司法書士に相談しましょう。

グリーン司法書士法人では、保証債務による借金問題の解決について、状況を丁寧にヒアリングしたうえで最適な対応方法を提案しています。返済が厳しいと感じているなら、一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。

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経営者保証に関してよくある質問

ここでは、経営者保証に関してよくある質問に回答します。

経営者保証によって背負った借金の返済が難しい時はどうすれば良いですか?
返済が難しいと感じた場合は、早めに金融機関や専門家へ相談することが重要です。状況によっては、返済期条件の見直しなどの対応が可能なケースもあります。また、個人保証による債務であっても、任意整理・個人再生・自己破産といった債務整理による解決が可能です。返済の見通しが立たない状態で放置してしまうと、遅延損害金の増加や差押えなどのリスクが高まるため、早い段階で専門家に相談し、現実的な解決策を検討しましょう。
金融機関に相談すれば経営者保証は外せますか?
金融機関に相談することで、個人保証を外せる可能性があります。ただし、希望すれば必ず外せるわけではありません。会社の財務状況や経営の透明性、法人と個人の資産の分離状況などから判断されるため、経営者保証に関するガイドラインの条件を踏まえた準備が必要になります。

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