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- 自己破産をしても保険加入はできる
- 掛け捨て型・積立型問わず保険加入ができる
- 自己破産後も保険契約者貸付制度が利用できる
- 保険加入するときは自己破産歴を報告する必要はない
自己破産は、全ての借金の返済義務がなくなる代わりに、クレジットカードやローンの審査が通らなかったり、家や車を失ったりと生活への影響力が大きい手続きです。
そのため、「保険にも加入できないのでは?」と心配に思う方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、自己破産後でも保険加入は可能です。ただし、まだ破産前の段階で保険加入をしている場合は、今後解約になるおそれがあるので注意しましょう。
この記事では、自己破産後の保険加入について解説します。保険の加入や、保険契約者貸付制度を利用したいと考えている方は参考にしてください。
目次 ▼
1章 自己破産しても保険加入はできる
自己破産の手続きをすると、必要最低限の財産以外は全て手放すことになります。破産前に積み立て保険に入っており、解約返戻金が20万円以上になっている場合は財産と見なされるため、保険を解約しなくてはいけません。
破産手続きでは、解約返戻金額によっては保険を解約する必要がありますが、自己破産後の保険加入は制限されないのでご安心ください。
保険は、毎月決められた保険料を払うことで万が一のときに保障を受けられる仕組みのため、後払い制度のように信頼関係で成り立っている契約ではありません。
仮に、保険の支払いが滞った場合は保障がなくなるだけなので、保険会社に損失が生じることはないです。そのため、自己破産後でも保険に加入できます。
1-1 積立型の保険加入もできる
自己破産後も、保険の種類に限らず加入ができます。破産したからといって、加入する保険は制限されません。そのため、解約時に解約返戻金が発生する積立型の保険加入も可能です。
少しでも将来のためにお金を残せるメリットがありますが、その反面で保険料が高額なケースもあります。もし、破産後でお金に余裕がない場合は掛け捨て保険を検討しましょう。
掛け捨て保険は、支払った保険料が返ってこない代わりに保険料が安く設定されているケースが多いです。安いものだと1,000円前後から加入できるものもあるので、無理なく保険を利用できるでしょう。
2章 自己破産後も保険契約者貸付制度を利用できる
積立型の保険に加入する場合は、保険契約者貸付制度が利用できます。保険契約者貸付制度とは、保険の解約返戻金を担保にして保険会社からお金を借りられる制度です。
破産後はブラックリスト入りするので、最低でも7年は消費者金融や銀行からの借入ができません。しかし、保険契約者貸付制度だけ例外として利用が可能です。
ただし、保険契約者貸付制度も借金として見なされるため、借入した分だけ年利が適用されます。調子に乗って借入を続けると、積立したお金がもらえないおそれがあるので注意が必要です。
2-1 保険が失効する可能性がある
自己破産後も保険契約者貸付制度を利用できますが、借入額が増え続けると保険が失効する可能性があります。保険契約者貸付制度も、消費者金融の借金と同様に貸与限度額が設定されているので、貸与限度額を超えた借入はできません。
貸与限度額は、解約返戻金の7~8割程度が一般的です。解約返戻金の額を超えてしまうと、期限までに返済を求められます。もし返済できなかった場合は保険が失効してしまうので、保険契約者貸付制度を利用したい場合は絶対に返済できる金額にしましょう。
2-2 返済できないと保険金がもらえない
返済できないと、保険が失効するだけではなく積立した保険金がもらえません。保険の解約返戻金を担保にしているので、積立分は返済に充てられます。
また、借入したお金を返済していないと、保険を受け取れる状況になっても、返済額の分を差し引いたお金が振り込まれるので注意しましょう。
もし、手術や入院などで高額なお金が発生した場合でも、貰えるお金が減ってしまうので、結果的に支払いが苦しくなってしまいます。
返済できる自信がない場合は、最初から保険契約者貸付制度を利用しないようにしましょう。
3章 自己破産後に保険加入するときは申告が必要?
