クレジットカード払いの繰り上げ返済がクレヒスに与える影響とは

司法書士山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第8849号 / 東京都行政書士会所属 会員番号第14026号 【保有資格】司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

借金返済の知識
クレジットカード払いの繰り上げ返済がクレヒスに与える影響とは

この記事は約 10 分で読めます。

 この記事を読んでわかること

  • クレヒス(クレジットヒストリー)とは何か
  • カードの繰り上げ返済がクレヒスに与える影響
  • カードの繰り上げ返済をするメリット
  • カードの繰り上げ返済をするデメリット
  • カードの繰り上げ返済の方法

クレジットカードの利用は日常生活の中で非常に便利ですが、適切な管理が必要です。その中でも、繰り上げ返済は賢明な選択肢のひとつです。

クレジットカードの繰り上げ返済は、金利手数料の削減や返済期間の短縮といったメリットがありますが、一方で手数料の負担や一時的な資金不足というデメリットも存在します。

今回の記事では、クレジットカードの繰り上げ返済がクレジットヒストリー(クレヒス)に与える影響についてくわしく解説します。クレヒスを良好に保つことで、将来のクレジットカードやローンの審査に有利になることが期待できます。

1章 クレヒス(クレジットヒストリー)とは

クレヒス(クレジットヒストリー)とは、クレジットカードやローンなどの利用履歴を指す言葉です。この履歴は信用情報機関に保存され、金融機関が個人の信用力を評価する際に使用されます。

日本の主要な信用情報機関は、CIC、JICC、KSC(全国銀行個人信用情報センター)の3つです。これらの機関は、クレジットカードの支払い状況やローンの返済履歴などの情報を共有しています。

クレヒスは、支払いの遅延や滞納が記録され、これが信用に大きな影響を与えるものです。たとえば、支払いの延滞があると、新しいクレジットカードの発行やローンの申請が難しくなることがあります。

逆に、良好なクレヒスを持つことで、クレジットカードの限度額が上がったり、ローンの金利が低くなったり、カードローンやクレジットカードの利用可能額が増えたりなどのメリットがあります。

なお、クレジットカードの請求額が支払えなくなった場合や、支払いが遅れる場合の対処法については、以下の記事でくわしく取り上げています。

ぜひ、参考にご覧ください。

2章 クレジットカードの繰り上げ返済がクレヒスに与える影響

クレジットカードの繰り上げ返済は、クレヒスにさまざまな影響を与える可能性があります。基本的には、プラスに働くと考えてよいでしょう。

繰り上げ返済を行うことで信用力の向上が期待できます。これは、カード利用者が計画的に返済を行い、借入金を減らしていると見なされるためです。

繰り上げ返済を繰り返すことで、クレジットカードの利用限度額が回復し、追加の支出が可能になります。また、早期返済により、支払う利息が減少し、全体的な負担が軽減されでしょう。

ただし、一部のクレジットカード会社では、繰り上げ返済に手数料がかかることがあり、この点を考慮しなければなりません。なお、繰上げ返済をしない、もしくは少なくても、請求通りの返済が遅滞なければ特に悪い影響は与えないでしょう。

ちなみに、もともとリボ払いのものを繰り上げ返済すると、リボ手数料が取れずにクレジット会社にマイナスなイメージがありますが、クレジット会社は販売店からの手数料で穴埋めできます。

基本的に、カードユーザーがクレジットカードで購入すると、クレジットカード会社は販売店からも決済手数料がもらえます。利用者へのキャッシュバック、ポイントバックなどを考慮しても、2%程度は残ると考えられます。

繰り上げ返済によって空いた利用枠を使って、新たなカード利用が増えると手数料が発生します。それにより、クレジットカード会社は、繰上げ返済で失われたリボ手数料もある程度まかなえるような仕組みです。

3章 繰り上げ返済をするメリット

繰り上げ返済をする主なメリットとして挙げられるのは、次の3つです。

  • 手数料を節約できる
  • 返済期間を短くできる
  • 利用限度額が回復する

ひとつずつ、内容を見ていきましょう。

3-1 手数料を節約できる

繰り上げ返済の最大のメリットのひとつは、手数料を節約できることです。特にリボ払いの場合、利用残高に応じて高額な手数料が発生します。

繰り上げ返済を行うことで、リボ手数料の負担を大幅に軽減できます。たとえば、30万円の利用残高をリボ払いにしている場合、手数料だけで5万円近くかかることもあるでしょう。

繰り上げ返済を行うと、この手数料を節約できます。また、手数料の節約は返済期間の短縮にもつながり、総返済額を減らせます。

3-2 返済期間を短くできる

繰り上げ返済を行うと、返済期間を短くできます。通常の支払いスケジュールでは、毎月決められた金額の返済により、返済期間が長引くことがあります。

しかし、繰り上げ返済を行うことで、早期に残高を減らし、結果として返済期間の短縮が可能です。たとえば、リボ払いを利用している場合、繰り上げ返済を行うことで毎月の支払い額を減らすだけでなく、返済完了までの期間も短縮されます。

返済期間が短くなると、支払う利息の総額も減少します。これは、長期間にわたって利息を支払う必要がなくなるためです。短期間での返済は、クレヒスの向上にも寄与し、将来的なローンやクレジットカードの審査にも好影響を与えます。

3-3 利用限度額が回復する

繰り上げ返済を行うことで、クレジットカードの利用限度額が早期に回復します。クレジットカードの利用限度額は、毎月の支払いが完了するまで減少した状態が続くのが一般的です。

