闇金の取り立ては弁護士や司法書士に相談しよう！手口の実態と対処法を解説

金融機関でお金を借りられなくなった人の最後の砦になってしまっている闇金。

怪しいと分かっていても「審査不要」「即日融資」など甘い言葉から、藁にも縋る勢いで闇金業者からお金を借りる方は少なくありません。

闇金は一度借りたが最後、法外な金利であっという間に借金地獄へと突き落とされます。

闇金は借金を返済してもらおうと様々な嫌がらせで取り立てを行なっていきます。

この記事では、闇金の取り立ての手口と取り立ての対処法を解説します。

1章　闇金とは？普通の消費者金融との違い

プロミスやアコム、アイフルなどといった正規の消費者金融は、国や都道府県に賃金業としての登録をして「貸金業法」という法律に則って融資を行っています。

金利や融資額の上限が定められているため、返済できないまま借金が増えていくと、これ以上借りられない仕組みになっています。

一方で、闇金は貸金業法に基づく業者登録がされていない違法な金融業者です。もちろん、貸金業法は闇金業者にとって関係がないので法外な金利や激しい取り立てなどを行い、どんどん利用者を追い込んでいきます。

それでも闇金から借りる方が後を絶たない理由は、正規の消費者金融では審査落ちしてしまい借りられなくなったからです。

闇金は当然違法行為なので、審査方法や金利も勝手に決めることができます。ブラックリストに入っているか、債務整理をしたことがあるか等の事情も関係ありません。

利用者はとにかく今すぐお金が必要なため「審査不要」「ブラックリスト入りでもOK！」などの言葉に乗ってしまい、後から激しい取り立てに苦しむことになるケースが多いのです。

1-1　闇金業者の種類

闇金業者と言っても自ら「闇金サービスを行なっています！」とWebサイトに記載する業者はまずいません。ヤミと言われているくらいなので、密かに行なっていることがほとんどです。

昔は、勝手に銀行口座に現金を振り込んで法外な高金利の利息などを請求する「押し貸し」や、登録していないアダルトサイトの使用料を請求して振り込ませる「架空請求」など目に見えた詐欺行為が主流でした。

しかし、最近では「お金に困っている人が検索しやすい」場所で闇金業を行なっているケースが多いです。

例えば、ネット掲示板で個人融資のスレッドを立てて相手と捨てアドレスでやり取りしたり、SNSで「#ブラック対応」「#即日案件」「#資金調達」などのハッシュタグを使ってDMでやり取りしたりと、闇金だと知りながら自ら連絡してくる人を待つことも多いです。

コロナ禍をきっかけに闇金に手を出す人が増えたこともあり、個人融資と称して正規の消費者金融を装わなくとも闇金業が捗っているのです。

1-2　貸金業として登録されているか確認しよう

もちろん、正規の消費者金融を装ってお金を貸そうとしている業者もまだまだ少なくありません。

借りた後に法外な利子を取り立てられ、実は闇金だったというケースもあります。

闇金に引っかからないためにも、まずは借りる前に貸金業者として登録されているか確認しましょう。

正規の貸金業者は必ず認可を受けているため、Webサイトには商号と登録番号が記載されています。金融庁のWebページにある「登録貸金業者情報検索サービス」から検索をすれば貸金業者として登録されているか確認することができます。

もしこのように登録情報がない場合は、闇金の可能性が高いので注意しましょう。

中には、Webサイトにあたかも正規の金融業者科を装いデタラメな商号と登録番号を記載している場合もあります。記載されているからと言って安心せず、必ず金融庁のページで検索を行いましょう。

