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- クレカの支払いに間に合わないとどうなるのか
- クレカの支払いに間に合わない場合にすべきこと・できること
- クレカの支払いに間に合わない場合にやってはいけないNG行為
クレジットカードの支払いは、期日までに行うことが基本です。しかし、急な出費や収入の変動などで、どうしても支払いに間に合わないこともあるでしょう。
そんなときに焦って誤った対応をしてしまうと、より大きなトラブルに発展する可能性があります。
今回は、支払いに間に合わないときに起きること、正しい対処法、そして避けるべきNG行動について解説します。
目次 ▼
1章 クレカの支払いに間に合わないと起きること
クレジットカードの支払いが遅れると、たった1日の遅れでも「遅延」として扱われます。もちろん、1回の支払遅延でクレジットカードの利用が停止されることはありませんが、さまざまな不利益が生じる可能性があります。
特に、信用情報に事故情報が登録されてしまうと、今後の信用取引に大きな影響を受けるため注意が必要です。
この章では、支払い遅延によって起きる可能性のあることを、時間軸に沿って解説します。
1-1 遅延損害金が発生する
支払い期日を1日でも過ぎると、「遅延損害金」が発生します。
遅延損害金はカード会社が設定している実質年率で計算され、年率14.6%程度であることがほとんどです。
〈100,000円の利用で30日滞納した場合の計算例〉
100,000円 × 14.6% ÷ 365日 × 30日=1,200円(遅延損害金)
| 利用額 | 年率 | 遅延日数 | 遅延損害金 |
|---|---|---|---|
| 100,000円 | 14.60% | 30日 | 1,200円 |
1-2 電話・督促状が届く
支払いが数日遅れると、クレジットカード会社から電話やメール、郵便での督促が始まります。
これらは厳しい督促ではありませんが、無視を続けると法的措置に発展する可能性もあります。この時点で支払い遅れに気づいたら、すぐさま対応しましょう。
1-3 クレジットカードが利用停止となる
督促に対して無視をするなどして延滞が続くと、クレジットカードの利用が一時的に停止され、新たな買い物やキャッシングができなくなります。
クレジットカード利用停止の時期は、カード会社によって異なります。
1-4 信用情報機関の事故情報に登録される
61日以上、または3か月以上の延滞があると、信用情報機関に「事故(異動)情報」として記録されます。これは一般的に「ブラックリストに載る」と言われる状態です。
- ◆信用情報機関とは
- 信用情報機関とは、個人のクレジットやローンの申し込み・契約・取引に関する情報について、加盟各社が「客観的事実」を登録している外部機関です。
なお、主な信用情報機関として次の3つがあります。
| 信用情報機関 | 主な加盟会社 |
|---|---|
| 株式会社シー・アイ・シー(CIC) | クレジット会社全般 |
| 株式会社日本信用情報機構(JICC) | 消費者金融・信販会社 |
| 全国銀行個人信用情報センター(KSC・全銀協) | 銀行系カードなど |
1-5 クレカが強制解約される
信用情報機関への事故情報の登録や支払いの延滞が続くと、契約違反としてカードが強制的に解約される可能性が非常に高くなります。
強制解約されてしまうと、もちろんカードの再発行はできないばかりか、他社への新規申し込みをしても、この時点でのクレジットカード取得は難しいでしょう。
1-6 購入物の返還を求められる
高額な商品を分割払いで購入した場合、完済するまではカード会社が所有権を持つ(所有権留保)ことがあります。その場合、契約解除により購入物の返還を求められることがあります。
- ◆所有権留保とは
- 所有権留保とは、代金が完済されるまでの間、商品の所有権が購入者ではなくカード会社に留め置かれることです。
1-7 一括請求される
さらに延滞が続くと、カード会社から「期限の利益の喪失」を理由に、遅延損害金を含めた残高全額を一括請求される可能性があります。
- ◆期限の利益の喪失とは
- 期限の利益とは、借金などの債務を負った人が、期限が到来するまで返済をしなくてもよいという権利(利益)のことです。契約違反などで、その権利を失うことを「期限の利益の喪失」といいます。
1-8 訴訟をおこされる
それでも放置を続けていると、クレジットカード会社が法的手段を取る可能性が高くなります。
