お金がないのに結婚できる?費用相場や不安を解消するためにすべきこと

司法書士市川有美

監修者:グリーン司法書士法人   市川有美
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第9784号 【保有資格】司法書士

借金返済の知識
お金がないのに結婚できる?費用相場や不安を解消するためにすべきこと

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 この記事を読んでわかること
  • お金がなくても結婚できる理由と考え方
  • 結婚にかかる費用の目安と内訳
  • 費用を抑えて結婚する具体的な方法
  • 結婚後のお金の不安を減らすためのポイント
  • 借金がある場合の対処法

「結婚したい気持ちはあるけれど、お金がないのでためらっている……」
そんな不安を抱えている方は、少なくありません。特に、転職を繰り返して収入が安定していない場合や、貯金がほとんどない場合、「このまま結婚して大丈夫なのだろうか」と悩むことはよくあります。

お金がないからといって結婚をあきらめる必要はありません。ただし、現実的なお金の問題に向き合い、無理のない形で準備を進めることが大切です。

今回は、結婚にかかる費用の目安や、費用を抑える方法、結婚後の生活を安定させるためのポイントについて、解説します。

1章 お金がなくても結婚はできる!

婚姻自体は届け出を出すだけで完了しますが、披露宴などを行い、実際に新婚生活をスタートさせるにはまとまったお金が必要になります。とはいえ「お金がない=結婚できない」というわけではありません。実際、貯金がほとんどない状態で結婚している方も多くいらっしゃいます。

ただし、重要なのは「理想通りの結婚」をしようとするのではなく、「自分たちに合った結婚の形」を選ぶことです。結婚式や新婚旅行などにどこまでお金をかけるかは自由であり、必ずしも高額な費用をかける必要はありません。

一方で、結婚にはある程度の費用が必要であることも事実です。また、結婚後の生活費や将来の備えについても考えておく必要があります。

この記事では、「本当にお金がなくても大丈夫なのか?」という疑問に答えつつ、具体的な費用や対策について掘り下げていきます。

2章 結婚にかかる費用の相場はいくら?

「ゼクシィ 結婚トレンド調査2024」によると、結納や婚約から新婚旅行までにかかった費用の総額平均(首都圏)は、約492万円とされています。

この数字を見ると、「そんなに必要なの?」と不安に感じる方も多いかもしれません。ただし、この金額には、結納や両家の顔合わせ、婚約指輪・結婚指輪の購入費用なども含まれており、すべてのカップルに当てはまるものではありません。

実際、結婚にかかる費用は、どこにどれだけお金をかけるかによって大きく変わります。シンプルに済ませると数十万円で収まることもあれば、理想にこだわると数百万円規模になることもあります。

そのため、大切なのは「平均額」にとらわれすぎないことです。自分たちの収入や価値観に合った予算を考え、無理のない範囲で計画を立てるようにしましょう。

この章では、具体的な費用の目安やケース別の特徴、注意しておきたいポイントなどについて解説します。

2-1 結婚式・披露宴費用

首都圏の結婚式にかかる費用の相場は、374.8万円となっています(出典:「ゼクシィ 結婚トレンド調査2024調べ」)。結婚式にしっかりお金をかける人がいる一方で、近年は結婚式が多様化し、比較的手軽に行えるスタイルも人気を集めています。

たとえば、結婚式費用は内容によって次のように大きく異なります。

結婚式のスタイル費用目安特徴
一般的な披露宴(60名程度)250万〜350万円費用はかかるが満足度は高い
少人数婚(20名以下)80万〜150万円家族中心で費用を抑えやすい
挙式のみ20万〜80万円シンプルで負担が少ない
フォトウェディング5万〜30万円記念に写真だけ残したい方に

また、「結婚費用は、ご祝儀でほぼまかなえるだろう」という考えは危険です。実際には、事前に支払いをするケースがほとんどです。他にも、衣装や料理、装花などにこだわると、オプションで費用が嵩みやすくなってしまうため注意しましょう。

