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必要最低限の財産以外を失う代わりに、全ての借金が免除できる自己破産。
借金の苦しみから解放され再スタートを切る有効的な手段と言えます。
しかし「これで督促もなくなり心機一転!」と思っていたのに、自己破産後も督促が来るケースがあります。
自己破産は全ての債権先(借金先)を清算するので、本来であれば督促は全てなくなるのですが、例外として闇金で作った借金は自己破産をしても督促が来てしまいます。
この記事では、自己破産をしても闇金から督促が来る理由と、自己破産後の闇金の対処法を解説いたします。
目次 ▼
1章 自己破産をしても闇金による督促が続く理由
闇金は自己破産の手続きで処理することができないため、手続き完了後も督促や取り立てが続きます。
なぜなら、闇金は国の許可を受けた正規の貸金業者ではないからです。
本来であれば専門家が自己破産の手続きを行い、債権者に委任通知を送付して受領した後は債務者側に対して取り立てできなくなると貸金業法で定められています。
ですが、闇金は正規の貸金業者ではないため、破産債権者の一覧に入ってはいますが自己破産の手続き対象外になります。そもそも支払う必要のないものを免除するということはできないのです。
したがって、闇金による借金は自己破産では手続きができないのでご注意ください。
2章 そもそも闇金からの借金は払う義務なし!
闇金は名前の通り、国の許可を受けた正規の貸金業者ではない「ヤミ」の貸金業者です。
正規の貸金業者は貸金業法を遵守して営業していますが、闇金は法外な高金利や悪質な取立てを行うため貸付自体が公序良俗に反するとされています。
貸金業法の中には、利息や遅延損害金の利率を一定限度に制限する利息制限法があります。しかし、闇金はその利息制限法に違反する高い利率を設定していることから「不法原因給付」にあたります。
借入が違法な原因である「不法原因給付」に基づいて行われていると見なされると、借金が無効になるため支払う必要がなくなります。
不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。(但書省略)
ですので、本来であれば闇金から督促が来ても払う義務はないのです。
3章 自己破産後の闇金の取り立ては専門家に相談しよう
払う義務はないと言っても、闇金業者はありとあらゆる手段で取り立てを続けます。
いくら「自己破産したので払いません」と訴えても闇金業者には関係のないことです。それどころか「他の金融機関の支払いがなくなったから払えるだろ」と更に取り立てが激しくなる可能性があります。
こうなると自分の力では解決するのが困難なので、早めに弁護士や司法書士などの闇金の専門家に相談しましょう。ただし、司法書士は闇金案件を取り扱っていない場合が多いので相談前に調べておくことをおすすめします。
専門家に泣きついてもすぐには解決するのが難しいですが、闇金の根本的解決を目指すならまずは専門の弁護士等に相談するのが先決です。
3-1 弁護士や司法書士などの名前を出すのは避けよう
専門の弁護士や司法書士に相談し、無事対応してくれることが決まっても闇金業者に弁護士や司法書士の名前を出すのは避けましょう。
つい気が大きくなって弁護士や司法書士に相談していることを話してしまう方もいますが、闇金業者の天敵でもある専門家の存在が分かると、一刻も早く支払いさせようと嫌がらせがエスカレートする可能性があります。
こうなると、解決する前に精神が参ってしまい根負けして支払うことを選んだケースも多いです。
闇金問題を解決するまではなるべく刺激しないように、相談していることを隠しておくのがベターです。
4章 自己破産後でも闇金に手を出してしまう3つの理由
自己破産は必要最低限の財産以外は全て失うので、生活が安定するまで苦しい毎日になる可能性があります。
例え、金銭的に苦しむ状況になったとしても、まずは親戚や家族、友人を頼ったり相談するなど闇金に手を出す以外の方法を考えましょう。
どうしても頼る相手がいない場合は、貸金業法を遵守している正規の貸金業者から借金を検討しましょう。
もちろん、自己破産の手続きを終えた後は「もう二度と借金なんかしないで真面目に生活する!」と決意をする方がほとんどだと思います。
しかし、そんな決意をしたにもかかわらず、また闇金に手を出して借金地獄へ逆戻りするケースも少なくありません。
闇金に手を出したが最後、地獄を見ることになるのは分かりきっていても「やむを得ず闇金しかない」場合もあります。
闇金に手を出す前に、他の手段がないか冷静に検討することが重要です。
ここからは、自己破産後でも闇金に手を出してしまうケースを紹介します。
4-1 経済的に厳しく借金をしたくても審査が通らない
生活費が足りなくなったので借金をしたく金融機関に申請を出したが、自己破産情報があるため審査が通らず審査不要の闇金に手を出した。
自己破産後、経済的に厳しく生活ができないため借金をしようとしたものの、審査が通らず闇金に手を出してしまったケースです。
闇金は非正規の金融機関ということもあり、例え事故情報があっても審査不要でお金を貸してくれますが、その代わり法外な利息を要求してきます。
「トイチ(10日で1割利息が増えること)」という言葉を聞いたことがある方もいるかと思いますが、本当に闇金はそのくらいの利息を要求してきます。決して映画や漫画の世界の話ではありません。
また利息だけでなく、手数料や遅延損害金など色々と理由を付けて借金を膨れ上がらせて、気付いた頃には元の借金の数倍になっていたというケースも少なくありません。仮に「トイチ」で借りた場合、100日後には2倍以上の返済を強いられることになります。