裁判所から支払督促や訴状が届くこともあり、何の対応もしないでいると欠席のまま判決が出てしまいます。
1-9 財産を差し押さえられる
最終的に、裁判所の判決や仮執行宣言つき支払督促によって、「強制執行」が行われる可能性があります。
強制執行では、預貯金や給与が差し押さえられる可能性があり、ここまでくると回避は困難です。
2章 クレカの支払いに間に合わないときにすべきこと
支払いに間に合わないと気づいたら、早めに行動することで被害を小さく抑えることができます。連絡を怠って「後悔先に立たず」という状況にならないようにしましょう。
この章では、実際に支払えない場合にすべきこと・取れる手立てについて解説します。
2-1 クレジットカード会社に連絡・相談する
支払いに間に合わないときは、まずカード会社に連絡しましょう。支払日までにお金を用意できないことや、いつまでに支払いが可能かを伝えます。
クレジットカード会社によっては、再度の引落しや振込みなどを提案される場合があります。真摯な態度で相談をすることで、数日〜1週間程度の支払い猶予を得られることもあります。
2-2 分割払いに変更する
一括払いが難しい場合は、支払い方法を分割払いに変更できることもあります。変更の期限はクレジットカード会社によって異なるため、早めに確認しましょう。
2-3 家族や知人からお金を借りる
一時的な資金の不足により支払いが間に合わない場合は、信頼できる家族や親しい知人に相談するのも一つの方法です。正直に事情を話して、お金を借りられないか頼んでみましょう。
ただし、返済期日を明確にして、決めた約束を必ず守ることは、身内であっても鉄則です。
2-4 公的制度を利用する
生活に困窮している場合には、次のような公的支援が受けられる可能性があります。
・生活福祉資金貸付制度
社会福祉協議会により低所得者や高齢者、障害者に貸付を行う制度です。
詳しくは、各市区町村の社会福祉協議会にお問い合わせください。
| 総合支援資金 | ・生活支援費 ・住宅入居費 ・一時生活再建費 |
|---|---|
| 福祉資金 | ・福祉費 ・緊急小口資金 |
| 教育支援資金 | ・教育支援費 ・就学支度費 |
・生活困窮者自立支援制度
生活困窮者自立支援制度では、次のような支援を行っています。
詳しくは、お住まいの地域の自立相談支援機関にお問い合わせください。
- 自立相談支援
- 住居確保給付金の支給
- 就労準備支援
- 家計改善支援
- 就労訓練
- 生活困窮世帯の子どもの学習・生活支援
- 一時生活支援
2-5 不用品を売却する
自宅にある不用品をフリマアプリで、またはリサイクルショップに売却することで、支払いの資金を作ることができます。
2-6 従業員貸付制度を利用する
勤務先によっては、従業員に向けた福利厚生の一環として「従業員貸付制度」を導入している場合があります。
低金利または無利子で資金を借りられる可能性があるため、就業規則を確認してみましょう。
2-7 日雇いアルバイトをする
現金が即日で支払われる、日雇いアルバイトを活用するのもよいでしょう。急場のピンチをしのげる可能性があります。
3章 クレカの支払いに間に合わないときにやってはいけないこと
支払いに間に合わないという焦りから、判断を誤ってしまうこともあります。その場はしのげても、長期的に見て取り返しのつかないリスクを負う行動をとってしまっては、本末転倒です。
この章では、支払いに間に合わないとわかったときに「絶対に避けるべき行動」について解説します。
3-1 クレジットカード会社の連絡を無視する
クレジットカード会社からの連絡を無視をし続けていると、信用情報に事故情報が登録された上に、カードの強制解約や法的措置に発展するリスクが高まります。
3-2 闇金業者・SNSの個人間融資を利用する
「即日融資」「審査不要」などの、甘い言葉で誘いをかける業者の多くは闇金です。
- ◆闇金とは
- 闇金とは、「出資法」の上限金利(年20.0%)を超える違法な高金利でお金を貸す貸金業者のことです。
苦しいからと借りてしまうと、法外な金利で借金が膨らみ今後の人生を壊されかねません。
また、闇金から借りたお金を滞納すると、電話口で恫喝されたり勤務先に電話・訪問されたりするなど、違法な手段で取り立てをされる可能性があります。
闇金業者やSNSの個人間融資を利用することは、絶対に止めましょう。
3-3 闇バイトをする
「ホワイト案件・高額バイト」などをうたう闇バイトは犯罪行為であり、そんなつもりはなくても「特殊詐欺」や「強盗」等の犯罪行為に加担させられるリスクがあります。