貯金がない場合、結婚式費用をカード払いやブライダルローンで賄う方もいます。しかし、返済負担が結婚後に重くのしかかる可能性があり、無理をするのは避けた方が賢明です。

2-2 新婚旅行費用

首都圏の新婚旅行にかかる費用の相場は、お土産代を含めて71.5万円となっています(出典:「ゼクシィ 結婚トレンド調査2024調べ」)。

ただし、新婚旅行は「必須の支出」ではなく、調整しやすい費用といえるでしょう。「結婚後に資金をためてから行く」という選択も現実的です。また、海外と国内どちらに行くのかなど、行き先によってもかかる費用は違ってきます。

2-3 新生活の準備費用

先の「結納や婚約から新婚旅行までにかかった費用」には、新生活の準備費用は含まれていません。しかし、結婚後には新たな生活が始まります。見落とされがちですが、新生活費用は意外と負担が大きくなりやすい部分です。

  • 新居への入居にかかる費用(敷金・礼金・仲介手数料などの初期費用も)
  • 引越し費用
  • 家具の購入にかかる費用
  • 家電製品の購入にかかる費用

一度に全部揃えようとすると費用が嵩むため、すでにある物を使う、必要最低限からスタートするなど臨機応変に考えましょう。

3章 お金がなくても結婚する方法

お金がない状況で結婚を考える場合、「何を削るか」より「何を優先するか」に焦点を当てて考えることが重要です。すべてを我慢するのではなく、自分たちにとって本当に大切な部分にだけお金を使うことで、満足度を保ちながら費用を抑えることが可能になります。

また、使える制度や支援を知らないまま自己負担だけで乗り切ろうとすると、必要以上に苦しくなることもあります。特に最近は、若年世帯向けの支援制度が拡充されているため、情報を知っているかどうかで大きな差が生まれます。

この章では、現実的かつ実践しやすい方法を具体的に紹介します。

3-1 結婚式・披露宴をしない・小規模にする

結婚費用を最も左右するのが「結婚式や披露宴をどうするのか」です。結婚をするために、結婚式や披露宴は「必ず必要なもの」ではありません。当然、生活を圧迫してまで行うものではないといえるでしょう。

また、最近の傾向として次のような結婚スタイルも人気を集めています。

  • ナシ婚(入籍はするものの、結婚式や披露宴を挙げない結婚の形式)
  • 家族婚(両親、兄弟、祖父母などの親族や、ごく親しい友人だけを招待する小規模な結婚式)
  • フォトウェディング(結婚式はなく、写真撮影だけ行う)

理由としては、「結婚式以外(新居、旅行など)にお金をかけたい」「準備が大変で時間がない」「形式にこだわらない」などがあげられています。また、家族婚は、費用を抑えつつ、感謝を伝える式を重視したい方に人気です。

3-2 公的支援や助成金を利用する

結婚にかかる費用を抑える方法として、公的支援や助成金の活用があります。これらの制度は、自分で申請しないと受け取れないものがほとんどです。

また、どのような支援があるかは自治体によって異なります。自分が対象になるかどうか、事前に確認しておきましょう。「〇〇市 結婚 支援」といったキーワードで検索すると、利用できる制度を調べることができます。

代表的な制度や支援内容は、次のとおりです。

制度名内容支給額の目安ポイント
結婚新生活支援事業費補助金家賃・引っ越し費用などを補助最大約60万円若年・所得制限あり
移住支援金地方移住+起業・就業等で支給最大100万円以上東京圏からの移住が対象になることが多い
新婚世帯向け住宅支援家賃・引っ越し費用や住宅購入補助など月1〜3万円、または数十万円自治体独自の制度が多い
奨学金返済支援奨学金の返済を補助年数十万円地方就職などの条件あり
企業の結婚支援制度結婚祝い金・住宅手当など数万円〜数十万円勤務先の制度を要確認