「審査不要!」「自己破産後でも借りられる!」「無職でもOK!」など耳障りの良いことを言って誘惑してきますが、甘い話には必ず罠があります。絶対に手を出すのはやめましょう。
4-2 自己破産したら官報に掲載される
闇金業者から電話がかかってきて「審査不要でお金を借りられる」と勧誘してきたのでつい誘いに乗って借りてしまった。
自己破産をすると、信用情報機関のブラックリストだけでなく官報にも情報が掲載されてしまいます。
信用情報機関に事故情報が載っているかどうかは本人確認書類がないと確認できませんが、官報は30日以内の情報であれば誰でも閲覧できるため誰が自己破産したのか調べることができます。
官報には名前と住所が載るので、個人情報の特定も容易にできます。官報には法令に違反する行為を禁止するとの記載がありますが、もちろん闇金業者は守るはずがありません。
自宅にポスティングするなど、再び借金地獄へ落とそうとしてきます。
勧誘されても決して誘いに乗らずに、着信拒否などで対応しましょう。
4-3 破産者リストを購入してDMなどで勧誘される
自己破産の情報は官報や信用情報機関に掲載されていますが、中には破産者リストを購入してDMや電話などで勧誘してくるケースもあります。
そもそも、公の場には破産者リストと呼ばれるものは存在しませんが、闇金業者の中で管理している個人情報リストは存在していると言われています。
一時期「破産者マップ」が社会問題となったように、現代ではその気になれば個人情報を手に入れるのは容易となっています。
たまに非通知や番号を教えた覚えのない業者から営業の電話がかかってくるように、破産した情報もどこかから漏れてリスト化されている可能性があります。
もし、勧誘されたとしても誘いに乗らずキッパリと断りましょう。
5章 闇金に引っかからない方法2選
弁護士や司法書士などの専門家に闇金問題を相談したとしても、急に取り立てが止むことはありません。法が通じない相手をしているので、専門家も押し問答のように進めるしかなくかなりの労力を強いられます。
ベストはとにかく闇金に引っかからないことですが、闇金業者も頭が良いので堂々と「闇金」を公言したりしません。
ですので、闇金とは知らずに手を出してしまったケースもあります。
ここからは、闇金に引っかからない方法を解説いたします。
5-1 貸金業として登録されているか確認する
まずは、正規の貸金業者かどうかを確認しましょう。
貸金業を行う場合には、金融庁へ届出を出して認可を受けないといけないため、正規の貸金業者は必ず認可を受けています。
金融庁のWebページにある「登録貸金業者情報検索サービス」から認可を受けている業者か調べることができるので、必ず借入を行う前に調べましょう。
例えば大手消費者金融のアコム株式会社を例に挙げて、正規の貸金業者か検索してみましょう。
Webサイトの下に商号と登録番号が記載されているのでこちらを「登録貸金業者情報検索サービス」に入力して検索しましょう。
ここで注意点として、商号と登録番号が記載されているからと言って安心するのは危険です。適当な商号や登録番号を羅列しているだけの可能性もあるからです。
必ず金融庁のページで検索してから判断しましょう。
もちろん、アコム株式会社は正規の貸金業者なので表示されます。表示された場合は、闇金の心配がないので安心です。
逆に正しい情報を打ち込んでいるのに、データが見つからない場合は闇金の可能性が高いでしょう。
Webサイトを見る限り金利が通常でも、契約した途端独自のルールを出してくるケースもあります。データが出て来なかったら絶対に手を出すのはやめましょう。
5-2 審査不要などの怪しい業者は避ける
2つ目は、審査不要など他業者と比較して極端に審査が優しい業者は闇金の可能性が高いです。
借金が膨れてくると審査落ちしてくる金融機関が増えていき、つい焦って藁にも縋る勢いで飛びつく方が多いです。しかし、正規の貸金業者で審査がない業者はまず有り得ません。
「今日契約するなら身分証明の提出だけで審査通しますよ」など、普通に考えたら明らかにおかしいと分かっていても、お金に困ると判断が鈍くなるものです。
審査落ちする段階まできたら、このまま借入と返済を繰り返しても事態が好転することはまずありません。ここまでいくと債務整理した方がよほど早いので専門家に相談しましょう。
6章 闇金問題に困っていたらすぐに専門家に相談を!
一度手を出してしまったら、自己破産しようが督促が止まらないのが闇金の怖いところです。
正規の貸金業者の借入やクレジットカードなど、通常の債務整理だけなら司法書士や弁護士が対応可能ですが闇金が絡んでくるとそうはいきません。
闇金に強いプロの弁護士でさえ手を焼くほど厄介な存在です。払う義務はないと分かっていても、法外な借金額を完済する以外は自分の力では到底解決することはできないでしょう。
まずは闇金問題を抱えてしまったらすぐに弁護士などの専門家に相談しましょう。
とにかく長期戦になればなるほど嫌がらせはエスカレートします。向こうが根負けすることは絶対にあり得ないので、早めの対応がおすすめです。
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よくあるご質問
- 自己破産をすると闇金の返済は免除される?
- 闇金は自己破産の手続きで処理することができません。
なぜなら、闇金は国の許可を受けた正規の貸金業者ではないからです。
自己破産と闇金の関係について詳しくはコチラ
- 闇金の借金は返済する必要がある?
- 闇金は法外な高金利や悪質な取立てを行うため貸付自体が公序良俗に反するとされています。
そのため、本来であれば闇金から督促が来ても払う義務はないのです。
闇金の返済義務について詳しくはコチラ