2章　闇金の取り立ての手口はどんなものがある？

闇金は借りたが最後、完済するまで激しい取り立てを行なっていきます。闇金の取り立てはとにかく嫌がらせに長けており、精神的に参ってしまう方も少なくありません。

ここからは、闇金の取り立ての手口をご紹介します。

①悪質な督促の電話やメールでの取り立て

闇金から融資を受け、ある程度利子が膨らんだら「返済しろ」と昼夜問わず電話やメールが鳴り止まない。

闇金の取り立ての最も主流な方法と言えるのが、電話やメールでの取り立てです。昼夜問わず嫌がらせの連絡が来るので、とにかく精神的に消耗されます。

電話に出なくなったら、メールで家族や職場にバラす、SNSに個人情報をばら撒くなどの脅しや罵詈雑言が飛び交います。

しかし、警察に介入されないように「今から殺しに行く」などの明らかな脅迫になる文章は送らず、あくまでグレーゾーンの嫌がらせを続けるのが闇金の巧妙な手口です。

放っておくとどんどん利子が膨らむので、ここで根負けして払う方も多いです。

②職場や実家に電話での取り立て

取り立ての電話を無視していたら、妹の職場や実家に電話で取り立てをしているとの苦情が来てしまった。

良くも悪くも闇金の取り立てに慣れてしまい、電話を無視するようになったら自分以外にも実害が及んでしまったケースです。

自分だけなら自業自得なのでまだ耐えられますが、家族関係や職場関係が良好な場合は精神的ショックを受けるでしょう。

利用者の闇金に手を出してしまった申し訳なさと、このままだと職場をクビにされる恐怖を逆手に取って、返済させようとする手口です。

「頼むから自分以外には手を出さないでくれ」と懇願する方も多いです。こうなると、闇金はより弱みを握れるのでもっと欲求がエスカレートしてしまうことも。

③職場や自宅に取り立てに来る

支払いを滞納していたら、闇金業者が職場まで取り立てに来て騒ぎになってしまった。

支払いをさせようと闇金業者が職場や自宅に取り立てに来るケースです。

電話やメールでは自分が対応すれば良いですが、実際に取り立てに来られるとなると職場や近所の人に知られることになり、闇金で借金していることがバレてしまいます。

こうなると他の人にも迷惑をかけることになり、精神的苦痛を強いられます。

④玄関や近所に張り紙をされる

融資を受けたときの本人確認の写真や個人情報が玄関に貼られてしまった。

闇金から融資を受けたことを周りにバラすために、玄関や近所に張り紙を行う手口です。

闇金では、審査がない代わりに個人情報を抜き取ろうと本人の顔写真や身分証明書を送るシステムが多いです。住所や顔写真が知られている状態を利用して、闇金業者が張り紙で嫌がらせをしてきます。

本来であれば「SNSの顔の見えない個人融資先に身分証明書を送るなんて考えられない」と思うかもしれません。しかし、お金に困っていて藁にも縋る状態で判断が鈍ってしまい、疑いもなく送る方も少なくありません。

闇金業者が悪用すると分かっていても、お金が欲しい一心で身分証明書を送ってしまうのです。

⑤救急車や消防車の呼び出しや出前を送りつけられる

闇金業者に住所がバレてしまい、自宅に救急車を呼んだり大量のピザが届けられ困っている。

闇金業者が嫌がらせのために、救急車や消防車、出前などを呼んで困らせる手口です。

虚偽で救急車や消防車を呼ぶと、消防法や偽計業務妨害で闇金業者が逮捕される可能性があるので最近ではあまり見かけません。

しかし、出前はまだあるようで、飲食店にも実害が出るのでトラブルになったり、この場を収めようとお金がないのに泣く泣く支払いをせざるを得ない場合もあります。

⑥動物の死骸や臭いが強いものを送りつけられる

「こんなことする！？」と驚かれる方も多いと思いますが、中には動物の死骸や臭いが強いものを送りつけられる嫌がらせもあります。

処分にも困り、ゴミに出そうものなら近隣住人から苦情が来るのは間違いありません。まさに取り立てのための嫌がらせに長けている闇金業者ならではの手口でしょう。

令和3年7月6日に、注文や契約をしていないにもかかわらず一方的に商品を送り付けて代金を請求する「送りつけ商法」が厳しく罰せられるようになりました。

ですので、商品の送りつけは今後無くなると予想されますが「プレゼント」という名目なら話は別です。

このような嫌がらせは今後も続くと言って良いでしょう。

⑦ネットに個人情報を書かれる

自分のSNSのフォロワーに闇金から借金をしていることをバラされ、掲示板に個人情報を書き込まれてしまった。

現代の取り立てで急増しているのが、ネットを使った取り立てです。

掲示板やSNSを使って闇金の取引をしている個人融資が増えたこともあり、ネットで嫌がらせをされることも少なくありません。

掲示板での書き込みが増えると、検索エンジンで名前を検索すれば闇金業者から借りていることや、住所などの個人情報が表示され検索した人に闇金の利用がバレてしまいます。

一度インターネット上にさらされた個人情報を完全に消し去るのはほぼ不可能です。仮に闇金問題から解放されて新たな人生がスタートしたとしても、名前を検索されてしまうと過去の情報が表示されるので長期に渡って実害が出ると言って良いでしょう。

3章　闇金からの借金は払う義務なし！

ここまで嫌がらせや法外な取り立てが行われたら、もう完済するしか方法がないかと思うかもしれません。

しかし、闇金からの借金は払う義務がありません。

中には、精神的に参ってしまいどんな手を使ってでも借金を返済する方も少なくありませんが、闇金は法外な高金利や悪質な取立てを行うため貸付自体が公序良俗に反するとされています。]