なお、制度によっては年齢や所得の条件があったり、申請できる期間が短かったりするため、事前に確認しておくことが大切です。

3-3 新婚旅行の費用を抑える

結婚後に、すぐに新婚旅行に行かないカップルも少なくありません。急いで行こうとせずに、費用を貯めてから将来実現するのも1つの選択肢です。

また、旅行先が国内か海外かでも費用が大きく変わります。新婚旅行は、自分たちの意思で費用を最も節約できる部分でもあるので、慎重に検討しましょう。たとえば、次のような選択肢も加えてみるとよいでしょう。

  • 近場の旅行にする
  • オフシーズンを選ぶ
  • 平日を選ぶ
  • パッケージツアーを利用する

4章 結婚後のお金の不安を解消するためにすべきこと

「結婚後の生活をしていくうえでお金が足りるのか?」という不安は、多くの新婚夫婦にとって共通の問題です。実際に、結婚後に家計管理がうまくいかず、借金が増えてしまうケースもあります。

特に、収入が不安定な場合や、すでに借入がある場合は、事前の対策がその後の生活を大きく左右します。

この章では、結婚後のお金の不安や懸念点を解消するために、取り組むべきポイントを具体的に解説します。

4-1 結婚後の収支について計画を立てる

結婚後の生活を安定させるためには、2人でお金についてしっかり話し合い、収入と支出を具体的に把握することが大切です。なんとなく生活するのではなく、「毎月いくら入って、いくら出ていくのか」を見える形にしておきましょう。

具体的には、次のような点を整理していきます。

  • それぞれの手取り収入はいくらか
  • 毎月必ずかかる固定費(家賃・通信費・保険料など)はいくらか
  • 食費や日用品などの変動費はどの程度か

項目ごとに整理すると、「どこにお金がかかっているのか」「削減できる部分はどこか」が見えてくるでしょう。

中でも、注意したいのは家賃です。新婚世帯(2人暮らし)の場合、家賃は夫婦の合計手取り月収の20%〜25%程度、上限でも30%以内に収めるのが一般的な目安とされています。
こうした準備をしておくことで、「結婚後にお金が足りない」といった不安を大きく減らすことができます。

4-2 将来に向けて貯金をする

収入と支出が見えるようになったら、将来に向けた貯金についても考えます。結婚後は、引っ越しや出産など、まとまったお金が必要になる場面が増えていくため、早い段階から計画的に貯金を始めることが大切です。

貯金の目安としては、夫婦の合計手取り月収の10%以上、できれば15%以上を確保できるとよいでしょう。また、ボーナスなどの臨時収入は、できるだけまとまった貯蓄に回すことで、効率よくお金を増やすことができます。

継続のコツとしては、次のような方法が有効です。

  • 給料が入ったら先に貯金分を確保する「先取り貯金」
  • 自動的に積み立てができる「自動積立」
  • 生活費とは別口座で管理する

このように仕組み化しておくと、「余ったら貯める」ではなく「確実に貯まる状態」を作ることができます。

4-3 すでに借金がある場合には債務整理を検討する

結婚を控えているものの、借金があることを打ち明けられずに悩んでいる方もおられるかもしれません。結婚したからといって、必ずしも相手に借金が知られるわけではありませんが、後になって発覚すると、信頼関係に影響を及ぼすおそれがあります。できるだけ早い段階で、正直に伝えておくことが大切です。

また、借金がある場合は、結婚前にどこまで整理できるかによって、結婚後の生活の安定度が大きく変わります。返済の負担が重いままだと、生活費や貯金に回せるお金が限られてしまうため、早めに対策を考えておくことが重要です。

こうした場合に検討したいのが「債務整理」です。債務整理とは、法律に基づいて借金の負担を軽減したり、場合によっては支払いを免除してもらったりする手続きの総称です。結婚を機に生活を安定させたいと考えている方にとって、有力な選択肢の一つといえるでしょう。

この章では、代表的な3つの債務整理の手続きについて紹介します。

4-3-1 任意整理

「任意整理」とは、裁判所を通さずに債権者と交渉し、借金の返済条件の見直しを交渉する方法です。裁判所を介さない分、比較的気軽にできる手続きです。

また、任意整理は、整理の対象に含める債権者を選ぶことができるため、自動車ローンや保証人付きの債務を除外したい場合にも柔軟に対応できます。

【任意整理の特徴】
対象支払いが困難な債務のみの選択が可能
メリット将来利息のカット、毎月の返済額軽減
デメリット信用情報への登録(ブラックリスト)

