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- 高利貸しとは何か
- 高利貸しと闇金の違い
- 高利貸しの悪質な手口
- 高利貸しから借金するリスク
- 高利貸しから借金した際の対処法
みなさんは高利貸しという言葉を、耳にしたことがあるでしょうか。高利貸しとは簡単にいえば、高金利で貸す金融業者です。高利貸しには明確な定義はありませんが、利息制限法を超えた貸付けを行っている者を、そう呼んでいいでしょう。
高利貸しから借金をすると、法外な金利や過激な取り立てに悩まされることになります。違法な貸し付けなので返済義務はありませんが、そもそも高利貸しに借りなければならない状況になる前に、借金問題を専門家に相談し、債務整理を検討すべきでしょう。
今回の記事では、高利貸しの歴史や法律による制限を簡単にわかりやすく解説します。また、闇金との関係性や、借入時にどのようなリスクが伴うかや対処法についても、詳しく見ていきましょう。
目次 ▼
1章 高利貸しとは?簡単に解説!
高利貸しは、古くから存在する金融業のひとつで、非常に高い金利でお金を貸し出す業者を指します。歴史的には、江戸時代以前から存在するこの業態は、庶民の生活に密接に関わってきました。
現代では、法律によって金利が厳しく制限されていますが、それでも高利貸しは社会問題となることがあります。この章では、高利貸しの歴史や法的規制についてできるだけ簡単に、わかりやすく説明します。
1-1 高利貸しの歴史は古く江戸時代以前から
高利貸しの歴史は非常に古く、奈良時代や平安時代には、仏教寺院が農民に種籾や食糧を貸し出し、収穫物を利子として受け取る形式が一般的でした。
鎌倉時代の「借上」、室町期の「土倉」「酒屋(土倉を兼業する酒屋)」などが「高利貸し」という名称が生まれる前の、高利で貸し付ける業者です。
江戸時代になると、高利貸しは庶民の生活に密接に関わるようになります。商人や武士、農民が資金を必要とした際、高利貸しは資金調達の手段として利用されました。
明治維新以降では、近代金融制度の導入に伴い、明治政府が「利息制限法」を制定し、高利貸しに対する規制が強化されます。
利率の上限を設けることで庶民の保護を図りましたが、高利貸し業者はこれを回避するための手段を見つけ出し、依然として高利貸しが横行していました 。
戦後の高度経済成長期には消費者金融業者が急増し、高利貸しは再び問題となりました。1960年代から70年代にかけて、特にサラ金(サラリーマン金融)と呼ばれる高利貸しが多くの人たちを多重債務者にしたのです。
1-2 高利貸しは利息制限法で制限されている
現代日本においては、高利貸しは利息制限法および関連法令によって厳しく規制されています。利息制限法では、借入金額に応じて上限金利が設定されているのです。
具体的には、元本が10万円未満の場合は年20%、10万円以上100万円未満の場合は年18%、100万円以上の場合は年15%が上限です。この法律は、消費者を高利の借金から保護することを目的としています。
しかし、高利貸しは、これらの規制を無視して高金利での貸し付けを行います。こうした業者は、利息制限法の20~100倍程度の金利をとることが多く、借主に過大な負担を強いるのです。
違法な高利貸しに遭った場合は、司法書士や弁護士などの専門家に相談するのが賢明です。
なお、違法業者と知らずに借金を申し込んだ際のキャンセルについては、以下の記事で詳しく取り上げています。ぜひそちらも、参考にご覧ください。
2章 高利貸しと闇金の違い
高利貸しと闇金の違いは、結論づければ単に呼び方の違いだけで、実質的には同じものと考えてよいでしょう。違法性を露骨に表現するか、少しソフトに表現するかだけの違いです。
闇金のイメージは法律を無視して極端に高い利息を設定し、違法に貸し付けを行う業者といったところです。無許可で営業し、暴力的な取り立てや脅迫を行うイメージもあります。
一方、高利貸しのイメージは、闇金という言葉ほどの暴力性は感じられないかもしれません。とはいえ、高利貸しは借主が返済できないような高利で貸し付け、利息だけを延々と支払わせて、借金を永続化させることが多いです。
こうした行為は、借主の生活を著しく脅かし、精神的にも追い詰められる原因となります。そもそも法律上の規定を超えた高利で貸し付け、強硬に取り立てるという違法業者という意味では、高利貸しは闇金となんら変わりません。
3章 高利貸しの悪質な手口
高利貸しは利息制限法を無視した、法外な高金利での貸し付けを行います。その結果、少額の借金でもあっという間に返済額が膨れ上がり、返済が困難になるでしょう。
さらに、高利貸しは巧妙に手口を隠しながら借入金を増やし、利用者が借金地獄に陥るように仕向けるので注意が必要です。また、契約書に利息を明示しない、または紛らわしい表記によって、利用者に不利な条件を押し付けます。
高利貸しの手口は非常に狡猾であり、知らず知らずのうちに深刻な経済的ダメージを被ることになります。高利貸しの主な手口は、次の3つが挙げられます。