絶対に手を出すのは止めましょう。
3-4 別のクレジットカードで現金化をする
「クレジットカードの現金化」とは、ショッピング枠で購入した高額の商品を現金化する行為です。カード会社の利用規約に違反する行為であり、強制解約や損害賠償の対象となることもあります。
また、債務整理(自己破産)をする場合に「免責不許可事由」に該当するとして、裁判所に借金の免除が認められない可能性があります。
3-5 カードローンを利用して支払う
クレカの支払いをするために、カードローンや別のクレジットカードでキャッシングすることはおすすめできません。
借金を返済するために借金をする「自転車操業」は、さらなる借金の増加をまねくだけで、根本的な解決にはなりません。
どうしても支払えない場合は、債務整理など法的手段を検討しましょう。
4章 クレカの支払いが難しければ債務整理を検討しよう
「カード会社に相談をしても支払いが難しい」「以前から借金があり、すでに自転車操業に陥っている」などの状況には、債務整理が有効です。
債務整理とは、借金を減らしたり支払いに猶予を持たせたりすることで、借金の悩みを解決できる手続きです。クレジットカードの債務も対象になります。
債務整理には主に次の3つの方法がありますが、クレジットカードが返済できない場合は「任意整理」が効果的です。
4-1 任意整理
「任意整理」とは、裁判所を通さずに債権者と交渉し、借金額や支払い方法などを見直して、返済の負担を減らす手続きです。今より家計の負担が減り、生活が楽になったと実感できるでしょう。
ただし、任意整理では元金自体は減額されないため、債務額が高額な人には向いていません。
任意整理は、整理の対象に含める債権者を選ぶことができるため、自動車ローンや保証人付きの債務を除外したい場合にも柔軟に対応できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 支払が困難な債務のみの選択が可能 |
| メリット | 将来利息のカット、毎月の返済額軽減 |
| デメリット | 信用情報への登録(ブラックリスト) |
4-2 個人再生
「個人再生」とは、大幅に減額してもらった借金を原則3年間で完済するよう再生計画案を作成し、裁判所に認可をもらう手続きです。具体的には、借金の元本を5分の1程度に減額でき、再生計画どおりに完済すると、減額した分の借金について支払義務がなくなります。
住宅ローンを抱えている方でも、家を失わずに借金を整理できるという大きなメリットがあります。
ただし、一定の安定収入があることが前提となるため、無職や不安定な収入状況では利用が難しい場合もあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 安定した収入がある個人 |
| メリット | 大幅な債務の減額が可能、住宅の維持が可能 |
| デメリット | 官報公告掲載、信用情報への登録(ブラックリスト)、手続きが複雑 |
4-3 自己破産
「自己破産」とは、税金の滞納分などを除いた借金の返済義務を法的に免除してもらう手続きです。
原則的に返済義務がなくなるという大きなメリットがある一方で、持ち家や車など高価な財産を失うリスクがあります。
また、免責不許可事由(ギャンブルや浪費など)に該当する行為がある人は注意が必要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 収入や返済能力がない人 |
| メリット | 借金が全額免除される |
| デメリット | 財産の処分、官報公告掲載、一定職業制限(一時的)、信用情報への登録(ブラックリスト) |
まとめ
これまでご紹介した債務整理のどの手続きでも、個人の信用情報に事故情報が登録されます。いわゆる、ブラックリストに載るという状態です。
そのため、数年間は新規のクレジットカード発行やローンの申し込みができないといったデメリットが発生します。
しかし、クレジットカードが一時的に利用できなくなることで浪費が減り、家計の収支バランスを健全化できたという人は少なくありません。借金のお悩みを解決するには、状況に応じた適切な債務整理が効果的です。
グリーン司法書士法人では、これまで7,000件以上の債務整理相談を受任・解決してきた実績があり、安心してご相談・ご依頼いただけます。
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