4-3-2 個人再生

「個人再生」とは、大幅に減額してもらった借金を原則3年間で完済するよう再生計画案を作成し、裁判所に認可をもらう手続きです。

住宅ローンの支払いを続けながら整理することも可能です。

【個人再生の特徴】
対象安定した収入がある個人
メリット大幅な債務の減額が可能・住宅の維持が可能
デメリット官報公告の掲載、信用情報への登録(ブラックリスト)、手続きが複雑

4-3-3 自己破産

「自己破産」とは、税金の滞納分などを除いた借金の返済義務を法的に免除してもらう手続きです。生活再建の最終手段として利用されることが多く、収入がない人でも申立が可能です。

【自己破産の特徴】
対象収入や返済能力がない人
メリット借金が全額免除される
デメリット財産の処分、官報公告の掲載、信用情報への登録(ブラックリスト)、一定の職業制限(一時的)

5章 結婚したいのにお金がない場合に相談できる専門家

お金の不安は、知識の不足や判断の難しさによって大きくなりがちです。特に結婚という人生の節目では、一時の感情だけで判断してしまい、後から後悔するケースも少なくありません。

そのため、客観的な視点でアドバイスをもらえる専門家の存在は非常に重要です。相談することで、現実的な選択肢が整理され、「今やるべきこと」が明確になるでしょう。

5-1 ファイナンシャルプランナー(FP)

結婚して、「このままの収入で生活していけるのか」「将来お金に困ることはないか」といった不安を感じている場合は、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談するのも一つの方法です。

FPは、家計の見直しや将来設計についてアドバイスを行うお金の専門家です。現在の収入や支出、貯蓄状況などをもとに、無理のないライフプランを一緒に考えてくれます。
たとえば、

  • 結婚後の生活費は毎月どのくらい必要か
  • 子どもができた場合、教育費はどの程度かかるのか
  • どのくらいの金額であれば無理なく貯金を続けられるか

といった疑問について、具体的な数字で整理してもらえるのが大きなメリットです。

なお、FPの相談には無料と有料のものがあります。無料相談の場合は、保険や金融商品の提案を前提としているケースも多いため、相談の目的に応じて選ぶことが大切です。

5-2 司法書士・弁護士

すでに借金がある場合は、司法書士や弁護士といった法律の専門家への相談を検討することをおすすめします。

結婚は生活のスタートでもあるため、借金問題を抱えたままにしてしまうと、結婚後の生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。たとえば、毎月の返済負担が重く、生活費や貯金に回せるお金が不足してしまうケースも少なくありません。

司法書士や弁護士は、こうした借金問題に対して、状況に応じた解決方法(債務整理)を提案し、手続きをサポートします。

司法書士は、比較的少額の債務整理に強みがあり、費用を抑えながら手続きを進められる点が特徴です。

  • 1社あたり140万円以下の借入について代理可能
  • 任意整理を中心に柔軟な対応ができる
  • 弁護士に比べて費用が抑えられるケースが多い

そのため、「借金はあるけれど、そこまで高額ではない」「まずは負担を軽くしたい」という方に向いています。

結婚を機に生活を立て直したいと考えている場合は、早い段階で相談することで、選択肢も広がりやすくなります。ただし、相談したら必ず手続きをしなければならないというわけではありません。まずは現状を整理し、どのような方法があるのかを知るだけでも大きな一歩になるでしょう。

6章 まとめ

お金がない状態でも、結婚そのものは十分に可能です。結婚後の生活を見据えた準備や、必要に応じた専門家への相談によって、不安を大きく軽減することができるでしょう。特に借金がある場合には、早めの対応が将来を左右することもあります。

「お金がないから結婚できない」とあきらめるのではなく、「どうすれば実現できるか」を考えて行動することが、より良いスタートにつながります。

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