- 利息制限法の基準を超えた金利で貸し出してくる
- 永遠に利息を払い続けるように仕向けてくる
- 利息を明示しない・紛らわしい書き方をする業者もいる
詳しく見ていきましょう。
3-1 利息制限法の基準を超えた金利で貸し出してくる
高利貸しは、利息制限法で定められた上限金利を超えた金利で貸し付けを行うことが一般的です。利息制限法では、前述のように元本が10万円未満の場合の上限金利は年20%、10万円以上100万円未満の場合は年18%、100万円以上の場合は年15%です。
しかし、高利貸し業者はこれらの制限を無視し、法外な高金利で貸し付けを行います。たとえば、「トイチ」と呼ばれる10日で1割の利息は、年利に換算すると年365%にもなり、上限金利の18倍から24倍もの金利がかかるのです。
こうした高金利のため、借金の元金が減らないどころか、利息のみでさえ返済が困難になることが多いです。高利貸し業者は、借主が返済できなくなるように意図的に高い金利を設定し、長期間にわたり利息を搾取し続けます。
3-2 永遠に利息を払い続けるように仕向けてくる
高利貸しは、借主が永遠に利息を払い続けるように仕向ける巧妙な手口を用います。たとえば、利息のみを支払い続けさせる「ジャンプ」をすすめ、元金の返済を延々と先延ばしにさせます。
具体的には、もし10万円をトイチで借りた場合、10日後に1万円の利息を支払うと、次の返済期限まで元金が残ったままになります。このプロセスを繰り返すことで、借主は利息だけを10日ごとに払い続け、元金がいつまでたっても減らない状況に陥ります。
また、返済期日に連絡が取れないようにして、利息のみの返済を強制し、完済を阻止する場合もあります。こうした手口により、借主は長期間にわたり高額な利息を支払い続けることになります。
3-3 利息を明示しない・紛らわしい書き方をする貸金業者もいる
多くの高利貸し業者は、契約書に利息を明示しない、または紛らわしい書き方をすることで、借主を騙す手口を用います。それによって、借主は実際の金利や返済条件を正確に把握できず、不利な条件で借金をしてしまうのです。
たとえば、契約書に「手数料」として利息を記載し、実際の金利を隠す場合があります。また、複雑な契約条項や専門用語を多用し、借主が内容を理解しにくくして、不利な条件を押し付けます。
さらに、口頭での説明と契約書の内容が異なる場合もあり、借主は後から気付いても手遅れになることが多いです。こうした手口により、借主は予想以上の高額な利息を支払う羽目になります。
借金を返すために高利貸しに借金をしてしまう前に、ぜひグリーン司法書士法人にお気軽にご相談ください。借金問題のプロフェッショナルであるグリーン司法書士法人では、個々のケースに応じた解決方法をご提案し、その実行をサポートできます。
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4章 高利貸しからお金を借りてしまうリスク
高利貸しからお金を借りた場合の主なリスクとしては、次の4項目が挙げられます。
- 過激な取り立て・督促が行われる
- 完済しても取り立てをやめてくれない場合がある
- 個人情報を悪用されてしまう
- 友人や家族に被害が拡大してしまう
それぞれを見ていきましょう。
4-1 過激な取り立て・督促が行われる
高利貸しから借金をすると、借金の返済が滞った際に過激な取り立てや督促が行われることがあります。本来、貸金業者は法律で取り立ての際に脅迫や暴行を禁止されていますが、高利貸しはこの規制を無視するでしょう。
深夜や早朝に電話をかけたり、職場に連絡したりする場合もあります。また、自宅に押しかけてくることもあるため、精神的な負担が大きいです。
4-2 完済しても取り立てをやめてくれない場合がある
高利貸し業者は、借金を完済しても取り立てを続けることが珍しくありません。これは、そもそも高利貸しが違法業者であるため、法律を守る姿勢などないからです。
借金を返済する能力があると判断された場合、さらなる借金を強制されることもあるでしょう。たとえば、完済したにもかかわらず「お金が振り込まれていない」と主張され、追加の支払いを要求されることがあります。
4-3 個人情報を悪用されてしまう
高利貸しから借金をすると、個人情報が悪用されるリスクがあります。たとえば、借主の住所、氏名、電話番号、口座情報などの個人情報を収集し、それを売買するケースがあります。
この情報がほかの闇金業者に渡ると、知らないうちに別の違法業者から巧妙に融資の勧誘を受けたり、勝手に貸付金が振り込まれて利息を請求されたりする場合があります。個人情報が悪用されると、被害が拡大しやすくなるため注意が必要です。
4-4 友人や家族に被害が拡大してしまう
高利貸しからの借金により、友人や家族に被害が拡大する可能性があります。契約時に連帯保証人を求められることや、家族や勤務先の情報を提供することにより、これらの人たちが次のターゲットとなるからです。
高利貸しは、借主が返済できない場合、家族や友人に督促を行ったり、職場に電話をかけて返済を要求したりします。このように、借主だけでなく、その周囲の人たちにも被害が及ぶため、深刻な事態となりかねません。