貸付が公序良俗に反して違法だと見なされると借金の契約が無効になるため、そもそも支払う必要がなくなります。

闇金は「返済しないのは泥棒だ」「このまま逃げるのか」など、あたかも借りたものを返済しない自分が悪いかのように脅しをかけますが、実際のところ払う義務はないのです。

あくまで法律上は「返さなくて良い」のですが、とはいえ現実にはそう単純にいかないでしょう。とにもかくにもお金を借りたという事実はありますし、逆に闇金側はその引け目・弱みに付け込んで返済を求めるために様々な嫌がらせをしてくるのです。

3-1　返済義務がないので債務整理の対象外

債務整理では、借金を減額したり全ての借金を免除することができるため、闇金の免除をしようと相談する方も多いですが闇金は債務整理の対象外になります。

闇金は名前の通り、国の許可を受けた正規の貸金業者ではない「ヤミ」の貸金業者です。

ですので、法律上は貸付がないと扱われるため債務整理の対象にならないのです。

個人再生や自己破産では全ての債権者（借金先）を整理するので、手続き上は闇金も債権者一覧には含まれていますが債務整理をしても借金に影響することがありません。

4章　闇金の取り立ては無視して大丈夫？

闇金で借金をしたあとは日に日に法外な利子が増えていくので、最初は払う意思があっても最早払えないことがほとんどかと思います。

気持ちの問題は別にして、闇金業者から電話やメール、張り紙など嫌がらせを受けても取り立てを無視しようと思えば無視できます。

しかし、取り立てを無視するのは絶対におすすめしません。

前章の通り闇金は返済義務がないので、電話で「返済義務がない」とはっきりと伝えて絶対に返済しないようにしましょう。

法律の建前だけではどうにもならないことが多いとはいえ、ここで無視してしまうと、何としてでも支払いをさせようと職場や実家に取り立てに来たり、実際に接触して脅されたりと自分以外に実害が及んでしまう場合もあります。

中には、子どもの学校にまで乗り込んできたケースもあるほどです。闇金を借りている親にとっては、一番耐えられないことではないでしょうか。

こうなると、自分の力では対応できないため専門家に相談に行きましょう。

5章　闇金から取り立てに遭ったら専門家にすぐに相談しよう

闇金問題を解決するには、弁護士などの専門家の力を借りましょう。

法律のプロである弁護士が介入してきたら、あっさりと手を引くことも少なくないようです。

中には、余計取り立てが激しくなったケースもありますが、弁護士が送る「受任通知」の事実上の効果として請求を止める、ないし諦める業者も多いです。

なお、債務整理の手続き後は全ての取り立てがなくなり解放されると思う方も多いですが、取り立てが無くなるのは正規の金融機関のみです。取立て停止の効果が法律上の効果なので、そもそもそういった法律の範囲外にいる闇金に対しての強制力はありません。