しかし、繰り上げ返済を行うと、支払い残高が減少し、その分利用限度額が回復します。たとえば、限度額が50万円のクレジットカードを利用している場合、10万円を繰り上げ返済すると、その分だけ利用可能額が増えることになります。

それによって、急な出費や高額な買い物をする際にも、利用限度額に余裕を持てるでしょう。また、繰り上げ返済を行うことで、カードの利用履歴が良好になり、信用力の向上も期待できます。

なお、クレジットカードの利用限度額は勝手に上がるものかどうかについて、以下の記事でくわしく取り上げています。

ぜひ、参考にご覧ください。

4章 繰り上げ返済をするデメリット

繰り上げ返済をするメリットがある一方で、次のようなデメリットも否めません。

  • 繰り上げ返済に手数料がかかる場合がある
  • 一時的に返済負担が大きくなる

それぞれの内容を、くわしく見ていきましょう。

4-1 繰り上げ返済に手数料がかかる場合がある

クレジットカードの繰り上げ返済を行う際には、手数料がかかる場合も珍しくありません。特に銀行振込を利用する場合、振込手数料が発生します。

この手数料は銀行や振込方法によって異なりますが、高い場合は800円程度かかることもあるでしょう。手数料の負担によって、繰り上げ返済の利点である金利節約分が相殺される可能性があります。

さらに、一部のカード会社では、早期返済手数料を課すことがあります。この手数料は契約内容によって異なるため、事前に確認が必要です。

手数料が発生する場合は、繰り上げ返済を行うかどうか慎重に判断しましょう。特に少額の繰り上げ返済では、手数料の影響が大きくなることがあります。手数料と金利節約分を比較して、トータルでの判断が欠かせません。

4-2 一時的に返済負担が大きくなる

繰り上げ返済を行うと、一時的に返済負担が大きくなります。大きな金額を一度に返済すると、手元に残る現金が少なくなり、急な出費に対応できなくなるリスクが生まれます。

もし急な出費をキャッシングで乗り切ると、リボ手数料よりも高額な利息を取られることになるでしょう。

そのため、生活費やほかの重要な支払いが迫っている場合には、繰り上げ返済を慎重に考える必要があります。資金に余裕がない状態で繰り上げ返済を行うと、その後の生活が苦しくなり、再び借金をしなければならない状況に陥ることもないとはいえません。

繰り上げ返済は、家計に余裕があるときに行うのが理想です。また、リボ払いの場合、繰り上げ返済をしても約定返済額が免除されるわけではありません。毎月の返済が別途必要です。

5章 クレジットカードの支払いを繰り上げ返済する方法

クレジットカードの利用代金の支払いを、繰り上げ返済する主な方法は次の2つです。

  • 振り込みをする
  • ATMで入金する

個別に見ていきましょう。

5-1 振り込みをする

クレジットカードの繰り上げ返済を銀行振り込みで行う場合、まずクレジットカード会社のカスタマーサービスに連絡し、振込先の口座情報を確認します。多くの場合、カード会社のWebサイトにも振込先情報が掲載されています。

指定された口座に必要な金額を振り込むことで、繰り上げ返済が完了します。振込手数料は自己負担となるため、事前に手数料の確認をしておきましょう。

振込手数料は銀行や振込方法によって異なりますが、数百円程度の負担が一般的です。振込が完了すると、入金情報がクレジットカードの利用明細に反映され、利用可能枠が回復します。

振込手続の際は、間違いのないよう口座番号や金額の正確な入力が重要です。また、繰り上げ返済を行うタイミングによっては、すぐに反映されない場合もあるので注意が必要です。

5-2 ATMで入金する

ATMを利用して、クレジットカードの繰り上げ返済を行う方法もあります。まず、クレジットカードを取り扱っている金融機関やコンビニのATMを利用します。

ATMにクレジットカードを挿入し、「返済」を選択し、返済金額を入力します。ATM返済の際は、1,000円単位での入金が一般的です。

入金が完了すると、その場で明細が発行され、入金情報が即時にカード会社に反映されます。ATMを利用する場合、手数料がかからないことが多く、手続が簡便であるため、利用者にとって利便性が高いです。

ただし、利用できるATMや利用時間はカード会社によって異なるため、事前に確認しておくことが重要です。また、繰り上げ返済を行う際は、通常の引き落とし日と異なるため、別途手続が必要です。

まとめ

クレジットカードの繰り上げ返済には、多くのメリットがあります。まず、リボ払いや分割払いの手数料の節約で、総支払額を減らせることです。また、返済期間の短縮で、利息の負担を軽減し、経済的な自由度を高められます。

さらに、繰り上げ返済を行うことでクレジットカードの利用限度額が回復し、急な出費や大きな買い物にも柔軟に対応できるようにるでしょう。それによってクレヒスも向上し、将来のクレジットやローンの審査で有利になることが期待されます。

しかし、繰り上げ返済にはデメリットも存在します。まず、振込手数料などのコストが発生する場合があり、メリットを相殺するかもしれません。また、一時的に大きな返済額が必要なので手元の現金が減り、急な出費に対応できなくなるリスクがあります。

繰り上げ返済を行う際は、家計の状況を十分に考慮し、計画的に行うことが重要です。振り込みやATMでの返済方法を理解し、適切なタイミングで繰り上げ返済を行うことで、クレジットカード利用をより賢く管理しましょう。

なお、クレジットカードの使いすぎやそのほかの借金で、自力返済が難しくなってお困りのみなさんは、ぜひグリーン司法書士法人にお気軽にご相談ください。借金問題のプロフェッショナルであるグリーン司法書士法人では、個々のケースに応じた解決方法をご提案し、その実行をサポートできます。

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