高利貸しに借金をしたために、さまざまなトラブルに襲われてお困りのみなさんは、ぜひグリーン司法書士法人にお気軽にご相談ください。借金問題のプロフェッショナルであるグリーン司法書士法人では、個々のケースに応じた解決方法をご提案し、その実行をサポートできます。
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5章 高利貸しから借金をしてしまったときの対処法
高利貸しから借金をした際の主な対処法や考え方としては、次の5つが挙げられます。
- 高利貸しから借りたお金を返済する義務はない
- 高利貸しとのトラブルは司法書士や弁護士に相談する
- 暴力・脅迫による取り立ては警察に相談する
個別に詳しく見ていきましょう。
なお、前提として高利貸しを利用せず、利用しないといけない状況に陥る前に債務整理を検討すべきです。
5-1 高利貸しから借りたお金を返済する義務はない
高利貸しから借りたお金については、返済義務がないとされています。これは、2008年の最高裁判決にもとづいており、法外な高金利貸付は公序良俗に反し無効であると判断されています。
論拠としては、民法第708条の「不法原因給付」に該当し、違法な原因に基づく給付は返還を請求できないためです。したがって、高利貸しからの借金は元本すら返済する必要がありません。
そうとは知らず高利貸しから借りてしまっても、返済を拒否することが法律で認められていることを認識しましょう。ただし、高利貸しからの執拗な取り立てや嫌がらせに備えて、専門家に相談するのが賢明です。
なお、違法業者から借金するリスクや、悪質な取り立てに遭ったときの対処法について、以下の記事で詳しく取り上げています。ぜひそちらも、参考にご覧ください。
5-2 高利貸しとのトラブルは司法書士や弁護士に相談する
高利貸しとのトラブルに巻き込まれた場合、まずは司法書士や弁護士に相談することが重要です。専門家は法律に基づいて適切な対応方法を提供してくれます。
違法業者からの取り立てや嫌がらせに対する対策や、返済義務がないことを説明する法的なサポートを受けられます。また、専門家は闇金業者との交渉を代理で行い、被害者が直接対処するストレスを軽減してくれます。
また、法律の専門家に依頼することで、高利貸しの違法行為を証明しやすくなり、効果的な解決が期待できます。相談は早めに行うことが重要で、問題が深刻化する前に専門家の助言を求めましょう。被害を最小限に抑えられます。
高利貸しとトラブルになってお困りのみなさんは、ぜひグリーン司法書士法人にお気軽にご相談ください。借金問題のプロフェッショナルであるグリーン司法書士法人では、個々のケースに応じた解決方法をご提案し、その実行をサポートできます。
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5-3 暴力・脅迫による取り立ては警察に相談する
暴力や脅迫による取り立てに遭った場合、直ちに警察に相談することが重要です。高利貸しなどの違法な貸金業者の取り立て行為は多くの場合、脅迫や暴力を伴う違法行為です。
そうした行為は刑法に触れるため、警察に通報することで法的に対処してもらうことができます。警察は被害者の安全を確保し、違法な取り立てを行う業者に対して法的措置を取れます。
被害を受けた際には、証拠をしっかりと保存し、詳細な記録を取ることも重要です。また、警察に相談する際には、司法書士や弁護士などの専門家と連携して対応することで、より効果的な解決が期待できるでしょう。
暴力や脅迫を受けた場合、決して一人で悩まず、必ず警察に相談し、法的保護を受けるようにしましょう。
まとめ
高利貸しは江戸時代に生まれた言葉で、法定利息を超えた高金利でお金を貸し付ける業者を指し、その歴史は江戸時代以前にまで遡ります。現代の貸金業者は利息制限法により規制されますが、依然として法外な金利で貸し出す業者が存在します。
高利貸しと闇金は一見異なるように思えるかもしれませんが、実質的には同じであり、いずれも違法業者です。高利貸しから借金をしてしまった場合の対処法として、まず覚えておくべきは返済義務がないことです。
これは最高裁判所の判例や民法708条にもとづいています。トラブルが発生した場合は、司法書士や弁護士に相談し、法的な支援を受けることが重要です。
暴力や脅迫による取り立てに遭った場合は、即座に警察に相談したうえで、安全の確保が最優先です。適切な法的対策を講じることで、高利貸しの違法行為に対抗できます。
とはいえ、そもそも高利貸しを利用せず、利用しないといけない状況に陥る前に債務整理を検討すべきでしょう。ぜひグリーン司法書士法人にお気軽にご相談ください。借金問題のプロフェッショナルであるグリーン司法書士法人では、個々のケースに応じた解決方法をご提案し、その実行をサポートできます。
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