自己破産しようが闇金の取り立てはなくならないのです。自己破産で闇金は解決はできないため、とにかく早めに闇金専門の弁護士に相談することをおすすめします。

5-1　警察は民事不介入の原則で取り合わないことも

闇金から嫌がらせを受けたら、まず警察に相談に行く方も少なくありません。

しかし、警察は民事不介入が原則なので「闇金からお金を借りてしまい取り立てが怖い」と相談しても動いてくれない場合がほとんどです。

警察に動いてもらうには、暴力や脅迫等など目に見えた実害があり、ちゃんとした証拠を出す必要があります。

例えば、以下のケースであれば動いてくれる可能性はあります。

こういった被害があれば闇金業者を逮捕してくれる場合があります。

まずは、該当する電話やメールが来たら証拠として保管しておくことをおすすめします。

6章　闇金から取り立てに遭ってもやってはいけないこと3つ

闇金から毎日恐ろしい取り立てに遭うと判断が鈍ってしまい、なんとか自分の力で解決しようと動いてしまうかもしれません。

しかし、闇金問題を早く解決するためにも、間違った解決策を取るとかえって悪手になる場合もあります。

この章では、闇金から取り立てに遭ってもやってはいけない3つのことを解説します。

6-1　自分で交渉しようとする

1つ目は、自分で交渉しようとすることです。

中には、ネットで得た法律の知識を使って電話やメールで取り立てを止めるように交渉する方もいますが、自分だけの力で交渉するのはおすすめしません。

下手に「違法行為だ」「警察に言う」など相手を責めるように交渉すると、相手が逆上して更にエスカレートする可能性があります。

交渉は専門家に任せて、自分では「返済の義務がありません」と毅然とした態度で返す程度にとどめておきましょう。

6-2　闇金にお金を返済する

2つ目は、闇金にお金を返済してしまうことです。

毎日嫌がらせが続いたり、身内にまで実害が及ぶと「自分が払えば全て解決する」と思い込んでしまい、なんとか少額ずつでも返済しようとする方がいます。

しかし、返済するのは絶対にやめましょう。

少しでも返済をしてしまうと「この人は少し脅せば支払いをしてくれる」と味を占めて、もっと取り立てが激しくなってしまう可能性があるからです。

また、支払いをすることで闇金業者の間で「カモリスト」として情報を共有され、お金を払ってくれる相手として認識されてしまいます。

今後のためにも、闇金に手を出してしまったら返済せず専門家にすぐに相談しましょう。

6-3　弁護士や司法書士などの名前を出す

3つ目は、弁護士や司法書士などの名前を出すことです。

相談後は専門家が対応してくれる安心感から、つい気が大きくなって専門家の名前を出す方も少なくありません。

そうなると、専門家が動く前に少しでもお金を回収しようと思って、嫌がらせや取り立てが激しくなる可能性があります。解決前に根負けしてしまい、返済してしまったら元も子もありません。

相談後は専門家の指示に従って、解決してくれるのを大人しく待ちましょう。

7章　まずは絶対に借りない！闇金かどうかを見分けるコツ

闇金被害に遭わないためにも、まずは絶対に闇金から借りないことです。

万が一やむを得ず借金をしなくてはいけない状況でも、必ず正規の貸金業者を利用して法外な高利子で借金しないようにしましょう。

闇金かどうかを見分けるには、以下をチェックしましょう。

をチェックしましょう。

その際に、金融庁のWebページにある「登録貸金業者情報検索サービス」を利用して本当に正規の貸金業者か確認することが大切です。

また、最近では取り立てが比較的ライトなことをセールスポイントにしている「ソフト闇金」にも注意が必要です。

ソフトという名前の通り悪質な嫌がらせや取り立ては少なく、返済に困っている時も融通を効かせてくれやすいですが、闇金同様に貸金業の登録をしていないため違法な高金利を設定しています。

「月1返済OK！」「ブラックでも即日融資」など甘い言葉で勧誘してきますが、ソフトでも何でも闇金は闇金です。

「闇金とは違います！」と謳っていても、騙されることがないようにしましょう。

手元資金が足りないからといって安易に闇金に手を出すのではなく、まずは落ち着いて他の手段がないかを検討するようにしましょう。

7-1　注意！こんな人が闇金業者に狙われやすい

自分では気を付けていても、残念ながら闇金業者に狙われやすいタイプもいます。

闇金業者が狙いやすい相手はこのような人です。

自己破産や消費者金融で借りているといった、既に借金の経験がある相手は借金のハードルが低くなっているので簡単に狙われやすいです。

自己破産経験者に至っては、自己破産をすると官報に掲載される上に正規の融資では審査落ちするため「お金に困っている人の住所と名前」が簡単に割り出されてしまいます。

二度と借金地獄を経験しないためにも、勧誘を受けても必ず断るようにしましょう。

また、最近で多いのがSNSでのプレゼント企画を使った闇金業者です。

「フォローやリツイートした人の中から抽選で現金をプレゼント！」といった企画を打ち出して、お金に困っている応募者をカモにする手口が流行っています。

DMであたかも当選したかのような報告をして、相手の振込先の口座や住所や電話番号を聞き出して闇金に勧誘し、借金地獄へと陥れてしまいます。

中には当選率を上げようと、いかにお金に困っているかをアピールする応募者もいますが、相手にとっては絶好のカモです。

応募した時点で潜在的顧客としてマークされてしまうので、怪しいアカウントには絶対に応募しないようにしましょう。

8章　闇金に手を出してしまったらすぐにご相談を

一度手を出したら、手を替え品を替え様々な嫌がらせで取り立ててくる闇金。

闇金以外の債務整理は当メディアを運営するグリーン司法書士法人を始め、ほとんどの司法書士や弁護士が対応可能です。

消費者金融に断られるほど借金を重ねてしまった時点で、闇金で借金をしたところで返済ができないことは明らかです。闇金に手を出す前に債務整理を行うのがおすすめです。

もし、闇金に手を出してしまった場合は専門の弁護士でないと対応できないケースが多いです。取り立てがエスカレートする前に早めに専門の弁護士に相談するようにしましょう。

よくあるご質問

闇金とは？

闇金は貸金業法に基づく業者登録がされていない違法な金融業者です。
闇金について詳しくはコチラ

闇金の取り立てへの対処法とは？

闇金から取り立てがあったとき、下記の対処はしてはいけません。
・自分で交渉しようとする
・闇金にお金を返済する
・弁護士や司法書士などの名前を出す
闇金の取り立てへの対処法について詳しくはコチラ