保険加入する場合、自己破産歴を申告する必要はありません。なぜなら、自己破産歴は保険加入の条件に関係していないからです。
保険は、事故や病気、障がいなど万が一の事態が発生したときに支払われます。現在の健康状態や過去の病歴、身体や精神の障がいの有無など、保険の対象になる項目は告知が必要です。
加入条件として記載されている項目以外は、保険加入に必要な情報ではありません。毎月支払いができるのであれば保険加入をしても問題ないでしょう。
3-1 自己破産歴は告知義務がない
保険は、毎月決められた保険料を払うことによって、万が一のときに保証が受けられる制度です。
自己破産歴に限らず、毎月保険料を払わなければどのみち保証が受けられないため、自己破産歴の告知義務はありません。逆に、自己破産歴があっても毎月保険料を払っていれば保険金は受け取れます。
自己破産したことを伝えなくても保険加入には影響しないため、バレたくない場合は告知しなくてよいでしょう。
4章 自己破産後に保険加入するときの注意点
自己破産後に保険加入する場合は、毎月の保険料と保険契約者貸付の2つに注意しましょう。
特に、保険契約者貸付は破産後でも借入できる特殊な制度です。ここで味を占めてしまうとまた返済に苦しむことになってしまいます。
保険契約者貸付は、解約返戻金の範囲内で限度額を設定しているので、支払いができなくても借金地獄にはなりません。しかし、保険契約者貸付の返済ができないと、万が一のときに満額保険金を受け取れない可能性があるでしょう。
どうしても利用しないといけない場合は、返済計画を立ててから利用するのが大切です。
4-1 保険料が家計を圧迫するので注意
自己破産後で経済的余裕がない状態のまま保険加入をすると、保険料が家計を圧迫して負担が生じるおそれがあります。特に、積立型の保険は高額なケースがあるため、焦って加入するのはおすすめしません。
破産者のなかでも、高額な保険に複数加入しており、家計を圧迫していたケースは少なくないです。同じ種類の保険に複数加入をしようとしている方や、保証が厚い高額な保険を考えている方は生活に影響が出ないか見直してみましょう。
4-2 インフレにも注意を払おう
積立型の保険はインフレに注意が必要です。保険は、契約したタイミングで金利が固定するので、インフレが起きて物価が上昇した場合、受け取れるお金の価値が実質的に低下する可能性が考えられるでしょう。
5章 自己破産で保険の解約を防ぎたいなら別の方法がおすすめ
破産前に積立型の保険に加入している場合、自己破産をすると解約になる可能性があります。
生命保険や学資保険など、今後の生活や将来に残しておきたい保険がある方は、自己破産以外の債務整理を検討しましょう。
自己破産と異なり、借金を返済する必要がありますが、保険を解約しなくてもよいので返済能力がある場合は別の債務整理も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
5-1 任意整理
任意整理とは、債務者と債権者が直接交渉し、債務者の返済負担を軽減する手続きです。交渉では、利息のカットや分割払いの適用など元金以外の返済条件を見直すケースが多いでしょう。
裁判所を通さないため手続きが簡易的で、弁護士や司法書士が代理人として交渉を行うのが一般的です。そのため、周りにバレることなく債務整理をしたい方に向いています。
手続きを終えて、残りの借金を返済している途中でも保険加入が可能ですが、自己破産と同じく消費者金融の借入やローンの利用などはできないため注意しましょう。
5-2 個人再生
個人再生とは、借金を大幅に減額し、残りの債務を原則3年間で分割返済する手続きです。個人再生は、裁判所を通じて手続きをするので時間がかかりますが、元金を減額できるので多額の借金に向いています。
個人再生は、家や車などの財産を残せる点もポイントです。現実的に返済が進められるだけではなく、保険以外の財産も手放さなくてよいのは大きなメリットではないでしょうか。
ただし、債務整理のなかでは手続きが最も複雑なため、専門家に相談しながら慎重に進めるようにしましょう。
6章 自己破産後の保険加入は保険料に注意しよう
自己破産後でも保険の加入は可能です。しかし、保険に加入すると毎月保険料の支払いが発生するため、金額によっては生活に影響が生じるおそれがあります。
また、契約者貸付制度を利用する場合は、保険料の支払いに加えて返済が必要になるため、さらに生活が苦しくなるでしょう。
自己破産で債務を全額免除したはずが、再び経済的に苦しむ事態に陥らないためにも、本当に必要か慎重に判断して保険を選ぶことが大切です。
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